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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
スーパーサンマ大祭 ～炭は燃えているか～
【お祭りを一緒に】
（普段と違う装いだと、また格別だな）
浴衣のせいで、心が浮き立っているのだろうか。
浮舟 久雨は、心なしか周囲からの視線を感じるようでもあった。
「おーい、そこの浴衣の子～！」
振り向くと、隣のクラスの四野辺 蘭月が手を振って駆けてくる。
「お祭り、一人で来てるん？ よかったら、あたしと一緒に回らへん？」
「うむ、構わないが」
「よかった～。お祭りも、誰かと一緒におったほうが、全力出して遊べるもんな！」
「全力を出すとは、何をするんだ？」
ちっちっち、と蘭月は指を振る。
「アカンで、祭りはハイテンションになった者勝ちや！ 見てるだけとかはアカン。積極的に参加せな！」
まずは屋台を全部制覇しようと、蘭月は目標を大きく掲げた。
「全部か。すごいな」
「……とは言ってもな、あたしもお金使い過ぎちゃうってわかってたから、三千円しか持ってきてないねん」
「ほほう、なかなかに堅実なのだな」
「けど、財布の中身以上に楽しむんや！ 盛り上がっていくでー！」
帰りのバス代まではき出すという蘭月に、そのくらいは取っておけるように注意をしておいてあげようと、久雨は思った。
「まず何して遊ぼっか！」
久雨は金魚すくいの店を指さした。
「実は、金魚すくいとやらを一度やってみたかったんだ」
「オッケー！ あたし、そういう細かい作業は下手なんやけど、盛り上げるのは得意やで！」
蘭月の声援を受けて、久雨は金魚すくいに初挑戦した。
「ふむ。……まずは落ち着いて、思い切り……か。それ！」
「うっまーい！ なんや、上手やんかー！」
「ほう……、楽しいものだな」
「あ～あ、あたしはやっぱりアカンかぁ～」
下手だと宣言した通り、蘭月は一匹もすくえないうちに、紙がふやけて破れてしまった。
「さっと動かすのがコツだと思う」
初めてにもかかわらず、久雨は紙が破れるまでに、何匹もの金魚をすくうことができた。
しかし、こんなにたくさんは必要ないと思ったので、久雨は元気の良い赤い金魚と、最後にすくった黒の出目金を一匹ずつもらうことにして、残りは蘭月にプレゼントした。
「ええの！？ ありがとなぁ～！」
「付き合ってもらったからな。私も、帰ったら金魚鉢に入れて飼ってみることにするよ」
「風流やな～。金魚かわええなぁ」
喜ぶ蘭月が、あっと指さす。
「金魚の浴衣の子がおるで」
見ると、伊賀 解理がリンゴ飴をかじりながら歩いてくるところだった。
「おや、追いかけっこの決着はついたのか？」
久雨が、解理に声をかける。
「ああ、草薙氏かい。リンゴ飴を放り投げられた隙に見失ったんだよ……。まあ、これで許してやろうと思ってね」
「そうか」
「金魚の浴衣もかわええなぁ！ そうや、一緒にお祭り見て回らへんか？」
蘭月が、解理を誘う。人数は多いほうがきっと楽しい。
「えっ、僕かい？ も、もちろんいいとも。よろしく頼むよ」
「うん！ おいしそうなお店がたくさんあるしな、いろいろ食べて回ろう思うんや！」
買い物好きの血が騒ぐと言って、蘭月は張り切った。
「……うーん、こういう出店の食べ物って、どんなものなのだろうねぇ。いかにもお祭りって感じの味なんだろうか」
ためらいがちに、解理がつぶやいた。
「考えたらアカン。気持ちの問題やから、やったー！ って思っとったらええんや」
「うむぅ、そうだね、皆も頑張って作っているのだろうし、試してみないことには始まらないか」
「そうやぁ、お祭りばんざいやでぇ！」
蘭月と久雨、解理の三人は、『ちくわくん』のいる屋台にやって来た。
「いらっしゃ～い！ 寄ってって～！」
キレのあるダンスを披露して、新井 すばるが手招きをする。
「海産物か～、おいしそうやなぁ！」
「おいしいよ～！ 最高だよ～！」
「では、これをいただこうか」
「まいどあり～！ はい、焼きたてだよ～！」
さっと三本、すばるがちくわを手渡す。
「……む、けっこうおいしいじゃないか」
解理が目を丸くした。
「でしょ～！」
「しかしその、着ぐるみは暑くはないのか？」
久雨が、素朴な疑問を口にする。
「平気だよ～！」
華麗なターンを決めて、すばるは久雨に耳打ちをした。
「ふふふ、ここだけの話だけどね、ろっこんの作用で中から冷やしてるんだ。そう、空冷ってわけ」
「なるほど、それなら安心か」
「触ってみていいよ、抱きついてごらん？ ひんやりして気持ちいいから～」
そっと久雨が触れてみると、たしかに内側からじわじわ冷たさが伝わってくるようだ。
すばるは大げさにうなって言った。
「そういう意味では、サンマさんはすごいよね。この暑いのにあの隙のなさ。着ぐるみのライバルとして感心しちゃうよ、恐るべし！」
（普段と違う装いだと、また格別だな）
浴衣のせいで、心が浮き立っているのだろうか。
浮舟 久雨は、心なしか周囲からの視線を感じるようでもあった。
「おーい、そこの浴衣の子～！」
振り向くと、隣のクラスの四野辺 蘭月が手を振って駆けてくる。
「お祭り、一人で来てるん？ よかったら、あたしと一緒に回らへん？」
「うむ、構わないが」
「よかった～。お祭りも、誰かと一緒におったほうが、全力出して遊べるもんな！」
「全力を出すとは、何をするんだ？」
ちっちっち、と蘭月は指を振る。
「アカンで、祭りはハイテンションになった者勝ちや！ 見てるだけとかはアカン。積極的に参加せな！」
まずは屋台を全部制覇しようと、蘭月は目標を大きく掲げた。
「全部か。すごいな」
「……とは言ってもな、あたしもお金使い過ぎちゃうってわかってたから、三千円しか持ってきてないねん」
「ほほう、なかなかに堅実なのだな」
「けど、財布の中身以上に楽しむんや！ 盛り上がっていくでー！」
帰りのバス代まではき出すという蘭月に、そのくらいは取っておけるように注意をしておいてあげようと、久雨は思った。
「まず何して遊ぼっか！」
久雨は金魚すくいの店を指さした。
「実は、金魚すくいとやらを一度やってみたかったんだ」
「オッケー！ あたし、そういう細かい作業は下手なんやけど、盛り上げるのは得意やで！」
蘭月の声援を受けて、久雨は金魚すくいに初挑戦した。
「ふむ。……まずは落ち着いて、思い切り……か。それ！」
「うっまーい！ なんや、上手やんかー！」
「ほう……、楽しいものだな」
「あ～あ、あたしはやっぱりアカンかぁ～」
下手だと宣言した通り、蘭月は一匹もすくえないうちに、紙がふやけて破れてしまった。
「さっと動かすのがコツだと思う」
初めてにもかかわらず、久雨は紙が破れるまでに、何匹もの金魚をすくうことができた。
しかし、こんなにたくさんは必要ないと思ったので、久雨は元気の良い赤い金魚と、最後にすくった黒の出目金を一匹ずつもらうことにして、残りは蘭月にプレゼントした。
「ええの！？ ありがとなぁ～！」
「付き合ってもらったからな。私も、帰ったら金魚鉢に入れて飼ってみることにするよ」
「風流やな～。金魚かわええなぁ」
喜ぶ蘭月が、あっと指さす。
「金魚の浴衣の子がおるで」
見ると、伊賀 解理がリンゴ飴をかじりながら歩いてくるところだった。
「おや、追いかけっこの決着はついたのか？」
久雨が、解理に声をかける。
「ああ、草薙氏かい。リンゴ飴を放り投げられた隙に見失ったんだよ……。まあ、これで許してやろうと思ってね」
「そうか」
「金魚の浴衣もかわええなぁ！ そうや、一緒にお祭り見て回らへんか？」
蘭月が、解理を誘う。人数は多いほうがきっと楽しい。
「えっ、僕かい？ も、もちろんいいとも。よろしく頼むよ」
「うん！ おいしそうなお店がたくさんあるしな、いろいろ食べて回ろう思うんや！」
買い物好きの血が騒ぐと言って、蘭月は張り切った。
「……うーん、こういう出店の食べ物って、どんなものなのだろうねぇ。いかにもお祭りって感じの味なんだろうか」
ためらいがちに、解理がつぶやいた。
「考えたらアカン。気持ちの問題やから、やったー！ って思っとったらええんや」
「うむぅ、そうだね、皆も頑張って作っているのだろうし、試してみないことには始まらないか」
「そうやぁ、お祭りばんざいやでぇ！」
蘭月と久雨、解理の三人は、『ちくわくん』のいる屋台にやって来た。
「いらっしゃ～い！ 寄ってって～！」
キレのあるダンスを披露して、新井 すばるが手招きをする。
「海産物か～、おいしそうやなぁ！」
「おいしいよ～！ 最高だよ～！」
「では、これをいただこうか」
「まいどあり～！ はい、焼きたてだよ～！」
さっと三本、すばるがちくわを手渡す。
「……む、けっこうおいしいじゃないか」
解理が目を丸くした。
「でしょ～！」
「しかしその、着ぐるみは暑くはないのか？」
久雨が、素朴な疑問を口にする。
「平気だよ～！」
華麗なターンを決めて、すばるは久雨に耳打ちをした。
「ふふふ、ここだけの話だけどね、ろっこんの作用で中から冷やしてるんだ。そう、空冷ってわけ」
「なるほど、それなら安心か」
「触ってみていいよ、抱きついてごらん？ ひんやりして気持ちいいから～」
そっと久雨が触れてみると、たしかに内側からじわじわ冷たさが伝わってくるようだ。
すばるは大げさにうなって言った。
「そういう意味では、サンマさんはすごいよね。この暑いのにあの隙のなさ。着ぐるみのライバルとして感心しちゃうよ、恐るべし！」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年07月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年07月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年07月25日 11時00分
