スーパーサンマ大祭　～炭は燃えているか～｜リアクション

スーパーサンマ大祭　～炭は燃えているか～

【MVPの発表だ】

「いよいよ、本日のMVPの発表なんだぜ～！」
　特設ステージに上がったサンマさんが宣言をした。
「準備段階から、海岸の清掃、そして祭り！　全部ひっくるめて、これはと思った寝子島ボーイズ＆ガールズに、俺からスペシャルなプレゼントだ！」
　人が集まってくる中、サンマさんはドラムロールのBGMを流した。
「名前を呼ばれたらステージに上がってくるんだぜ！　まずは三位！」
　ここが取材のしどころだ。
　八神修もカメラを構えて、シャッターチャンスを待っている。

「スーパーサンマ大祭、盛り上げてくれた第三位は、四野辺蘭月さーん！」
　わっと拍手が起こる中、蘭月は満面の笑顔でステージに上がった。
「ほんまにあたしがもらってええの～！？」
「全力で祭りを楽しんでくれたからな！　おめでとう、これは俺からのプレゼントさ」
　サンマさんが蘭月に、『サンマさんお風呂ポスター』を手渡した。
「まさにハイテンションっていうコンセプトを満たしてくれた、四野辺蘭月さんに盛大な拍手～！」
「ありがとなぁ～！　ポスターめっちゃ使うわぁ！」

「続いて二位の発表なんだぜ。第二位は、……維都月茉菜さんだー！」
　拍手に混じって、「プロマイドの子だ」と、声が上がる。
「うわぁ、あたし！？　やったぁ、サンマさんありがとう！」
「礼を言うのは俺のほうなんだぜ、俺を通じて寝子島の魅力をアピールしてくれたんだからなっ」
　茉菜に、『サンマさんプリントシーツ』が贈呈された。
「俺と一緒に、いい夢みてくれよなっ」

「そして本日のMVP！　第一位に輝いたのは、浅沼柳司さん－！」
　子供に囲まれて、『ヨーヨーで戦う魔王ごっこ』をしていた柳司は、慌ててステージに上がってきた。
「えっ、俺？　びびったわ～」
「浅沼柳司さんは、砂浜に笑顔をもたらしてくれたからな、感謝の気持ちをこめてのMVPなんだぜ～」
　サンマさんが柳司に、『サンマさん等身大抱き枕』をプレゼントした。
「お、おう！？　でかっ！　ありがたく使わせてもらうわ……」
「抱きしめて眠っちゃってもいいんだぜ！」
「……おう」
　会場から、羨ましがる声があがる。

　ステージから下りてくる受賞者たちに、修は声をかけた。
「受賞者は、写真つきでホームページで紹介されるから、確認してくれ。あと、今の写真は大パネルにして後日渡すから」

「ここから、特別賞の受賞者を紹介していくぜ」
　スペシャルな景品は出ないが、目立った働きをしてくれた数名に、拍手をおくりたいのだとサンマさんは言った。

「元気敢闘賞、後木真央さん！　アイディアメニューが輝いてたぜ」
　拍手とともに、粗品の『サンマさん携帯ストラップ』と『サンマさんウェットティッシュ』が贈られた。
「……サンマさんの炭火焼きが景品じゃないのだ？　サンマさん、煙ボーボーにならないのだー？」
　粗品を受け取りながらも、真央はどこか釈然としない様子だ。

「浴衣美人賞。こちらは超激戦区だったんだぜ……、綾辻綾花さん！」
　驚く綾花の背中を、ののこが笑顔で押す。

「清掃大賞、桜庭円さん！」
「やったぁ！」
「いろんなアイディアを出してくれたからなぁ！」
　円は、サンマさんと握手を交わし、Tシャツにサインをしてもらった。

「夢をありがとう賞、檜扇唱華さんと、御鏡聖さん！」
　ステージにあがるメイドさんと巫女さんに、来場客から歓声があがる。
「清掃作業も、メイドさんや巫女さんが一緒なら頑張れるってもんさ、ありがとな！」

「最後に、縁の下の力持ち賞、八神修さんだ！」
「……俺！？」
「そうなんだぜ、影のMVPと言ってもいいな。粗品を受け取ってくれよっ」
　広報につとめてくれた修を、サンマさんがねぎらった。
「ありがとうございます……。あ、そうだ」
　修は本来の役割を思い出したようで、サンマさんにマイクを向けた。

「今日の大祭の参加者、来場者の皆さんに、サンマさんから一言お願いします」
「おうっ！　皆のおかげで、美しい寝子島、楽しい寝子島が実現できたんだぜ！　感謝してもしきれないなっ。これからもよろしく頼むぜ、ありがとなーっ！」
　拍手に包まれてライトに照らされたサンマさんの姿は、寝子島の観光大使にふさわしいものだった。
「さーって、寝子島の皆！　今日のスペシャルな祭りは楽しんでくれたかい？　このあと浜辺で花火があるぜー！」

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