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――とある初夏の寝子ヶ浜
寝子高生徒の神楽 舞は、同じく寝子高生徒である、
野々 ののこと共に寝子ヶ浜近くを歩いていた。
「野々さんは空とか飛んだりできるの?」
「やだなー、できるわけないでしょー わたしフツウのジョシコーセーだし。
あっ!?
きゃーっ! サンマさんだー!」
「おおっと見つかってしまったか。お嬢ちゃん、俺に惚れると火傷するぜぇ?」
そこでばったり出くわしたのは、
寝子 サンマ。
通称、寝子島観光大使・サンマさん――
見た目は手足の生えたサンマが直立しただけという、何というか正直微妙でシュールな見てくれである。
もちろんそんな生物が実在する訳がなく、『サンマさん』というキャラクターは着ぐるみだというのが、フツウの一般の見解なのだが、本人いわく『中の人などいない』らしい。
そして、観光大使として奮戦する彼の姿と、どことなく醸し出すミステリアスなオーラにののこのようなディープなファンやマニアが付いている事は隠しようのない事実なのであった。
「サンマさんかわいいー♪ 写メ撮らせてー!」
「いいんだぜぇ。ポーズはこうか? それともこっちがいいか?」
ののこの黄色い声にサンマさんは、波打ち際にある係船柱に片足を乗せて、愛想良くファンサービスを繰り広げる。
突如始まった撮影会にテンションはますます上がり、サンマさんとののこは海をバックに何枚も写真を撮りまくり、さらなるベストスポットとアングルを求めて、海岸線を移動する――
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「なんなんだぜこりゃあ……」
「ああー、これはひどいねー……」
寝子ヶ浜海岸に移動してきた一行の目の前に広がっていたのは、見るに堪えない光景だった……
砂浜に打ち上げられていたのは、朽ちかけた大きな丸太や壊れた漁具らしいガラクタに始まり、発泡スチロールやペットボトルなどのあからさまなゴミ、そして流れ着いたのではなさそうな不法投棄の古いテレビやタイヤなどの粗大ゴミやコンビニ袋などが大量に散乱していた。
これでは撮影どころではない。盛り上がっていたテンションもダダ下がりの萎え萎え。しおしおのぱーである。
「ふっ、だがこの、
寝子 サンマ。これしきで落ち込んだりはしないんだぜぇ」
サンマさんはがっくりと落としていた肩を上げ直し、くわっと天を見上げる。
(サンマさんは体型の都合で常時天を見ています)
「ほんとー? ホントに大丈夫?」
「お嬢ちゃんよ。俺は考えたんだぜ。
俺はここに『スーパーサンマ大祭』の開催を宣言するんだぜ。
この祭りは俺と一緒に『寝子島を大いに盛り上げる為の』『ハイテンションな』『興行』。
これを盛り上げてくれた有志達にはこの俺が直々に『スーパーなご褒美』を進呈するぜぇ。
これならきっと、俺の熱いファンたちが協力してくれるはずなんだぜぇ?」
「すごいね! わたしもお手伝いするよ!」
こうして、ここに『寝子島を大いに盛り上げるための』『ハイテンションな』『興行』、
『スーパーサンマ大祭』の開催が決定したのである!
どうも柊いたるです。
今回は比較的自由度の高い、『何をしてもいいのよ』シナリオです。
あまり細かい事は気にしないので、楽しく過ごして下さい。
(とはいえ、犯罪や破壊的行動は禁止はしませんが、推奨もされません)
大雑把に浜の清掃活動の後にお祭りイベントが行われるタイムスケジュールです。
基本的に参加できるのは清掃活動かイベントかのどちらかになります。
・場所
寝子ヶ浜周辺
・NPC
寝子 サンマ(寝子島観光大使。イベント全体を統括します)
野々 ののこ(サンマさんファンの寝子高生。大抵サンマさんの傍にいます)
神楽 舞(ののこの知り合い。影は薄いがその辺にいます)
・推奨選択肢
以下の選択肢を推奨します。行動は絞った方がよろしいかと思われます。
かけ持ちが多いのはあまり推奨されません。
【清掃活動】浜の清掃活動をします。具体的な計画があると捗ります。
【出店等を出す】清掃が済んだ後、浜周辺に出店できます。バイトや家の手伝いで行っても構いません。
【出店を見て歩く】仲良しグループやカップル等でイベントを楽しみます。コースやプランを考えておくと盛り上がるでしょう。
【その他】イベント運営や裏方など。
・特殊ルール
推奨選択肢に従い、イベントを盛り上げてくれた方の中から数名のMVPを選出し、サンマさんから『特別な』ご褒美が与えられるので各自頑張ってください。
多少の確定アクション等は構いませんが、場所や時間を大きく変えたり、ガイドを大きく逸脱するアクションは採用できなかったり、大きくアドリブ処理される場合があります。
一緒に行動したい人がいる場合はお互いのアクションで【】内にGA名を書き込むか、『お互いに○○さんと行動する』のように分かりやすく書いておいた方が、はぐれて残念な思いをするリスクが下がります。
MVPを目指す人も目指さない人もどうぞ楽しい時間をお過ごしください。