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月に喚ばれし悪魔の群と、とある落神の願い
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冷たく痺れる指先に息を吐きかけてみてもその息さえ冷たくて、
落合 まゆら
は眉をひそめた。蔦の這う木造の壁と天井に囲まれて空に輝くはずの夏の太陽も見えないけれど、それにしても寒い。ひどく寒い。
(っていうか)
指を擦り合わせながら気が付いた。寒いのは周囲の空気ではない。
(なんだか凍死したみたい……?)
白さを通り越して蒼白くなった肌を見下ろし途方に暮れる。いつ死んだのかも理解できていないけれど、
(あたしゾンビなわけ?)
それにここはどこだろう。
「また例の如くってやつかの」
背後に聞こえた声に振り返る。葛と化した左肘から下をさわさわと動かしつつ、ぼんやりとした眠たそうな顔で立っていたのは、ドリアードの姿となった
黒兎 都
。
ひとのかたちを保った右手をひらりと振り、都は凍り付いたように冷たい身体のまゆらの傍に立つ。
「迷路かの」
「迷路よね」
まゆらと共、木造壁の隙間から光が差し込む曲がり角ばかりの通路を見回す。
「正直、これはちょっと」
ヤバい気がする、の言葉をまゆらは呑みこむ。方向音痴というわけではないけれど、遊園地の迷路なんかとはきっと規模が違う。
不安を噛み殺し唇を引き結ぶまゆらの隣で、都もちょっぴり不満顔。
「むぅ、ぬこスポット観察にきたつもりが変な場所に……」
猫どころか、向こうの角からきゃんきゃんと犬の鳴き声が近づいてくる。
「泣かないでね、きっとおうちに帰したげるからね!」
鳴き声を連れて来たのは、一本の樹。もとい、頭と背中に葉っぱを繁らせた枝をいっぱい生やした
岡野 丸美
。両腕に二匹、枝の生えた肩に一匹、足元に数匹、道すがらに片っ端から連れて来た子ケルベロスをまとわりつかせた丸美は、まゆらと都の視線に気づいてほわほわと笑った。
「こんにちは。迷子なら一緒に行く?」
立ち止まったついでに慰める体裁を保ちつつ小犬たちを思い切りもふもふ撫でる丸美の姿に、まゆらは思わず和む。きゃんきゃん泣きながら自分の足元にも寄って来た子ケルベロスを前に思わずしゃがみこみ、順繰りに三つの頭を撫でる。地獄の門番ケルベロス、なのだろうが、そのわりに可愛らしい。
「あんまり泣き過ぎると立派な悪魔になれないよ」
お姉さんに静かな声で諭され、小犬はつぶらな六つの目をぱちぱちと瞬かせた。
「三つ首ぬこはおらんかの……?」
三つ首のおかげで三倍騒がしい小犬の群を眺めてぽつり呟いてから、都はしばらく思案する。さっきちょっと不安そうに見えたまゆらの背中を軽く叩く。
「まぁ何はともあれ迷路だしね、出ましょうね」
迷路しいえばあれ、と口にするのは牛頭の迷宮と聖女の糸玉の伝説。ちょうどいいことに、糸玉代わりになる蔦植物が自分の左腕から際限なく生やせられる。アリアドネの糸として使えば、同じところをぐるぐる回る愚行は避けられる。
(入り口からガイド引けないのが難点だけど)
「ここをスタート地点と考えれば、イケるイケるぅ」
「わあ、いい考えだねぇ」
ぱちんと両手を合わせる丸美に得意げに頷いてみせ、ってことで、と都はするする伸ばした腕の蔦の端を手近な壁の蔦に結わえ付ける。
「出口目指して適当に行こうね。三つ首ワンコたちも、可能なら外のにおいのする方向でも探してくれないかの」
薄暗い迷路の只中に居ても楽観的な都の態度の励まされ、何匹かの小犬がふんふんと鼻を鳴らす。こっち? こっちかな? と若干頼りない案内を示す。
「私もお手伝いするよ」
丸美がほわんと笑う。三回手を叩いてろっこんを発動させれば、丸美の頭に生えた葉っぱは蛍光色キラキラの紙切れに変わった。そのうちの一枚を、都がスタート地点とした蔦に目立つように持っていたテープで貼り付ける。こうしておけば、一目で誰かが通った後だと分かるはず。
「ケルちゃんもいつまでも泣いてないで、行こう」
へたりこんで泣き続ける小犬の頭を撫で、まゆらも立ち上がった。
「あ、こっちは行き止まりだよ」
小犬の群れを引きつれて少し先に行っていた丸美がぱたぱたと戻って来て、頭から取った紙切れに矢印と『行き止まり』の文字を書きつける。
「たぶん、他のひとも迷ってると思うから」
ちょっとでもみんなの助けになれば、とおっとり笑って目立つ場所に貼り付ける丸美に、まゆらは優しく笑み返した。
出口はまだ遠そうだけれど、この三人で進めばそんなに不安も感じずに済みそうだ。
「みん!」
垂れ耳わんこ帽子の耳をぱたぱた揺らし、
狗民 きとり
は赤茶色のもふもふ毛に覆われた自分の身体をぐるぐる見回す。手も足もわんこのかたち、もふもふの尻尾も生えている。
「またなにか体が本体さんっぽくなってる気がするのです! でも本体さんは頭の上にいるのです!」
アーティストいぬみんとしての言動を保ちながら、きとりがわんこの両前足で触るのは、『本体さん』と呼ぶわんこ帽子。
「これはつまり、いぬみん星人なのです!」
違う、と突っ込んでくれるひとはここにはいない。
まるで尖がり帽子の中のような塔の床に立ち、いぬみんは視線をぐるりと巡らせる。
「はわー」
ずっとずーっと高く伸びていく天井を見上げる。弧を描く壁のあちこちに無数に開いた穴は、ぜんぶどこかしらに続いているらしい。
「なんかすっごい迷路ですねこれ」
空中に鼻先を上げ、クンクンと鼻を動かす。いつもより鋭い鼻で探すのは、外っぽい匂い。
「はわわ?!」
外の匂いというよりも、狼のような匂いを嗅いでいぬみんは慌てる。他の犬の匂いもする。もしかすると狼の群れか何かなのかもしれない。どこかに隠れた方がいいかもしれない。
「いぬみんぴーんち?!」
右往左往しているそのうち、壁に空いた横穴から黒犬がぬっと現れた。狼の風格さえ持つ大柄なコボルトと化した
アーサー・T・シートン
は油断なく周囲を見回す。狭い横穴の先に見つけた広間には、狼狽える赤毛犬が一匹きり。
「大丈夫なようですよ。さあ皆、こちらへ」
背後に声を掛ければ、きゃうきゃうと三つ首の小犬たちがもつれるようにわやわやと現れた。
「あなたも迷子ですか」
アーサーに穏やかに声を掛けられ、いぬみんはこくこくと頷いた。
「お互いにコレは参りましたね。早めに何とかしたいところです」
迷子の小犬たちを群れの長じみて導きながら、アーサーは出口を探す。鋭い鼻と獣の勘で探し出すことが出来れば重畳というもの。
(そうすれば後はこの子達を導いてあげることが出来るんでしょうけど)
「ふむ、面妖な事態が起こってるな!」
不意に朗々と響いた声に小犬たちがきゃんと鳴く。
「驚かせたか」
横穴のひとつからぴょんと飛び出したのは、紫色した小さなスライム。
(どうやら俺は肉体という名の檻から解き放たれてしまったようだな)
いわゆる中二病に罹患している
折河 樹
はぴょこぴょこ跳ねつつ広場の真ん中に躍り出る。わやわやと三つ首小犬の群れに揉まれながら、
(まさか魔界の番犬ケルベロスをこの目で見ることができようとは……)
至って真面目に考える。おそらく彼らは送還の儀が不十分でこの世にとらわれているのだろう。
(不憫な……ならば俺も力になるとしよう)
よし、と決意し、紫スライムは手近な壁にぺしょりと貼りつく。
「いいか、よく聞けケルベロス。俺が迷路に穴をあける、お前達は俺についてこい」
「いぬみんも! 同族いぬみん星人のよしみでお手伝いするよ! いわゆる引率のお姉さん!」
いぬみん星人? いぬみん星人? と三つ首付き合わせて首を傾げあう小犬達にはあんまり構わず、いぬみんはわんこの身体でぴょんぴょん跳ねる。
「むむ、この壁……溶かすには時間がかかりそうだな」
樹は壁の硬さにスライム粘液での溶解を早々に諦めた。やむをえん、と自分から向かって左の壁にぺったりくっつき、うごうごと這い始める。
「どうした? ついてこい」
「みみみん!」
樹の言葉に、いぬみんは素直に頷いた。違う方向に行こうとする小ケルベロスの首を優しくくわえて引っ張り、犬に比べて格段に動きの鈍いスライム樹の後をぱたぱたついて行く。
「みみみん! 出口を楽しんで探そう!」
「うむ。これなるは古より伝わりし迷宮攻略の叡智。古来より不浄なる方角、即ち左に触れつつ進行すればどのような迷宮も攻略可能と言われているのだ」
左手の法則を披露する樹に、いぬみんは無邪気に頷く。
「辛いより楽しいほうがいいよね!」
うごうご壁を這う紫スライムと、それに付き合う赤茶犬と子ケルベロスたちを眺め、一応後に続きながらアーサーは広大な迷路に彷徨う自分たちの状況にそっと息を吐く。
「それにしても、厄介な状況ですよね」
古来の叡智に従って進んだ三人と数匹が、きらきら光る蛍光色の紙で飾られたアリアドネの糸的な蔦を見つけるのはもう少し後のこと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
165人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月19日
参加申し込みの期限
2019年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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