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黒い指先 ――三つ目の願い――
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●廃墟ビル2F
「早くしろよ、ベラドンナ!」
体を保護する厚い革の長外套を身に着け、ろっこん発動用の水鉄砲、金属バット……そして、皆には内密のアイテムを隠し持った“ベラドンナ”こと
エレノア・エインズワース
と共に現場に現れたのは、
吉祥寺 黒子
。
黒子はエレノアとは対照的に、何一つ持っていない。彼女一人なら、先に行く事も可能だったが、エレノアが黒子に頼み事があるようだったので、待っていたのだ。
「先に行っても宜しかったのに……。
それより黒子さん、
ワースト・バトルロワイヤルの副賞
の件、覚えてらっしゃいます?」
「副賞?」
黒子は きょとんとしたが、すぐにエレノアが獲得した“自分が叶えられる範囲での願い事を一つ叶える”権利を思い出した。
「まあ、そりゃいいけど……そんな事より、さとみちゃんを探してくれよ!」
「ええ、勿論」
エレノアは最初から、そのつもりだ。
自分よりも先に来ている人間が複数いるようなのが、気に入らないけれど。
一方、廃墟ビルの暗がりで さとみは、恐怖や寂しさと、隠れて静かにしているようにと言う、未央との約束の間で葛藤していた。
(ちょっとだけ、黒子お姉ちゃんとお話するだけだもん……)
小さな指が、とうとう携帯のダイヤルキーに触れた。
黒子の携帯のコール音が、鳴り響いた。
「さとみちゃんだ! 良かった、まだ無事なんだな。やっぱり俺は……」
『幸運』だ。
そう同じ言葉が踊る舌を出し、宣言しようとした彼女の言葉は、幼い少女の悲鳴でかき消された。
「さとみちゃん!? 何があった、さとみちゃん!!」
「さとみ!?」
悲鳴を聞き、真っ先に駆けつけた
如月 庚
と、フットワークの軽い
青物 といき
は多数の幽霊と、顔に生気を宿さず立ち尽くす青年――
刻人・F・ミセリア
と鉢合わせる事になる。二人は刻人の手に文字通り“引き摺られた”さとみを見つけて、度肝を抜かれた。
楪 櫻
、
日暮 ねむる
、更に怪我から復帰した
新井 米太郎
と
御風 不二夫
、
鈴野 海斗
、
八神 修
、治癒の少女・
黒依 アリーセ
と友人の
李 小麗
。そして
ジニー・劉
と合流するために来た
氷華・クルバトフ
も、やって来て目を剥く。
腕を無理に引っ張られ、さとみは泣きじゃくっている。目に見える怪我がない事に、とりあえずは全員が安堵するが、それでも危機であることには変わりない。
「やめろ、その子を離せ!」
櫻が刻人に向かって叫んだが、反応が薄い。
「
三下 ゴロー
に、操られているのか……」
修は、そう分析した。
「しゃおりーに任せるのだ! えーい!!」
小麗が勇敢に躍り出て、赤い風船に安全ピンを突き立てた。
パァンと小気味の良い音が響き、手近な幽霊の動きが止まった。
だが刻人は、止まらない。さとみを引っ張って、ずんずん進んでいく。
そして立ちはだかる幽霊達から、一斉に攻撃が始まった。
「う、うわ!? 何だか物が飛び回って、危ない……!」
ねむるがスレスレで身を屈めて、飛んできた瓦礫を躱した。
「ま、待つのにゃ……! う~、ごめんなさいっ!」
といきが刻人を元に戻そうと、拾った小石をコツンと頭に投げた。
刻人が、ほんの一寸足を止める。
(効いた)
といきがホッとするのも束の間、刻人は尚も、もがく さとみを引き摺っていく。
その口元は、気付くか気付かないかの微妙なレベルだが、薄っすらと笑っていた。
(――!! あの人……わざと……?)
這い上がる悪寒と涙を抑え、といきは叫ぶ。いつものギャルっぽさも、今ばかりは鳴りを潜めている。
「やめて、連れて行かないで!」
「危ない!」
櫻が すかさず前に出て、抜刀術用の模造刀で飛来物を次々叩き落とし、といきを守る。
(あの子だけは、さとみだけは何としても助けてやりたい!)
去って行く刻人の背中を睨み据え、櫻は模造刀を振るう。
「おい、無茶するな!」
不二夫が櫻の盾となるべく、【ダーティー・アストロアーム】を発動させる。巨大化した機械仕掛けの腕が、その場に存在する何よりも強固な壁となって立ちはだかる。
海斗も研ぎ澄まされた反射神経で、瓦礫をスコップで捌いていく。小柄ながら力強い動きで、彼の手首が反されるたび、柔らかな髪が宙を舞った。
「突撃準備よし!」
海斗がそう号令を掛けると、【旧軍の亡霊《勇》】が海斗の内なる力を、極限まで引き出す。拡散した瞳孔が、より鮮明に瞳に像を結び、強化された筋肉は修羅の如く、彼の戦う意志に応えて見せた。
「私の事は構うな! 早くさとみを!」
「任せるっちゃ!!」
「黒依、君が倒れたら皆も危ない。一旦隠れてくれ。新井! 如月! 道を作ってくれ」
自らも遮蔽物に身を隠しながら、修が状況を読んで号令を掛ける。
「ええ……」
心苦しさを感じつつ、アリーセは これも皆のためと言われたとおり安全圏まで下がると、祈るように左手のシンボルに触れた。
米太郎は床に転がった、さとみの縫いぐるみを拾い上げる。
「あぁもう、幽霊さん達、ホンットごめんなさい!」
何とも言えぬ表情の米太郎の【似非ヒロイズム】で、幽霊達が衝撃に仰け反った。
庚も額の傷痕を指でなぞり【蒼穹】で、右腕に神魂のエネルギーを集約させると、その力を振るった。
「生きてる者を、優先させてもらうぜ! すまん、悪く思うな!」
一人では手が届かなくても、力を合わせた彼等は強い。
道は、すぐに開けた。
刻人の足が、瞬時に凍りついた。
「待てと言ってるのが、聞こえないか!」
凍りつかせたのは、氷華の【замерзание(ザミルザ-ニイ)】だ。怜悧な印象の目を吊り上げ、彼女は刻人を観察していた。
観念し振り返った刻人は、さも不思議そうに手元の さとみを見下ろすと、困ったように眉をしかめた。
「うーん、どうした事でしょうね、コレは? 何も覚えてないや」
眠気すら忘れ、ねむるが必死に手を伸ばして、刻人の手から さとみを取り戻した。
「さとみちゃん、僕達が居るよ、もう大丈夫」
優しくあやす ねむるに抱えられ、涙で濡れた頬で何度も頷く さとみに、米太郎が おずおずと縫いぐるみを差し出す。
「ほ、ほら……大事なものなんだよね?」
「ありがとう、お兄ちゃん」
しゃくりあげ泣き笑いで答える さとみに、米太郎もやはり泣きそうな笑顔で応えた。
「勘違いしないで欲しいな、僕は善良なる一市民だよ。この氷を解除してもらえないかな?」
小麗が最後の幽霊を、風船で払いのけるのを横目に、刻人は氷華に しれっと要求した。
そして大騒ぎとなった、その階で。
最後の決戦の火蓋が、切って落とされようとしていた。
「さとみちゃん、無事か!? 返事してくれ!!」
携帯に向かって叫びながら通り過ぎる
吉祥寺 黒子
の声は、少々離れた位置に居た未央に相対していたグループの耳にも届いた。
「む、ゴローが動いたか? 私が行く前に決着をつけられては困るな。皆、切り上げろ。移動するぞ!」
双葉 仄
の行動は早かった。すぐに身を翻すと、黒子と
エレノア・エインズワース
の後を追いかける。
「俺達も問答してる場合じゃないな、行こう」
篠崎 響也
は
桜井 ラッセル
に抑えられた
御剣 刀
に休戦を促し、刀はそれを承知した。さとみのピンチなら、それは何より救出を優先させるべきだろう。彼の俊足は、すぐに皆を追い越し、響也と並び立つ。
薬局アネモネの父娘
毒島 柘榴
と
毒島 林檎
も、廃ビルに向けて駆け出す少年・少女達を見るや、気を引き締めて走り出す。
「……チッ、ガキ共が勝手な事ばかりしやがって……。
仕方ねぇ、尻拭いしてやる。俺の方法だがな……行くぞ、林檎!」
「ああ、仕方ない。これも人助けのためだ」
「俺様も行くぜ! まだイキの良いのが、残ってんだろ?
そこの少年、つまんねぇ意地張ってないで、さっさと病院行くなり手を打たねーと、ガチで死ぬぜ?
気道ヤベーだろ、ソレ。それとも……俺様と同じ狂気の道を辿るか?」
相変わらず咳き込みつつ口元を血泡で濡らす未央に、ようやく
蛇沼 風弥
のチェーンから開放された
犬神 花梨
が、一応の忠告をする。そして後は振り返らず嬉々として、騒ぎの現場へと飛んでいった。
「未央、あんた大丈夫かい?」
風弥の心には、葛藤があった。無理にでも未央を止めるべきではないかと、思い始めていた。
だが、同時に男が一度出した言葉を、自分の一存で止めてしまうのも憚られた。
そして風弥の想いを裏打ちするように、未央は やはり さとみの下へ足を向ける。
風弥は屈みこみ淡く発光するルクスに、低く耳打ちした。
「おい、ルクス。言葉が分からんなら、心で感じろ。
アイツの目はマジだ。アイツの信念が正しいかどうかは。あたいが決めるんじゃねェ。
ずっと近くにいる……そんな奴がいるだろう? そう、お前だ。
マジの最後にアイツが笑って生きれるか決めるのは、信念同士のぶつかり合いで勝った方だ。
今……未央に一番近い仲間は、あたいらじゃねェ。お前だ、ルクス。
時には、間違った仲間をぶっ飛ばすのも友情だ……覚えときな」
触れたルクスの首は、触れる事が出来るというだけで、冷たくも温かくもない。大気と同じ。
ただ、軽く。風弥に向かって、尾を振った。
「あのさ……よくわかんねぇけど、お前が手を汚す必要なんてないよ。
三下、って人。よっぽどな奴なんだろ?
放っておいたりは出来ないけど、他の皆がきっと三下さんを懲らしめてくれるよ。
だからお前が一人で抱え込まなくてもいいんだ」
雪見 大福
は もう一度、うまくいきかけていた説得を思い出してもらえるよう、ただ静かに言葉を紡いだ。
逆巻 天野
も、未央の後を追いながら大福に同調する。
「僕はこれ以上、被害者を出したいと思わない。
命を落として欲しくないんだ。もちろん君にも。
だから、生きてみないか? 皆で」
ほんの少し後ろを振り返った未央に、
アネモネ・アドニス
も進み出る。
「私の能力には、心当たりが。
申し遅れました……私はアネモネ。神魂封じの能力者でございます」
「約束してくれるなら、僕も協力するよ」
天野は自分の【裏切りテリトリー】で、目視可能な行動を逆さまに出来る事を、移動しながら かいつまんで説明した。
「三下様を魔法陣へ誘導し、私が隙を見て触れてみようと思うのです」
皆が駆け込んだビルの真下、正面出入り口の前に天野はスプレー缶で陣を敷く。
複雑な陣を描くには集中力が要る。
未央の答えは聞けなかったけれど、うまくいくと信じて。天野は己の作業に没頭した。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月07日
参加申し込みの期限
2013年09月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月14日 11時00分
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