- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第一階層 薬屋『Uisge beatha』
それから、時計の時刻がお昼を少し過ぎた頃。
「ハーブティーだけでなく、昼食まで出るだなんて、今日は最高っすね！」
今日は有志に昼食が振る舞われる──それを聞いたジーナ・レインガンドは、奥の作業場から朝にハーブティーを飲んだ表の店内へと戻ってきた。
「うん、料理形式の薬がいくつかできて、一人では食べきれないからという話になってね。
広さとしては、どうしても立食形式になってしまうけれども」
店主であるアルレッテ・ザメニスが、くすりと笑う。一つ大きなテーブルの上には、二種類のドラゴンロールキャベツと、重ねられた取り分け皿、そして人数分の小さなフォークが置かれていた。
「このお店には、流石に人数分のフォークとお皿はなくてね。慌てて酒場にお願いして借りてきんだよ」
「わあぁ、おいしそうだよぉっ」
アルレッテの言葉に、曖浜 瑠樹が目を輝かせる。
「そうだ、甘いのもあるよぉ。デザートにどうかなぁ？」
そして瑠樹の自作である、甘さ調整の上手くいった『いありんまろんだんご』を差し出せば、勿論それも問題なくテーブルに上がった。
「……、昼食。
そう言えば、とても良い匂いがしますね」
くぅ……と。完全な油断に小さく鳴るお腹に、八神 修を手伝っていた常闇 月は、慌てて聞かれていないかをあちこちを振り向きながら確認する。
「ああ、確かに……。
だが、俺のことは気にせず、常闇は是非行ってきてくれ。
あと本当に後少しで、ここにある薬草で一番の成分結果がだせそうなんだ。研究結果は逃げないが、ここで休憩に入るのは──」
しかし集中が切れれば、一斉に漂ってくるのが分かるその香り。
相手を促しながらもそう告げた中、ふと修自身も腹部が空腹を訴える直前まで、身体に食べ物を入れていなかった事に気づいた。
今まで気付いていなかったことに、僅かな恥ずかしさを覚えながらも、修は小さく咳払いをする。
「──ご相伴に預かろうとするか。腹が減ってはなんとやらだ」
そして今まさに、ここでは新たな料理の完成を迎えていた。香ばしい鷹の胡椒の粗挽きをトッピングして、三日月型の薬草と共にサファイア・リリーを乗せた卵粥だ。
調理者である旅鴉 月詠は、パーフェクトな万能鍋でもある緋色大鍋ごと、入り口のテーブルに運んでいく。
「卵粥をお食べ。
薬も料理も同じものだよ」
「なるほど……！ こう出てくると確かに」
卵粥の成分は、精神力と星の力の回復と、更なる集中を促す成分で構成されていた。それを見た研究者が思わず呻る。
「それじゃあ、いただきます」
効能を優先させた訳ではない通常の料理で、月詠の料理が『外れない』事を知っている御剣 刀が、躊躇いなく肉料理であるドラゴンロールキャベツへ手を伸ばす。
「食べたまえ。君にはそもそも遠慮は期待していないからね」
それを合図に、皆が恐る恐るフォークを伸ばした最初から一転。一口食べた後は、自由に楽しむ声と共に、一気に賑やかな食事光景が広がった。
「このロールキャベツどっちも美味しい！ リプカが初めて食べる味！」
「はわっ！！ ありがとうございます！ そう言ってもらえると作って良かったです！」
リプカ・ングルマがリリエル・エーテライトのリリエル式ドラゴンロールを、月詠式と食べ比べて、その味に見開いた海よりも深い紺碧の瞳を生き生きときらめかせた。
「うん！ リリエルのおいしーっ！！」
同時に、人よりも大きく切り分けたドラゴンロールを、メリィ・ランページが歓声と共に大きくかぶりつく。
「たくさんありますから、もっとたくさん食べても大丈夫ですよ！！」
「えっへへ。もっと食べていいの？
じゃあ、いただきまーすっ！！」
「──」
その和気あいあいとした様子をしばしじっと見つめていた月詠は、相手のリリエル式ドラゴンロールをじっと見つめてから、その調理者であるリリエルへと話し掛けた。
「その薬膳料理、研究のために是非味見をさせてもらいたいのだが」
「はっ、はいっ！！ ありがとうございます！！
そ、そちらのお料理もいただいても大丈夫ですか！？」
「もちろん」
「──美味しいです！！」
偶然にも同じ『ロールキャベツ』の分野を作成してしまい、少しの申し訳なさを携えていたリリエルだったが、月詠からの提案に緊張が一気に解けた様子で、そちらも一緒に美味しく堪能し始めた。
それからしばらく。
本当に、ペロリという単語が相応しいほどの勢いで、二つのドラゴンロールは皆の胃袋の中に収まった。
「ハーブティーだけでなく、昼食まで出るだなんて、今日は最高っすね！」
今日は有志に昼食が振る舞われる──それを聞いたジーナ・レインガンドは、奥の作業場から朝にハーブティーを飲んだ表の店内へと戻ってきた。
「うん、料理形式の薬がいくつかできて、一人では食べきれないからという話になってね。
広さとしては、どうしても立食形式になってしまうけれども」
店主であるアルレッテ・ザメニスが、くすりと笑う。一つ大きなテーブルの上には、二種類のドラゴンロールキャベツと、重ねられた取り分け皿、そして人数分の小さなフォークが置かれていた。
「このお店には、流石に人数分のフォークとお皿はなくてね。慌てて酒場にお願いして借りてきんだよ」
「わあぁ、おいしそうだよぉっ」
アルレッテの言葉に、曖浜 瑠樹が目を輝かせる。
「そうだ、甘いのもあるよぉ。デザートにどうかなぁ？」
そして瑠樹の自作である、甘さ調整の上手くいった『いありんまろんだんご』を差し出せば、勿論それも問題なくテーブルに上がった。
「……、昼食。
そう言えば、とても良い匂いがしますね」
くぅ……と。完全な油断に小さく鳴るお腹に、八神 修を手伝っていた常闇 月は、慌てて聞かれていないかをあちこちを振り向きながら確認する。
「ああ、確かに……。
だが、俺のことは気にせず、常闇は是非行ってきてくれ。
あと本当に後少しで、ここにある薬草で一番の成分結果がだせそうなんだ。研究結果は逃げないが、ここで休憩に入るのは──」
しかし集中が切れれば、一斉に漂ってくるのが分かるその香り。
相手を促しながらもそう告げた中、ふと修自身も腹部が空腹を訴える直前まで、身体に食べ物を入れていなかった事に気づいた。
今まで気付いていなかったことに、僅かな恥ずかしさを覚えながらも、修は小さく咳払いをする。
「──ご相伴に預かろうとするか。腹が減ってはなんとやらだ」
そして今まさに、ここでは新たな料理の完成を迎えていた。香ばしい鷹の胡椒の粗挽きをトッピングして、三日月型の薬草と共にサファイア・リリーを乗せた卵粥だ。
調理者である旅鴉 月詠は、パーフェクトな万能鍋でもある緋色大鍋ごと、入り口のテーブルに運んでいく。
「卵粥をお食べ。
薬も料理も同じものだよ」
「なるほど……！ こう出てくると確かに」
卵粥の成分は、精神力と星の力の回復と、更なる集中を促す成分で構成されていた。それを見た研究者が思わず呻る。
「それじゃあ、いただきます」
効能を優先させた訳ではない通常の料理で、月詠の料理が『外れない』事を知っている御剣 刀が、躊躇いなく肉料理であるドラゴンロールキャベツへ手を伸ばす。
「食べたまえ。君にはそもそも遠慮は期待していないからね」
それを合図に、皆が恐る恐るフォークを伸ばした最初から一転。一口食べた後は、自由に楽しむ声と共に、一気に賑やかな食事光景が広がった。
「このロールキャベツどっちも美味しい！ リプカが初めて食べる味！」
「はわっ！！ ありがとうございます！ そう言ってもらえると作って良かったです！」
リプカ・ングルマがリリエル・エーテライトのリリエル式ドラゴンロールを、月詠式と食べ比べて、その味に見開いた海よりも深い紺碧の瞳を生き生きときらめかせた。
「うん！ リリエルのおいしーっ！！」
同時に、人よりも大きく切り分けたドラゴンロールを、メリィ・ランページが歓声と共に大きくかぶりつく。
「たくさんありますから、もっとたくさん食べても大丈夫ですよ！！」
「えっへへ。もっと食べていいの？
じゃあ、いただきまーすっ！！」
「──」
その和気あいあいとした様子をしばしじっと見つめていた月詠は、相手のリリエル式ドラゴンロールをじっと見つめてから、その調理者であるリリエルへと話し掛けた。
「その薬膳料理、研究のために是非味見をさせてもらいたいのだが」
「はっ、はいっ！！ ありがとうございます！！
そ、そちらのお料理もいただいても大丈夫ですか！？」
「もちろん」
「──美味しいです！！」
偶然にも同じ『ロールキャベツ』の分野を作成してしまい、少しの申し訳なさを携えていたリリエルだったが、月詠からの提案に緊張が一気に解けた様子で、そちらも一緒に美味しく堪能し始めた。
それからしばらく。
本当に、ペロリという単語が相応しいほどの勢いで、二つのドラゴンロールは皆の胃袋の中に収まった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2018年02月24日
- 参加申し込みの期限
-
- 2018年03月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2018年03月03日 11時00分
