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【星幽塔】第一階層 薬屋『Uisge beatha』
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店内の、閉店時間より少し前。
アルレッテ・ザメニス
の思案により、目の前にほんの少しホットカカオの香りが漂う、温かなハーブティーが湯気を立てている。
調合後の薬は、少し時間を置くことで成分が変質する事も少なくない。
今回はその経過が気になる人へと薬の様子見の時間も兼ねて、こうして軽いお茶会が開かれる運びとなった。
穏やかに広がる甘い香り。誘われるように口を付けた
リプカ・ングルマ
は、その美味しさにはっと顔を上げた。
「このお茶、おいしい!」
次いで隣に座っていた
ペルラ・サナーレ
も、その声にゆっくりとハーブティーを口に含んだ。
「ホットカカオの他にも、きちんとその味に合わせたハーブが合わせてありますね。美味しいです。
ですが今日は、普段機会のない薬草で薬を作れて良かったです」
「うん。リプカお薬を作るのが、こんなにたいへんだったなんて知らなかった……
薬屋さんはたくさん勉強してお薬をつくってるのね」
二人が今日を振り返る中、研究者が突如ハッとした様子でペルラを見た。
「そうだ、君!
効能確認は肌へ塗布で行ったが、ああ、一度その味が見たい!
見た限り味は悪くなさそうなんだ! 一口もらえないかね!?」
「あ、は、はいっ」
研究者の勢いに押されつつも、ペルラは頷いて自分の薬を差し出した。
研究者は、お湯を入れたティーカップに、それを数滴それを垂らして、勢いの割にはしっかりテイスティングまでしつつ口に運ぶ。
「うむ──万能の元となるエリクシルハーブをベースに、一緒に調合されたホットカカオの効果を中心に据えた、心安らぐ鎮静効果と共に心地よく体が暖かくなる一品──まさに『エリクシル・ウォーム』という感じだ!」
こうして突如、研究者の手によりペルラの作成した薬に名前が付いた。同時に喜びに満ちた様子で研究者が呻る。
「うむ、味もやはり堪らん!
チョコとベリー系の果物を合わせたような甘くかつフルーティさ! これは、是非もう一杯!」
「あ、待って下さい!
これを一気飲みで、二杯飲んだ際のケースは考えていな──」
ペルラが研究者を止めるよりも早く。そして誰かが止めるよりも早く。
熱湯であるにも拘わらず、ニ杯目を一気飲みした研究者は──突如、鼻血を噴いてぶっ倒れた。
「──あ、っと……。
け、血行が良くなりすぎたのでしょうか……?」
「このハーブティーにもホットカカオが入っているから……多分、過剰摂取になったんだろうね」
ペルラの言葉に、アルレッテが沈痛な様子で、同意するように俯いた──
しばらくして、ぶっ倒れていた中から無事回復を果たした研究者に、
アリス・ミーティア
が心配そうに声を掛けた。
「大丈夫?」
「ああ、何とか生きている!
死ぬかと思ったが、どれも愛おしい薬草が織り成した薬の成果だと思えば!」
その言葉に、誰から見ても健康に復帰した相手へ、そのまま鼻血が止まらず出血多量で死に至っては……と思っていた一部の人々が、さり気なく安堵する。
そして、アリスは意気揚々と研究者へと好奇心に満ちた眼差しで尋ね掛けた。
「お兄さんは、今までどんな研究したのかな?
色んな薬草に詳しいんだよね?」
「ああ、もちろんだ! 主にあらゆる身体能力の強化を見ていたが、薬草の効果はそれに限ったことではない! 私の知らぬ所でそんな薬草の知らぬ一面があるのは許し難いと思い、今回の決行にこぎ着けたのだ」
うむうむ、と満足げに語る研究者の話を聞いて、アリスは頷く。
「私の薬も研究の役に立てたのかな?」
「ああ、もちろんだとも。
レシピを見て『確かに!』と思ったものだ。是非一度服用してみたい」
「あ、それなら、お兄さんにもあげるね!」
取り出した物は『にがにが』と命名された、5ミリほどの丸薬だった。
「試しに一粒。通常は三粒飲むの。
噛むと凄く苦いから水と一緒に飲むのがおススメ。
水と一緒に飲んでね。激苦だから!」
本当に大切なことなので、二回繰り返しつつアリスが渡した丸薬を、研究者は自信ありげに目にして、高らかに告げた。
「ふっ。お嬢さん、私を誰だと思っている!
私はこれでも、錠剤の類を飲むのが非常に苦手な──」
ごくん。
そして、口の中に残ったのをガリっ。
「◆※&〒◎%●々!!!」
そうして研究者は、光速もかくやという速さで研究者が薬屋の外へ飛び出していった──
ちなみに『にがにが』をパラメーター化するとこうなる。
苦味 :★★★★★
香り :★☆☆☆☆
効果 :★★★★★
手軽さ:★★★★☆
「うん、味見してにがにがで口に残ってたからハーブティーでさっぱりすっきりしたよ」
お約束をきちんと踏まえ姿を消した、研究者の行方に不安を覚えつつも、アリスはハーブティーを改めて一口飲んで、改めてほっと一息ついた。
「薬の名前は第一印象から決めてたの。
すっごく苦いの!」
そして、その味を脳裏に浮かべては、眉間にぎゅっと皺を寄せてアリスは力説する。
それを聞く度に、周囲より、その『にがにが』を思い切り噛んで服用してしまった研究者への同情がだだ漏れに集まった……
「完成後の、時間経過による融和性は確かに大事だ。
『焼いて数時間したら、効果が消えていた』等となっていたら話にならないからな」
ゆるやか且つ静かに、少し慌ただしくもとんとんと話題の出るこのお茶会の空気を堪能していた
常闇 月
と共に、
八神 修
もゆっくりとハーブティーを口にして、その美味しさにようやく息をついていた。
閉店近く間際まで粘った。
かまどが使えるぎりぎりまで、焼き菓子の割合を見合い、計量皿の上で生成される土の量を調べ、それこそタイムリミットの際まで頑張った。
現状、その中で最上の結果となったのは『消費している星の力を大きく回復させ、同時にその使用する星の力を少し強化する』というものだった。
後者の星の力増強効果は、修が宿した土の力の生成で計った基本量の土よりも三割程度多くなった。
「……三割、か」
百回検証の心意気を宿し、あれだけ検証したのだ。
修としては、当然もっと効果を上げたかった。
そして、この時点での最大値を絞り出すまでに留まり、今回は大量生産には至らなかった。
出来上がったものは、今手元に置かれている薬効一回分。
全力は尽くした。しかし僅かに残る悔いに、思わず修からため息が零れる。
「まあ、ひとまず完成したなら良しっすよ。試作品ということにするっす」
研究における苦難苦労の臥薪嘗胆を知る、錬金術師の
ジーナ・レインガンド
が修の様子に言葉を寄せた。
「ちゃんとしたのができればよし。ダメならその結果も大事なデータになるっすよ。話聞く限りそれは三割成功しているみたいっすし、次に改良すれば良いと思うっすよ。
今までのデータは、次作る時に継続して使えるっす。無駄じゃないっす」
「ありがとう。そうだな……確かに次がある」
課題目標には躊躇わず向かう修の雰囲気が、やっといつも通りのものに感じられた気がして、少し悩み込む様子を見せていた修への言葉が見つからなかった月も、無言の中にほっとした安心を覚えるに至った。
「皆、色々な思いを込めて薬を作っていたんだな」
いくつかの話題が届くのを聞きながら、話を聞いていた
御剣 刀
は感心とも驚きとも近い様子で周囲の面子を見渡していた。
テーブルの上には、邪魔にならないようにビスクドールのルヴィアがちょんと乗っている。
調合時も『味』に比重を乗せていた刀の、今思うところはやはり「このハーブティーが美味しい」であり、丁度合わせて食べるお菓子が欲しいと思っていたところであった。
その前に、
曖浜 瑠樹
作成の安らぐ菓子薬と呼ぶのが適切そうな『いありんまろんだんご』に舌鼓を打つ。こちらもハーブティーとの相性が良い。
「そうだな……やっぱり、もう一種類くらいあってもいいな。
ルヴィアは何が食べたい? 栗きんとん(『いありんまろんだんご』)があったから、クッキーあたりかな。
──さっき食べた昼飯の腹ごなしだ。行ってこよう」
ルヴィアに軽く尋ねてから、周囲に軽くその旨を伝えると、刀はろっこん“加速”によって、その場から瞬時に姿を消した。
周りが、その行動力と速さに目を剥いている間に、タイムロスは会計の時間のみなのを感じさせる速さで、刀はしっかりクッキーを片手に戻ってきた。
こうしてテーブルには、大きめのお皿にクッキーが追加で並べられた。
「うん、このクッキーも悪くないね」
刀が買ってきたプレーン味のクッキーに、
ティオレ・ユリウェイス
が手を伸ばして一つ口に運んだ。ふわりと広がるシンプルなバターの味が堪らない。
「今日は薬も上手く出来た。悪くない日だね」
手元にティーパックにして調合した薬を置いて、満足そうに口端を上げる。
ティオレにとって今日は、入手した薬を伴いながら、あまり味わうことのない穏やかなお茶会で時間を過ごすという、非常に有意義な日となった。
「ああ。この丸めた栗きんとんみたいのと、バタークッキー。アルレッテさんのハーブティーと合わせて、どれも美味しい」
こちらでも、
鴻上 彰尋
がハーブティーを注ぐのに忙しそうなアルレッテを手伝うべきかを少し迷いながらも、お茶会を堪能していた。
途中追加されたクッキーも『いありんまろんだんご』も、提供は今日薬を作成した人物の厚意。
それならば、自分も何か用意してくるべきだったかも知れないと思いながらも、心より有難く
鴻上 彰尋
はデザートの二種を口に運んだ。
「そうだ。アルレッテさん、これ……」
そうして彰尋から、一歩引いた所でハーブティーを飲んでいた店主アルレッテへ向かい、丁寧に何かを持った手が差し出された。
見れば、それは手の平程度の可愛らしい瓶に収められた薄緑色をしたクリーム──
「この香りは『日輪の花』に『マッスルバニラ』と『シュガーメロン』……これは、さっき作っていた薬だね。私に、かな?」
「はい。よく星幽塔での冒険の際に、このお店で販売している『
星の滴
』にはお世話になっていて……『
月希
』には命を助けられたこともあったので……。
その力には凄く頼ってしまっていると思っているから、こちらからも何かお礼ができたら良いなって思っていたんです」
アルレッテは、瞬きを一つした。
開店時、彰尋の作っていた薬は、とても、優しい女性が喜びそうな薬であったから。それはてっきり、彼が好きな女の子へプレゼントされると疑わなかった。
しかし、それが──今、自分の手元にある。
そして、目の前の当事者である彰尋は、今、その女性のことは微塵も考えていない事が、アルレッテにひしと伝わってきてた。
そこにあるのは。ただ自分と、自分が作成した薬へと向けられた、純粋な感謝の念。
「君は──」
アルレッテは、人の恋愛事情に口を出すのは無粋だと、そこで敢えて言葉を止めて。
「ありがとう、甘い香りは好きだからうれしいな」
その感謝に応えるように、ふわりと柔らかく微笑んでそれを受け取った。
「そう言えば、空いたお時間でこんなお薬を作ったのです」
そう言いつつ、
椿 美咲紀
が出したものは、一見普通の粉薬に見えた。
「精神的な疲労に負けずしゃきしゃき動く元気の出る薬を作りたいなって……思ったのですが。
成分は『稲妻型の薬草』と『核熱トマト』に『灼熱小麦』──気分高揚+元気に動ける気力は充実、てきな効果なのです、が……ただ、良く考えたら体力回復するよーな材料入ってナイかも、って」
それは、核熱トマトを使っているのに何故か色素が何処にも無い真っ白な粉薬だった。
純白。思わず寝子島でも所持しているだけで『これは、ただの小麦粉です!』と叫びたくなるようなアブなさがそこにはあった。
「とりあえず『ポントレ』と名付けましたです。原稿修羅場にはお役立ちしそうですし、捨てるのももったいないと思って。
というわけで、効果確認と味見をしてくれる猛者を探しているのです」
それを聞いたこの場の一同は、無意識に息を呑んだ。
そこには、日本でずっと昔に広まり『疲労がポンと取れる!』と銘打たれた、依存性が高い危険なオクスリの気配しかしない。
しかし、研究者がついに手を伸ばすのに続いて、恐れを知らない何名かがその粉をペロリと舐めた──
研究者の感想。
「ポントレ……うむ、これは素晴らしい! 未来が輝かしく感じられる味がする!」
旅鴉 月詠
の感想。
「作品作成の時には非常に重宝しそうではある」
ジーナ・レインガンド
の感想。
「あーこれは。これはアレな味がするっすねー」
「どんな味なのかなぁ…お姉ちゃん、オレのと少し交換──」
まだ年若い瑠樹が好奇心に味見をしようとすれば、味見をして沈黙していたティオレが制した。
「坊や、やめとくんだね。
『これは大人子供問わずに、アブないクスリだよ』」
「うぅ……やはりそうなのですか……」
──芸術家、研究者肌の面子には好評であったが、ティオレにはっきりと断言され、美咲紀の『ポントレ』はここでキッパリ『使用不可』の烙印が押されてしまった。
裏ルートがあれば、かなりの高値で売れたかも知れないポントレは、こうして日の目を見ないままお蔵入りとなったのである──星幽塔での、未来の安全が守られた瞬間であった。
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日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月24日
参加申し込みの期限
2018年03月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月03日 11時00分
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