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【星幽塔】第一階層 薬屋『Uisge beatha』
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曖浜 瑠樹
は、テーブルの上に並べた調合成果である『いありんまろんだんご』の乗った皿を幸せいっぱいに見つめてから、
「さっそく、いただくよぉ!」
と、その内の端の一つをスプーンで掬ってぱくっと口に運んでみた。
もぐもぐあむあむと食べると、ふわりと広がる栗の味。
「……おいしい、かなぁ?」
ふわりと、気力と呼ぶのに近い、星の力が体に巡ってくるのが分かる。
「ちょっとお砂糖足したいよねぇ……」
不味くはない、むしろ『薬』という分類にしては美味しいものだと思われる。
しかし、味を優先してみるとちょっと足りない。
「う~ん……」
その微妙な葛藤に駆られながら、瑠樹はひとり頭を悩ませた。
「……成功、ですね」
ざり、と。
常闇 月
がいつも星幽塔にて所持している苦無状のスローイングナイフの一本に、瓶に詰めていた薬剤を刃に塗りつける。
すると、その刀身は赤く揺らめき、煌々と赤い炎を揺らめかせた。
便宜上、その薬に『焔の塗薬』と命名した月は、その出来映えに満足した様子で手の中の瓶を見つめる。
「不明点があるとすれば……炎の強弱は塗る量でしょうか。それともサファイア・リリーの分類量……?
こちらについては、もう少し研究しても良さそうですね」
月の薬は、塗れば確かに刃本体に熱を持つ事なく、魔火の力と同じようにその刀身に炎を纏わせた。
しかし、魔火の力と全く同じような物を想定するには、その火力加減は持ち主の意図で加減出来る物ではなくまだ不完全とも言えた。
ここは、用途により薬を塗る量を加減するなどの、更なる改良の余地があるのかも知れない。
「検証で常に炎を発する以上、この場で行うのは危険ですね。後は、己で確かめてみることにしましょう。
──そう言えば、向こうで八神さんが大規模研究を行うと聞きました。手伝いに行きましょうか」
八神 修
の所で、少し離れた所から聞こえてきた、研究者の『人手が足りない!』の声。
それを思い出し、月はそちらの様子を窺った。
「これで──! 抽出が終わったので、ろ過、します!」
ペルラ・サナーレ
が力を込めて振っていた瓶を、割れない程度に響く音を立てて、勢いと共に自分の目の前のスペースに降ろした。
時計を見れば数十分。かなりの力技となったが、その分ろ過した先の液体は、とても良い薬効を思わせる香りを漂わせたものとなった。
「遅くなりましたが、ハーブティンクチャーです。何にでも使えますよ」
ハーブティンクチャーとは、ハーブティーとしての飲み薬から、安全なキャリアオイルでその成分を希釈してマッサージ、更には湿布などにも流用出来る、文字通り万能薬とも言えるものである。
そこに使用されているのは、今回『エリクシルハーブ』に『レインボーベリー』と、薬効も味も完全保証済みの素晴らしい品物だ。
ペルラは早速、ティーカップを借りてお湯に数滴落とした物を口にしてみた。
「……少し、ホットカカオが効きすぎたでしょうか」
口に含めば、すぐに体の芯からほかほかと温まる効能に、僅かながらも不安を覚える。
「けれども、美味しいですよね。
命名は──薬屋さんか、研究者さんに確認してもらってから決めましょうか」
ペルラはそこでようやく、努力が報われた様子で微笑んだ。
「うん……結構、上手くいくもんじゃないか」
ティオレ・ユリウェイス
は飲み干したカップを降ろして数分、じっと己の身体的変化を感じ取っていた。
レシピは、
『鷹の胡椒:30%、星の牧草(マメ科):20%、三日月型の薬草:50%』
意識は普段より明らかに明瞭。視覚は細やかな所まで記憶分野にまで届き、身体も恐らくは想像を超える軽やかさで動くだろう。
ティオレは調合に使用した薬の失敗にオーバーフローを覚悟していた。しかしその過剰要素を、割合に50%を割いた三日月型の薬草の鎮静効果が見事に鎮め、精神的な負担は一切感じられない。ティオレの薬は、ほぼパーフェクトな形で成功していた。
「これで鍵開けや、罠解除が出来れば最高だね。失敗する気がしないよ」
思わずティオレの口許に弧が浮かぶ。さっそく今後の為に今の割合を忘れないように、まずは脳裏に叩き込む。
そして、それを研究者との約束通り、適当な紙に大雑把でありながらも、作成要素をきちんと抑えたレシピとして記し始めた──
他の人々が作成していた薬がどんどんと完成していく。
それらの種類がバラエティに溢れているなと思いながら、
御剣 刀
はその様子を見聞きしていた。
そして、味見に来た研究者の声を、どこか上の空で聞く。
「──」
最初に作成した核熱トマトと金剛オレンジ、レインボーベリーの組み合わせは、やはり薬というより『美味しいジュース』の組み合わせであったらしいと遠くで聞いた。
「そして、この星形の薬草、エリクシルハーブ、シュガーメロンの組み合わせはだな──」
「……あの、すみません。調合で出来る薬の中には──」
今、意識の向かない自分の薬の研究結果を刀はついに遮って、研究者へとわだかまっていた疑問を呈した。
作っている間、ずっと気になっていた。
──調合で出来る薬の中には『無機物の声が聞こえる薬』はありますか──?
つい問い出しそうになった言葉。刀はビスクドールのルヴィアを目にしながら、何とかそれを飲み込んだ。
「む、どうかしたか?」
「いや……何でも」
「それでは続けさせてもらうぞ、こちらの薬は──」
「(何だろうな、そういう事じゃないんだろうけど……ついつい考えちゃうのは)」
自分の中では分かっていたはずなのに、考えてしまう。
ここ星幽塔は、寝子島よりもずっと『フシギ』が近い。
寝子島では神魂という奇跡的確率でしか起こらない出来事が、呼吸するように起こりうる。
寝子島では叶わない事が『ここ』では、叶う。しかも、ある程度意図し、行動するだけで。
例えば、
神魂の影響で歩き、話をする
ルヴィア
と出会ったあの夜と同じように。再び共に話をして、また一緒に歩く事が可能だったなら──
──分かる。
今の自分はきっと、いや確実に苦笑を浮かべている。
……あのとき胸に宿った温かさが、やはりまた愛おしいと、思う。
「──やっぱり、そうなんだよな」
僅か。ほんの少しの情けなさに似た想いを感じながら。
やはりそこに辿り着いた己の願いに、刀はしばらく、その想いを確認するように瞳を閉じて呟いた。
研究者のリストを見た限り、ここにある薬草ではその切っ掛けとなりそうな薬は思いつかなかった。
しかし、その手段は薬に限ったことでは無い。いつか、それに近づける機会が、物があるのならば──
「うむ、やはりこれは美味い!
しかもお肌プルプルな上に、少し太り過ぎな気配のあった私のお腹が心なしすっきりと!
こんなに即効性がある美容薬は初めてだ! これは自分でも作ってもっと飲も──」
「待った。それは飲み過ぎると逆に痩せ過ぎてしまって危険だよ。中毒性も高そうだ。
驚いた、簡単にこんな薬が出来てしまうなんて」
「……え?」
刀が思考の海から戻ってくると、そこには既に自分の薬を飲み干して、中毒もびっくりの勢いで新たに同じ薬を作ろうとしている研究者と、それを必死に押さえて説得しているアルレッテの姿だった。
『メロンと牧草効果により、ハーブのデトックス作用が現れ、体内の脂肪が燃えてダイエットが出来る優れもの。
ただし、メロンの味が美味しすぎて中毒になり、食べた分だけ痩せすぎてしまう』
こうして、調合者の思いを全くよそに、極めて危険なおくすりが爆誕してしまうのも、調合の醍醐味である──
「できたーっ!!」
リプカ・ングルマ
は、薬──練り香水として作成した、本当に小さな器を前に、嬉しさのあまり両手を上げて飛び跳ねて喜びを全身で表現した。
「こんな感じかしら?」
胸を高鳴らせながら、一度閉めた蓋を開けて匂いをくんくんと嗅いでみる。
すると、アルレッテに教わった通りに行った成果として、ふわりとすっきりが混ざり合った優しいシトラス系の香りがした。
「いい香り!
ちょっと味見……」
しかし、確かに植物由来100%ではあるが、練り香水として完成した物を食する所まではアルレッテも想定していなかった。
よって、小さな舌でぺろりと味見したその結果は。
「うっ、なんか変な味する……」
手元に未だ残る、調合に使用した薬草を見つめながらリプカは舌を出したまま呻る。
「なんでだろう、レインボーベリー入れたのに……」
リプカが目指していたのは『香りも良し、食べても良し、塗っても良し』の三点揃った練り香水だったようだった。
それが分かっていれば、店主ももっとレシピに苦心しつつも、思案を巡らせていたかも知れない。
「でも、捨てちゃうのは勿体ないわ!」
せっかく一生懸命作ったものだから、大事にしたい。その思いを抱えて、リプカは思考を切り替える。
「うーん……どこかに塗ってみる!」
試しに、香りがすぐ確認できるように左手の甲に少し取って塗ってみる。
その手を近づけると、やはりとても美味しそうな匂い。
「美味しそうな香りなのに……ん?」
ふとリプカの脚に急に力がみなぎった後、瞬時に軽くなったような気配がした。
「なんだろう……わっ、足が軽い!」
みなぎる力の赴くまま、試しにジャンプしたリプカはその足が、軽く飛び跳ねただけなのに、床から30センチ以上浮いたことに驚いた。
「わっ、わ! 楽しい!」
ぴょん、ぴょん、ぴょん。
軽く跳ねているだけで、体が不思議なまでに飛び上がる感覚。それを見て驚いた研究者がレシピを確認して。即座に、それが練り香水の基材となっている、足軽小麦と星の牧草の効果であろうことが確認できた。
香りは変わらず、シトラスの良い香りを漂わせている。
──塗ると『脚力が跳ね上がる練り香水』の完成である。
「はじめてなのに成功しちゃった!
えへへ、たのしい!」
喜びのあまり、リプカのジャンプは止まらない。
ただ、心も跳ねるままにスキップしようとした際に、天上に頭をぶつけそうになった際には、流石にリプカも気を付けなければと心に決めた瞬間だった──
「──胡椒は実だね。サファイア・リリーは全体に星の力があるけれども、強いて言うなら花びらが一番効能があるよ」
相談に乗ってくれる
アルレッテ・ザメニス
の言葉を聞きながら、修は先程まで思案していた薬の実践研究を開始した。
まずは、その成分がどこに一番凝縮されており、どうやって乾燥凝縮させるか。
修の計画では、今日の閉店時間まで行える事には限度がある。よって、最終的には長期保存の利く焼き菓子形式とする為、乾燥方法の一つである加熱処理を行った際の成分変化には細心の注意を払った。
「更に──これで、不純物を活性炭に吸着させて、その炭を取り除けば、より高い純度が期待出来る」
手順を踏みながら、徹底的なまでに成分の純化、濃度を高めていく。その徹底ぶりにアルレッテも驚きを隠さず、辺りを見て回って戻ってきても、修のその集中ぶりに純粋に見守ることにした。
「加熱時の成分と……そしてサファイア・リリーと鷹の胡椒の配合割合を、可能な限り多数のデータとして取りたい」
修は試しに作った配合のサンプルを、一度席を外して、外の野良ネズミに与えてみて、毒性がない事を確認して戻ってくる。
「毒性なし、だな。
後は実際の星の力についての少しずつ調べてみたいのだが。これは、やはり実際に食べてみるしかないだろう」
そうして、修はアルレッテから天秤と計量皿を借りてきた。
装備品に宿した『魔土の光(茶)』を最弱の状態で使用し、効果がふわりと発生すると、計量皿の上に僅かな土が乗っていた。
「これを基礎重量にして……後は、期待できる最大効果の配合割合をまず試してみるか」
そこから、期待値としての最大効果──試しに自身でいくつか試した後、その予測で割り出した調合を試そうとした時、アルレッテがそれを目に留め、少し思案した後にそっと声を掛けた。
「確か、作りたい物は口に運ぶものだったよね」
「ええ、焼き菓子形式のものにしようと」
「なるほど。だとしたら、焼き菓子のベースはそこの焦熱小麦か……」
アルレッテが難しそうな顔をして考え込む。
「うん、その薬は、きっとかなりの効果が出ると思う。
ただ、それを実際に作成する時の用量は、できるだけ少なくした方が良いと思うよ。
焦熱小麦の量によるけれども、過ぎる薬は使い道を誤るとすぐに毒になってしまう。
さっきの相談の時に見せてもらったメモを基準にすると、今の調合量だと、人に使えるのは三日に一度かな。それ以上は人体に影響が出るよ」
「……なるほど」
考え込む修に『今取り扱っている素材の純度と濃度が、他の人のものより遙かに高いからね』と、薬師であるアルレッテにとっても、別の薬草に近い感覚に、慣れない様子でアドバイスする。
「──そうだね、これだけは間違いないことがあるとするなら」
アルレッテが確信を持った表情で、修を見つめ直した。
「それは……とっても美味しくなくなるからおススメはしないかな。
食べなきゃ効果が出ないのに、多分その調合割合だと、飲み込むことも出来ない」
真剣にそう告げて、それから困ったように微笑んだアルレッテへ。修も即座に頓挫した期待値で、深刻げに悩んでいた緊張を解くように、微苦笑を浮かべて頷いた。
それからの修は、まさに調合の鬼と化した。
最初は主軸となる鷹の胡椒とサファイア・リリーの配分だけを考えていたのと併せて、焦熱小麦の分量も同時に考えなくてはならなくなったのだ。
「八神さん、何かお手伝い出来ることはありますか?」
自分の方の薬を完成させた月が、書き付けの嵐となった紙の前とオーブン、そして計量皿を往復する修の元へと問い掛ける。
「ああ、助かるよ。
この配分で、調合の手伝いをして欲しい。
各試料で『最低100回』は試行しようと思っている」
手伝いに来た月は、最低100回の単語に息を呑む。
しかし──修は、本気であった。
「もし疲れたら、俺は気にせず自由に休憩してくれ」
薬の開発は地道だから──そう言いつつも、手伝いに来てくれた人の手前、修は休憩を入れながらも、ほぼノンストップで、がむしゃらに調合と結果反映に取り組み始めた。
野望としては、完成後に包装紙のデザインまで考えたい──修はどこまでも本気だった。
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日常
SF・ファンタジー
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定員
15人
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15人
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シナリオガイド公開日
2018年02月24日
参加申し込みの期限
2018年03月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月03日 11時00分
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