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魔女の噛み痕 マリーの帰郷
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【死珊瑚の仇野】
異相の能力は、あらゆる可能性を彼らへもたらした。
しかしながら彼らはあくまでも人の身であり、ましてや熟達した魔術師でもない。
「あ……あっ。うあ……」
スピカ・フォーツ
と
鷹司 凜太郎
は確かに時と空間を飛び越えたが、死線までも跨いで通ることはできなかった。
またしても、これだ。
横たわり蠢く繭、無数のプラヌラ。揺蕩うコーラリアンの半身、メテフィラたち。
時空の門を通り抜けた先、彼らが行きついたのは、コーラリアンの巣だった。
スピカは凜太郎の胸へとすがり、凜太郎は彼女を抱きすくめる。深く、深く身の内へ匿うように。
「……諦めない」
せめてもの抵抗に、凜太郎は自らに宿った異能を用いて、数体のプラヌラを支配下に置く。頭部に揺らめく触手を操り、這い寄るメテフィラを絡め取り押さえ込む。
しかし、相手は無数だ。
「諦めない。スピカ君と必ず、生きて帰る……絶対に!」
更に掌握するプラヌラを増やし、メテフィラたちの進行を縛る。
止まらない。焼け石に水というものだ。
何度も能力を行使し、繰り返した。何度も。何度でも。
凜太郎の双眸は青く輝き始め、過度な異能への傾倒が、彼の肉体へと影響を与え始める。青い瞳から涙にも似た赤いひと筋がこぼれ落ちたことに、彼は気付いていなかった。
「諦め、ない。僕は……スピカ君と……生きて……」
「リンタロウ」
凜太郎の手へ、そっとあたたかいものが重ねられる。
彼を止めたのは他ならぬ、胸の内のスピカだった。
「もう、いいよ。リンタロウ」
「……だがっ。僕は……君と!」
彼の唇へ、指をなぞらせる。そうして再び、彼の胸へと頭を埋めた。
もはや語るべくもなく、凜太郎にとってはスピカが、スピカにとっては凜太郎が、世界の全てとなる。
「ああ……」
腕の中のぬくもりを実感しながら、凜太郎は天を仰ぐ。死に絶えた珊瑚の洞穴めいたそこには空の色すら見えなかったが、それでも構わない。
恐怖と狂気に塗り潰されながらの最後より、彼女と一つになりながら迎える終わりは、何と幸せなことだろう。
凜太郎は、微笑みながら瞳を閉じた。
【かの島の昔日】
史越 奈津樹
は語る。青く染まった瞳で、超然と見据えながら。
「加納 弥三郎は、レッドヒル・マリーの虜だった。支配、あるいは洗脳といってもいいかもしれない。二人がまだ幼かった頃から、弥三郎はマリーにあらゆる価値観を植え付けられたんだ。時折彼女が見せる、ちょっとした親愛の仕草と引き換えにね」
「挙句に使い捨てられたのか。何とも、救われない話だな……加納っ!」
獣じみた動きで迫る彼の牙を、
新田 亮
は呼吸を止めろっこんを発動。増大した膂力に加えて相手の力をも利用し、投げ飛ばす。巻き込まれた狐らが可憐な声できゃんと鳴いた。
「幼馴染だったってのにか? くそっ、胸糞悪ぃな!」
楢木 春彦
は毒づきながらもろっこんを用いて足場を作り出し、狐の黒い歯から逃れる。
「痛ぅっ……」
「無理するな、楢木!」
顔をしかめた春彦の隙へ飛びかかる狐を、
御剣 刀
が辛くも撃墜する。
先ほどに弥三郎の殴打を真正面から受け、痛む脇腹を抑えつけながら春彦はうめく。
幼馴染を。実験の糧に。そんな言葉が、鈍痛を一時忘れさせるほどに頭の中を巡っている。春彦の幼馴染は快活で、時折意地の悪い物言いもするが、だからと言って疎んじたことなどない。
奈津樹はなおも語る。まるで片手間のように、飛びかかる狐の口中へ弾丸を撃ち込みながら。
「弥三郎は、同年代の少女たちに忌み嫌われていた。もっと単純に言うと、虐められていたわけだね。レッドヒル・マリーもまた同じく嫌われ者だったから、彼女が世界の全てだった弥三郎にとっても、少女たちは憎悪の対象だった」
「だからこの狐嬢ちゃんたちに当たり散らしてるってわけか?」
剣閃が走り抜け、弥三郎の腕から生え伸びる牙とかち合い弾き返した。
不敵に笑む
高杉 かよう
。手には
響 蒼留人
が変じた美しい日本刀が、鮮烈な夕日の赤を照り返している。
「そいつはちょっと、了見が狭いってもんだぜ。なあ響」
相棒の返答は無いが、ともかく切っ先を弥三郎へ向け構えつつ、刀と並び立つ。
「……終わらせよう」
語りを切り上げた奈津樹が春彦を、亮を振り返り、頷く。
今や賢王と繋がり、全てを悟る奈津樹だからこそ、弥三郎の感情にも通ずるところがあったのかもしれない。
「もう、終わらせよう。加納 弥三郎」
それから、どれほどの時が経ったのか。誰にも感覚は曖昧で、時間の流れを示す指針があるとするなら、千切れ、切断され、穿たれ地へ転がる、数えようもないほどの狐たちくらいのものだ。
「いい加減、ゲームセットにしようぜ……!」
蒼留人の刀を宙へと放り、かようは自らの姿を蜂へと変える。空中で人の身へと戻り刀を手に取ると、自重を乗せて弥三郎の首を斜めに貫いた。
「どうだ、こいつでそろそろ……、がッ!?」
弥三郎の腕から飛び出す牙が脇を抉り、かようを殴り飛ばす。
奈津樹の放つ銃弾が胸へ食い込み、刀が神速の一閃を叩きつける。が、
「!!」
「ぐ……っ」
牙は奈津樹の肩を貫き、刃引き刀を刀の手から弾き飛ばした。
攻防は幾度に及んだことだろうか。弥三郎は倒れなかった。誰かを呼ぶかのように咆哮を上げ、全身に決して浅くは無い傷を刻み込まれながらも、彼が止まることはない。
よろめき、春彦は血を吐きながら立ち上がる。身をかわして串刺しは免れても、殴打の衝撃に身体は軋み、ばらばらに砕けてしまいそうだ。
「このままじゃ……ラチあかねぇ。こうなりゃ……」
起死回生の一手を期待したわけではなかった。ここで得た異能を試さずに終わることもないと、半ば開き直っただけだ。
直後。やみくもに吠え声を響かせるのを止め、弥三郎はびくりと凝固した。
「これならどうだ? 牙野郎ッ!」
自在に異形を生み出すその能力で、春彦が彼の目前へと顕現させたのは、他ならぬレッドヒル・マリーの姿を模った人型だった。
無論、夢のどこかで垣間見た姿を再現しただけの虚ろな人形に過ぎない。しかし弥三郎の瞳は一時獣から人へと戻り、震える手を女の形へと伸ばす。
「マリーを再現したか……! 今だ!」
「ああ!」
刀が駆け抜ける。刃引き刀を胸へと差し込む。
かようが背へ、奈津樹が脇へ。亮も錆びついた日本刀を拾い上げ、突き入れた。
「……!?」
弥三郎が真に人であったなら、当然のごとく絶命していただろう。が、彼は望んで人を捨てた。レッドヒル・マリーへ殉ずるために。
その純粋を逆手に取られたと気づいた彼が陥ったのは、狂乱だった。
まず奈津樹が腹を牙に貫かれ、次いで亮を両腕の防御をもろともに砕いた。かようは股下を滑り抜けようと試みるも腰骨を踏み砕かれ、蒼留人の刀は半ばより折れて地へ突き刺さった。
春彦の首を捉えた弥三郎を刀が背中から強襲するも、幾度打ち込もうと腕が外れることはなく、やがて鈍く乾いた音と共に春彦の四肢は弛緩した。
「ああ……お前の言う通りだ、史越。もう、終わらせよう……」
豪腕を真正面から受け刀が沈んだ後、弥三郎の前へ立ったのは、両腕を砕かれた亮だった。
弥三郎は不快な何かを払うように腕を振り回すと、春彦と同様の手管で亮を屠ろうとしてか、彼の首を掴み上げる。
「もう……眠れ」
亮の得た、時と空間を操る異能が発揮されたのは、その瞬間。
彼が引き裂いたのは空間そのものと、弥三郎と、捕らえられた亮自身だった。
「……これで……もう……」
永遠に続くかとも思えた夕暮れへ、暗い夜が混ざり始める。
微睡みのごとく遠のく意識の中、亮は弥三郎の顔に安堵の笑みが浮かぶのを、ちらと垣間見たような気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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