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魔女の噛み痕 マリーの帰郷
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「いつも馬鹿にされているのね。あなた」
薄汚れて小汚く、頬には泥がこびりついていた。着物はほつれて繕い跡だらけ。落ち窪んだ暗い目で、けれど真っすぐに私を見ていた。
最初は単なる好奇心。着飾った狐みたいなメスガキどもが彼をどんな言い回しで貶めているのか、詮の無いことが気になっただけ。
「お、おれ、の、鈍いから……」
「なんと呼ばれたの?」
「う、う、うすらでかい頓馬……とか。ち、痴鈍、とか」
「ふうん」
ひねりの無い罵詈雑言は、もう耳に入らなかった。私の興味はすっかり、その哀れな少年に移っていたから。
思ったのよ、私。
「あなた。名前は」
「や、や、やさぶろう。か、加納、弥三郎」
「あら生意気。姓があるのね」
「あ、あな、あなたは、知ってる。あ、赤坂……」
「まずはその乞食のような成りを何とかしましょう。それに、その吃音も矯正してあげる。あなたのそれは痴鈍だからじゃない、人との交わりに慣れていないだけ。ゆっくり治せばいいわ」
「……? え、な、なに、え……? お、おれを? なおす……?」
「お嫌かしら? やれ西洋の魔女だなどと噂される、こんな怪しい女に世話を焼かれるのは」
こいつ、使える。って。
魔術の深淵を目指すには、助手が必要だった。手足のように動き、どんな無理難題にも疑問を抱かず淡々とこなす、私のための狂った信奉者が。
誰にも顧みられず、歪んでいて、絶望している。痴鈍は教育すればいい。叩いてやれば動くでしょう。
「い、い……いやじゃ、ない」
「そう、いい子ね。くふふ」
いい拾い物だったわ。メスガキどもには感謝してやろうかしら。
【かの島の昔日】
狐は狡猾だ。少女の顔でにたりと下衆な笑みを浮かべたかと思うと、対峙する
響 蒼留人
の横から後ろから、仲間が深く食らいつく。
「ぐっ、うお……」
鋭く竹刀を振るう。横薙ぎの一撃で狐の一匹を撃墜し、もう一匹の眼球へ突きを叩き込む。
「おいおい。大丈夫かよ」
「……まだ、いける……!」
並び立つ
高杉 かよう
がちらと視線を投げかけるが、構えた棒切れを投げ捨て蒼留人に治療を施す余裕はまるでない。
羽虫の飛び交う音が、耳にやかましい。蒼留人の腕や脇、背は熱を帯びている。今は鈍痛だが、やがて激痛に苛まれるのかもしれない。
狐に食らいつかれた彼の肉は、壊死しつつある。
「獲物を腐らせてから食う……って?」
跳躍した狐を真正面から、面、胴と流麗な剣さばきで撃墜する。
苦悶の息と共に、彼は吐き捨てた。
「俺は、腐女子が嫌いなんだよ……っ!」
こんな時だというのに、姉の理解しがたい趣味やその創作物が頭をよぎる。普段なら忌避してやまないそんなものが、不思議と心に余裕を育んだ。
「そう……剣の強さは、心の強さだ」
この悪夢も、鍛錬だと思えば張り合いも生まれよう。
一方のかようは、そも悩みや迷いとは無縁にも見える。
「こいつはどうだっ」
拳に生み出した毒針で、少女と狐の境である首元を貫く。間髪入れず反転し、足元から拾い上げた手頃な石くれを、蒼留人を襲う狐めがけ投擲する。
「俺の蜂針とボール投げで、至近距離と遠距離はカバーできる。ここにお前の竹刀が近距離を補えば、まさに地獄にホットケーキとはこのことだぜ」
「わけの分からないことを……」
脂汗を浮かべてふらつき始めた蒼留人の意識を、少なからず引き上げようと考えての軽口だったのかもしれない。
旋風めいて鋭く竹刀を振るった彼へ、かようは笑ってみせた。
「いよっ、流石だね! 裂帛の気合というやつだな、恐れ入る」
「ああ……そうだな。高杉……」
だが、蒼留人ががくりと膝を突くに至っては、さすがに口元へ宿した余裕も消えかけた。
「おいおい。もう限界か? コールドゲームにゃまだ早いぜ」
「ここは、俺に任せて……先に行け」
「……何言ってやがる」
傷の具合の見立てなど素人だ。だがかようの目にも、蒼留人の状態は危急に見えた。
狐へ一撃、スイングを撃ち込む。続くもう一匹は身をかわし、腹へ蜂針をくれてやった。しかし、少女の顔はどこか楽しげにニヤニヤと、二人を嗤うばかりだ。
「立て、響。途中退場なんて、俺は認めないぜ」
「っ」
瞬時に立ち上がり、竹刀を狐の胴、首、顔面、頭頂へ。しかしすぐに再び膝を突いた。
もはや握っている力もないのか、竹刀を取り落とした彼の腕からはしゅうしゅうと、異様な臭気が漂う。額には粒のような汗が浮かび、顔からはあらゆる色が失せていた。
「俺が……もっと強ければ、な」
自嘲が多分に滲む、そんなつぶやきが、あるいは鍵となったのかもしれない。
「……響?」
瞬間、蒼留人は理解した。未だ途切れることのない狐たちを根こそぎに屠り、生還するための唯一つの可能性を。
「高杉……」
「ああ。何だ?」
「俺を、使え」
変化は一瞬だった。
今まさに、初めての発動に至った蒼留人のろっこんが、彼の身を一振りの日本刀へと変えていた。
かようの手は自然と伸び、滑らかな手触りの柄巻へと手のひらを滑らせる。
「響……お前が変わったのか」
振り上げると、鞘口がちりと涼やかな音を奏でる。狐らのことなど忘れ、無心に鎬を指でなぞり、日を照り返す鋼の色と美しく波打つ刃文を堪能する。
刀は人を虜にするという。そんな逸話さえ、今なら理解することができた。
「ふふん。分かった、お前の力を借りるぜ?」
口元が再び緩んだところへ、ぎいと不快な狐の鳴き声。地を蹴る軽快な音が耳へ届き、
「いくぜ。蜂刀一閃ッ!!」
両断された仲間の死体に後退る狐たちの作る道を、かようは悠々と歩んだ。
【死珊瑚の仇野】
あの輝く触手に絡め取られれば、四肢は折り砕かれ穴という穴を貫かれ、およそ人には耐え難い激烈な苦悶の中で狂死するだろう。
その痛みに想像は及ぶ。さりとて理解には及ばない。
朝鳥 さゆる
にはもう、安定した思考を巡らせる余地は残されていなかった。
ただ、虚無だけがあった。
もはやバタフライナイフを幾度コーラリアンへ突き入れようと、抉り抜こうと、
「……ああ」
とか、
「うん」
とか、意思の宿らない吐息めいた一語が時折聞こえるのみだ。
「……?」
それに気づいたのは、絡み付いた触手がさゆるの左手の指二本を容易く折り曲げ、心地よい痛苦にいささかのうめきを漏らした、その時だった。
さゆるは手をかざす。繰り返す死に囚われ異相へと身を浸した彼女が得た能力は、無意識のうち、人の姿をした異形をその場に生み出した。
誰だったろう。ひどく見覚えのある顔だ。指のみならず左の手首までも折り砕かれながらも、さゆるは首を傾げる。
これは、誰だっただろう。微笑んでいる。素敵な笑い顔だ。かつて自分はこの顔を何度も見つめては、幸せな気分に浸ったような覚えがある。
誰? 乱れるベッドの上、何度となく触れた肌、混じり合う互いの汗。
大切だったはずなのに。思い出せない。
「事ここに至っては、夢境に端を発する異能とて、活用せぬ手はありませんが」
剣が走り抜け、さゆるを捕らえていたコーラリアンは袈裟斬りに身体を分かたれ動かなくなった。
さゆるは現れたソフィア・マクマスターの名も声も覚えてはいなかったが、その言葉の示すところは、おぼろげながらに悟ることができた。
再び手をかざすと、さゆるの生み出した人型は全身から無数の長大な針を伸ばし、コーラリアンを刺し貫く。
「狂っていたとて、刃で抉ることはできるもの。ええ、そう。お互いに、歩む道は難儀なものですね」
隻腕に長剣を握り締め、口元に弧を描く傷を歪めたソフィアと共闘するつもりなど、さゆるにはまるで無かった。
生きようとする意志すらも今や失われている。こんなにも派手で劇的な死に様は、綺麗なだけのつまらない人形たる自分にはまるで相応しくないと、そうとすら思う。
ただ、身体が。本能が。そこに満ちる狂おしい何かが、諦めてはくれない。折れてはくれない、倒れてはくれない。
「……今度こそ……」
さゆるは突き動かされるままにナイフを閃かせ、切り裂き、捻じ込み、蹴りをくれ、時には折れた左手を叩きつける。
「今度こそ……本当に……もう、終わらせてよ……!!」
自身の狂気をすら、さゆるは疎み始めていた。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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