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魔女の噛み痕 マリーの帰郷
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【捩れ楼閣】
能力の行使がこの世界へ染まることを意味するなら、いくらでも使ってみせるべきだ。
「……来いっ!」
志波 武道
がいささか捨て鉢な気分に陥っていたことは否めない。背に歩む
工藤 来夢
を守るためであったとしてもだ。
彼が手をかざせば、まさしく異形がそこへと咲いた。そいつは朽ちた植物が絡み合って形作られていて、霜の降りた花弁には凍てつく冷気を帯びていた。
「ちょ、ちょっと、大丈夫なの!? 武道くん!」
「なーんてことありませんって、このくらい。HAHAHA☆」
意思持つ泥濘は、二人へ飛びつき同化する前に花弁が放つ極低温の冷気を浴び、完全なる氷塊と化してゆく。
うねる楼閣の内部を、武道は異形を使役し進む。泥濘は彼の能力に成すすべもなかった。
凍り付いたそれらを踏み砕きながら、ぽつりと漏らす。
「そう……このくらい。なんてことはないさ。世界へ溶け込むんだ。同化して、悪夢の住人になればいい。そうすれば俺は……」
眼鏡の奥の瞳には、平時の彼が宿す理知的な輝きや、おどけた笑いの色は無い。怯えと、疲弊と、甘やかな絶望が見えるだけだ。
来夢はそんな武道の精神状態を知ってか知らずか、彼へと尋ねた。
「なるほど、頼りになるわねー。そうそう武道くん、何か情報があるって言ってなかった? 次の作品のネタにしたいのよねー」
「え? ああ、そうでした。メモを取ってたんですよ。渡しておきますね……っと」
ポケットから取り出したそれが手から滑り、螺旋階段を一段、二段と跳ねて落ちる。
「あ……」
「おっとと、大丈夫大丈夫。あたし拾うから、武道くんはそいつらのお相手ヨロシクー」
来夢が拾い上げるまでもなく、武道は思い出していた。
それは、
手帳
だ。
落ちた拍子に広がったページには、今や懐かしくさえ思える、寝子島での何気ない日常が記されていた。
「……ああ。何やってるんだ。俺は」
異形を操るのは止めない。生き残るために抗うことは止めない。
それでも、武道は思い出すことができた。それこそが肝要だ。
「諦める? この世界に染まる? そんなの、弟に何て言えばいい……」
「ちょっ、武道くん! ネタを拝借するのは後にするわ、あれ見て!」
震動が足元を揺らし、楼閣の壁という壁が崩れ落ちる。紫の空が覗き、姿を見せたのは見上げんばかりの巨躯を持つ異形だった。
歪に絡み合う無数の人骨を、張り付いた黒い泥濘が繰る、まるで巨大な操り人形だ。
「美咲紀! 能力を一点に集中する……力を貸してくれ!」
「はいなのです、シュー君!」
抗戦するも追い詰められつつあった
八神 修
と
椿 美咲紀
の姿を目にして、奮い立たぬ武道ではなかった。
「行きましょう、来夢さん!」
「ええっ、マジで? あんなデッカイのを何とかしようっていうの!? もうっ、仕方ないわね。後でちゃんと、ネタ出し協力してちょうだいよ!」
「生きて帰れたら、いくらでも!」
来夢の手から受け取った手帳の重みが、どこかを揺蕩っていた武道の心を、地へと下ろしてくれた。
【死珊瑚の仇野】
「……? 妹よ。それは?」
「ユールドゥン兄様。サ・ク・ラ、という花木。その苗木よ。東の……何とかいう国から持ち込まれたのだそう」
「ほう。どんな花が咲くのだね」
「いやだ、兄様。咲いてみなければ分からないじゃありませんか。丁寧にお世話をして、咲かせてみせますわ」
「どのくらいで咲くのだね。飽きやすいお前が、咲かせられるかね」
「耳が痛いわ、兄様。けれど安心をして。苗木を運んだ商家の者が、育て方を書き添えて下さったの」
「どれ。何と記してあるのだね」
「彼の者によれば、郷里で流行りの言葉があるのだとか。曰く、『桜の樹の下には死体が埋まっている』」
「何。腐血を吸い上げて咲く花かね。安上がりなことだ」
「けれど、兄様。美の真髄とは得てして、そうしたものではありませんか?」
「聡明なる妹よ。其方は園芸家には向かぬな」
新田 樹
の言動は、駆け引きに満ちている。
「化神さん、危ない!」
「っち、邪魔だぁッ!!」
例えば百鬼夜行を操る
化神 小次郎
の庇護を得るためか弱きを演じ、一歩退いて目視で死角を補うのも、自身の安全を保ち生存を図るためだ。
(死んじゃったら楽しめないもんね。ギリギリまでこの悪夢を堪能しないと!)
樹はヤドカリの巨躯を覆う鋼鉄の艦体をろっこんで奪おうと試みるも、あまりの超重超大故にかうまくいかない。
隠れて観戦しつつ間近のスリルを味わうのも良いが、そればかりではいざという段において切り捨てられる可能性は否定できない。前向きであることのポーズは必要だ。
よって樹は、あくまで自身は前に立たず、さりとて無能を疑われず、加えて状況を楽しむための方策に打って出ることを決めた。
「わ、私もやります! 化神さんばかりに任せてはいられません……!」
「おい、無茶するなよ……って、そりゃなんだ!?」
異相の能力に伴う代償は承知の上だが、快楽は得るためのリスクが大きければ大きいほどに増す。却って塩梅も良いというものだ。
ガスガンを握り締めた樹の左腕が、暗い闇に覆われてゆく。オモチャの銃もろともに樹の腕を飲み込んだ闇が、やがて長大なシルエットを描く何かへと成型されてゆく。
「これで、あいつを……!」
構えたそれは、銃だった。本来なら大の大人が銃架に乗せてやっと扱えるような、強力な重機関銃だ。
「うああああああッ!!」
樹にとっては良い遊び道具のようなそれを構え、心の引き鉄を引き絞り乱射する。堅牢な甲殻に一連の穴が開き、ヤドカリは聞き障りの悪い甲高い声をあげて苦悶した。
続けざまに
壬生 由貴奈
が手を翻し、シスター・ヘレンを操る。小次郎の大妖がしゃどくろが抑え込んだところへシスター・ヘレンが大放電を敢行し、あたりには明滅する雷光と焦げた匂いが満ちた。
「ちょーっと、まずいねぇ」
ヤドカリを相手取りながらも、由貴奈はちらと背を振り返る。
正直に言って、手一杯だ。あちらの丘から近づくコーラリアンたちまでには、到底手が回らない。かと言ってヤドカリから目を離せば途端、あの鋏が由貴奈を両断するのだろう。
「で、何かいい手が思いついたって感じかなぁ? その顔は」
「どうかしら。試す価値はあると思うけど」
一条 紗矢香
は思考する。
この場に見える、珊瑚。コーラリアンたち。そこに共通する点を、紗矢香は一つ見い出した。
「それは、『共生する』ということ」
珊瑚は褐虫藻と共生することで生命活動を維持している。コーラリアンにもその特性を見い出せるが、あるいは彼らも何らかの生物と共生関係にあるのかもしれない。あの巨大なヤドカリも他者の産物を身に纏っているのであり、ある意味では生物として単体では完結していないと言えよう。
賢王クーラシンは、レッドヒル・マリーを取り込んだ。
「タユタラの血脈は、共生することで栄えてきたのかもしれない」
ならば。もはや多くの肉体を失い、多分に自動的な存在となりつつあるかの王には、共生すべきものを求む本能があるのではないか?
由貴奈がシスター・ヘレンに再びの電撃を命じながら、尋ねた。
「なるほどねぇ。で、どうするの?」
「エサを撒くわ」
コーラリアンたちは目前に迫っている。紗矢香には、由貴奈へその考えを晒し、意見を募っている余裕は残されていなかった。
「やってみる。悪いけど、あとはお願いするわ」
「りょーかい。気を付けて」
もはや振り返らず。
紗矢香はコーラリアンらへ対峙し、誘いのように両手をかざして、一点へと意識を集中する。
「夢境を編纂し……この空間の時空へ、歪みを発生させる」
伊達に悪夢をくぐり抜けてはいまい。紗矢香にとて、異相の能力を操る素養は備わっている。
全てがクーラシンになる。なればこそこの場所もまた、王の夢境へと接続されている。力求む本能があらば、食い付くかもしれない。
紗矢香をも、取り込もうとするかもしれない。
「これで……っ!!」
両手を押し出す。空へ歪みを作るイメージ。
瞬間、爆発的な光がそこには生まれ、すぐにも収縮し始める。寿命を全うした天体が爆縮し、全てを飲み込むブラックホールへと新生するように。
光が失せ、由貴奈が隙を突き背後を確認した時、そこには紗矢香も、コーラリアンたちの姿もありはしなかった。球形に抉られた死珊瑚へ、海水がどっと流れ込む音だけを由貴奈は聞いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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