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【死珊瑚の仇野】
園芸家気取りのヤドカリは、生物の死骸を苗床とし、死に絶えた大地へ再び珊瑚を蘇らせようとしているらしい。
その行いこそ高尚ではあれ、巻き込まれる者にとっては当然にして許容しがたい。
「植えられて、たまるかよ……っ!!」
化神 小次郎
の生み出す幻影は質量を帯び、コーラリアンたちを蹴散らし、巨大甲殻類の進行を止めてきた。しかしながら、それは小次郎の気力とその激しい消耗を代償としてのことだ。
多種多様な妖怪たちがヤドカリへ立ち向かっては手に手に武器を突き入れ、鋭い脚の先端に貫かれ消えてゆく。がしゃどくろの巨体はなおもヤドカリへ組み付いているが、幻影は消えかけ明滅している。
「か、化神さん……!」
「……逃げ、ろ」
「逃げるったって、どこへ……」
傍らで庇護されていた
新田 樹
には、彼女の疲弊がもはや尋常でないことも知れた。
(うーん、仕方ない。もはやこれまで!)
樹は小次郎に背を向け、左腕の重機関銃を掃射し道を切り開き、駆け出す。彼女は万事において打算に基づき動いている。小次郎に価値が無くなったならば、離れることに躊躇いはない。
もっとも、小次郎にはそんな彼女を恨むことはおろか、疑うことすら無かった。
「ああ……逃げろ」
途端に脱力し、膝を突く。何をやってる、立ち上がらねばと自らを叱咤するも、小次郎はとうに限界を越えていた。
起き上がろうと死珊瑚へ突いた手すらも身体を支えることはなく、倒れ伏す。ちらと、気を張って維持し続けていた百鬼夜行らが消滅していくのが見えた。
小次郎は口を開き、喉を通らない言葉に諦め、目を閉じる。甲殻類の巨躯が奏でる足音と震動が響く。
「……くま……せんせ……」
後悔は無い。全てを出し切った。誇れる自分であったと思う。
「あたし……がんばった、よ。かえったら……ほめて……くれる、か……な」
心は晴れやかなまま、小次郎は逝った。
「悪いわね、化神さん。お望み通り、私はこのまま逃げさせてもら……っ!?」
とはいえ、小次郎のおかげで長らえた樹の命も、僅かではあった。
足を取られ、樹は死珊瑚の上を転がる。右足に絡み付いたものがコーラリアンの頭部から伸びる触手であったことに気づいたのは、身を起こし、再び迫る彼らの姿を間近に目にしてからだった。
「このっ」
機関銃で薙ぎ払うも、触手は際限なく伸びてくる。
この死に絶えた大地で、彼らは縋るように樹を求める。冷たい暗闇に灯るかがり火に、凍える旅人が誘われるように。
追い詰められた樹にもはや逃げ道は無く、何かしらの救いを求め周囲を見回しても、死珊瑚に混じりごつごつとした巨岩がそびえているのみだ。
「ふふん」
それでも。避けられぬ死を眼前に見据えたとて、それを受け入れるつもりは毛頭ない。
「私がタダで死んでやるとでも? 冗談!」
群がり殺到するコーラリアンたちには目もくれず、樹はゆるりと手を掲げ、不敵に笑む。
ろっこんを発動すれば、背の高い巨岩のバランスを保っていた死珊瑚の一角が取り除かれ、頭上から降る影が樹の視界をあまねく埋めてゆく。
「こうなったら道連れよ。悪く思わないでね?」
笑みを絶やさぬことが己を保つことであるかのように、樹はまるで屈することが無かった。
シスター・ヘレンが身の内に蓄えてきた電力も、ついには失せた。あるいはそれを彼女の怒りと呼ぶべきであったかもしれないが、人の身を捨てたとしても限界は訪れよう。
「……お疲れ、シスター」
巨大な鋏に貫かれ、地へ沈んだ白鯨を静かに見据え、
壬生 由貴奈
は言葉をこぼす。
乾き切った珊瑚の大地へ腰を落とす。異相の能力で荒れ狂うシスター・ヘレンを統御し続けた由貴奈に、もはや出来ることは一つとてありはしなかった。もう足は動かず、辛うじて腕一本を上げてみせる程度の力のみが、由貴奈に残された最後の抵抗だった。
……いや。
「試して……みよっかなぁ」
ここは悪夢で、全ては賢王クーラシンと繋がっている。
手を伸ばせば、届くかもしれない。
震える腕をかすむ眼前へ掲げ、夢想する。溶け合う二つ、個と個を分かつ。ケーキへナイフを滑らせ切り分ける……そんなイメージを。
「…………」
事が成されたのかは、判然としない。手応えはあったようにも感じられた。
だが、それを伝える者ももはやない。由貴奈は青く輝く瞳を閉じ、意識を手放していた。
シスター・ヘレンの亡骸へ新たな命を植え付けようとしてか、ヤドカリは鋏を振るう。無論のこと、それが生物であれば大小を問わず苗床とするのだろう。
手頃な大きさへと切り刻もうとしてか、倒れ伏した由貴奈へ鋏を伸ばした、その瞬間だった。
「くだらない……」
鋭く風を切る何かが走り抜けた。ぴしりと空気が引き裂かれ、凛と鳴るような沈黙が降り落ちる。
ヤドカリの巨躯が、背に負った鋼鉄艦もろともに断ち割られ、左右にずり落ちてゆく。内容部を露出しながら、ヤドカリは緩慢に崩れ落ちた。
「何もかも。価値なんてない。意味なんてない」
朝鳥 さゆる
。図らずもレッドヒル・マリーに習い生み出したのは、肥大化する彼女の狂気をつぶさに顕現するがごとき、巨大な蟷螂だった。
その頭頂に立ち、全てを見下しながらつぶやく。
「何もない……」
そんな大仰な能力とて今や役割を終え、無用の長物と化した。元より、死に抗う意思など無いのだから。
ただ、この狂気が。暴れ荒み崩壊の途をたどる、この狂気だけが。
「まるで……何も……」
ゆらりと傾き、目を伏せる。蟷螂の頭部から滑り落ち、さゆるは重力に身を任せる。
終わろう。あっけなく、意味もなく。唐突に、静かに。
それがきっと、自分にはふさわしい。
【捩れ楼閣】
「くそっ。みすみす志波先輩を……工藤さんまでも!」
「と、とにかく走るのですー!」
再び楼閣を巡る螺旋を駆ける。
八神 修
も
椿 美咲紀
も、やみくもに戦い抜くつもりはない。この悪夢からの生還が最大の目的なのだから。
さりとて仲間を見捨てるつもりは毛頭なく、逃走の助けとなるべく守り人ダイダへ攻撃をしかけ時を稼ぐ算段ではあったが、今やその対象も失われてしまった。
今はともかく、生き延びることだ。
「こちらへ……」
「! ソフィアさん?」
相も変わらず、各所を転戦していたのだろう。ソフィア・マクマスターの修道衣はもはや襤褸切れと変わらなかったが、しかし健脚は損なわれていない。ただ表情には、癒えない疲れと深い陰りが色濃く滲んでいた。
背後から、空を震わす轟音が届く。振り返らずとも、黒い泥濘に傀儡とされた人骨の集合体が迫りくることは知れた。
「どこへ行くんだ、ソフィア!」
「終着点へ」
ソフィアの先導するまま、螺旋の巡る先へ。ダイダは修や美咲紀の背を追いながら、楼閣を見る影もなく破壊してゆく。
人骨の動きは緩やかではあっても、歩幅は人間と比べようもない。いずれは追いつかれよう。
「そうなれば、もはや戦うしかないか……」
「シュー君! あれ!」
美咲紀の指差す先に、何か、黒いものが揺れている。闇色の外套を纏う、人の形をした影だった。
二人にはそれが
香月 良衣
であることを認識できなかったかもしれない。ましてや、変容した彼女が発する言語の残滓を理解することもかなわなかったかもしれない。
それでも、意思は通じたはずだ。
「食い止めるから、先に行け……か?」
返答は無くとも、修は影の意図を汲んだことだろう。足を止めず駆け抜けたソフィアに続き、修と美咲紀も揺らめく影と触れ合うほどの傍らを走り抜ける。腕に感じた底冷えする空気に、美咲紀は身震いした。
しばし走り、ちらと後ろを垣間見る。
シオマネキのように肥大化した右腕の大剣を容易く振り抜き、影が人骨の上下を分かつのが見えた。
良衣の胸は誇りに満ちあふれている。
「ここは私に任せて。先に行って!」
最後に言葉を残すなら、やはりこれだろう。
「なーんて。一度言ってみたかったんだよね」
見覚えのある彼ら……恐らくはかつて仲間だった誰かをかばい、剣を携え巨大な怪物を一刀両断に斬って捨てる。
良衣は満たされていた。英雄とはつまり、かくあるべきだ。
「誰か一人でもたどりつければいい。私は英雄だもの、命を捨てるのは覚悟の上だよ」
良衣という人間は、既にいない。究極の変容を経て、既に彼女は異相との同化を果たした。彼女を構成するものは、頭頂から爪先に至るまで、全てが闇だ。
思考は冴えているが、上手く口が回ってくれたかどうかは分からない。けれど、伝わらなくてもいい。それでも、思いは伝わるから。
「覚めない悪夢も、いつかは覚める。きっと……私はそのために、ここに来たんだ」
ぬるい風が吹いて、今や良衣そのものである闇を取り払っていく。吹き散らしてゆく。
役目を終えた良衣は風に乗り、黒の粒子へ解けて消えていった。
修や美咲紀、ソフィアの姿はとうに無い。遠くへ……彼らは遠くへと駆け抜けた。
後に残ったのは、儚い繋がりを断たれ這いずるダイダと、
「……あはッ」
白 真白
のみ。
「終われッ、終われ終われおわれおわれおわれ、おわれぇ!! あは、ふ、ふふ、全部ぜんぶゼンブ、ふは、あっひ、ひッひひひひひ」
真白もまた真白という人の枠を飛び越え、自らを溶解循環する液状と化した。楼閣を、螺旋階段を、それらを構成する全てを溶かし尽しては混ざり合い、際限なく膨張してゆく。
真白という存在が、夢境を侵食してゆく。
哀れな守り人を自身が飲み込んだことさえ、真白は気付かなかった。何もかも壊れてしまった。崩れて広がる瓦礫は、真白の心そのものだ。
「は、ははは。あは♪ ゼンブ わたし のみ こ ぇぅ お……」
真白は溶け合う。循環する。それはもはや真白ではなく、あらゆる事象を内包する、呼吸する強酸液の海だ。
かつて真白であったそれは、新生を夢見て全てを飲み込んでいった。
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
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