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【捩れ楼閣】
腕を振るうたび、金色の何かがちらと目にかかる。
一分の隙も無い完全なる闇、というわけでもないらしい。
日向 透
はまたしても心に自嘲を滲ませる。表情は既に見てとれないとしても。
かつて自身の肉体を構成していた金色がまだ残されているのなら、瞳の緑もどこかにあるのだろうか。きらと闇の中煌めいているのだろうか。
それが透に残された、最後の証なのだろうか。
ちっぽけなものだ。透は思う。それでも、自分はまだ
日向 透
なのだ。
「修くん気を付けて、後ろ!」
「志波先輩!? 無事でしたか!」
透は歩む。その行く先に、人骨が寄り集まった巨大な影がそびえている。たもとでは、どこかで見たような何者かが右往左往としているが、透はそれらに興味を持てなかった。
人骨の頂点に据えられているのは、錆びて朽ちかけた冠のようなものを頭部に辛うじて乗せている、手足を持たない骨格だ。先ほどから不意に脳裏へ差し込まれる映像や、賢王の夢境へ溶け合いつつある透には、それが何者であるかを悟ることができた。
彼にはかつて、ダイダという名があった。未だ健常であった頃の王都タユタラが戴いた、最後の王。賢王に屈した、最後の守り人。
何て滑稽だろう。透は嗤う。
「ちょっ、何? あの黒いのはー!?」
「シュー君、何か来たですよ!?」
実に滑稽だ。こんな場所で、未だ未練がましく冠を戴くとは。
闇と化した腕を振るう。透にとっては何気ない仕草だったが、その延長上たる軌道には黒い刃の奔流が生まれ、骨格たちの表層を走り抜ける。
取りついた寄る辺なき泥濘どもをもにわかに蹴散らしながら、闇はダイダが戴く王たる証を両断し、包み込み、圧縮して破壊した。
胸がすく。王など必要ない。ここはもはや透の夢でもあるのだ。
背を向け、歩き出す。王座を追われた哀れな男と小さき者たちの諍いは続いているが、透には関わりのないことだ。
全てが溶け合うまでにはまだ時があるようだ。もう少しだけ楽しもう。
終焉へ向け、透は振り返ることなく歩んでいった。
通り過ぎて行った影の意図するところはさておいても、ダイダの自尊心を傷つけるに十分な行いであったようだ。彼に思考する機能が残されているとするならだが。
「……皆、避けろ!!」
八神 修
の叫びは楼閣の内部へ乱反射し、崩れた壁を抜け頭上へと響く。紫色の空を蔦めいて絡み合う無数の尖塔が半ばが覆い隠し、ちらと覗くその隙間にはオーロラが泳いでいた。
緩慢な人骨の集合体が、腕を成すそれらを振り下ろす。地響きと共に叩きつけられたそれを転がり避け、修は手をかざす。
異相と混ざり合いつつある彼らの能力は、天変をも操る。
「温存しておくつもりだったが……やるしかない!」
修の手の動きに従うように、幾つかの尖塔がもぎ取られては飛翔し、巨躯へ飛び込んだ。
己の身体を成す人骨を砕かれても、守り人たるダイダは止まらない。泥濘に取りつかれ傀儡の王と成り果てようと、誇りまでは捨てんとするように。
「来夢さん!」
「おっけー、武道くん!」
並び立ち、
志波 武道
と
工藤 来夢
は異形を生み出してゆく。この際、出し惜しみはしない。精神が焦げ付き焼き切れるまで抗うつもりだった。
武道は冷気を帯びる奇怪な自走植物を、来夢は堅牢な甲殻を纏う装甲獣を作り出し、数体で身を守りながら残りを攻撃へと差し向ける。
「いやー、仲間がいるって頼もしいわねー。こんな状況で協調性ってものを学ぶとは思わなかったわ」
状況にはいささか不釣り合いな軽口だが、本心だ。来夢の行動原理はつまるところ漫画によって占められており、ようやくにしてごく当たり前の感覚を持ち得たのが死線を前にしてのことだとは、皮肉と言えた。
「っぐ!?」
「うわっ!」
ダイダを構成する人骨の一部が、針のごとくに射出される。修へ、武道へ来夢へ、それらは降りそそぎ肉を穿つ。
敵に彼らを葬る手管はいくらでもあるようだったが、それでも倒れず立ち向かっていけるのは、
椿 美咲紀
の援護もあってのことだろう。
「させないのです!」
再び放たれる骨針めがけ、美咲紀は無造作に腕を振るう。眼前に時空の歪みを作り出し、骨針を阻む。
「花があれば、傷も癒せたですけど……」
「痛っ……いいや、上出来だ。ありがたい!」
仲間たち、特に修を守るのは美咲紀の役目と自負している。彼女が修へ向かう致命的な一打をいなせば、その間に修が攻撃へと転じることができた。
来夢と武道は異形を生産し続け、地を這う泥濘を蹴散らしダイダをも押さえ込み、修は尖塔そのものを武器として叩き込む。轟音と震動が楼閣を満たしてゆく。
「っ!? 来夢さん! 危ないっ」
が。元より相手は、寄り集まった人骨がおよそに人の形を成しているに過ぎない。時にはその括りを逸脱したとて、何ら不思議ではなかったろう。
「武道くん……!?」
来夢の背後から持ちあがったのは、ダイダ本体から尾のように伸びた第三の腕だった。
駆け込んだ武道が来夢の背を突き飛ばすと、人骨の形作る腕は鞭のようにしなり、彼の直上へと振り下ろされる。
「来夢さん……」
最後の瞬間、彼が笑んで見えたのは、気のせいではなかったはずだ。
「漫画。できたら、真っ先に見せてくださ」
衝撃と舞い上がる粉塵、轟音にかき消された彼の言葉は、来夢にも届いていただろう。
「……ま、できたらね」
武道が倒れると同時に、彼の生み出した異形も崩れ落ちた。修と美咲紀は猛撃を凌ぐのに手一杯で、来夢へ意識を割く余裕は無かった。
来夢の装甲獣は泥濘を蹴散らすには足るも、ダイダの巨体から繰り出される破壊的な一打を受け止めるほどではない。異形を作り上げる速度を消えていく速度が上回った時、来夢は乾いた声でつぶやいた。
「戻ったら、アシくんたちに休暇でもあげようかしら。思いやりって大切よね」
やがて視界を埋めるほどに降りそそいだ骨針を、来夢はまばたきもせず見つめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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