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魔女の噛み痕 マリーの帰郷
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【死珊瑚の仇野】
二度、死を迎えた。そのたび蘇った。
否、目が覚めたと言うべきか。それともまだ覚めてはいないのか。
幾度となく連なる悪夢は、
朝鳥 さゆる
から正しき時を奪い去ってゆく。絶望に浸り、とうにすり減り切った心に残る最後の隔壁すらも摩耗させ、究極の荒廃へと導いてゆく。
何もない。からっぽだ。それが今のさゆるを表す、最も端的な言葉と言えた。
「…………」
言葉もなく、ちりとも揺らがない感情で、ガラス球のようにただ像を結ぶのみの眼球を通じて、さゆるは眼前を占める光景を見やる。
大地は死に絶えていた。共生する朋友を失い干からびた珊瑚の仇野。真白く、墓標の無い墓地。動く者もない。
「……ああ」
いいや。奴らがいる。透き通る儚げな身体に、クラゲ、あるいはイソギンチャク、またあるいは珊瑚のような特徴を宿らせた人型の異形たちが、どうやらさゆるを見つけたらしい。
あの女は、連中をコーラリアンと呼んでいた。
……あのおんな? さゆるは首を振る。誰だったろう。夢に見た誰か。
さりとてもはや、どうでもいいことではある。
転がる白い残骸を蹴とばし、小型で華奢なバタフライナイフを翼のごとく展開する。一連の動きは淀みなく、そうすることが当然であるとばかり、コーラリアンたちへ向かい踏み込む。
何も映さない虚ろな瞳のまま、さゆるはつぶやく。
「お似合いね」
こんな安っぽい死に方、あたしには。
それでも自然と身体は動き、ぎらつく刃を透き通る身体の首元へねじ込んだ。
【捩れ楼閣】
捩れくねっていても、かつての楼閣であったのだとひと目で分かる。内部を巡る螺旋階段までも傾き歪みながら、壁に掛かっている燭台は金色に輝いているし、今では襤褸となった絨毯の切れ端であっても、よくよく見れば精緻な刺繍が施されていた。
「このまま、あの異形たちに埋没していくのは……嫌なのです」
二度の悪夢に、
椿 美咲紀
は抗ってきた。しかし次もそうであるとは限らない。
「例え指一本になったとしても、私は私なのです」
核心へと近づいているという予感があった。それだけに、異形はよりおぞましく、苛烈に彼女らを責め立てるだろう。
それでも美咲紀には、己を手放すつもりはなかった。
「交戦は避けて進もう。だが、元を断たねば終わらない」
八神 修
の命もまた、辛くもながら繋がれてきた。最後となろう、この最大の悪夢もまた美咲紀とともに乗り越えるつもりではあるが、当然にして彼にとて絶対は無い。
夢の境に果てる。その時が訪れるかもしれない。
「それでも、必要のない覚悟はしない。俺たちは生き延びる、できる限り多くの仲間とともに……もちろん、貴女もだ」
捩れた階段を上るふたりへ同行するソフィア・マクマスターは、片腕を欠き、時折大きく傾きながらも確固とした足取りで歩む。
「ソフィア。貴女も一緒に……可能性を見つけ、それに賭け、生きよう」
「そうなのです! 私たちと一緒に!」
「生きよと? 私に? 魔女を討つこと、今やそれのみが私を支えているのでしょう……もはや何ひとつ持たぬ私に、生きよと」
抜き身のまま手にした長剣が石段をこすり、ちりと鈴のような音を立てた。
修は振り返り、彼女を見つめる。
「そうだ。生きることを諦めてはいけない。抗うんだ」
「酷な道ですね。あなたがたが歩むのは」
自嘲の笑みが浮かぶなら、まだ正気ではあろう。しかし修も美咲紀も、気づいている。自分らの言葉の虚ろであることを。
ソフィアが夢境の中をさまよい、死に抗ってきた時の流れには恐らく、彼らと大きな隔たりがある。修や美咲紀の一秒が、ソフィアにとっての一秒であるとは限らない。
「私の世界では、私だけが主役なのです。マリーの言うように、このまま誰かに帰属して、埋もれて溶け合って、それで幸福ですか?」
それでも、と美咲紀は思う。
「これは、私が私であり続けるための戦い。シュー君がシュー君であり続けるように。ソフィアさん、あなたも最後までそうするべきです。ここまで耐えたんですから……あとすこしなのですよ」
「……お強いのですね。したたかで、真っすぐで。かつては私も、そうであったはずなのに」
自嘲が決意の色へ僅かに染まり、ソフィアはうなずいた。
「私にもまだ、意思があります。目的があります。信仰の残滓も。剣が折れるまで、進みましょう」
「よし。上出来だ、行こう」
捩れた楼閣を登る。下る。逆さになり壁を這いながらも、彼らは前へと進む。
深奥を目指して。
【かの島の昔日】
夕暮れの赤い空が、彼を見下ろしている。
「ココにはいねぇ……か」
幼馴染を案じても、身の安全を確かめる術はない。
楢木 春彦
がこの悪夢に身を浸すのもはや数度だ、それが並みならぬ困難であることは承知している。
「それでも、探すっきゃねぇよな」
彼らは不思議と、すべからくかなぐり捨て諦観の極みへと至ることはなかった。
絶望にあっても、盲目なわけではない。
「レッドヒル・マリー……」
皮肉にもその名が、彼らの意思を繋ぎ止めていたのかもしれない。図らずも魔女の所業へ触れた彼らの胸へと、その響きは刻み込まれている。
その噛み痕がもたらす痛みがいまだ、彼らの正気を留めている。
「それにしても、どこだココ? マリーがあの神秘大学とかってのにたどり着く前にいた世界……とか?」
春彦のみならず、彼らはどこかで変容し、拡充を続ける夢想域の主たる賢王と、そこに溶け合う魔女の意識に少なからず繋がれている。彼の直感は、決して的外れではないだろう。
そしてそれ以上に、彼はこの場で覚えるにはいささか不似合いな感情が己の胸に湧き上がることへ、戸惑いを覚えずにはいられなかった。
「ナンだ、このカンジ。これ……この場所って、何なんだ……?」
「故郷だよ。彼女の。レッドヒル・マリーの」
振り返り身構える。武器の一つもなく徒手空拳であったが、それも今は必要でなかったらしい。
「史越……か!?」
「はい。無事だったみたいですね、楢木先輩」
武器のつもりか錆び付き欠けた日本刀を手に、
史越 奈津樹
は佇んでいた。
この場所とて悪夢の続きであり、恐るべき何者かが徘徊していようことには想像が及ぶが、にもかかわらず奈津樹はやけに落ち着き払い、静かに春彦を見つめている。
春彦が彼であることを尋ねたのは、その冷静に過ぎる態度でも、彼の口にした言葉からでもない。
「お前、目が……」
奈津樹の瞳は、深海を揺らぐ発光生物のごとく、青く輝きを放っていた。
春彦はその瞳を知っていた。賢王と対峙し、深く意識を繋がれた幼馴染の瞳にも、同じ色が灯っていた。
「賢王を倒すため、マリーがくれたギフトなのかもしれない。見えるんです。分かるんですよ、あらゆるものが。すばらしくはっきりと」
「何が……分かるんだ?」
奈津樹は澄んでいた。一切の淀みなく、生命に満ちあふれる海の色を湛えた瞳で見上げ、そして指を差した。
春彦はそれに気づいていなかった。幾度となく目にし続け、そこにあるのがあまりにも当然の光景であったので。
「この悪夢は、レッドヒル・マリーの故郷。それを再現しているんですよ」
「マジかよ。あれって」
これは昔日の風景。
在りし日のこの場所で、魔女の物語は幕を開けたのだ。
「……九夜山じゃねぇか……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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