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【捩れ楼閣】
捻じくれた尖塔では壁が天井であり窓が床であったが、今、ここに蠢く者たちにとっては天地の別など些末なことだ。
黴めいて辺りへはびこる黒い泥濘が、
白 真白
へと覆いかぶさる。
「あはっ」
泡立つ影から立ち上がる異形が、真白へ取りついたそれをこそぎ落とすように、寄る辺なき者を掬い上げるようになぞる。真白の生み出した溶解循環するコーラリアンは泥濘を取り込むと、身の内で溶かし尽し、そのまま自らも溶け落ちていった。
「ああもう、すぐ溶けちゃうんだから。また生み出さないとね、あはは」
おかげで真白は、常に新しいコーラリアンを生み出さねばならなかった。今や周囲の壁には、溶解された無数の穴が開いていた。
コーラリアンの母となった真白は、恐怖の元を断つべく楼閣の内部を巡る螺旋階段を登る。一歩ごとにそれを溶かしながら。
「全部……ぜんぶ私が、終わらせてあげる。私、わたしが、ふふ、ぜーんぶわたしが……ふふ、ひ、あは、ははは。あはははは」
溶け落ちるのは尖塔や泥濘のみではなかった。
二度の死とそれに伴う痛み、恐怖に侵食された真白の心はとうに、形を保てないほどにぐずぐずと崩れつつあった。
「……っひ、何? なに、なにを……!?」
穴だらけとなった心は、砂のように容易く砕け散る。
生まれ落ち、そして消えてゆくコーラリアンたちのサイクルの中で、ある一体が母を求めた。纏う強酸の身体のままに、真白へ縋った。
「や、いや、こないで」
尖塔は傾き、穴の開いた壁の向こうには紫色の空と月。
強酸液が真白自身に触れた時、真白の心は決定的に崩れ去った。
「ひっ、い、や、いやあァァァッ」
循環する。真白自身が、渦を巻き循環し始める。
形を保ったまま、自らも強酸の身体と化し、目の前に見える全てを飲み込み溶かし尽くしてゆく。
かつて受け入れたディートリントの痛みが、真白を破壊してゆく。
自らが溶け落ちる絶苦に声なき苦悶を叫び、やがて真白は膨張を始めた。
泥濘は地を壁を這い、共に揺蕩う者を求めて追いすがる。
「走れ、美咲紀!」
「は、走ってるのですー!!」
八神 修
と
椿 美咲紀
は、緩い傾斜を描く楼閣の壁を駆けていた。
無用な交戦は避けるつもりだったが、生憎と寄る辺なき者はそこら中にへばりつき、獲物を待ち構えていた。
「これでも、食らえ……ッ!!」
修は意識を一点に集中し、楼閣を形作る壁の一部、基部となるブロックを分解する。途端に壁は崩落し、泥濘の幾つかの塊を直上から押し潰した。
楼閣は震え、修や美咲紀の足元をも揺らがせるが、それでも二人は走り続ける。泥濘の追撃が途絶える様子は無かった。
「……シュー君!? 何ですか、あれ!?」
行く先を阻む奇怪な光景が目に入り、美咲紀は足を止めた。
白く、仄かな青い輝きを帯びている。階上から流れ込むその液体が危険なものであることはすぐにも分かったが、一瞬。その美しさに見とれた。
「く……! 美咲紀、俺の手を取れ!!」
足元が揺らぐ。あやふやに、床と中空の境が曖昧となってゆく。
液体は極めて高濃度の強酸性であり、溶解し続ける真白が儚い希望を求めて伸ばした手足であり、それはもはや膨張する厄災と呼ぶにふさわしかった。
「お、落ちる! 落ちちゃうのです!?」
白熱するマグマのごとく、真白の身体は楼閣をことごとくに溶解させてゆく。やがて修と美咲紀の立つ僅かに残った足場をもどろどろの液体へと変えると、宙へと投げ出された二人は空を掻く。
「しゅ、シュー君……っ!!」
「……王を討つための、とっておきだったが……!」
常から、修の頭脳は冷静に判断を下すことができた。虚空を落下してゆくこんな状況にあってさえ、それは変わらない。
彼は異相に由来する能力を、ここまで温存してきた。決して代償は小さくないが故に、またあくまで人として歩みを進めるため、自ら封じてきた。
だがそれも、傍らの友人の命とは測るべくもない。
「楼閣よ、曲がれッ!」
捻じくれ絡み合う尖塔。解放された修の能力がそれらを粘土のように、蛇のようにぐにゃりと曲げ、際限なく伸び、別の尖塔の壁へと突き刺さった。
能力を操り、落下する先へ斜面を作り出す。落着の衝撃を和らげながらも徐々に傾斜を緩やかに、尖塔は羽のように柔らかく二人を受け止めた。
「た、助かったのです……!? これ、シュー君がやったですか?」
「ああ。美咲紀にもできるはずさ」
美咲紀はほっと一つ息を吐き、修もさすがに安堵の顔を浮かべたが、事態が収束したわけではない。遥か頭上から白く青い強酸液が追いかけるように降りそそぎ、二人は身をかわす。
暗がりに、輝く液体のみが光源として彼らを照らしている。
周囲を見れば、ここは絡み合う楼閣の最下層のようだ。蔓のように這いまわる尖塔の中心に、ぽっかりと開けた空間があった。
「あれは……何だ?」
高さは五、六階建てのビルほどもあろうか。
積み上げられた奇怪なオブジェは、全てが人骨で作られていた。人骨が絡み合うことで腕を成し、脚部を成し、頂点にはひび割れた頭蓋骨を抱く。頭骨は歪にひしゃげた冠のようなものを乗せていた。
「あ、あれが王様なのです? クーラシンですか?」
「いや……あくまで、この楼閣の主。といったところだろうな」
そして二人は、それが単なるオブジェではないことを知っていた。
闇の中にあって更に黒々とした泥濘が、人骨へ寄り集まってゆく。絡み付いてゆく。
人骨は軋み、立ち上がった。
彼らの邂逅がそう長きに及んだわけではない。
片や闇と化した
日向 透
。片や自ら闇を呼び込む
香月 良衣
。
夢現にあって彼らは互いの個を認識することなく、共闘はごく数分の出来事に過ぎなかった。
透は天井を歩き、逆さのまま這い寄る泥濘へと手をかざす。軽く振るえば、黒い慾は細切れとなった。
刻むだけでは飽き足らず、透は自身の身体が泥濘を取り込み食らい始めたのを見て、我ながら悪食なことだと笑う。さすがにそんなものを食いたくはないと、完全なる同化の前に手のひらをかざし、握り潰した。
良衣は未だ英雄たらんとする心を捨ててはいない。それこそが良衣の歩を進める原動力であり、それが途切れた時こそ自分が死ぬ時だと確信していた。
大剣へと変じた右腕を叩きつけ、突き刺し、断ち割る。泥濘は脆くすぐに分かたれるが、放っておけば再び寄り集まる。肉体と自由意志を持たぬ泥濘が自由を諦めるまで、何度でも右腕を振り下ろした。
泥濘を引き裂き粉砕するさなか、刹那に、二人の視線が結ばれる。透の身体は既に闇へ飲まれているが、良衣にはそれが人であることに気づいただろう。
一瞬。ただの一瞬、それだけの邂逅だった。互いの背を襲う泥濘を手刀と大剣で両断し、再び別れ歩き出す。
闇と闇、されど交わることはない。彼らは今もって個であり、心持つ人なのだから。いずれそれも消えゆくとしても、どうして自分を手放すことを許容できようか。
この悪夢が終わるまで、闇が晴れることはない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕 腫都タユタラ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月21日
参加申し込みの期限
2018年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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