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白い光を追いかけて ~妖精の森の大冒険!?~
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●雨の欠片を手に取れば(2)
雨の粒が頬を打って、
宿里 早鳴
はハッと我に返った。
目前に広がる、幻想的な光景。
その現実離れした美しさは、早鳴を暫し立ち尽くさせるに足るものだったが、
――並外れた美を持つものは、『人』には優しくないということが往々にしてある。
その例に漏れず、天が零した雨の欠片が一粒、手のひらに滑り込んだその途端。
早鳴の胸を、鋭く、痛みが刺した。
胸の痛みが呼び起こしたのは、ある人物の顔。
その次にも、また別の相手の顔が浮かぶ。
(皆、僕を置いて行ったのに……)
記憶の中の彼らは、笑っていた。
(……置いて行ったくせに。どうして笑ってるの……?)
悔しいのか、悲しいのか、淋しいのか。
それすらも、早鳴にはもうわからなくて。
頭上に手のひらを翳せば、ウンディーネの魔法で生まれる水の盾。
「手伝うつもりはあったよ。でもごめん、もう……もう、手一杯だ」
虹色の雨が、水の盾の上に降って、ぽつと音を立てた。
水から生まれた羽衣が、ただ、静かに揺れる――。
綺麗な世界さね、なんて思いながら、
霧谷 朧
は雨の欠片へと手を伸ばす。
けれど、雨の欠片に触れた瞬間――朧の胸には、行き場のない怒りが底からぶわりと生じた。
「っ……」
辺り構わず、この感情を振り回して全てを壊してしまいたいという衝動。
それを必死に抑えようとすれば、自然、息が荒くなった。
「――大丈夫か?」
不意に、背に大きな手が触れて、ハッとなる。
ゆるゆると顔を声の方へと向ければ、そこには
恵御納 久隆
の、朧を案じる顔があった。
「大丈夫大丈夫……なんともないさね」
口元を笑みの形に歪めて、取り繕う朧。
そうして朧は『なんともない』ふりをして、次の雨の欠片を拾い上げんとした。
(向き合えた気がしたけれど、まだできていなかった……やっと後ろを向けただけ……でも)
指先が新たな雨の欠片に触れた途端、あたたかな感情が胸を満たす。
仲間との思い出が、幾らともなく頭を過ぎった。
口元に乗った淡い微笑は、今度は、作り物ではない。
様子のおかしかった朧のことを案じながらも、久隆も雨の欠片を集める。
雨の欠片に触れた途端に胸に覆い被さった絶望を前に膝をついて、けれど久隆は、
「まだ、為すべき事がある……!」
血の味がするほど口の中を噛み締め、自身の胸元を、叱咤するように己の拳で叩いた。
何とか奮い立たんとする久隆の目の前を、その時――ふわりと、横切る影。
「……猫?」
それは、久隆が思わず呟いた通り、猫の形をしていた。
けれど、本物の猫ではない。
花風 冴来
がウンディーネの魔法で生み出した、水から生まれた猫だった。
「……ああ、そうだったな」
久隆は、そっと瞼を閉じる。
心には、平穏が戻りつつあった。
「私には恐らく、その声はにゃあとしか聞こえないだろうが……それでも私は、白猫に会ってみたい」
そうして久隆は、己の足で、己の力ですっくと立ち上がる。その姿を目に、
(帰りたい場所へ、帰れるように)
ささやかな魔法を操った冴来は、そっと、願いを沈めるのだった。
暁桜 逢莉
は、意気揚々として雨の欠片を探す。
彼女と行動を共にするのは、白い片翼を揺らす
フィンレイ・ランカスター
。
2人は、全くの初対面だったのだが、
(幼そうなのに、明朗闊達で。自然と目が留まってしまったんですよね)
という次第で、フィンレイが逢莉に声をかけたことで、共に雨の欠片を集めることになったのだった。
フィンレイには、逢莉が、どこか自分に似ているように思われた。
また、それでいて、自分がもう忘れてしまった何かを持っているようにも見えたのだ。
「この金碧輝煌なカケラは……まあ! 拾うとなぜだか楽しい気分に!」
フィンさんもいかがですか? と勧められて、フィンレイもその雨の欠片へと手を伸ばす。
指先が触れれば、胸に、あたたかな色が灯った。
感情を、否応なしに露わにする雨の欠片。それに触れる毎に、
(ごく淡いものですが……確かに、絆のようなものを感じます)
と、フィンレイは互いを繋ぐものの存在を確かめるのだった。
「ふふ、面白いですね! ……あ、こちらはどうでしょうか?」
また新たな雨の欠片に触れた途端――逢莉の朝焼け思わせる双眸が、揺らぐ。
胸を満たしたのは、途方もない悲しみ。
(まるで、お姉さまたちがいなくなった時のような……)
涙が、ぽろり、零れ落ちる。
悲しみ呼ぶ欠片を取り落とした逢莉は、我に返ったようにフィンレイへと笑みを向けた。
「あ……すみません、お恥ずかしいところを」
「恥ずかしいことは何もありませんよ」
逢莉の言葉を受けて、フィンレイは柔らかく首を横に振った。
フィンレイとて、過去の喪失の悲しみを抱く身だ。
触れて平気な欠片ばかりではないと、自分でよく理解している。
逢莉が、自身を励ますように明るい声を出した。
「めげずにまだまだ集めねば! ですね! ……でも」
また悲しくなるのは怖いと、逢莉の伸ばしかけた手に躊躇いが滲む。
「では、こうしましょう」
言って――フィンレイは、逢莉の指先が捉えようとしている欠片へと、己も手を伸ばした。
その意を察した逢莉の表情が、ぱっと華やぐ。
「二人でなら、嫌な気持ちも半分にできますね!」
せーの、と声を揃えて雨の欠片に触れる逢莉とフィンレイ。
重なる手の温もりが、今、確かな力になる。
雨の欠片の性質を厄介には思いながらも、
高梨 煉
は、
「とりあえず、俺は俺のできることをするか」
と、雨の欠片へと手を伸ばした。
触れた瞬間、胸を刺すのは絶望という名の感情。
(卒業したら、もう友達には会えなくなる……それに、)
――その道を選んで、もし、失敗したら……。
ぞくり、と肌が泡立った。
『未来』は今の煉には確かに見通せないものだからこそ、暗がりを歩くような恐ろしさも秘めている。
(これと、向き合うのはちょっときついな……!)
けれど、煉の胸の内で、もうひとりの煉は希望を叫ぶのだ。
見えた光に、煉は毅然とした声で呟きを零した。
「――いや、間違ってない」
会えなくなるなんてことはないし、挑戦してみなくてはわからないことだって幾らでもある。
(絶望を否定はしない。けど……)
だからと言って悲観をするのも違うと、煉は前を向いた。と、その瞬間。
「うわっ!?」
目の前で弾けたのは、朧がパックの魔法で出したびっくり箱。
「な、何だ……?」
「ん、余計なことしたかな? いや、ひきずりこまれそうな奴がいたら助けるつもりだったんよ」
でもその顔なら大丈夫さね、と、朧は軽く首を傾けて笑った。
大天使 天吏
は、居なくなってしまった『あの人』を想う。
(あの人が居なくなって、今度は白、なのね。……でも、白の後ろには、黒がいるかもしれない)
ならば、白い光を集めなくてはと、天吏は雨の欠片に手を伸ばした。
雨の欠片に触れた途端、胸を埋め尽くしたのは絶望。
――どうして私は、あの人を消し去った人間に協力しないといけないの?
全てを壊してやりたい、と思った。何もかもを、めちゃくちゃにしてやりたい。
(でも……)
ここで台無しにしてしまってはお終いだと、天吏は爪が手のひらに食い込むほどに拳を握る。
その人は神だった。
テオ
も神であり、そして、
(この事象を引き起こした存在も、恐らくは)
垂らされた細い糸を決して手放すまいと、天吏はギリと歯を食いしばった。
一方、丘の周辺を覆う木々の高い枝の上、
チェス・ブルーム
も雨の欠片を集める。
ふと、チェスの目に、何かに耐えるようにして蹲る天吏の姿が映った。
(あそこにも、感情の『色』がひとつ)
チェス自身も様々な色の雨の欠片に触れ、様々な感情に触れてきた。
そうして、チェスは考えるのだ。
色に種類があるように、きっと感情にも種類がある。
(色と感情には、何か共通点はあるのでしょうか)
白、が頭に浮かんだ。その色が纏う感情は、どのようなものだろうか、と思う。
「――それはきっと箒の感情を聞くぐらい、簡単で難しいことなのでしょうね」
訥々とした呟きは、雨音の中に溶けて消えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月24日
参加申し込みの期限
2018年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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