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夜の浜辺は暗い。
毬藻仔が持っていたペンライトを消してしまえば、手をつないだお互いの顔もよく見えないほどだ。
「見ろ もこもこ 灯台 ロケットみたいだな」
そう言って美穂戸は浜辺の端、堤防の突端にそびえ立っている灯台を指差した。
白くて、窓が無い。
「そうだねシダさん。乗ったら飛べるかな」
「もこもこ 飛びたいのか 乗るか?」
「んー、宇宙に行ってみたい気はするけどねぇ」
他愛もない会話を交わしながら、2人は浜辺を歩く。
太平洋に面した寝子島の浜辺には様々なものが流れ着いている。
その大半はなんだかよく分からない残骸と化してはいるが、たまに原形を留めているものもあった。
「もこもこ これ なんだろな」
美穂戸はしゃがんで、半分砂に埋まっていたなにかを掘り出して毬藻仔に見せる。
「なに? シダさん。よく見えないけど……」
毬藻仔も美穂戸の隣にしゃがんで、その手にしている物を見た。
それは親指の爪ほどの大きさの、緑色をした半透明の物体だった。
美穂戸はそれを毬藻仔の掌に置く。
「ああ、シダさんこれはね、ガラスの破片だよ」
「これがガラスか きれいだな」
「うん。瓶か何かが割れた破片が、波打ち際の砂の上で何度も行ったり来たりしているうちに角が取れて丸くなって、表面もすりガラスみたいになって、こんな風になるんだって」
「そうなのか もこもこ 物知りだな」
そう言って美穂戸はガラスの破片をしげしげと眺めまわしている。
「あ もこもこ 上だ」
緑色のガラスを摘まんで掲げて見ていた美穂戸が、毬藻仔に声をかけた。
「上? ……わぁ」
それにつられて空を見上げた毬藻仔は思わず感嘆の声をあげる。
「すごい星だねー」
「ヴァン 月がない だからよく見える」
『喫茶店』の噂のひとつ――その店は新月の晩に開く――に従って、2人は『喫茶店』探索に来ていたのだ。
夜空に存在を主張している月が姿を隠せば、普段その強い光の陰に隠れていた輝きの弱い小さな星達まで肉眼で捉えられるようになる。
「こんなに沢山星があるなんて、気付いてなかったなあ」
月だけではない。
人が住む街の灯りにさえ、隠れてしまうような星もある。
「あ、もしかしたら流れ星見えるかもしれないよ、シダさん」
「流れ星 祈るか 『喫茶店』見つかりますように」
「それならもういっそ『幸せになりますように』ってお願いした方が良いよ」
「なるほど 頭良いな もこもこ」
素直に感心した美穂戸は、そのまま砂浜に横になった。
「あっ、汚れちゃうよシダさん」
「ホンサオダウ あとで洗う」
「ほ、ほんさ……?」
「そんなことよりもこもこ もこもこも来い」
薄桃色に染めた綺麗な長い髪を惜しげも無く背に敷いて、美穂戸は寝転がっている。
その彼女の隣の地面をぽんぽんと叩いて、美穂戸は毬藻仔を誘う。
「う、うん」
毬藻仔はおずおずと腰を下ろしたものの、汚れるのが嫌なのか寝転ぼうとはしない。
「寝た方がよく見えるぞ もこもこ それに首痛くならない」
「でも、髪が……」
「なんだ そんなことか ほら」
「きゃっ」
美穂戸は左手で毬藻仔の襟首を掴み、ぐいと引っ張る。
毬藻仔は抗えずそのまま後ろに倒れるが、その頭が砂に触れることは無かった。
「あ、ありがと……」
「ヴァン」
美穂戸は引っ張ったその腕にそのまま毬藻仔の頭を乗せ、腕枕をしていたのだった。
しばしの沈黙の後、毬藻仔が美穂戸に聞いた。
「ねえ、シダさんの幸せって、何?」
「しあわせか シダ よく分からない もこもこは分かるか しあわせ」
「えー、私? 私はー……私もよく分かんないや」
毬藻仔はえへへ、と照れたように笑いを漏らす。
「そうか もこもこも分からないか なら一緒に探すか しあわせ もこもこ」
「へっ」
「ん どうしたもこもこ 嫌だったか」
「ううん! 全然嫌じゃない、嫌じゃないよ!?」
美穂戸の質問に毬藻仔は慌てたように否定する。
その顔は心なしか赤く上気しているが、辺りが暗いおかげでどうやら美穂戸には見えていなかったようだ。
毬藻仔はほっと胸をなでおろし、そして立ち上がって言った。
「も、もう時間も遅いし、そろそろ行こっか」
「ヴァン」
美穂戸も頷いて立ち上がる。
「あ」
服に付いた砂粒を払っている毬藻仔の横で、美穂戸が何かに気付いたように声を上げた。
「どうしたの?」
「見つけた しあわせ」
そう言うと美穂戸は毬藻仔の背中に抱きつく。
10センチ以上背の高い美穂戸が毬藻仔に抱きついている様は、抱きつくというよりは覆い被さると言った方が良さそうな風情だ。
「ひぇっ!? ちょちょちょちょっとシダさん!?」
先程の、受け取りようによっては愛の告白めいた美穂戸の台詞で既に照れていた毬藻仔はさらにあわあわと動揺し、真っ赤になっている。
「いま しあわせ シダ もこもこといるとしあわせ かも」
「そ、それは、なんというか、こちらこそよろしく……?」
毬藻仔の返答はいまいち噛み合っていなかったが、美穂戸は満足そうに頷き、そのまま毬藻仔の手を取ると、街の方へと歩き出すのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
三三三
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
推理・サスペンス
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月15日
参加申し込みの期限
2013年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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