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星幽塔第一階層の都サジタリオの一角に、蔦の這う煉瓦壁がちょっぴり不気味な一軒家がある。空き家だったはずのその家の玄関口に、『運び屋始めました』と流麗な文字で書かれた看板が掛けられた。文字の横にはやたら滅多と可愛らしい桃色の兎が繊細な筆致で描きこまれている。
伝承にある吸血鬼の館じみた一軒家に不似合いな可愛い看板を前に、リボンを結った箱を手にした少年が立ち尽くしている。
「……っ」
眉間に皺を寄せ難し気に考えていたかと思えば、少年は決死の表情で木造扉に設えられた獅子の頭のノッカーに手を掛けた。思い切って館の主を呼び出そうとしたところで、
「……ひィッ!?」
扉の横の窓にぺたりと白い額を貼りつかせるようにしてこちらを覗く男の姿に掠れた悲鳴をあげる。
右目を漆黒の髪に隠したその男は、柳眉の下に輝くアメジストの瞳をうっそりと微笑ませた。背に負うた純白の翼をふわりと揺らし、悪魔じみた漆黒のコートの裾を優雅に翻す。
今しも外に出てこようとする恐ろしいほどに妖艶な男に、少年は怯えた。顔を引きつらせ踵を返そうとして、
「ようこそ、運び屋のもとへ……!」
カタリと開いた扉の奥からひらりと出てきた男の手に手首を掴まれた。流れる仕草で指に指を絡められ、少年はますます怯えて目を瞠る。肩を強張らせる少年が手にした小さな箱を目にして、男は悪魔も斯くやと思えるほど艶麗に微笑んだ。
「おや、ご依頼ですか。ありがとうございます、ふふ……!」
何もかもをも魅了しそうな笑みを見仰ぎ、口をぱくぱくさせる少年の様子には構わず、男は続けた。
「どんなものでもお運びいたします。ご安心ください、プライバシィも万全です……!」
少年の細い腰を抱き寄せ、甘い言葉を囁きかけるように営業しかけて、
「いッ、いのちまでは! いのちまではお助けくださいー!」
少年が絶叫した。絡めた指を振りほどかれ、頭を抱えてその場に座り込まれ、
「あ、ああ……!」
天使の翼と悪魔の美貌を持つマゾ系ド変態、
アケーチ・タッマーキ
は自分で自分を抱きしめ歓喜に悶えた。
開いた扉の内からぴょこん、と小さな桃色兎が顔を出す。後ろ足で立ち上がり、悶える変態を仰いでピンクの鼻をひこひこさせ、次いで怯える少年の膝に小さな前脚を置いて鼻をひこひこさせる。
「え、あ、……えーっと」
桃色兎の愛らしい仕草に、少年は我を取り戻した。そうだ、と手にした小箱をアケーチに差し出す。
「運び屋さん?」
呼びかけられ、アケーチも我に返った。
「安心! 丁寧! そして優雅に……! それが運び屋アケーチです、ふふ……!」
キャッチフレーズのひとつひとつに妙に様になるポージングを決めつつ、それを裏切らぬ優雅な仕草で少年の手から小箱を受け取る。届け先を聞いて、アケーチは頷いた。
「こちらのお宅は以前お伺いしたことがありますね。美しい老婦人が一人住まいをしておられました」
「ここに頼めば確実だからって、ばあちゃんが」
「おやおや、それは光栄です……!」
報酬として少年が差し出したのは、サジタリオの酒場で扱われている蜂蜜酒。
「お金じゃなくていいって本当?」
「ええ、私は貴方の可愛い笑顔が見られれば満足です」
若干引き気味な少年の頬を指先で一撫でして後、それでは早速、と運び屋アケーチは白い翼を大きく広げ空へと舞い上がる。
天使が飛翔するようなその姿に目を奪われながら、少年はぽつり、桃色兎相手に零す。
「仕事ぶりは的確だ、ってばあちゃんが言ってたの、本当っぽいなあ……」
少しずつ客が増えているというのもあながち嘘ではないのだろう。
「怪っっしい姿してるけど」
「……そういえば」
抜けるような青空を純白の翼で過ぎながら、アケーチは黒い睫毛の陰をアメジストの瞳に落とす。宝玉のように大切に懐に抱いた小箱の届け先を思い浮かべる。
小さな湖の端に居を構える老婦人のもとには、運び屋として二度、彼女の姿を拝見し健やかに過ごしているか確かめるために、平たく言うとストーキングのために三度ほど通っている。
もう少し詳しく言うと変態的な人間観察により、彼女の生活習慣は悉く把握している。
(ご婦人はいつもこの時間、お散歩に出られてましたね……!)
もちろん、散歩コースも捕捉済み。
老齢の婦人を驚かさぬよう、いつもの散歩道から少し離れた場所に降りる。翼をたたみ、髪と身なりを整え、偶然を装って目的の人物の前に姿を現す。日々のストーキングにより、これぐらいのことは容易い。
「……おや、こんな所で奇遇ですね。お届け物があります……!」
ふわりと微笑み、姫君に花束を捧げるように届け物を手渡す。掌に口づけさえしかねない動作で受領サインをもらい、アケーチは再び天空へと舞い上がった。
引き続いての仕事を何件かこなして後、運び屋は充足感と共、桃色兎のうさたんの待つ運び屋の拠点に帰る。
「……く、ふふ。今日も一日終わりました」
人間の精気を吸いつくした夢魔の如き怪しい微笑みを湛えて館の前に降り立ったアケーチを、運び屋のマスコットキャラでありアケーチの心の癒しであるうさたんは後ろ足で立ち上がって迎えてくれた。跪いたアケーチが差し出す掌に乗る。撫でまわされ頬ずりされ、うさたんはぷぅぷぅと可愛らしく鳴いた。
「く、ふ、ふふふ」
サジタリオの一角、吸血鬼の館じみた一軒家で、運び屋アケーチは今日も無事に一日を終える。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月31日
参加申し込みの期限
2017年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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