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執事の朝は早い。
手袋を嵌めた手でタイを結わえ、
メーベル・コルテージュ
は灰金の髪を揺らして息を吐いた。同じ色の睫毛を幾度か瞬かせ、エメラルドグリーンの瞳に被さる睡魔を追い払う。
(さて)
自室にとあてがわれた部屋から廊下に出る。いつもならば真直ぐにキッチンに向かい、朝食の用意をして後、世話になっている『先生』を起こすのだけれど、
(一体どこで油を売っていらっしゃるんでしょうね)
昨日の晩、ふらりと出て行ったきり帰って来ていない。
念のために一応『先生』の部屋を覗く。いない。
二階に続く階段を降り、『先生』が営む便利屋の事務所の応接ソファと『先生』専用のチェアを確かめる。いない。
(サボりか仕事か)
花街に新しい贔屓でも出来たか、先日事務所に訪ねて来た婦人が持ち込んだ『厄介事』を片付けに行ったか。どちらにせよ、いつものこと。花街ならば飽きれば昼となし夜となし帰ってくるだろうし、『厄介事』を解決したのならば言うまでもなく。
主の居らぬ二階の事務所を離れ、居住スペースである三階のキッチンで一人分の紅茶を淹れる。
(お湯は汲みたてのもの、カップとポットは温めて、……)
『先生』の蔵書にあった紅茶の本を読んで記憶した通りに、できるだけ丁寧に紅茶を淹れる。茶葉は人数分プラス一、焦らず急がず茶葉をポットの中で踊らせて、
「……」
出来上がった熱い紅茶を一口含み、執事は何とも言えず難しい顔をする。いつだったか、寝子島で飲んだ『ぺっとぼとる』入りの紅茶の方が香り高かった気がする。
自分ひとりしかいないキッチンでしばらく眉間に皺を刻んでから、いつまで経っても上手に淹れられない紅茶をぐっと飲み干す。カップを片付け、踵を返して一階までの階段を足早に降りる。用事を言いつける『先生』が居ないのであれば、今日もいつも通り、一階部分で営むよろず屋の店番をこなすのみ。
様々な階層で採集してきたハーブに始まり、魔獣の角に牙、水を注げば増えるかもしれない瓶詰スライムの欠片、砂漠に埋もれた書庫から発掘した怪しげな石板、古代人のものらしい紅い大腿骨と三つ目の頭蓋骨、いつの時代のものかも判別のつかぬ古金貨、木箱に詰められた錆びた歯車や螺子。魔術の材料から無用のガラクタらしきものまで、あらゆるものが雑多に並ぶ棚の埃を落とし、床を掃除する。
箒をかけながら頭に巡らせるのは、今日カウンターに並べるべき焼き菓子の種類。
(確か……)
先だって、『先生』がどこからか頂いて来たドライフルーツがあった。好きに使って構わないと手渡されたあれは、見た目にも色鮮やかで、乾燥していながらも口に含めば果汁が溢れる美味しさだった。
今日はあのドライフルーツをふんだんに使ったクッキーを焼こう。
掃除を終わらせ、いつもの手順通りに焼き菓子の作成に入る。店の棚に並ぶ怪しげな品物は高価なためもあってなかなか売り手がつかないけれど、執事が毎朝焼き上げてカウンターに並べるパンやクッキーは連日よく売り切れる。
『先生』がくれたエプロンと三角巾をつけ、店の奥の小さな厨房に立つ。手慣れた動作でいつも通りにクッキー生地を作成して天板に順序良く並べ、熱した窯に入れる。窯の温度は安定している。これならば焼きあがるまでに三階の家事を済ませてしまうことも可能だろう。
(……と言っても、先生もいないですし)
しなければならないことは多くない。
日々の掃除を怠らぬ場所を掃除し、『先生』が快適に過ごせるように部屋を整えておくだけで、居住スペースの仕事は終わる。
いつもと同じように家事をこなすうち、三階にまでクッキーの焼ける甘く香ばしい匂いが漂い始めた。焼きあがったクッキーを冷ます間に、よろず屋のドアの鍵を開けよう。窓を開け、客を迎えよう。
(そろそろ開店の時間、ですね)
主の帰りを待ちながら、執事は大きく伸びをする。
開店時に一組、もうしばらくしてから一人。
売れたものはドライフルーツ入りクッキーが二袋と、魔術素材数点。
店番の執事はカウンター奥でひっそりと息を吐く。売り上げとしては悪くないものの、どうやら今日は特段暇な日らしい。
(『先生』の便利屋目当てのお客もなさそうですし)
物騒な依頼がないことは僥倖とすべきだろうか。そんなことを考えながら、基本的に働き者な執事は時間を持て余す。
仕事を探してぐるりと店内を見回せば、数日前に『先生』が持ち帰って来た箱いっぱいの魔術素材が目に入った。不思議なかたちした薬草に得体の知れない爪や牙、蜜蝋で封じられた謎の契約書に魔物が描かれた紙の束、――怪しげなものの山に少し眉を顰めながらも、執事は見つけた仕事に勇んで取り掛かる。売り物にしろ何にしろ、整理整頓はするに越したことはない。
分別し、小分けし、箱に詰めてラベルを貼る。大量な上にややこしい仕事に喜々として取り組んでいるうち、
「……と」
いつの間にか日が暮れている。そろそろ店じまいしていい時間であることに気づき、メーベルは頬を引っ掻く。折に触れてはお茶にしよう休もうという『先生』がいないために、つい整理に夢中になってしまっていたらしい。
(戸締りをして、)
夕食の支度に取り掛かろう。
『先生』が帰ってくるかは解らないものの、もしも帰ってきたときに食事がなければ、
(怒られるのは俺ですからね)
買い物に出ていない今日は、有り合わせで作ってしまおう。
残ってしまうかもしれないことを考えれば、明日に取り置けるスープがいいだろうか。
ほんの少しむくれた顔をしながらも、執事は留守を護る。いつ帰るかも分からない『先生』を待ちながら夕食を考え、毎日毎日、その準備をする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月31日
参加申し込みの期限
2017年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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