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星幽塔の最上階、第十三階層での死闘が幕を閉じても、その四枚の扉に施錠されることはなかった。
無数の星が瞬く広場から、白の扉をくぐる。
途端に広がる群青の空に、今は満天の星空がある。そうして、靴先をつけた鏡面のような湖上のその下にも。
氷の如く身体が沈まず、氷のように水面下に無数の煌く星を宿しながら、けれど決して冷たくはない不思議の湖の上にひとり静かに立ち、
アルレッテ・ザメニス
は真紅の瞳を淡く細めた。
湖上を渡る風が雪白色した長い髪を撫でて過ぎる。髪から覗く先の尖った耳を楽し気に小さく揺らし、神官のようなローブを纏った青年は星を宿して澄み渡る湖上を歩み始めた。目指すは、湖の央で微睡む巨大な白銀龍。
星の湖を渡る青年の気配を感じ取ったか、龍が白銀の毛に覆われた頭をもたげる。くぁ、と小さな欠伸を零した瞬間、アルレッテの傍に小さな光の繭が生まれた。繭がほどけ、中から小型の龍が現れる。
乗れ、と示されるまま、アルレッテは仔龍の背に腰を下ろした。光の翼を広げ、湖面を滑るように仔龍が翔け始める。ほどなく辿りついた白銀龍の前、仔龍の背を労うように撫でながらアルレッテは澄んだ瞳を真直ぐに上げた。
「こんばんは、少しいいかい?」
静かに瞬き了承を示す龍に、星幽塔で薬屋を営む青年は微笑み話す。
「実は貰いたいものがあって来たんだ」
ここ最近は物騒な事が多くて傷薬ばかり作っていたこと。そうではなく疲れた心と体を癒すような、使った人がただ幸せになれるような、幸せな夢を見られるような、そんな薬が作りたいこと。
「月光の様に優しい薬を」
月影に似て微笑み、だからね、とアルレッテは続ける。
「湖の水を分けて貰いたいんだけど、いいかな?」
優しい薬屋の言葉に、かつてエノルメ・ルーチェを護っていた龍は幼子の仕草めいて頷いた。ふかふかの白毛に覆われた巨体をもそもそと動かし、
『ひみつ』
老人とも子供ともつかぬ声で笑う龍の体の下には、空の欠片のような夢の欠片のような青く碧い水を揺蕩わせる小さな穴がひとつ――
星の湖の水を用意した瓶に汲み、第一階層にある薬屋兼工房である『Uisge Beatha』に帰る。
これで、薬の材料は揃った。
氷結谷の凍土に儚くも強く咲く青い花、鎮静作用と精神力回復効果を持つ三日月型の薬草、太陽のような黄金が美しい日輪の花、万能薬の原料にもなるエリクシルハーブ。
第三階層で揃えた様々の薬草を前に、アルレッテは真紅の瞳を和らげる。
湖水の蒸留を終えたら、今日はもうゆっくり休もう。
明日は毎朝のようにお茶とご飯を用意しに来てくれる友人に店番も任せ、薬作りに専念しよう。
静寂に目を覚ます。
朝陽の気配が漂い始めながらも未だ月影の色濃いこの時間の世界は、春うららの昼下がりよりも厳冬の黄昏よりも静かだ。
毛布の温もりを剥ぎ取り、寝台から起き上がる。ハーブの香を潜ませた枕と毛布を整え、禊用の白い衣を身に纏う。取り付けられた銀環が涼やかな音を震わせる杖を手にする。
夜明け前の暗闇に真紅の瞳を瞬かせる。窓辺に揺らぐ星の光を頼りに部屋を出、廊下を辿る。凍えるほどの静寂に支配された道を裸足で踏み、自宅兼工房からほど近い小さな森の奥に湧く泉に向かう。
人影ひとつない暗い森には、迫る払暁に抗うようにして輝き続ける星々を映す蒼い泉。夜明けを待って畔に揺れる花蕾を白い指先に撫で、跪く。
雪白の睫毛を伏せて立ち上がる。星の力を込めた杖をかざして祈れば、星影の森の空に月にも似た白銀の球体が淡く浮かび上がった。
真紅の瞳を揺らがせもせぬまま冷たい水の中へ裸足の爪先を差し入れる。森を渡る緩やかな風と同じほどの漣を連れ、腰より深く体を水に沈める。
身に染みついた作法で全身を清水に浄める。
これは星幽塔に来る前、元の世界で月神神殿に仕えていた頃、月の神に祈りを捧げる前にしていた儀式。
星幽塔に迷い込み薬師を生業としてから、薬を作る前には祈りの前の禊を欠かさないようにしている。
(人を思って薬を作る)
それは、アルレッテにとって祈りと同じ。
黄金の朝陽の欠片を濡れた髪や禊の衣にまとわせながら家に戻り、冷えた身を作業着に包み直す。工房に入り、昨日のうちに蒸留しておいた星の湖の水を薬湯専用の鍋に注ぎこむ。
折よく訪れてくれた友人に店番を頼むついで、彼が身に宿す魔火の光で竈に火を入れて貰う。星の光による炎は、薬草を煎じるにもいい。他の炎よりも薬効成分が強く出る気がする。
湖水がまだ冷たいうちからこの時のために用意した薬草を順番に投じてゆく。
(冷たく純粋な雪で心を静かに落ち着かせ、そこに優しい月がより輝くように太陽の光を少し混ぜて――)
ふわり漂い始める花の香や水に広がり始める薬草の青や翠の色を真剣でありながら穏やかな眼差しで見つめつつ、アルレッテはその身に宿る星の力をも注ぎ込み鍋をゆっくりとかき混ぜる。
(黄金に輝く至宝の珠を散らせる、……)
思いを籠め、時間をかけて煎じてゆく。蒼く碧く煮詰まった薬湯の味を見て少し首を傾げた後、薬棚に並ぶ幾つもの瓶の中から糖蜜を選び足す。優しい甘さに整える。
出来上がった薬を小瓶に詰めて両手に包み、思わず微笑む。
(名前は……)
穏やかな青は、黄昏の光に透かせると黄金の光を帯びた。
「光、『ソラス』にしよう」
疲弊した心を宥め、穏やかな眠りと翌日の爽快な目覚めをもたらす薬『ソラス』が薬屋『Uisge beatha』に並ぶのはもう少しだけ後のこと――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月31日
参加申し込みの期限
2017年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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