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八ヶ淵埋蔵金探索記
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「障子かぁ、生活感あるねぇ」
「穴だらけね」
円と絢、それぞれが手にしたライトが古い障子を暗闇に浮かび上がらせる。
「八ヶ淵関係者の誰かが隠れ住んでいたのかな?」
破けに破けた障子紙の穴から、円は恐れげもなく中を覗き込む。好んで視聴するホラー映画では、覗き込んだ途端に良からぬものと目が合ったりするものの、ライトの光が映し出すのは乱雑に散らばった食器や燭台、天井の梁からつり下げられた干からびた魚に獣の毛皮、薬草らしい草の束。光を巡らせてみれば、置き去られたようにひっそりと奥に並ぶ戸棚や箱膳や長櫃、最奥には竈のようなものも見える。
「食堂のようなところ……?」
円に倣い、絢は少し慎重に遠巻きに部屋の中へと懐中電灯の光を伸ばした。ふたり、ほとんど同時に障子の左右に手を掛ける。枠が歪んでがたつく障子を開く。
「そんな感じでもなさそう?」
「食事の用意をしてた感はあるよね」
神経を尖らせ辺りを探る絢の言葉に頷き、円は室内に踏み込んだ。箱膳を開き、納められた漆器や箸を確かめる。眠り猫城で邂逅した姫は、戦準備をしていたと言っていた。今生の別れに桜の下で宴を開いたのだと。そうして何の因果を得てか城ごと此処ではない何処かへ彷徨い出でてしまったのだと。時折現世にまろび出る他は今も何処かを彷徨い続けているのだと。
ねえ、と絢が呟く。
「誰かが隠れ住んでいたのなら、理由は何かしら」
「……うーん」
円は漆器のお椀を手に取る。床に倒れた燭台を眺める。あの城の天守閣に登ったとき、通路のどこかで白猫を意匠化した家紋を見た気もする。
どれもこれも、農民が手にするものではないように思える。それにきっと、こんな風に住居を整えてまで隠れ住む理由はないはず。
(……あった)
椀の外側、小指の爪よりも小さく隠すように刻まれた白猫意匠の家紋を探り当て、円は緋色の瞳を細めた。
(桜ちゃん)
千年桜と同化し人ならざる力を得た千代姫を想う。ここに隠れ住んでいた誰かを想う。
ここには、あの小さな姫と関係する誰かが戦を逃れるために隠れていたのだ。そうしてそのまま、城の人々と永遠に別れてしまった。
「薬草やら毛皮やら、結構たくましい」
ひとりで潜んでいたわけではなく、お付きの人間でも居たのかもしれない。そのことに思い至って、円は少し安堵する。ここに生きた誰かは、ひとりきりではなかった。
「何時のなんだろ」
「……すごく昔には違いないわ」
絢がデジカメのフラッシュを焚く。白く眩く浮かび上がる室内に、一瞬小さな子どもの影が浮かび上がった気がして、円は瞬いた。慌てて目を凝らしても周囲に光を巡らせても、自分たち以外には誰の姿も見えない。
「誰か、……何か映った?」
円の鋭い声に、絢はデジカメのフォルダを探す。どれだけ慎重に見つめても、小さな画面に映し出されるメモリの中にあるのは古びた家具が並ぶ部屋ばかり。
円は首を捻りながら、絢は頬を強張らせながら、並んで部屋を出る。障子を閉ざす。
「……う」
視線を通路の奥へと向けてすぐ、絢は思わず呻いた。障子の部屋の隣には襖に閉ざされた部屋がある。覗こうにも覗けない部屋には、如何にも幽霊じみたナニカがうずくまっていそうな気がする。
「開けるよー」
わくわくと襖に手を掛ける円を制止する理由を探しだせないうちに、閉ざされていた暗闇が解き放たれる。
黒ずんだ畳、一見夥しい量の血にも見える黴の生えた布団、それから床に転がるぼろぼろの着物と人形。
「っ……」
転がった人形の玻璃の瞳が己を真直ぐに見た、気がした。
「人形だ、やっぱり子供がいたのかな?」
思わず後退る絢に反し、円は躊躇いもせずに寝所らしい部屋へと入り込む。怖じぬ円につられたこともあり、暗い通路に一人残される恐怖に耐えきれなかったこともあり、絢は円の後に続く。
円は地面にへばりつくようにして広がる古着物を見下ろす。泥に汚れ色柄の判別も難しいものの、
「……男物、かな?」
八夜城や千代姫と縁が深く、戦を前にして生き延びることを最重要とされる人物――
「行きましょう」
「もうちょっと物色してみよう」
絢の言葉にひらりと手を振り、円は思案と視線を巡らせる。
「あら、小刀だ」
湿気と泥で拵もぼろぼろの刀を拾い上げる。守り刀の類なのだろうか。鯉口を切ろうとして、刀身を冒す錆が邪魔をした。
「血とかじゃないよね?」
ぽつり零す。傍で覗き込んでいた絢がぎくりと肩を震わせた。
(柄部分に家紋とか入ってないかな?)
いつか寝子島書房発刊のものの本で見た刀の構造を思い出しながら、ポケットから出した万能ナイフを目釘抜きの代わりに柄を外そうと試みるも、
「んー……」
錆の酷さに円は唇を尖らせる。無理に目釘を外そうとすれば、折れてしまいかねない。
「行きましょう」
小刀を元の位置に戻す円の背中に再度声を掛け、絢は逃げるように踵を返す。できるなら、そろそろ太陽の下に出たかった。埋蔵金に対する好奇心はあるものの、ナニカが潜んでいるかもしれない暗闇に、自身がこんなに怯えてしまうとは思ってもいなかった。
「あ、大きい葛籠だ」
速足で進む絢の後を追った暗闇の通路の果て、大人が数人車座を組めるほどの広間とその央に置かれた古い葛籠を見つけ、円が弾んだ声をあげる。怖じたように足を緩める絢の背を軽く叩いて追い越し、葛籠の前に立つ。
桜の樹の下から始まる探索は、どうやらここが終点らしい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月11日
参加申し込みの期限
2017年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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