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八ヶ淵埋蔵金探索記
八ヶ淵埋蔵金探検隊
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リュックサックには駄菓子屋で買ったお菓子と麦茶入りの水筒、それから小さなスコップ。
古びた紙切れを片手に握りしめ、
源 竜世
は春うららの木漏れ日を仰ぐ。九夜山に降り注ぐ日差しと同じ柔らかな琥珀色した瞳を細めれば、知らず口元に笑みが弾けた。
(お宝さがしだ)
うっかりぎゅっと握ってしわの寄ってしまった古い紙切れをそっと広げる。掠れかけた鉛筆の線で描かれているのは、猫の横顔のような島。猫の口元、天宵川の源に宝箱マーク。
――大人にはナイショな
母が営むお店のお客さんから貰ったこれは、家の蔵で見つけた宝の地図なのだという。
(はちがぶちまいぞー金)
お客さんが声を潜めながら教えてくれた言葉を心の中で繰り返す。
(まいぞー金を見つければ母さんもきっと喜ぶぞ!)
お店を切り盛りしながらひとりで自分を育ててくれている母も、きっと今よりたくさん休めるようになるかもしれない。
(そしたら、……)
数年前に行方不明になった大好きな兄を、ふたりで今よりたくさん探せるようになるかもしれない。
頬が痛くなるくらい眉間に縦皺が寄っていることに気づいて、竜世は掌で頬も瞼もごしごしとこすった。熱を持ったような瞼をぎゅっと閉ざして開く。九夜山の奥まで続く山道をまっすぐに見遣って、
「あれ、」
まだまだ散歩道じみた木漏れ日の山道の端に設置されたベンチに腰掛ける、艶やかな金髪の少年の姿を見つけた。竜世の声を耳にしたのか、少年は手にした携帯電話の画面を見つめる露草色の瞳を瞬かせる。恬淡として見える横顔は、
「タイラじゃん」
親し気に笑う同級生の竜世を目にした途端、年相応のはにかみにも近い不機嫌さを露わにした。
「何だ、トリ頭か」
「カプセルギアしてんのか?」
「お前には関係ないだろう」
気軽に近づいてきて画面を覗き込もうとする竜世から携帯電話を隠し、
タイラ・トラントゥール
はベンチから立ち上がった。そのまま町へ歩み去ろうとするタイラの道を塞ぎ、竜世は仁王立つ。じゃーん、と得意げに見せるのは宝の地図。
「今から宝さがしに行くんだ」
ふっふーん、と鼻息も荒く折角見せてやったというのに、タイラの露草色の瞳は冷淡なまま。
「子供一人で山に登るなんて危いだろうが……」
何をバカなことを、とでも言いたげなタイラに、けれど竜世は全く怯まない。
「タイラも行かねえ?」
「何でボクがそんな事に付き合わないといけないんだ」
「一人より二人の方が見つかりそうだし!」
「人の話は最後まで聞けっ」
端正な顔をしかめて叱られ、竜世はちょっと唇を尖らせる。
「そんなにいやなら一人で行くけどよー」
仕方なしに一人で歩きだしてから、ふと振り返る。そっぽを向いたままのタイラに笑いかける。
「タイラがいれば一人じゃないじゃん?」
「な……」
タイラの白い頬が赤くなった、ように見えた。
「そ、れはそうかもしれないが……」
「な!」
力強く頷く竜世を見、タイラは滑らかな頬にぎゅっと力を籠める。
頼られた気がした。
「……別に行きたくなったわけじゃないからな」
「うん、行こうぜ!」
張り切って駆けだす竜世の背中をしばらく見つめ、タイラは息を吐き出す。
「あっ、コラ、走るなトリ頭っ」
春風にそよぐ木々の下をじゃれるように走り、たんぽぽや菫の咲く森の中を地図を頼りに辿る。
「あ、猫だ」
「猫だな」
何かに惹かれるように駆けて行く猫を反射的に追いかけたその先には、金色の木漏れ日の中、野良猫たちに守られるようにして歩く亜麻色の髪の子ども。
薄紅に透ける亜麻色の髪を柔らかな頬に遊ばせ、肩に小鳥を止まらせ、少女じみた容姿の子は地図を片手にひとり歩いて行こうとしている。
「わー! 友達いっぱいで楽しそうだな!」
迷わず駆け寄って行く竜世の後を追いつつ、タイラは蒼い瞳を淡く細めた。森の中で動物たちと遊ぶ儚げな少女は、まるで童話にでてくるお姫さまのよう。
そのお姫さまが片手に持つ猫の横顔が描かれた地図を目にして、思わず呻く。見たところ、竜世から見せられた『宝の地図』と同じもののように見える。まさか彼女も宝探しに行くつもりなのだろうか。
「その地図!」
案外目敏い竜世も、彼女の持つ地図に気づいたらしい。
「宝探しなら一緒に行かねえか?」
「おい! 女子を危ない目に巻き込むのは関心しないぞ」
「いっぱいの方が楽しいじゃん!」
竜世から声を掛けられるまま、苺の色した大きな瞳を丸くしていた少女は、不意に白い頬を華やかな笑みに崩した。少年たちの乱入に散って行く猫や小鳥たちへここまでついて来てくれてありがとうと手を振り、改めて同い年ほどの少年ふたりと向き合う。
「ぼくも一緒に行っていいの?」
動物たちが一緒だったとは言え、山が深くなるにつれてこの先も一人で行けるのか心細くなってきていたところだった。
「ありがとー!」
声を発した途端、金の髪と露草色の瞳した方の少年が驚いたように眼を丸くする。そういえば、さっき女子がどうとか言っていた。
「ぼく、男だよ?」
「はっ? なんだと!」
少年の露草色の瞳が裏切られたかのように歪む。
「お前、男……なのか!?」
騙されたとでも言いたげな少年の言葉に、思わず頬が膨らむ。
「僕は最初から男だもんっ」
睨みあいに突入してしまいそうな少年たちの間に、竜世はぐいと割って入った。
「俺は源竜世!」
「ボクはタイラだ。
タイラ・トラントゥール
」
元気いっぱい名乗れば、対抗したタイラが低い声ながら同じように名を告げた。
「竜世くんとタイラくん……」
じゃあ、と少女に見紛う少年は目を輝かせる。
「リュウちゃんとタッちゃんだね! ぼくは
工藤 歩夢
! よろしくね!」
「タッちゃんとはボクの事か!?」
ともだちになった記念に、と歩夢が腰のポシェットから取り出したおやつをひとつずつ竜世とタイラの手に握らせる。お礼に竜世から貰った駄菓子をほおばり、歩夢は宝の地図を広げた。
「どこで手に入れたんだ、それ」
「悪戯っ子な猫さんが誰かのを勝手に持って来たらしいんだよね」
ほとんど同じ絵柄の地図を二枚並べ、歩夢と竜世は互いの地図を覗きあう。
「今はこの辺り、かな~?」
「いや、ここら辺じゃねえ?」
頭を寄せ地図を覗きこみあっては現在地を確かめようとするふたりの間、
「……違う、ここだ」
タイラの白い指先が地図の一点を指し示す。ポケットから取り出した携帯電話のGPS機能を使い、タイラは先立って歩き始めた。
「わ、待ってよタッちゃん!」
「よし、行くぞー!」
竜世と一緒にタイラを追いかけながら、歩夢は朗らかな笑い声をあげる。新しい友達との宝さがしは、きっときっと、とても楽しい。
岩の間からこんこんと湧きだす清水の傍に立ち、ぐるりを囲う木々を見回す。あたたかな青空を透かせる鮮やかな緑の梢の中、
「あの木か?」
一際大きな樹を見つけ、タイラは露草の瞳を瞬かせた。
「うん、きっとあの木だ!」
「根っこのところに穴もあるね!」
竜世と歩夢が歓声を上げる。木の根と岩塊が絡み合う足場の悪さも何のその、少年らしい身軽さで桜の巨木へと駆け寄って行く。ぽっかりと黒く開く虚を一緒に覗き込むふたりの背後から、タイラもそうっと視線を伸ばす。
光のほとんど差し込まない虚の中には、苔むした地蔵がひっそりと祀られていた。
「よーし!」
気合いを一声あげるなり、竜世が元気いっぱいに飛び込む。
「わ、ぼくもぼくも!」
「おい、もう少し慎重に……」
大人数人が入れるほどの虚の底を満たす、湿った土と葉っぱのにおいにタイラが惑う間もなく竜世が弾んだ声をあげた。
「あそこ! はしごがある!」
「わー……」
竜世に続いて地蔵の背後に回り込み、歩夢が小さく声をあげる。
「……ここで合ってるんだよね?」
「降りてみようぜ!」
歩夢の声音に含まれた僅かな怯えには気づかず、竜世は躊躇わない動きで奥に続く梯子を掴んで降りて行く。
「リュウちゃん待って! 置いていかないでぇ!」
「おい! 待てと言ってるのが解らないのか!」
慌てた動きで梯子につまづきそうになる歩夢の肩を支え、タイラが声をあげる。梯子の下の暗がりに消える竜世を必死に追いかける歩夢を目で追いつつ、自身も梯子を掴む。木製の梯子の湿った感覚に眉を顰めるも、ふたりを放っておくわけにはいかない。
渋々梯子を辿る。広がっていたのは光の一筋もささない真っ暗闇。
「行くぞ!」
凛々しい声が間近で聞こえた。今にも暗闇へ突っ込んで行きそうな竜世の気配を感じ取り、タイラは咄嗟に手を伸ばす。
「うわ、いきなり引っ張るなよ!」
「ボクらを置いていく気か?」
掴んだ背中の服の裾をぐいぐいと引っ張り、タイラは声を低くする。
「もっと慎重に進め。お前は速すぎる」
暗闇に慣れてきた竜世の目を、びっくりするくらい眩しい光が刺した。思わず掌で目を庇う。ぱちぱちと瞬きを繰り返し、タイラがかざす携帯電話が光源であることを確かめる。
「何だそれ」
「懐中電灯アプリ」
「あっ、ぼくも!」
タイラに倣い、歩夢もポシェットからスマートフォンを取り出した。真っ白な光が、二股に別れる地下のトンネルを照らし出す。
「速いって……じゃあ先頭交代な」
「んな!?」
明かりを持つタイラに先頭を譲った途端、タイラが素っ頓狂な声をあげた。竜世と歩夢の不思議そうな視線を受け、タイラはぐっと背筋を伸ばす。
「い、ぃいだろう、お前はボクの後ろをついて来い」
不必要なほどに胸を張り、少年は先の見えない暗闇に携帯電話の光を向ける。
「歩夢もこいつの事を見張っておくんだぞ」
歩夢と竜世の前に立ち、周囲に油断なく慎重に丁寧に視線を巡らせ一歩ずつ一歩ずつしっかりじっくりじりじりと進み始め――
「……タッちゃん、あんまり進んでないよー」
「おっせーよ! タイラのスピードだと日がくれちゃうだろ!」
亀の歩みで数歩進んだところで竜世に突かれた。
「こら押すな! 僕は慎重にだな」
「もっかい交代だ!」
「え、今度はぼく!?」
竜世に手を引かれタイの前へ押し出され、歩夢は暗闇に目を凝らす。ぎゅっと拳をつくる。
「よ、よーし」
「無理するんじゃないぞ」
タイラの優しい言葉に小さく頷き返し、歩夢は深呼吸する。もう六年生、しっかりしなきゃ。たぶん年下なふたりがきちんとついて来れるよう足元をスマホの灯りで照らした、その途端。
足元を何かが駆け抜けた。
「ひゃあ!?」
「っ!?」
少女じみた悲鳴をあげる歩夢の背後、つられたタイラも声のない悲鳴を漏らす。竜世だけが足元を逃げていく小さな鼠を僅かな光に確かめる。
「あう……吃驚した……」
「ああ、もう!」
ほとんど泣き出しそうな歩夢につられてハラハラする自分自身にも業を煮やし、竜世は両手を伸ばした。片手に歩夢、もう片手にタイラ、それぞれの腕をぐいと乱暴に掴んで引き寄せる。
「こうすりゃいいんじゃん」
「わわっ!?」
子供三人が横に並んで歩くには、でこぼこ岩の通路は狭すぎた。
「確かに横に並べは速さは一緒だけど……」
「ほら! だろ!」
「狭い」
得意げに笑う竜世の横顔を眺め、タイラが不満を零す。それでも、ぎゅむぎゅむとみんなで押し合いへし合いしながら進めば互いの体温を間近に感じられた。冷たい暗闇にも怯えずに済む気がした。
「ちょっと歩きにくいよ~」
くすくすと歩夢が笑う。少しだけ先に進み辛くはあるけれど、これはこれで何だか楽しい。踏み出す度に堪えきれない笑みが溢れる。
「ぼく、もう怖くないよ!」
暗い通路を携帯電話の光が行き交う。
「扉がある!」
閂の掛けられた鉄枠に木の扉を見つけ、竜世がふたりの手を離した。迷うことなく扉の前に立ち、閂を外そうとする。
「扉、勝手に開けて大丈夫かなぁ」
不安そうに零しながらも閂を外す手伝いをする歩夢の背を遠巻きに見つめ、タイラはただただ携帯電話の光で扉を照らし続ける。知らず震える手をぎゅっと反対の手で握りしめる。
重く軋んだ音をたて、扉が開く。タイラの持つ光に照らし出されたのは、お椀を伏せたかたちした土の上に乗せられた白い石。つるつるに磨き上げられた石のひとつひとつの前には、昨日今日置かれたばかりらしい花束が置かれている。
「んー……?」
土の小山に石にお花。何か見たことがある、と顎に手をやる歩夢の後ろで、タイラが鋭く息を呑んだ。
「元気な花が置いてあるってことはもしかしたら誰かいるんじゃねえ? おーい!」
「バカ! それは……」
土饅頭に供えられた花の前にしゃがみこむ竜世に、タイラは悲鳴じみた声を叩きつける。
「タッちゃん、どうしたの?」
顔から血の気を失せさせ震えさえするタイラの様子に、歩夢が傍らに並ぶ。励ますようにぎゅっと冷たい手を握りしめる。
「大丈夫だよ、ぼくがついてるからね!」
歩夢に優しい声を掛けられ、タイラはうつむく。心底帰りたいと思う。ともすれば涙さえ滲んでしまう。けれど、もう先には行きたくないとは、進むのも嫌だとは、絶対に言いたくなかった。
「お墓だ、それ」
「あっ、そうだよ」
「えっ」
涙を誤魔化して低く低く囁けば、歩夢が思い出したように頷き、竜世が驚いたように眼を瞠った。
「そっか、お墓か」
タイラの言葉を受けて、竜世は睫毛を伏せる。暗闇の中で静かに眠る誰かのために膝をついて手を合わせてから、
「じゃ、誰かいないか探してみようぜ!」
元気よく立ち上がった。
「リュウちゃんはすごいなぁ」
「すごいって言うのか、あれ?」
感嘆した顔をする歩夢と信じられないような顔をするタイラの脇を過ぎ、次に見つけた重たそうな木造の扉を力いっぱい元気いっぱい押し開く。開いた途端に見えた何体かの鎧兜を目にするなり、
「今なんか光んなかったか!?」
驚くよりも好奇心に満ちた声を弾ませる。
「ッ……」
「お、驚かさないでよー!」
悲鳴を噛み殺しびくりと体を震わせるタイラの手を一層強く握りしめ、歩夢はことさらに大きく明るく声を張ってみせる。
「あ、ほら! やっぱ動いた!」
「……ぁ、ありえない」
「ええー、見てみろって、目のとこキラッて光ってんじゃん!」
「光ってなんていない!」
「何かいるなら捕まえようぜ!」
必死に叫ぶタイラには構わず、竜世は軽い足取りで扉の内側に踏み込んだ。瞬間、ガタガタガタ! 鎧の一体が激しく揺れ始める。
「りゅ、竜世! いい加減にしろっ!」
扉の内側へ、タイラは決死の覚悟で手を伸ばした。竜世の手を掴んで引き戻そうとするのに、肝心の竜世は楽しそうに笑う。今しも動き出して刀を抜き放ちそうな鎧兜へ大股に歩み寄る。
「だいじょうぶだいじょうぶ! お化けでもなんとかなるって!」
「何かあってからでは遅いんだぞ」
一緒に竜世を止めてはもらえないかと隣の歩夢を見ても、当の歩夢はどこかキラキラした少年の瞳で鎧や床に転がる武器をじっと見つめるばかり。
「な……」
絶句するタイラを後目に、竜世は鎧兜の隙間へ無造作に手を突っ込んだ。
「痛って!?」
「竜世!」
鎧から手を引き抜き後退る竜世に、タイラは恐怖も忘れて駆け寄る。竜世の手を取り見れば、掌に小さな引っ掻き傷が出来ている。
「あ、猫さんー」
鎧の後ろに回った歩夢が、犯人の黒猫を捕まえ頬ずりする。にゃあ、と鳴く猫に、タイラと竜世は憮然と顔を見合わせた。
「宝物見つからないねー」
「お宝見つかんねえなー」
鎧兜の中から飛び出してきた黒猫を抱いて歩きながら、歩夢は首を傾げた。竜世が同じように首を捻る。
「そんな簡単に見つかるものか」
ひとり冷静に呟き、タイラは狭い通路を抜けたその先にぽかりと開く空間へスマホの光を巡らせる。秘密基地のような空間の向かいには、微かな光と風が流れ込んでくる通路が見えた。あれはきっと外に続く道なのだろう。ともかくもこれでやっと外に出られる、とタイラが広間を横切ろうとしたその時、
「あれ?」
「なんだあの箱……?」
歩夢と竜世が揃って声をあげた。タイラは慌てて広間の真ん中へ光を向ける。光に照らし出されたのは、ぽつりと置かれた黒っぽい大きな箱。
「……開けてみよう!」
大きな葛籠に初めに手を掛けたのは歩夢だった。黒猫を肩に乗せ、よいしょと煤竹製の葛籠の蓋を持ち上げる。隣に並んだ竜世が手伝えば、蓋はあっけなく開いた。
「本当に宝なんてあったのか……」
開いた箱の中へ光を差し向けながら、タイラは声を掠れさせる。あるはずがないと思っていたものを冒険の末に見つけ出した感動は、道すがらの恐怖を容易く吹き飛ばしてくれた。
宝箱じみた葛籠の中には、剣玉に布人形に瓶詰のおはじき、古いアニメのロボットが描かれた紙メンコ、大小さまざまの独楽に竹とんぼに色褪せた鞠、その他さまざま、いつ誰が入れたのかも分からないたくさんの玩具。
「わあ! 楽しそうなのがいっぱい!」
「お宝ってこれかなぁ?」
竜世と歩夢がはしゃいで笑う。手に手に『宝物』の玩具を取る。
「みんなで遊ぼうよ~!」
「なあ、これで遊ぼうぜ!」
顔中で笑うふたりに振り返られ、タイラもつられて笑う。
「ああ、そうだな」
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月11日
参加申し込みの期限
2017年10月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月18日 11時00分
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