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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【プーラナーガラン寺院 永遠庭園】
「やあああああ!! さっ触らないで!! いやあああああ!!」
白 真白
がコーラリアンたちの群れに飲み込まれどこかへ連れ去られるのを、歯噛みして見つめる。ああ、助けなければ、と思う。
しかし
香月 良衣
の腕に絡み付く触手は、ともすれば人体を容易く歪ませる。ろっこんの助けがなければ良衣もまた四肢の全てを砕かれ絶命するだろう。
身動き取れず、ひたすらに耐えながら、仲間が離れていくのを見ていることしかできない。
「ぐ……っ、朝鳥、さん……お願いっ!」
名を呼ぶと、
朝鳥 さゆる
は尋常ではない動きで群れをくぐり抜け、良衣を捕らえるコーラリアンの胸元の中心に突き立てたバタフライナイフを、そのまま真上へと振り抜いた。そのまま淀みなく身を翻し、続く二体を次々に刺し貫き、刃を回し抉り抜く。
「……La Danse Macabre。くふふっ!」
そうして彼女は、楽しそうに笑った。
「不思議な気分。なぜかしら、今、知りたくてたまらない。何を……? ああ、こんな気分は久しぶり。晴れやかで、目の前の道はくっきりと開かれていて、何も憂うことがない。ただ、知っていけばいい。何を……? くふふ、何でもいいわ。それが深淵であるならば何でも。そうすることが私の存在意義なのだから」
「あ、朝鳥さん……」
さゆるを満たしてきた絶望が晴れたわけではないのだろう。彼女の精神は侵食され、崩壊の一途をたどっている。かろうじてさゆるという肉体にへばりつく心はもはや、砂上の楼閣だ。
良衣のことなど目に入らぬように、くふふ、くふふとナイフを振り回しコーラリアンを屠り、さゆるは踊る。最後の一瞬まで、彼女は張り付けた快活な笑みを絶やすことはなかった。
「っ!!」
良衣の目の前で、空から伸びた触腕が、さゆるの左半身を抉り取った。腕、肩、心臓、腹部のほとんどを失くし、
「くふ。ええ……今行くわ。待っていて」
さゆるは笑みながら徐々に傾き、地へ伏した。彼女が数年の間一度も浮かべることのなかった、安らかな微笑みだった。
長い触腕の先には四本の牙と真っ暗な口腔が覗き、その根元は宙を泳ぐクリオネのような男の頭部へと繋がれている。
最後の学徒。シンダールヤット。男はそう呼ばれていた。
「私は……誰かを、守らなきゃいけないのに」
宙を睨み、良衣は独白する。
英雄のようにあれと心に誓えど、今まで自分は何をしてきただろうか?
「このっ、クリオネ野郎!! 好き勝手してんじゃねえ!!」
ろっこんで明滅する強烈な閃光の幻影を作り出し目をくらませた、
化神 小次郎
の活躍は目覚ましい。ひどい頭痛に耐えながらも異形の接近を感知し、極力無用な戦いを避けることができたのは彼女のおかげだし、その小次郎が作り出した隙を突きシンダールヤットの触腕を一本斬り飛ばして見せた、ソフィア・マクマスターのハンターとしての戦闘能力はもはや言わずもがなだろう。もちろんのこと、レッドヒル・マリーの残した幻像に彼女らを導いたのは真白であったし、さゆるのナイフにも良衣は大いに助けられた。
では、自分は? 良衣は奥歯を噛み締める。自分はここまでに、何をしてきた?
英雄になるのではなかったか?
「あ……ぐっ」
「ソフィア!! く、くそっ、この野郎……!!」
右腕の半ばから先を食いちぎられながらも、ソフィアは口元の傷を歪ませ、真に笑顔を浮かべてみせる。揺らぐことのない背中に、良衣は彼女の父を見た。
「この、程度で……射止めた、つもりですか。私が欲しいのなら、全て奪ってみればいい……」
「なっ、何言ってんだ!? おい、ソフィア!!」
五本の触腕がソフィアを絡め取り、持ち上げる。すぐにも縊り殺してしまわないのは、まだそこに結ばれた情交の名残があるからだろうか。
小次郎は伸びてきたコーラリアンの触手から逃れるのに手いっぱいで、到底助けは間に合わない。むしろ小次郎自身も触手に捕らわれるのは時間の問題だろう。
良衣が動かねば、彼女らは死ぬ。
「……ああ。そうか。そういうことか」
目の前が不意に、明るく開かれたような。あまりにも唐突に、そんな感覚が降り落ちたのは、その時だった。
「何もしないまま、このまま死んじゃったら……カッコ悪いもんね。そんなの、全然英雄らしくないもんね」
導かれるまま、飛び出す。嘘のように軽い身体で跳躍し、ソフィアを捕らえた触腕を右腕で薙ぎ払い、着地様に小次郎へ迫るコーラリアンを斬って捨てる。
二人をかばうように立ちはだかる良衣の姿は確かに、彼女がいつか憧れた英雄に並び立つものであったかもしれない。
「香月……お前?」
よろめくソフィアを抱き止めた小次郎の目の前で、良衣の右腕は闇が変じた微粒に覆われ、タールのような重く濁った黒液を滴らせる、長大な刀身を形作っていた。
【クーラシン王宮 賢王の御座】
足を止めぬまま、
一条 紗矢香
はソフィアへと尋ねた。
「……魔女を封じる術?」
「ええ。デュボアさんはあの大学へ、マリーを封じ込める役割を担っていた……そう教えてくれたわ。なら、同じように封じられるんじゃないかしら?」
紗矢香の問いに、ソフィアは左手をあごに添えて記憶を探るそぶりを見せる。
彼女はいつ、右腕を失ったのだろう。先ほどに聞いてみれば、もう半年も前のことで慣れたものだと彼女は言った。
「心当たりはあります。彼は……デュボア学派の魔術を継いでいたから。しかし、お勧めはしませんよ」
「なんでだよ? 難しいのか?」
背の傷の痛みに顔をしかめる
楢木 春彦
へ、ソフィアは首を横に振る。
「それ自体が、レッドヒル・マリーの魔術を転用することで生み出されたものであるからです。他者の夢想域へと干渉し、川のように流れる時の一端を切り取り過去へと繋げ、記憶のループへ閉ざすのです。そして夢境構築学とは、夢現を曖昧にします……一たび扱いを誤れば、何が起こるか分かりません」
「あー。要するに、すっげぇ難しいってことか……痛ぅっ」
「大丈夫? 浅い傷じゃないのよ、無理はしないで」
春彦を肩で支えながらも、紗矢香は思考する。
可能ではあるのだろう。事実、シモーヌ・デュボアはマリーをガラウルガレンへと封じ込めていたはずだ。巡る夢の中へと。
しかし、そこから魔女を解き放ったのは紗矢香ら自身であったのかもしれない。彼女らがどういう理由か神秘大学へ呼び出され、図らずも干渉したことで、ループを断ち切ってしまったのだろうか?
ともかくもマリーは大学を脱し、タユタラの街へと解き放たれた。
「……それなら、どうして……」
「サヤ……? どうかしたのか?」
疑問は尽きない。紗矢香は首をひねる。
マリーがデュボアの施した魔術から逃れたのなら、今この街で起きていることは、一体何なのだろう? これもまた夢なのだろうか?
この悪夢は一体、何重を成しているのだろうか?
「ここです。賢王の御座……よくも言ったものです。浅慮な野心者の積み上げた猿山ですよ」
辛辣な物言いとともにソフィアが示した扉は重々しい石造りで、全体に渡ってレリーフが刻まれている。周囲は余さず脈打つ珊瑚のごときものに覆われているというのに、ここだけはぽっかりと素の王宮の姿を見せている。
モチーフは両手を天に掲げた若者で、精緻で神々しい絵面だが、紗矢香も春彦もどこか鼻につくものを覚えた。恐らくはこれが、賢き王を名乗るクーラシン王なのだろう。
「んじゃ……行くか」
春彦は言いながら、ちらと背を振り返る。
かしずく影たちに瞳があったなら、それは恐らく春彦や紗矢香へと向けられていたことだろう。肉なき者たちは王の強欲と傲慢に耐えかね、救いを求めていた。
刺された痛みはあれど、今は再び春彦の肉を狙うようなそぶりもない。
こくりとうなずいた紗矢香とソフィアとともに、重厚に過ぎる扉を開く。ひどく傷が痛んだが、身体全体で押し込んだ。
御座は輝きに満ちていた。奇怪な珊瑚は壁の一部を侵食するに止まり、磨き上げられた石壁が窓から差し込む星明かりを照り返している。
奥の中央には文字通りの玉座があり、不遜な王へ単身挑む革命家のように、一人の少年が立っていた。
「よう、どうしたい王様。へばったか? 俺はまだピンピンしてるぜ」
高杉 かよう
。彼は傷だらけでありながらも五体満足で、退くこともなく両の足をしっかと地に着けている。
そして、彼の目の前に……アンバランスなまでに膨張した頭部。幾つもの歪んだ顔に、それぞれ四方を向く幾つもの瞳。
「ぶれ、れれれれれれれいものの。ひ、ひざ、ひひひひひひひざひざひざまひざまひざまずけけけけけけけ」
「ああそうかい。じゃ、もう1イニング付き合ってもらおうか!」
異形の王が、彼らを見下ろしていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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