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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【睡蓮街 北地区】
目を開けると目の前に、
鷹司 凜太郎
の心配そうな顔があった。
「……良かった。またしても君を失うのかと、僕は……」
「リン、タロウ?」
目をしばたかせ、
スピカ・フォーツ
は身を起こす。慌てて背中へ添えられた彼の手のひらがあたたかい。
「どうやら二人で、夢を見せられていたようだ。僕も今目が覚めたところだ」
「夢……どんな、夢?」
何気なく問うと、彼はどこかバツが悪そうに眼をそむけて、それは、と言い淀んだ。
(同じ夢……見てたの、かな)
もしそうなら、嬉しいのに。恥ずかしいけれど……スピカは仄かに頬を赤く染めながら、少しよろけた振りをして、凜太郎の胸へと顔を埋めた。きっと、このくらいは許されるだろう。
「まあ、気持ちは分かるんだが。そのへんにしておいてくれると助かる」
控えめな咳払いは、
新田 亮
のものだ。
見ると辺りには、赤い針金めいた蜘蛛の残骸が幾つも散らばっている。どうやら彼が、二人の窮地を救ってくれたらしい。
あのまま夢を見続けるのも悪くはない気がしたが、やはり今、こうして生きて触れ合っていることの喜びには代えられない。
「そうだな。スピカ君、まだやらねばならないことがあるんだ」
彼の示した先へ目をやると、そこには光を帯びた波紋のようなものがわだかまっている。夜の暗がりの下にあって、それは自らを発見する何者かを待ちわびているかのように揺れていた。
異形やそれがもたらす恐怖に翻弄されてきたが、思えばそれをこそ見つけるのが、彼らの目的のひとつであったはずだ。
スピカはうなずく。
「マリーの、痕跡……だね」
「僕が読み取る。支えていてくれるか? 君でなければ駄目なんだ」
「うん……もちろん。側にいるから……」
二人は指を絡ませ見つめ合い、亮は苦笑いを浮かべる。
「では、始めよう」
凜太郎は手をかざす。
波紋の揺らめきは増し、やがて光はここに佇んでいたはずの、一人の青年の像を形作った。
──生涯に渡って積み上げられる記憶が、人の精神を形作ってゆく。
魂とは、記憶の集合体に他ならない。
そして人の夢とは、刻み込まれた記憶から抽出される情報を繋ぎ合わせ編集された、記録映像のようなもの。
つまり夢とは、人の魂そのものなのよ。
ある特定のパターンが存在する。私はその法則性を見極めようとしてきた。
陛下の援助のもと研究を推し進めるようになってから、神秘大学の中にとらわれず、より豊富に夢想域を覗き見る機会を得た。また、それを自由に編纂することも。
人々の変化の過程に、私は都合の良い様々なイメージを与えてきた。邪魔者を断ち切る巨大な鋏に、あらゆる魔術や銃弾までも弾き返す甲殻。鎖に繋がれた悪魔の姿に、熔解循環する女。
けれど中には私の編纂を受け付けず、独自の変化を起こす者がいたの。
彼らは一定の確率においてプラヌラへ変わり、メテフィラを経てコーラリアンへと成長する。
なぜ? あんなイメージを与えたことは一度もなかったのに。あの異形は一体、どこから現れたの? どこから生まれてきたの?
……いいえ、答えを導き出すことはできたわ。そうよ、圭花。あなたが今見ているものがそう。
タユタラの民は、太古からコーラリアンを胸に抱いてきた。知っていたのよ。
思えばコーラリアンに変化したのは、いずれもタユタラの血を持つ者たちだった。学内にもその因子はあったのよ。
例えば、ノア・マッケラン学長。彼はかつてこの地を訪れたイギリス人学徒と、地元住民との間に出来た子だった。調べて見れば、同じような境遇の学徒は少なくなかったのよ。
タユタラに生まれた者たちの夢想域を覗いていて、私は気付いた。推測ではあるけれど、でも、答えを確信するに至った。
彼らの見る夢には、ある共通するイメージが存在している。
遥かな太古の昔。青紫に染まる空……珊瑚のような角質で形作られた住居……触手と透明な白い肌を持ち、虹色のきらめきを帯びる自分。
タユタラの血脈は、地球のたどってきた進化の歴史とは全く異なる、別個の存在なんだわ。
彼らは遠い遠い昔にどこからか……別の世界、とでも表現するべきかしら。そんな場所からこの地へ流れ着き、住み着いた。
今の彼らが私たちと寸分違わない姿であるのは、新天地で生き延びるための進化の過程において環境への適応を図ってきた、奇跡のような収斂の結果なんだわ。
不意に、場面が転じた。
独白を続ける青年のもとへ、光は訪れた何者かを再現する。
ぞろりとした華美な衣服を纏い、数人の男たちが構えた槍を青年へと突きつけている。
「マリー殿! 王宮までご足労いただきたく……ああ、余計な手間はかけさせぬよう願いたいものだ」
「一体、何のつもりかしら。私が陛下の客人と知っての無礼なのでしょうね」
「クーラシン陛下よりの勅命である。王のため、新たな魔術を行使していただこう」
「どういうこと? やり方は一任すると、お言葉をいただいたはず……」
「陛下は画期的な手法を見い出されたのだ。知己に富んだ者々と陛下御自身の夢想域を連結し、陛下の夢境を際限なく広げるのだ」
「……そ……っ」
「可能であろうな?」
「気はっ……確かなの!? そんなことを……可能ではある、可能ではあるわ。でも、分かっているの? 理解しているの、それが何を意味するのか、あなたたちは……!!」
「選択の余地は与えられぬぞ。ガラウルガレン神秘大学は、陛下に価値ある魔術を供するためのもの。それを不全へと追い込んだ罪を不問としたのを、よもや陛下の慈悲とお思いか?」
亮は腕組みを解き、身を乗り出して再生される像を見つめた。
「……どうなってる?」
光は、ぴたりと制止している。青年も。男たちのたなびく服も、突きつけた槍の穂先も。
同化する凜太郎を支えながら、スピカは見た。
静止した時の中で、軋む扉を無理やりに広げるがごとくに、青年が首を曲げ……こちらへと、縋るような目を向けたのを。
……たすけて。
はっきりと、青年は彼らを呼んだ。
「レッドヒル・マリー……」
スピカと真っすぐ、目と目を合わせながらに。
クーラシンは私を取り込んだ。彼の夢想域は他者を侵食し、境界を歪めて取り込み、際限なく膨張していく。
忌々しいデュボアの術で抑え込んでおくのはもう、限界なの……はち切れそうなの。私は、もう。
そうなれば、彼の自由になるのはもはやタユタラの街に留まらない。彼は真に常世の王となる。賢しき暗愚の王が。
ねえ、あなたたち。同郷のよしみでしょう?
やっとのことで接続できたのよ。苦労して呼び寄せたのよ。少しは私のために働いてくれてもいいじゃない? もちろん、あなたたちのためでもあるけれど。
神落つ島の神秘に触れて生きるあなたたちになら……あなたたちにしか、もう。
私が憎いのでしょうね。魔術の何たるかも知らない愚昧なガキどもが、自分勝手な怒りに震えているのでしょうね。
私の編みだした魔術のいかに高尚たるか、理解しようともしないのでしょう、あなたたちは。
勝手に憎めばいいわ。私は私を曲げるつもりはないし、許しを請うつもりも無い。
私は私の魔術を究めたかっただけ。
でも、世界の終わりが見たかったわけじゃない。
あれからどれほどの時が経ったの? 何年? 何十年、何百年? それとも……もう、時間の感覚も分からない。
これは私が正気でいられた、最後のメッセージ。
殺すのよ。
私という存在もろともに……王を!
悪夢は、まだここに。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『魔女の咬み痕』第二話のリアクションをお届けいたします。
お話もいよいよ佳境ということになってまいりました。
というわけで、もうちょっとだけ続きます。次回で完結予定です。
このお話のためにいろんなクリーチャーやその背景を考えたりするのはなかなか大変だったりするんですが、同時にとても楽しくもあります。
それに触れる皆さんにも、同様に楽しんでいただけておりましたら嬉しいのですが……!
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました!
次回、あるいはまた次の機会にお目にかかれますことを、心よりお待ちしております。
お疲れさまでしたー!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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