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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【プーラナーガラン寺院 永遠庭園】
何も見えない。たった一人、宇宙に取り残されてしまったかのよう。
「ひっ。ひ、あ、あああ。いやあああ。あああ」
白 真白
にもはや、震える身体を止める術はない。薬物の中毒者めいて四肢を痙攣させ、青ざめた顔を涙で濡らすのみだ。
「やああああ、何? 何っ!? 何なのこれ!?」
淀む光の索はもはや消え失せた。目的を達したからだろうか。であれば目的とは一体何であったのか。仲間は何かを見い出したのだろうか。
もはや、分からない。
「ひ、あ、やっ、来ないで……来ないで!!」
真白に見えるのは、虹色に瞬く光。深海をたゆたうクラゲかイソギンチャクの櫛板列のような、あの厳かな艶光。闇夜に灯るネオンサイン。ただ、それだけだ。
否応なく脳へフラッシュバックする鮮烈な痛みが、真白を完全に支配している。溶解され何もかもが一つになっていく、世にあれほどの苦悶が他にあろうか。
「や、いやッ!! いや!! やだあ!!」
光が伸び、真白の足を捕らえ宙へと吊り上げる。直後に衣服も何もかもを剥ぎ取られ、ぬるつく感触が真白の素肌を這う。
「やだ、お願……ひどいこと、もうやだ、やだいやだあんなのもう私はやめて、ッッッ!!」
口を塞がれる。ずるりと入り込む。声を上げることすらかなわない。
触手は真白を蹂躙する。無数のコーラリアンたちは具合の良い苗床を奪い合うかのように、真白の女を弄ぶ。揺すられ、打たれ、捻じられ軋む。
一つだけ幸運であったのは、彼女の正気が早々に砕け散り、それらを認識することは無かったことだろう。おかげで真白は変わり果てた自分を見下ろさずに済んだし、やがて事が終わり用を失った身体をコーラリアンたちが分けていく痛みを、つぶさに味わうこともなかった。
【睡蓮街 西地区】
「ほわっ!?」
目覚めて、
工藤 来夢
は夢の中で夢を見ていたことを悟った。
周りを見回すと、やけに高いところにいるらしい。どこかの屋上だろうか。
足元には、引き千切られた赤い針金のようなものがいくつも散らばっている。中にはびくり、びくりと未だ蠢いているものもあった。
「うへ、何ですかこれ? 面白い! ネタに使えるかも、メモしときましょうかねー……」
「起きたのか? 起きたなら自分の足で立って、手伝ってくれ! 工藤さん!」
振り向くと屋上では、
新田 亮
が奮闘しているところだった。赤い針金は蜘蛛の足で、亮は無数のそれらを手にした鉄パイプ一本で薙ぎ払い、叩きつけ、突き刺し、たった一人で群れをさばいている。
彼らは囲まれていた。
「あんたをあの巣から取り戻すのは一苦労だったよ。しかしできる限りはそうしようと誓ったし、それに史越がな。最後に言い置いていったからな……ふッ!!」
亮が呼吸を止めたのはろっこんを発動するサインだろう。増強された身体能力で、蜘蛛たちを蹴散らしていく。
しかし大きさもまちまちな蜘蛛たちは数えようもないほどの数で、いずれは亮も力尽きるだろう。
「へぇ、なるほど? この蜘蛛は足の中に主要器官の全てが詰まってるわけですね。興味深いなー、次作のネタになりそうです」
一匹をかかとで踏みつぶしながら、来夢は状況を確認する。
二人がいるのは屋上のほぼ中心で、蜘蛛は周囲を取り囲みながら捕食の機をうかがっている。後ろには屋上の出入り口があり、扉を開いて駆け込むことができればひとまずは凌げるかもしれない。
ただ、それにはどうにかして、蜘蛛たちの注意を惹き付ける必要があるだろう。
「ま……死んでも生き返るんだし」
「何? 何だって? それよりあんたも、こいつらの一匹でも潰してくれ! そう長くは持たないぞ……!」
来夢は蜘蛛たちの死骸に混じって落ちていた鉄パイプを目にすると、それを拾い上げた。どうやら亮が武器として拾い集めていたもののようだ。
囮が必要だ。来夢は思考する。まるでまっさらな紙の上へと想像力を広げ、ネームを切るように。一人でも囮になって蜘蛛たちを引き付ければ、片方はあの扉へたどりつけるだろう。
「はあ。まったく、さっきのはひどい夢でしたね。大勢の読者が私の漫画を待っているというのに」
鉄パイプを蜘蛛の足へ叩きつけ、千切り飛ばす。蜘蛛たちは脆く、来夢の細腕でも簡単に潰すことができた。
しかし、来夢は思う。あるいはこの鉄パイプを、人の頭に振り下ろしたらどうなるだろう? 女の腕でも、運動能力に長けた伸び盛りの少年を昏倒させるに至るだろうか?
恐らく可能だろう。彼の意識はこちらへ向いてはいない。
「漫画のため、漫画のため! 私は読者のために生き延びなきゃいけないのです。だから許されるのです。漫画家は得ですねぇ、ふふふふ!」
くるりと踵を返し、そうっと鉄パイプを高く掲げる。目の前には奮戦する亮の背中がある。彼はめまぐるしく動き回っていて、来夢はじっくりと狙いを定める。確実に一撃で、後頭部をヒットしなければ。
蜘蛛を一匹叩き割り、ぴたりと一瞬、彼は動きを止めた。一瞬のチャンスを見逃さず写し取るのもまた、彼女の漫画家としての才であったのかもしれない。
来夢は全力を込め、鉄パイプを振り下ろした。
「ごっめんなさーい、私のために囮になってくださいねーっ!! あれっ?」
しかし。来夢が殴りつけたのは、手応えの無い空気だけだった。
「……託されたし、信じたくはなかったよ。残念だ……工藤さん」
瞬間、ぴたりと蜘蛛たちの動きが止まった。来夢は気付く。
亮の瞳に、奇妙な青い輝きが灯っていることを。
「あんた、口から駄々漏れなんだよ。思ってることがさ」
「はっ……し、しまったー!?」
亮が異相との交信能力を最後まで使わなかったのは、リスクを考慮してのことだ。故に本当にどうにもならない時、一瞬のみの行使に留めようと決めていた。
その一瞬がつまりは、今だ。
「悪いな。俺もこんなことはしたくなかったよ……本当に」
亮はゆっくりと歩き、やがて扉の向こうへと消えた。
後に残されたのは鉄パイプ一本きりを手にした来夢と、蜘蛛たちだけ。
「……やれやれ。もっとイイ線いくと思ったんですが」
終わりは始まりだ。少なくとも、この悪夢の中においては。来夢の終わりは淡泊だった。
「次は、こうはいきませんよ? ふふふ。ふふふふふ!」
【プーラナーガラン寺院 永遠庭園】
片腕を失ったソフィアを抱き止めながら、
化神 小次郎
は震えた。恐怖ではなく、悔しさが彼女を震わせた。
「……ちくしょう。熊センセー、あたしは……」
どうしようもなく、無力が小次郎の胸を苛む。
香月 良衣
の振るう力が己の命を削って始めて発現されるものだと、小次郎にははっきりと感じ取ることができた。
「うゥゥゥあああ……ああああああァ」
獣じみた咆哮とともに、一閃。影の剣と化した右腕を良衣は振るう。クリオネのような男の触腕を二本まとめて斬り飛ばし、返す刀で翼足を断ち落とす。
近づくコーラリアンの胴を触手もろともに容易く両断し、顔面に突き入れ、三体を撫で斬りに斬って捨てる。
「くゥゥゥァァァア、おおおああああああ」
良衣はとうに呑まれていた。それでも剣が振るわれるのは異形たちへのみであり、刃が小次郎らへと向けられることはない。
剣先から滴る粘性の黒い液体は、命そのものだろうか。良衣の精神を形作っていた魂、燃え尽きていくその残留物だろうか。
「……くま、せんせい、とは……?」
「っおい、喋んな! いいから寝てろ、もう大丈夫だから……あいつが全部、片付けてくれるからさ……」
「いとおしい方、ですか……あなたの……」
ぴくりと小次郎の肩が跳ねる。脳裏に浮かび上がる。朴訥で無骨で、飾らない笑みを。頬が熱さを帯び、思わず顔を反らす。
脂汗を額に浮かばせて、ソフィアは荒い息のまま微笑む。
「良い、ものです。殿方を……愛する、ことは。信仰が全ての、私には……思いもよらなかったの……」
「……ソフィア、あんた」
宙を泳ぐ男を見上げ、彼女がこぼした涙はたったのひとしずくではあったが、小次郎はそこに込められた深い情を知ることができた。
「素晴らしい……ものでした……」
「うん。そうだな。そうだよな」
高く跳躍した良衣が寺院の屋根を蹴り、男の胸へと剣を突き立てる。そのままともに落下し地へ叩きつけ、力任せに突き刺さった剣を振り抜き、
「かァああああああッ」
良衣は男の頭部を裂いた。
良衣は立っていた。誰にも依らず、たった一人で。
「……わた……し……」
闇が形作る剣が霧消し失われると、そこに彼女の右腕は無い。
力の代償に、闇は徐々に良衣の隅々にまで広がり、彼女の全てを奪い去っていく。
「えい……ゆ…………な、れ」
小次郎へ一つ笑いかけ、やがて良衣は黒い霧に解けて、風に乗り流れていった。
ソフィアの肩をきつく抱き、小次郎は唇を噛む。そして、つぶやいた。
「……なれたさ。あたしは見てたぜ。ちゃあんとな」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
魔女の咬み痕
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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