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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【異端教区 教会】
拾い上げたそれを見つめ、
桜 月
は逡巡する。
「これ……なのか? これが必要なのか? 本当に!?」
雷が朽ちかけの教会を震わせる。建物も、それに仲間たちも、あの雷轟を前に長くは持たないだろう。
迷っている猶予などない。
一方
新田 樹
は瓦礫に埋もれた教会の床を蹴り、ろっこんを発動。
「これで、最後……!」
折れた尖塔の先端に据わっていたのだろう、十字架を雷鯨の頭上へと瞬間移動させ、自重のままに貫く。
これで周囲に、彼女の能力を発揮できそうな手頃な残骸は無くなった。乱れ落ちる稲妻を紙一重で避けながら、携帯していた拳銃型のガスガンを抜き、目を狙って撃ち込む。さほどの効果は見込めないが、怯ませ時間を稼ぐくらいはできるだろう。
「にしても、こりゃまずいなぁ……!」
元より樹は前へ出て危険を買って出るつもりなどなかったが、
日向 透
は由貴奈をかばい電荷に焼かれて消滅し、月は奥で状況を打開する何かを探している。樹以外に割く手が無いのは気に入らないが、心に愚痴を吐く暇すらもない。
壬生 由貴奈
の交信はシスター・ヘレンを抑え込むことには成功しているが、その配下であろう雷鯨たちは依然彼女らを狙い、歪な手足でにじり寄ってくる。
「……てっついを……れっど・ひる。れっど・ひる……かならずや……」
「レッド・ヒル。レッド・ヒル。必ずや鉄槌を。魔女への裁きを。雷を」
由貴奈の黒の瞳が、徐々に青みがかって変化していく。深まる同調が彼女をどう変えてゆくのかは誰にも予測がつかないが、少なくともこの危うい均衡は破られるだろう。球電が周囲一帯を焼き尽くし、残るものは溶け落ちた金属と灰だけ。それだけだ。
わずかに残っていた避雷針代わりの鉄杭が完全に消し飛び、樹は否応なく数体の雷鯨たちと相対する。手の中のガスガンはいかにも頼りなく、彼女は二度目の死を思いながらもそっけなく肩をすくめる。
「今回はちょっと、物足りなかったかな? もう少し楽しみたかったんだけど。ま、運もなかったかな。もし次があるなら、今度こそ……」
「……待ってくれ!!」
影を纏い、躍り出る。由貴奈とシスター・ヘレンの間へと飛び込んだのは、月だった。
「桜さん?」
「気持ちは分かる! 大切な人たちを手にかけられて、とても怒っているんだろう、それは分かる! 私だって、彼女がいなくなってしまったら……そう思うと、たまらない気持ちになるよ。でも!」
月はシスター・ヘレンの巨大な顎とその付け根にちょこんと開いている小さな瞳へ向け、何かを掲げてみせた。
「でも、それならきっと、あなたは間違ってる!! 怒りを向ける矛先が違う、私たちは同じ気持ちを共有しているじゃないか!! 助け合えるじゃないか!!」
その叫びには、彼女自身の想いもまた込められていたのだろう。
月が教会の中で拾い上げたのは、額に収められた一枚の写真だった。割れたガラスの向こうには年齢も様々な修道服の女性たちや子どもたち、外来人街の住人たち。それにアジア人風の顔をした数人のタユタラの民。
そして写真の中央には、白い髪をした柔和な笑みの女性と、恐らくはかつてのソフィア・マクマスターと思われる大人びた少女が、清楚な佇まいで写り込んでいた。
「……おおお。おおお。レッド・ヒル……」
「れっど……ひる」
「! 壬生さん、危ない!」
力を失い、ぐらりと傾いた由貴奈の身体を、月と樹がかろうじて抱き止める。
雷鯨たちがぴたりと動きを止めていることに、彼女らはその時になりようやく気が付いた。
シスター・ヘレンはおびただしく生えた腕の一本を伸ばし、巨体に似合わぬ繊細な手付きで、月が抱えたままの写真の中央を指でなぞる。何度も、優しく、愛おしそうに。
「何とか……なったんですかね?」
「う、うん。そうみたいだ」
樹と月は腕の中、薄く開いた由貴奈の青く染まる瞳の輝きに、複雑な面持ちを合わせた。
【睡蓮街 西地区】
夜の星とオーロラに、まるで手が届きそうだ。
「工藤さん!!」
歪にねじくれた集合住宅の内部を巡る螺旋階段を登り切れば、その屋上へと至る。七色のカーテンに彩られ、
工藤 来夢
の泣き濡れた顔は揺らめいて見えた。
「こいつら、蜘蛛か……!」
「夢でも見せられてるのかな?」
新田 亮
と
史越 奈津樹
は背中合わせに身構え、あたりへぐるりと視線を巡らせる。
蜘蛛の巣だ。鮮やかな真紅の糸で編まれた蜘蛛の巣が、高い建築物同士を繋いで張り巡らされている。来夢はその一つに捕らわれていた。
全長が数メートルにも達するその蜘蛛には胴体が無く、顔や口に当たる部位も無い。全てが足で出来ているような、おぞましく奇怪な虫たちが群れを成していた。
(……やれやれだ)
虫の類を苦手とする亮は辟易として深い息を吐いたが、奈津樹にそうと悟られるのも癪であるし、何よりぼやいている暇はない。
敵は蜘蛛だけではないからだ。
「こいつ、さっきの……!」
奈津樹は拳銃のシリンダーを開いて空薬莢を落としながら、首をもたげたそいつを睨む。
オニイソメのような、棘の生えた長大な体躯。その上に生えている、血の気の失せた中年の女。自警団長、あるいは排外主義者ペマとそいつは呼ばれていた。
「壁を這ってきたか。くそ、忙しい時に……」
「次は絶対に、ヒット間違いなしですから! 100万部は売れるはず、だからあたしに漫画を、マンガをかかせてください……お願いですから、あ、あ、あああ」
蜘蛛に足の一本を差し込まれがくがくと全身を痙攣させる来夢は、漫画週刊誌に連載を持つ紛れもない漫画家のはずだ。そんな彼女の勝ち取った実績を根こそぎ覆すような、何か悪夢でも見せられているのかもしれない。
蜘蛛たちは亮をもとらえようとしてか、数匹が巣から飛びかかる。
「っ、寄るな!!」
鉄甲を縫い付けたハンマーグローブで放つフックが一匹を屋上の外へと弾き飛ばし、打ち下ろし気味のストレートで床へ叩きつける。
蜘蛛一匹の強さはさほどではないものの、矢継ぎ早に次が飛んでくる。気を抜けば来夢の隣で夢を見るのは自分だろう。
おまけに後ろには、ペマがいる。
「新田さん、伏せて!!」
「何っ!?」
とっさに身を屈めた直後、鞭のように薙ぎ払うペマの身体が頭上を際どく横切った。まともに受ければ槍のような棘に貫かれるか、そうでなくとも体当たりの衝撃は、屋上の決して広くない空間から彼らを弾き出すだろう。それに絡み付かれた建物自体が軋みと悲鳴を上げ始めていて、どちらにせよ長くは持ちそうにない。
四方から襲い来る異形たちをかいくぐり、迅速に来夢を巣から救出する。可能だろうか? そんなことが?
「ああ。本当はさ。長い間帰れないのは、困るんだよ」
奈津樹が不意にぽつりとつぶやいたのは、背筋の嫌な冷たさを亮が感じ始めた時だった。
見定めた先には、ペマ。無造作に足を踏み込む。
「おい……史越?」
「せっかく学校に通えるようになったんだ。こんなところで遊んでる場合じゃないんだよ」
飛びかかる蜘蛛を銃床で叩き落とし、踏みつける。どこが急所か分からないので、適当に何度か踏みつぶすと動かなくなった。
これはゲームだ。少なくとも始めはそう思っていた。暇つぶしの遊びに過ぎないと。
「でも……彼は死んじゃった。僕がやらないと」
手にした拳銃の持ち主と、その娘であるという彼女を思い浮かべる。
これが虚構であろうとなかろうと、やらねばならない。奈津樹自身の手で。
唐突に生まれたそんな思いが、彼をある種の英雄的行動へ走らせたのかもしれない。
「工藤さんを、よろしく」
「何をする気だ……!?」
気付くと彼は、駆け出していた。二発の銃弾を牽制に放ちながら、ペマへと躍りかかる。棘を掴み足を引っかけ、ペマの人型を残す部位へと至近距離から弾丸を叩き込む。天を引き裂くような咆哮が響いた。
散発的な銃声に轟音がかぶり、奈津樹を振り払おうとペマは激しく身をよじり、衝撃に建物が激しく揺らぐ。それでも奈津樹は銃を撃ち続け、ペマの右腕と顔を半分吹き飛ばした。
やがて耐えかねたのか、
「史越ッ!!」
ペマは長大な身体を住居に巻き付けるのを止め、眼下へと落下していく。奈津樹を乗せたまま。
亮の伸ばした手は、届かなかった。あっさりと宙へ投げ出され、奈津樹はオーロラの輝きに抱かれながら夜を落ちていく。
迫る石畳には目もくれず、シリンダーをスイングアウト。薬莢を叩き落とし、一発だけ弾を込める。
「……これで、終わり」
引き金を引く。最後の銃声を轟かせた彼の心は、曇りなく晴れやかだった。
ゲームも夢も現実もない。この誇りは確かに、奈津樹が自らの手で勝ち取ったものだ。
彼は微笑んだ。
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墨谷幽
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魔女の咬み痕
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
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