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魔女の咬み痕 腫都タユタラ
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【睡蓮街 西地区】
おびただしく無数の気配が近づいている。こめかみを打ち付けられるような痛みが、
史越 奈津樹
にそれを知らせた。
住居の一室からふらりと現れた触手持つ異形……コーラリアンの眉間を貫くほどに銃口を叩きつけ、引き金を引く。指先大の穴が開いて、コーラリアンは触手をくねらせながら倒れ込んだ。
「どうだっ……俺にも、やれるんだ。そうだよ、ゲームと変わらない……」
「……フォーツと鷹司はどうした!?」
新田 亮
が扉を閉じると、そこにある姿は三人だけ。奈津樹と亮、それに
工藤 来夢
だけだった。
「あらら。あの怪物から逃げるうち、はぐれてしまったみたいですね? いやあ、怖い怖い」
軽い口ぶりで来夢は言うが、奈津樹と亮は眉をひそめ二人を案じる。
長さは優に、数百メートルはあるだろう。海底に潜み獲物を捕食する、まるでオニイソメを数万倍にも巨大化したような異形だった。
口腔と思しき先端には鉤爪状の牙を持ち、その上には人の上半身が唐突に生えていた。中年の女の顔が奈津樹らを睨み、背の高い住居の間を縫って猛然と追いかけてくるのを、彼らは必死の逃走でどうにか撒いたが、そのさなかに仲間は分断されてしまったようだ。
逃げ込んだ建物の螺旋階段を登り、たまたま開いていた扉の先へ飛びこんでみれば、そこは簡素な作りの民家だ。建物はマンションのような共同住宅であったらしい。
街からも遠く垣間見える王宮はいかにも光り輝いていたが、下々の住民たちは至極質素な暮らしをしていたようだ。
「見ろ。あれだ……」
亮がガラスの無い窓にかかる簾の隙間から眼下を見下ろすと、先ほどの異形が巨体をくねらせ、すぐ足元を幾度も行き来しているのが見える。
長大な身体には無数の槍めいた棘が生えていて、そのところどころには腐敗した人の亡骸が突き刺さったままになっていた。体当たりの一つも受ければ、彼らもまたその仲間入りを果たすのだろう。
「完全に、目を付けられたみたいだね」
「ああ……どうする。このままここでじっとしているわけにはいかないぞ」
「戦うしかないんじゃない?」
事もなく言ってのけた奈津樹に、亮はいささか目を見開いた。
「戦うって、あれとか? 無茶だろう……」
「それでも、やらなくちゃ。僕は生きてここから帰りたい」
決して蛮勇に支配されたわけではない。内向的に見える奈津樹の胸には今、決意があった。
「あの人は、最後まで諦めなかったからね……」
託された拳銃を見下ろす。艶光する銃身に、彼の勇気が宿っているような気がする。
彼は死んでしまった……代わりを務めねば、と奈津樹は思う。
「レッドヒル・マリー。そいつを倒すまで、止まるわけにはいかないから」
「それには同意するが、具体的な策があるのか? 正面から襲いかかったところで、簡単に勝てるとは思えないが」
「ああ! 無理ですよ。それは無理です、ムリムリムリムリ!」
唐突な否定に、振り返った奈津樹は見た。亮がすぐさまグローブをはめた拳を構える。
「漫画こそ全て! それを捨てろというんですか……!? あああ、捨てないで、もっと面白い漫画を描きますから……違うんです、待って、見捨てないでぇ!!」
針金のような八本の足。それだけが全てとでも言うかのように細く長い蜘蛛が、来夢の頭へ取りつき管を差し込んでいる。来夢は顔中から液体をこぼし、半ば白目を剥いてここではないどこかを見つめている。
彼女は寄生されていた。
【異端教区 教会】
「うわあっ……!?」
ろっこんで影を操り、
桜 月
はまばゆい光を遮断する。それが何ら身を守るのに役立ちはしないと分かっていながら。
雷の恐ろしさを、人は本能的に知っている。恐るべき轟音と稲光は時として、何よりも雄弁だ。ましてや巨大な雷鯨が練り上げた球電は、雲を走り抜ける稲妻の何十倍の破壊力があるだろう。
「か、壁が……」
少なくとも、逃げ込んだ教会を紙のごとくに引き裂き焦がすのに足ることは、未だ事情を完全にはつかんでいない月にすら否応なく理解できた。
「桜さん、奥へ!!」
「あいつの弱点とか、何かあるかもしれないしねぇ……!」
新田 樹
と
壬生 由貴奈
が月を手招きし、教会の奥へと進む。
雷鯨たちを率いる純白の巨体が、無数の人の手足で地をかきながら鈍重に這い追いすがる。ソフィアはあれを、シスター・ヘレンと呼んでいた。
「これはまた。ひどい有様ですね」
つぶやいて、
日向 透
は礼拝堂の内部をぐるりと見回し嘆息する。その荒れようはすさまじく、ベルベットのカーペットは無残に引き裂かれ、長椅子は砕け散り、倒れた祭壇の上には主たる像が四肢を砕かれ倒れ込んでいた。
「新田さん。標が示したのは、確かにここなのですね?」
「は、はい! 確かにこの教会に続いていました」
透とて樹の言葉が嘘だとも思わないが、否応なく疑問が湧く程度には教会は朽ちている。彼は腕組みし、
「何かあったとしても、これでは役に立つとは思えませんね。さて、どうしたものやら……」
「き、来た!!」
月の叫びに呼応するかのように、シスター・ヘレンは壁に開いた大穴へ巨体をねじ込み侵入を図る。頭頂部がつっかえ、しばし手足をやみくもに動かしもがいていたが、やがて業を煮やしたのか電弧が迸り、穴は焼けただれて大きさを広げた。
シスターの足元には、通常のサイズの雷鯨が三体。雷の集中砲火を浴びれば、炭化した死体がすぐにも横たわるだろう。
「……時間、稼ぐから。よろしくねぇ」
無造作に足を踏み出したのは、由貴奈だった。
三種のクッキーを取り出し、何気ない仕草で口に含む。民家で回収しておいた、鉄柵の名残だろう杭を数本を手にすると、それを投擲する。ばらばらの軌道で飛んでいく杭へろっこんを用いて干渉し、一定の間隔を開けて床へと突き立てた。
空気を焦がすほどの電流が乱れ走り、鉄杭へと絡み付く。まばゆく散る輝きのさなかににじりよるシスターヘレンの巨体を真っすぐに見据え、
「『戻れなくなる』かもだし、あんまりやりたくないんだけどねぇ」
由貴奈は、異相の者との交信を開始した。
「シスター、ヘレン? あんたは何者? どうしたいの? うちが話を聞いてあげるよ……」
「レッド・ヒル。レッド・ヒル。お許しください。レッド・ヒル。わたくしは唾棄すべき罪人です。レッド・ヒル」
巨体のシスター・ヘレンはぴたりと硬直したまま、由貴奈との同調を深めていく。
が、付き従う雷鯨たちまでもが動きを止めるわけではなかった。
「壬生さん!!」
樹は砕けた祭壇の残骸へ手をかざし、ろっこんを発動。由貴奈へにじり寄る雷鯨の頭上、天井ぎりぎりの高さへそれを瞬間移動させ、自由落下で叩きつけた。
「ああ、もう。のんびりしてる暇はないか……! こうなったら、やってやる!」
自分の身を危険にさらしてまで、あえて他者を助けようとは思わない。とはいえ今は、他ならぬ自身を守るために戦わなければならなかった。
手近に見える瓦礫を同様に次々と落下させていく樹のかたわら、飛び出した影がある。
「私が他人と共闘するとは……いたしかたありませんか」
「ソフィアさん?」
襤褸となった修道服を翻し、樹の攻撃で怯んだ雷鯨の腕を剣で斬り飛ばしながら反転、銃撃を瞳へ撃ち込む。喚く鯨がやみくもに散らした雷は、由貴奈の突き立てた杭を避雷針代わりに凌ぎ、飛び退きながらさらに数発の銃弾を叩き込む。
「ああ……これはこれは。シスター・カルロッタ。シスター・テレーズ。夜も更けました。そろそろお休みになられてはいかがですか」
この教会は恐らく、ソフィアもまた身を寄せていたのだろう。他者にはさほどの興味を抱かない樹にも、それは思い至ることができた。雷鯨たちを打ちのめす彼女の心中は、いかばかりだろうか。
「レッド・ヒル。レッド・ヒル。何故、わたくしたちにこのような試練を?
信仰の安息をこの地で勧めることはそれほどの罪であったのでしょうか?
レッド・ヒル。異端と呼ばれなお、この地に愛をもたらそうと邁進したわたくしが愚かであったのでしょうか? レッド・ヒル。ああ、レッド・ヒル」
「何か……何かないか。この場を切り抜ける、何か……!」
礼拝堂の奥。雷に壁を貫かれ、剥き出しとなった事務所らしき部屋を、月は手当たり次第に探る。
焦りはある。影を操るというろっこんを持つとはいえ、あんな怪物を相手に何ができるとも思えない。
それでも、足手まといになるつもりはない。
「帰るんだ。必ず生きて、彼女のところへ……もう一度、あのぬくもりを腕の中に……」
そのために、毅然たる自分であろうと心に決めた。恋人に誇れる自分であろうと誓った。
見つけねば。この場を打開する何かを。
「ふむ。そうか……」
ふとつぶやいたのは、透だった。
「生と死。この道行きを言い表すのに、これほどふさわしい言葉もないのかもしれませんね」
「……日向さん?」
振り返った透の緑の瞳が、どこか怪しく煌めいたように見えた。
「わたくしは罪人です。レッド・ヒル。
変わり果てた自警団長。おかわいそうに。魔女の言うがまま、みなを手にかけました。けれどそれは決して、あの方の浅薄が故にではないのでしょう。
レッド・ヒル。レッド・ヒル。魔女は全てを変えてしまう。人の優しき心までも。
魔女は事もあろうに、墓石までも暴きご遺体を辱めました。そのような所業を、神はお許しになりましょうか?
レッド・ヒル。レッド・ヒル……お許しください。父なる神よ。罪深きわたくしをお許しください。
わたくしの心は今や闇より深く渦巻く炎よりも激しい怒りに塗り潰されているのです。レッド・ヒル。魔女。レッド・ヒル。
必ずやレッド・ヒルの魔女へ裁きを。神なる雷を」
ソフィアは間に合うまい。数体の雷鯨を相手に渡り合っている。
「壬生さん、危ない! 壬生さん!」
「……れっど・ひる。れっど・ひる。わたくし、いかりを、さばきを、いかずちを、れっど・ひるに……」
シスター・ヘレンと同調し抑え込む由貴奈を、一体の雷鯨が見定めている。
瞬間移動させ、敵を圧殺するに足る瓦礫を探す。間に合わない。由貴奈は数瞬の後に焼け焦げ炭化し、調和は瓦解し、程なく全員が雷を浴び果てるだろう。
「ああ、もう。こんなところで、またゲームオーバーなの……、!?」
樹は目を見張った。
目を射るほどにまばゆく弾ける雷と由貴奈を遮り、人の影が入り込んでいた。
「日向さ……」
由貴奈へ躍りかかる電弧を引き寄せ、樹へ微笑みながら、透は解けるように蒸発した。直後に、落下する瓦礫が鯨の頭頂を直撃し押し潰す。
彼は最後に、何を思ったのだろう。
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魔女の咬み痕
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3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月13日
参加申し込みの期限
2017年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月20日 11時00分
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