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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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傍らを大好きな女の子が歩いてくれている。
「伝説は本当みたいだな」
「そうだね……」
頭上の桜を仰いで瞳を輝かせる
七夜 あおい
の横顔をともすれば見つめてしまいそうになりながら、
八神 修
は呟いた。
桜に護られた城を眺め、郭で花の宴に興じる人々を見渡す。
(異世界に空間ごと持っていかれたんだろうか)
神隠しにあった当時と、おそらくは然程変わらぬ姿した人々にそう思う。
「皆とても楽しそうね」
空色の瞳を細めてふわりと微笑むあおいに笑み返す。花びらで薄紅に埋め尽くされた地面を辿り、ふたりで宴のあちこちを散策する。人の輪に囲まれた中で武芸や曲芸を披露する人々、篝火に囲まれた簡易な舞台で雅な舞を披露する人々、あちこちでそれぞれに酒宴を繰り広げる人々。賑やかな界隈の隅、木製の台の上に桜花や花びらを象った装飾品を並べる青年がひとり。近づいてみれば、青年は素朴な色合いの組み紐を紡ぐ手を休めもせず、ちらりと視線を上げた。それきり、また手元に視線を戻し黙々と組み紐を作り続ける。
「綺麗ね」
台の前に膝を折り、静かに呟くあおいに、修は来訪の記念に何か求めようと提案する。例えば、と手に取ったのは金の花片のついた小さな簪がふたつ。
「俺は襟に」
お揃いだ、と思ってしまえば、自然と頬が緩んだ。貰えるだろうか、と財布からクレジットカードを取り出しかけて、
「あっ」
ここではカード払いの効かないことに気づいた。自分のうっかり具合に苦笑いをこぼしながら、修は首を捻る。物々交換はどうだろう、と手に巻いていた時計を外そうとしたところで、慌てた様子のあおいに止められた。
「だめだめ、自分の分は自分で払うからっ」
「俺があおいにあげたいんだ」
ツインテールの髪を揺らして首を横に振るあおいと、静かに頑固な修を改めて見遣り、店主の青年はふたりがこの城の人間ではないと今更気付いたようだった。
「持って行くといい」
どうせ暇潰しに作ったものだから、と零す青年に、あおいはぎゅっと眉を寄せる。
「こんなに綺麗で可愛いのに……! そんなこと言っちゃだめよ」
「そうだ。対価は支払うべきものだ」
修の言葉にも頷いて、あおいは対価対価と呟きながらポケットと鞄を一生懸命に探った。出てきた数個の飴玉とお菓子をあるだけ全部、青年の手に握らせる。
「ごめんなさい、今持っているのはこれだけなの」
青年は驚いたように目を瞠り、そうして初めて笑った。
「充分だ。ありがとう」
青年から買った二本の簪のうちの一本を修の掌に乗せ、あおいは悪戯っぽく笑う。
「いつもお世話になっているから。今日はおごらせてね」
修は小さな桜の簪を早速襟に付ける。対等であろうとしてくれる少女の心遣いが、今は何より嬉しかった。
「ありがとう。大切にする」
誓う。
青年に礼を言い、その場を離れる。次いで目に止まったのは、一際人の多い酒宴の場で、床几に掛けて花を仰ぐ身形のいい男女だった。
「殿様達も花見かな」
俺達も行こうか、と足を向ける。あちらに小さな池と祠があるきりの、城の庭園と言えるほど絢爛たるものではないにしろ、それでも白い城と薄紅の桜の景色は格別だった。それに、空からは絶え間なく桜の花びらがあたたかい雪のように降り注いでいる。
宙に舞う桜があおいの髪を彩る。薄紅も鮮やかな花びらは、先ほど買った簪のようだった。思わず目を和ませる修を、あおいが不思議そうに見上げる。どうしたの、と問うより先、あおいは修の頭に手を伸ばした。
どきりと目を丸くする修の髪から桜の花びらをひとひらつまみ、あおいはくすくすと笑う。あおいが笑ってくれることが何より嬉しくて楽しくて、修もくすくすと笑った。
殿様の座す床几の前に膝を折り、修は己を旅人だと自己紹介する。余興にと取り出したのは、鞄の底に見つけたトランプ。軽く繰ったトランプを差し出して殿様に一枚選んで隠し持ってもらい、もう一度繰ったトランプ束の中から選んでもらったものと同じ数字のカードを探し当てる簡単な手品を見せれば、殿様は楽し気に穏やかな瞳を細めた。
余興の褒美をと言われ、修はその場に端座する。
「八ヶ淵の殿」
少年が褒美の代わりに請うのは、城が辿った運命とその真相。神隠しは如何にして起こったのか、そして神隠しに遭った現在に至るまでを如何にして生き延びてきたのか。
「良かったらお聞かせ願えませんか……」
少年の真摯な瞳に、八ヶ淵の殿は小さな息を吐いた。
頭上覆う桜の梢を仰ぎ、酒宴や舞台を行き来してはそこここで楽し気な笑い声をあげる薄紅の着物纏うた少女を見遣る。城にひとりきりしか居らぬ幼い少女を優しい眼差しに追い、殿は嗄れた声で囁いた。
「全ては、我が娘と千年桜の願いのまま――神女と化そうが魔生と化そうが、我が娘は、千代はただ、我々を救いたい一心だった」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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