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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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薄紫のシャツに春らしいクリーム系の色合いのパーカーを合わせ、ジーンズにスニーカー姿で猫鳴館を出たのが早朝。いつものボディバッグにはいつものデジタルカメラと財布。いつも通りな作品のモチーフ探しを兼ねた散歩には荷物はそれだけで十分。
四月の朝のまた冷たい風を頬に感じながら、
神代 千早
は足元に咲く菫の濃紫をデジカメに納める。ファインダー越しの視線を薄青の空へと向け、空を白く彩る桜の花群にもシャッターを切る。写し取った桜を画面に確かめ、きちんと桜色をしていることにちらりと楽し気に首を傾げる。
舗装の剥げた山道を辿る。萌え出ずる植物の呼気をはち切れそうなほど含んだ空気を胸に満たしつつ、今日は三夜湖のあたりまで登ってみようか。
淡緑の葉を零し始める山桜にまだ硬い蕾のヤマツツジ、根元を紅の花で埋もれさせる終わりがけの椿、柔らかな新芽を吹き出し始める木々。カメラで春を切り取りながら歩んだ先、新緑に包まれた落神神社が見え始めた。ほとんど打ち捨てられた神社を色鮮やかに包む萌緑の中、迷い込んだのか住処にしているのか、数匹の猫がご機嫌に日向ぼっこをしている。
そろりと近づき、警戒もせぬ猫たちに小さく断りを入れてカメラを向ける。ハルジオンの白い花に半ば埋もれ香箱を組んでうたた寝する三毛猫、山桜の樹に駆け上るハチワレ猫、フキノトウの脇で背筋を伸ばし両脚を揃えて座る白猫。
太陽の色を受けほのぼのと輝くように咲くタンポポを見つけ、そのあまりに鮮やかな黄色にカメラを向ける。屈んでシャッターを切ろうとした瞬間、背中にずしり、温かくて柔らかな一撃をくらった。
「……っ?!」
体勢を崩してよろける背中を踏み台に、背中に降り立った小さな襲撃者はタンポポの群に颯爽と降り立ち、知らぬげに尻尾を振って駆け去る。
「え? ……え?」
たたらを踏んだ拍子にずれたセル黒縁眼鏡の位置を直し、肩に落ちてきた束ねた黒髪を片手で掴んで背中に払う。視力の戻った視界にはもう、襲撃猫の姿は見えない。
猫の悪戯に思わずくすりと笑みが漏れた。落神神社の猫たちに手を振って後は、また九夜山の桜風景を撮りながら先を目指す。
ふと上げた視線に捉えたのは、緑に半ば埋もれ、それでも目立つ灰青色した石垣。興味を惹かれ、細い獣道へと踏み入る。
「こんなところに……」
よくよく見れば、足元には石畳の残骸らしきものがあった。注意深く見回せば、昔の建造物らしい礎石が旺盛な葛に呑まれながらも残っている。
草に埋もれて散らばる遺構の一角に小さな菫の群生を見、足元に気をつけながら近づく。屈みこんでカメラを向け、古い集落の跡と共に春を謳歌する花を写真に収める。
「……と」
菫の群生の傍には、倒れた石碑らしきものがあった。上に積もる枯葉を払い、木の根に覆われかけた碑文に目を落とす。風雨に長く晒された古めかしい草書体は判読さえ難しかった。
「……千代、桜、……?」
ようやく読み取れる文字を呟きつつ、歳月に消えゆくものにファインダーを向ける。白く掠れた碑文の下部には、桜の古木とその梢に佇む少女のような絵が彫り込まれていた。紅い眼が印象的な、人のかたちしながら人に非ざるもののようにも思える少女の絵に首を傾げ、千早は小さく息を吐き出す。ここが廃墟と化す前には、一体誰が住んでいたのだろう。そうして一体誰が、こんな石碑を遺したのだろう――
木立の間に水面を煌かせる三夜湖を撮って後は、山道を下り、星ヶ丘に出る。住宅地の間に間に見える桜を眺め、桜吹雪を浴びながら素知らぬ顔で眠る猫を写し、
「……?」
時々訪れる小さな植物園の前で足を止めた。いつもは静かな植物園から、今日は人々が笑いさざめく声が聞こえてきている。
秘密基地への入口のようなローズマリーの隧道を背中を屈めて潜り、時々訪れる温室内喫茶店の前に立ったところで、植物園の一角に薄紅色を広げるひともとの桜に気づいた。視線を伸ばせば、桜の周囲には白いクロスが掛けられたテーブルや椅子が幾つも置かれている。
「……小さなお茶会?」
温室の出入り口に貼られた紙の案内に気づき、千早は首を傾げた。
(あれの事だろうか?)
人々の声が聞こえる桜の下と、人気のない温室内喫茶店を交互に見やって迷った末、カフェの中に入る。いつも居る女店員はお茶会に出ているらしく、店員とよく似た顔の中年女性に迎えられた。
カフェの中で桜が見える窓に面した席につき、メニューを開く。お茶会特別メニューらしいサンドイッチと珈琲を昼食かわりに注文し、待つ間にボディバッグからカメラを取り出す。
(後で桜の写真を撮らせて貰おうか)
そんなことを考えながら、デジカメに納めた画像データを呼び出す。小さな画面の中、ここ最近と道中に撮影した写真が映し出された。
何となく流し見ていくうち、唐突に画面一面を埋める猫の肉球が出てきた。数度瞬き、
(あの時か)
思わず小さくふきだす。
落神神社で背後から襲い掛かられた時、知らない間にシャッターを切ってしまっていたらしい。犯人の白い靴下までがしっかり記録されていた。
(顔見知りの犯行か)
もう一度ぷっとなったところで、注文したメニューが届いた。
ごゆっくり、と一礼する店員に真顔で会釈して、千早は何事もなかったようにカメラをテーブルに置く。
(一人で笑っているの見られていただろうか……恥かしい)
恥かし紛れに、メニュー表に大きく写真が載せられた桜と抹茶のスコーンも追加注文する。餡子とクロテッドクリームが添えられた一品はいかにも美味しそうだった。
珈琲の次は今日のおすすめの桜の香の紅茶にしようかと思いながら、窓の向こう、桜の下へと目をやる。
風に躍る薄紅の花の中、桜栄理事長のために椅子を引いてエスコートする黒崎教頭の姿が見えた。華やかな美人と印象が薄くとも背格好の良い男性の取り合わせがまるで一枚の絵のようにも見えて、千早は指でフレームを作ってみる。
(題名は、やっぱり)
『ちいさなお茶会』、だろうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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