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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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石畳の参道に桜が散り積もっている。気まぐれな春風に舞い上げられてはひらひら、梢からの桜とともに舞い散る花びらを黒い瞳に眺め、
御巫 時子
は傍らを見遣った。
「先生は何がお好きでしょうか?」
問いかけつつ見上げた
五十嵐 尚輝
先生は、丁度桜を仰いで小さく欠伸をしている最中。時子の視線に気づき、先生はちょっぴり申し訳なさそうな顔をした。
「研究室の椅子ではぐっすりは眠れませんよね」
労わるように微笑み、時子はお疲れ気味の先生を境内のあちらこちらに設置された休憩所のひとつに案内する。本当は、先生が好きな屋台を聞いて一緒に回ってみたかったのだけれど、肝心の先生を疲れさせてしまってもいけない。
理科準備室から折角連れ出した先生にもお花見を楽しんでもらいたくて、時子はのんびりと桜を見遣る。今は、先生に春の空気を感じてほしかった。その隣に居られるだけで充分だった。
「先生、こちらへ」
休憩所から僅かに離れた場所に満開の桜の下のスペースを見つけ、時子はスカートの裾を揺らして立ち上がった。軽い足取りで桜の下に立ち、持って来たレジャーシートを桜の地面に広げる。時子に招かれるままやってきて座る先生に甲斐甲斐しくおしぼりを渡し、先生が手を拭いている間に水筒からカップに温かいお茶を注ぐ。
「学校で花見も良いですが、今日はこんなに暖かくて穏やかな日です」
用意してきた重箱を見るなり、尚輝は前髪に隠れた瞳で穏やかに笑った。
「お花見弁当ですね」
「はい」
桜でんぶ入りの出汁巻き卵、鮭に梅干しに彩り華やかなおにぎり、出汁の味をしっかり浸み込ませた筑前煮、ハートに抜いたチーズを乗せたハンバーグ。どれもこれも、食べやすいように一口サイズに揃えている。
「いつもありがとうございます」
丁寧に、どこか申し訳なさそうに頭を下げる尚輝に、時子は黒髪を揺らして首を横に振る。先生と一緒にお花見ができるだけで、とてもとても嬉しかった。本当のところを言えば、尚輝先生と一緒なら準備室でのお花見だってきっと嬉しい。
「そういえば」
満開の桜を愛でながら並んでご飯を食べられる嬉しさを噛み締めながら、時子は背筋を正す。何事かと思わずつられて猫背を伸ばす先生の様子に微笑みつつ、時子は三つ指さえつきそうな丁寧なお辞儀をした。
「ホワイトデーで頂いたマカロン、美味しかったです。食べるのがもったいないぐらいでした」
「ああ、……喜んでもらえたのでしたら何よりです」
こちらこそ、と頭を下げる尚輝に、時子は上げかけた頭をまた下げる。
「有り難うございました」
頭を下げ合うふたりに微笑みを投げかけるように、桜吹雪が舞った。ひらひらと散る薄紅に、時子と尚輝は揃って顔を上げる。どちらからともなく笑みを交わし合い、桜を仰ぐ。
「春ですね、御巫さん」
「春ですね、……尚輝先生」
「ん」
北里 雅樹
が差し出した焼きそばのパックに、
椎井 莉鳥
は茶色の瞳を不審げに瞬かせた。
「何」
素っ気ない声で聞き返されても、元彼氏な雅樹は動じない。
「おごるよ」
「……いいわよ」
「腹、減ってるだろ」
そっぽさえ向きそうな元彼女に焼きそばのパックを押し付け、雅樹は手近なベンチに腰を下ろした。仕方なさそうに隣に座る莉鳥の口元が、彼女をよく知らなければ分からないほどの微かな微かな笑みに彩られていることに気づいて、くすりと微笑む。
「……何?」
「いや。桜、綺麗だな」
自分用のパックを開きながら、雅樹は頭上の桜を仰ぐ。何となくかみ合わないような元彼女との会話が、何だか楽しかった。幼い頃からこの微妙なかみ合わなさで、互いが互いであることを確認している節がある。
並んで座って焼きそばを食べる。
「あ。飲み物、なんか要るか」
「……買ってくる」
「いい、あとで行こう」
雅樹はおっとりと笑みつつ、立ち上がろうとする莉鳥を制する。傍目から見れば長い付き合いの恋人同士に見えるのかもしれない、とふと思い、雅樹は目を伏せた。どれだけこうして傍らに共に居たとしても、自分たちの関係は元には戻らない。元の、恋人の関係には戻れない。
雅樹自身も、おそらくは莉鳥も、それを悟っている。だからこそこの距離を保ち続けているのだろう。
(あと一年)
元彼女との微妙な距離を保ったまま、雅樹は卒業までの時間を数える。一年が過ぎれば、己は卒業し本土の大学へ進学する。
去年留年を選んだせいで卒業できない彼女を寝子島に残し、寝子島を出るその時がふたりの本当の別れになると、雅樹は知っている。知っていながら、
(どんな風にその時を迎えるんだろう)
雅樹にはその時の自分が想像できない。今こうしてすぐ隣にいる彼女がどんな顔をするのかも想像がつかない。
莉鳥のぶっきらぼうな横顔の向こう、舞い散る花びらが見えた。ためらうことなく散り急ぐ桜の花びらに、雅樹は小さな息を吐く。この花びらは、まるでふたりの関係の終わりを示す、
(カウントダウンみたいだ……)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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