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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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焼きそばとタコ焼きが数パックずつ入った袋を片手に、ティクスは桜まつりの会場をそぞろ歩く。サジタリオも祭とあらば賑わうけれど、この世界の祭も負けず劣らず賑やかだ。そうしてその上、目も綾な花がそこかしこに咲き乱れている。
桜に眼を向けながら、それでも周囲の人々には僅かも触れることなく、星幽塔盗賊団『十二支』の団長は雑踏を歩く。
しばらく進んで足を止めたティクスの視線の先には、甘い匂いを振りまく白い糸状のものが吐き出される絡繰りが置かれた屋台。店主らしい女が手慣れた仕草で木の棒に白いふわふわを絡め取っていく。見る間に出来上がった白いふわふわの塊は、あっと言う間にカラフルな袋に納められ店先に飾られた。
そういえば、とティクスは白いふわふわを眺める。
(プリムがかわいいものを食べたいと言っていたな)
あれは『かわいい』の範疇に入る気がする。
「店主、その白くてふわふわの犬みたいなものはなんだ?」
綿飴だよ、との素っ気ない返事にも構わず、傍目から見ればどうみても中学生な盗賊団の団長は首を傾げる。
(飴ってことは甘いのか)
ふわふわと大きなくせに、掌に掴めばすぐさま潰れて硬くなってしまいそうな綿飴を一袋買い、なるべく押しつぶさぬようそっと持つ。
(それと)
プリムローズの顔が浮かんだ次には、イダスとコル、十二支ウワバミコンビの顔が出てきた。
隣の店で酒を買おうとしてすげなく断られ、ティクスは難しい顔をする。
「人を見た目だけで判断するのは早計だぞ」
これでも立派な大人だ、と言うティクスに、それでも店の店主は首を横に振る。
見た目と齢の違う人々が闊歩する星幽塔から寝子島を訪れた獣人は、息を吐きつつどうしたものかと周囲を見回す。ここは同じ種族の者ばかりが生きている世界らしい。彼らは生きてきた年月と体の成長が比例するのだろう。
(……それはそれで面白いな)
身分を証明するものを持たぬティクスは、それ以上食い下がらなかった。仕方ない、と酒の購入を諦める。
(向こうじゃ酒場をやってるのにな)
見かけた民芸品の屋台で舞いを得意とするスハイルの伴になればとオカリナを物色しながらふと思えば、少し可笑しくなった。世界が違うということは、
(やっぱり、面白いな)
出汁と混ぜた粉が鉄板に丸く広げられる。その上には山盛りのキャベツに揚げ玉に豚肉、少し熱を通してから別に焼いた目玉焼きの上にくるりと手早くひっくり返す。
「うおお」
店主の手慣れた動作に碧の眼を瞠り、イダスは満面に笑みを浮かべた。
(具がいっぱい乗ってるからこれはきっとうめえぞ!)
「店主、お好み焼きっつーのを一……どーんと五枚くらいくれ」
判断するなり一気に買い、お好み焼きが包まれている間に次の店を物色する。
(すっげーいい匂いしてやがる)
同じ並びにあるイカ焼きに目を奪われたかと思えば、反対側の別の店にも眼を向ける。
(はしまきっつーのもいいな)
目についた店に飛び込んでは仲間の人数分をきっちり買い込み、重たくなった袋を両手に提げてイダスは満足げにひとつ頷いた。
(たくさん買ったな)
あとは集合場所に行くだけだと歩き出したはいいものの、荷物をたくさん抱えていては花見客に溢れる境内はどうにも動きづらくて仕方がない。思わず舌打ちしたその瞬間、連れだって歩いていた柄の悪そうな若い男と肩がぶつかってしまった。
イダスの舌打ちをぶつかったからと勘違いしたのか、それとも生来の鋭い眼光を喧嘩腰に向けられたものと思い込んだのか、男が威圧的な言葉を投げかけてくる。
考えるよりも先、イダスは顔をしかめて再度舌打ちをした。悪い目つきを一層悪くしながら相手を睨みつけ、売られた喧嘩を買おうとして、
――余計な騒ぎはなるべく起こすな
仲間との別れ際に団長から掛けられた言葉を思い出した。
「あっ」
思わず素っ頓狂に叫ぶ。
「ああ~くそ、喧嘩したら怒られる」
普段はにこにこと何事に対しても楽観的な態度を崩さないくせに、団長は怒ると怖い。ものすごく怖い。
「悪かったほら、コイツ買ってやっから」
団長の雷を食らうくらいならば、喧嘩を買うよりもその辺のお菓子を買った方がいい。
頭を抱えるイダスを見てうっかり毒気を抜かれた顔をしてしまった若い男に、イダスはカラリとした笑みを向けた。買ったベビーカステラをひょいと男に押し付け、
「これで手打ちにしてくれ」
裏表もなく笑う。喧嘩を売る気もなくして頷く若い男と別れ、改めて集合場所へ向かおうとして、イダスはまた足を止める。両手は食べ物でいっぱいではあるけれど、甘い匂いのベビーカステラはいかにも美味そうだ。
(ついでに皆のも買うか)
賑やかな雑踏の中を、
コル・ティグリス
はゆったりとした足取りで歩く。人々よりも大抵頭ひとつ分は高く体格も良い男は、けれど周囲の人々にぶつかることもなくおっとりと周囲を見回し、
「ん……」
(ここはどこだ?)
道に迷って瞬いた。
(ふむ、困ったな)
全く困っていない動きでもう一度ぐるり、周りを見回す。目印になるはずの大きな木は、満開の桜の花に呑まれたように全く見えない。
それでもコルは焦らない。慌てず騒がず、丁度良く目についた占いの店に近づく。こういうときは尋ねるのが一番。
運のよいことに、天幕の前で桜モチーフのアクセサリーを売る小柄な少年は纏った雰囲気から見て星幽塔の住人らしい。
「占いかい、お兄さん」
左右色の違う瞳を持った少年は、人当たりの良い笑みで尋ねてきた。
「道がわからないんだが見つけられるだろうか?」
問えば、少年は白い手で天幕の奥を示した。二千円だよ、と道を問うだけにしては高い気のする値段を請われもしたが、コルにはこの世界の紙幣の価値は詳しく分からない。
天幕の中にちょこんと座っていた、少年と同じ顔した少女の指示に従い、タロットをかき混ぜる。カードを不思議なかたちに並べて後、少女は淡く微笑んだ。
「大丈夫、お兄さんの道はすぐに見つかるわ……問題が何かあるとしても、道の先に立つ人がうまく導いてくれる。お兄さんはそのひとのこと、助けてあげてね」
クラーラと名乗る占い師の少女の言葉に、コルは力強く頷いた。
「ありがとう、参考になった」
言葉少なに微笑む少女に頭を下げ、コルは天幕から出る。
「お」
出た途端に見たのは、桜のモチーフ付きのネックレスを熱く見つめるプリムローズの姿。
「コル様」
「どうした、プリムローズ」
首を横に振るプリムローズに代わり、アクセサリーを売る少年がちらりと肩をすくめる。欲しいものに対しての対価が足りないのだと少年から耳打ちされて、コルは豪快に笑った。無表情なままに困るプリムローズの頭を撫で、彼女が見つめていたアクセサリーを手に取る。
「ここではずいぶんと可愛らしいものも売っているんだな」
これも包んでくれないか、とネックレスを少年に手渡し、ついでに開運アクセサリーらしい小さな桜のピンバッジも団員分手に取る。
「コル様、でも、」
「どうせ皆で手に入れた財宝だ。構わん」
ひらひらと手を振っていて、こちらに向かって歩いてくるティクス団長と眼が合った。
(これでたどり着けるな)
偶然迎えに来た格好になった団長と合流し、コルはハハッと明るい笑みを零す。不思議な顔をするティクスには桜のピンバッジを、プリムローズにはピンパッジとネックレスを手渡し、コルは屈託なくまた笑う。
「なに、占いが当たっていたなと思ってな」
三人で集合場所へと向かいながら、コルは元々の目的であった食べ物もどんどんと買い込む。
「イダスはよく食うし、……残りの面子はもう少し太らせないといけない」
盗賊団の料理番の名にかけて、コルは張り切る。となれば、買い込むべきものは決まっている。
(肉だな)
フランクフルトに串焼きにケバブにから揚げ、肉とみれば片っ端から買い込んでゆく料理番の勢いに、そんなに食の太くないティクスとプリムローズはちょっぴり恐れおののいた。
「あとは酒だ」
思いついて口走ったのは、抜け目のないスハイルが何処かで手に入れたらしい敷物を敷いて待っていた大きな桜の木の下に至ってから。
団長とプリムローズ、おまけにコルから酒が買えなかった旨を聞き、スハイルはさりげなく立ち上がる。
「私が行ってきましょう」
「甘酒と言うのも買って来てもらえるか」
コルの要望に、スハイルは淀みなく応じる。
「はい」
さて甘酒というのは何だろうと思いつつ、スハイルは仲間の三人に場所の保持を頼んで屋台の並ぶ参道を歩く。
途中、星幽塔では見たことのない食べ物も、それぞれの店の主人に愛想を振りまいて詳しい説明を聞き出して買い込んで行く。
サンマという魚を味醂という甘い調味液に漬けて干した味醂干し。これは酒の肴になるらしい。
馬鈴薯を螺旋のかたちに切り開き串に刺して揚げたもの。これは塩味とトマトソースつきの二種類を買った。
それから、忘れずにお酒と甘酒。小瓶に入った透明な酒は、この付近で採れるコメから醸造されたものらしい。甘酒は酒を造る過程で必要になる米麹から作られる、酒精の含まれない甘い飲み物、らしい。
どろりとした甘酒は、味見させてもらうと優しくすっきりとした甘さが案外に癖になる旨さだった。多めに甘酒を買い、仲間の待つ桜の木の下へ向かう。
「お、スハイル兄さん」
「やあ、イダス君」
食べ物を山盛り抱えたイダスと道の途中で合流も果たして戻る。
「はい、お待たせいたしました。戻りましたよ」
「お帰り、スハイル。イダスも」
「おかえりなさい」
「では始めるか!」
待ちかねたコルが買い込んできたありったけの肉類を敷物の上に広げる。負けじとばかりティクスとイダスも屋台の食べ物を広げれば、見る間に宴の場が出来上がった。
「中々いいものが揃ったんじゃないか?」
満更でもなさそうに笑うティクスと宴会の席の端にちょこんと座るプリムローズには甘酒の杯が、その他の面々には酒の杯が回される。
「甘酒だな。プリムローズとティクス用だ」
「ほんのり甘くて美味しいですよ」
コルとスハイルに勧められ、ティクスとプリムローズは顔を見合わせた。勧められるまま盃に口をつけようとして、ティクスは待ちぼうけを食らったような顔をするイダスにおどけて笑いかけた。甘酒の入った盃を掲げる。
「乾杯」
団長の声にかんぱーい、と唱和したあとは、イダスが一気に、コルが豪快に食べ物にかぶりつく。
「食い物も酒もうめー! このいか焼きっつーの特にサイコーだな!」
賑やかに食べていたかと思えば、イダスが不意に立ち上がる。
「ちょっと追加で買って来る」
言うなり席を離れ、止める間もなく追加の皿を買いに走る猪突猛進なイダスを苦笑い気味に見送り、コルは自分たちから見れば食の細い三人の皿に次々と肉を乗せた。
「ちゃんと食っているか?」
これも食え、あれも食え、もっと食え。
肉で山盛りになってゆく皿を前に固まるばかりのプリムローズに、ティクスは花束を渡すように綿飴の袋を差し出す。
「これはプリムの分だ。綿飴というものらしい」
「わたあめ、です……?」
袋の中から出てきたふわっふわの雲のような飴をしばらく観察して後、プリムローズは思い切ったように口に含んだ。舌の熱に甘く溶けて消える不思議な飴の美味しさに、プリムローズは思わずティクスを見遣る。
「あっ、プリムばっかずりーだろ!」
そのプリムとティクスの間に、イカ焼きを手に戻ったイダスが割り込んだ。
「団長その飴俺にも!」
ギャアギャアと喚いて差し出されたイダスの手に、ティクスはたこ焼きの舟を乗せる。
「騒ぐな、俺の分のタコ焼きをやるから」
「え、マジで? 団長フトッパラ~!」
好物を食べ損ねた子どものように駄々をこねたことも忘れた顔で、イダスはご機嫌にその場に座り直した。綿飴が気に入ったのか黙々と食べるプリムローズとたこ焼きとイカ焼きを交互に食べるイダスに挟まれ、ティクスは桜と甘酒の雰囲気にほんの少し酔ったような気分になる。
酔った様子もなく飲み食いを楽しむコルの隣、つとスハイルが立ち上がった。どこか中性的な優し気な顔をふわりと陽気に上気させ、線の細い体躯を優雅に一礼させる。
「喜びの舞でもしましょうか」
盗賊団一の舞いの名手の一言に、仲間たちは拍手喝采した。
拍手に迎えられるまま、スハイルはその場で適当な鼻歌を歌い始める。それに合わせ、とん、ととん、とその場で軽いステップを踏む。
「ほらほらこんな感じで」
己が座っていたほどだけのほんの狭いスペースだけを使い、スハイルはくるくるくるり、桜のように舞う。
桜の宴会に居合わせた人々の楽しい気持ちを映し込んだような、どこまでも明るく楽しい舞踊の披露につられ、ティクスは道々に買った笛を取り出した。小さな陶器の笛から溢れ始める小鳥のような音色に合わせ、スハイルは手をすらりと空へ伸ばす。空に舞う鳥に焦がれるように伸ばされた手に、設えたようにふわり、桜の花びらが舞い降りた。
頬にくすりと笑み刻み、スハイルは桜の花びらを再び宙に放つ。風に舞う花びらと共に躍る舞い手を、イダスが賑やかに囃し立てた。
やがて羽根を休めるように静かにその場に座したスハイルに、プリムローズが宝物を手渡すように小さなさくらんぼ飴を進呈する。
「イダス様も。コル様も、団長も」
どうぞ、と小さな手から渡された小さな飴をガリガリと噛みつつお茶を飲み、イダスは満足げに満開の桜を仰いだ。
「あ~次もここで宴会しようぜー団長ー!」
「そうだな」
イダスの視線を追い、ティクスも桜を見上げる。
(仲間と飯と花と躍りと音楽と)
この場に揃ったものを数え上げれば、自然と頬が緩んだ。
「最高の宴だな」
仲間の賑やかな声を聞きながら、コルは大分膨れた腹をひと撫でする。酒に酔った気はしないまでも、心は十二分に心地よかった。大型の獣のように桜の樹に身を寄せ、巨躯をしなやかに伸ばす。春のうららかな陽射しに、知らず大きな欠伸が漏れた。
(このまま気持ちよく寝れそうだ)
うつらうつらし始めるコルにもたれ、プリムローズは寝子島のサクラを見晴るかす。
心を和ませる薄桃の花を、しかもこんなにたくさん咲き乱れるサクラの花を、プリムローズはこの世界に来て初めて目にした。
(こんなにも綺麗なピンク色)
元居た世界では見たことのなかった鮮やかで心躍る景色に加えて、たくさんの人々の笑顔までもがここにはある。
瞬きすらも忘れ、プリローズは瑠璃色の瞳にサクラの景色を映し続ける。目の前に広がる幸せを目に焼き付ける。
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日常
SF・ファンタジー
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1000人
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110人
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2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
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