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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「おやおや」
鮮やかな黄金色した瞳を細め、
スハイル・アルムーリフ
がすらりとした腕をもたげる。素肌が剥きだしだった肩も、緩く身に纏っていた羅紗も、細い腰を締めていた帯も、不思議の力で様変わりしている。
「服装が替わりましたね」
踊り子のような衣装から、ゆったりとして動きやすい衣服に。
毛先に掛けて金茶から白へと変わる緩く波打つ髪をかきあげ、スハイルは肩に羽織ったリネンシャツを指先につまんだ。
「さっきまで確かにアジトにいたと思ったんだが」
頭上に広がる桜を、眼前に広がる見慣れぬ景色を、けれど動じぬ琥珀の瞳に見渡し、
コル・ティグリス
が筋肉質な首を掻く。
桜の下には星幽塔では見かけぬ衣服をまとった人々が楽し気に笑いさざめき、石畳の路の左右にはこちらも見慣れぬものの旨そうな匂いを漂わせる屋台がずらりと並んでいる。
「なんだここ」
傍らに立っていた
イダス・アグリオス
が短く刈った亜麻色の髪についた薄紅の桜を指でつまむ。エメラルドの色した瞳に鋭い光を宿したまま、引き締まった身体のあちこちにくっついた花びらを掌で払う。
「集団迷子か?」
「うん、コル兄さん。嫌な感じはしねえけど」
賑やかな周囲を見回してコルがどこかしら愉快そうに笑い、イダスが同意を示して頷く。
「なあ、団長」
虎の獣人であるはずのコルの姿に違和感を感じながら、イダスは脇に気配を感じる
ティクス・ソル
に呼び掛ける。どこかわからない場所に忽然と飛ばされても、己が属する盗賊団『十二支』の団長ならばいつも通り泰然とこの場に相応しい指示をくれるはず。
頭ひとつと半近く低い位置にある団長を頼って見下ろした途端、イダスは碧の眼を剥いた。
「うお、団長の耳がねえ!?」
脊椎反射で唸ってから、先ほどコルに感じた違和感の正体に気づいた。スハイルが言っていたように服装もそうだけれど、
「あ゛!? よく見たら全員変わってんじゃねえか」
虎の獣人であるはずのコルの頭にいつもあるはずの縞模様の耳がない。それどころかあのカッコいい手も手の爪も、周りにうろつく人間と同じようなかたちになっている。
(素手だろうがコル兄さんは強いけどよ)
人間の手と同じかたちになっても相変わらず恐ろしくごついコルの手を見つつ、イダスは目を細める。
「お、チビもちゃんと居るな」
落ち着き払って周囲の様子を探る小柄な団長の背、くっつくようにして羽根模様のリュックサックを背負った更に小柄な少女の姿を見つけ、イダスはカラリと笑った。どうやらアジトの酒場に集っていた面子は全員ここに飛ばされてしまったらしい。
「羽もなくなってしまいましたし」
突然の出来事に驚いて身を固め、ティクス団長の背中にしがみついて、
プリムローズ・ブライト
は賑やかな周囲を固まりがちに警戒する。機械の両腕も、いつのまにか白くて細くて柔らかな腕になってしまっている。
「プリムはここではお役に立てないのです……」
青のレースグローブに覆われた手を開いたり閉じたりしてみる。こんな華奢な弱い手では満足に戦えまい。
青いレースグローブの上、ひらりと薄紅の花びらが舞い降りる。機械の手で掴めば容易く潰してしまいそうなほどに薄く儚い花は、けれど恐ろしく綺麗だった。その恐ろしく綺麗なものが、頭上にたくさん咲き乱れている。
「サクラ、という花らしいですよ」
動揺するプリムローズを支えるようにそっと背後に立ったスハイルが柔らかな声で教えてくれた。
「ご存じなのですか、スハイル様」
表情も声音も変えることが出来ずに問うプリムローズに、スハイルは細い指先を唇にあててみせる。言われた通りに耳を澄ませてみれば、屋台の通りや花の樹の下に敷物を敷いて宴をしている人々は、確かにしきりと『サクラ』の名を口にしては頭上に咲く花を見仰いでいる。
「この世界はとても……暖かいですね」
そして人もとても多い、とスハイルはプリムローズに頷いて見せる。
「驚いてしまいます」
「スハイル様も?」
「はい。ですが、綺麗な『サクラ』の樹の下でみんな集まってとても楽しそうです。祭りか何かで集まっているのでしょうかね……?」
スハイルの声に励まされるように、プリムローズは瑠璃色の瞳を上げる。おっかなびっくり、雪のようにはらはらと舞う桜の花びらや、魔法の硝子細工のように青空の光を纏って薄紅に色づく満開の桜を見つめる。
(ピンク色……)
掌を開く。潰れずに静かに震える桜の花びらを見下ろす。
(ピンク色のかわいいものが欲しいな)
藍色のおかっぱの髪を震わせて無表情のまま俯くプリムローズの頭をそっと撫で、ティクスは黒い瞳を怜悧に瞬かせた。自分たちの姿かたちのみならず、
(折角盗って来たばかりの財宝も)
手に提げた鞄の中、見慣れない紙とコインになってしまっている。おそらくは、これが此処の通貨なのだろう。
鞄の中からコインを一枚取り出し、手の中でもてあそぶ。
(紙幣なんか国ごとでいつ価値が変わるとも知れない物だしな)
短い思案の末、ティクスは周囲に固まる仲間を見遣った。
「どうするティクス」
賑わう人込みには一切の危険はないと判断したのか、コルの顔は穏やかだ。星幽塔に行き着く前は遊牧民であったスハイルは、悠然とどこか楽し気に桜の景色を見渡している。
「見知らぬ土地だ。余計な騒ぎはなるべく起こすな」
その猪突猛進な性格から言ってこの面子内で一番騒動を起こす可能性の高いイダスを真っすぐに見据え、ティクスは告げる。
「何かあっても身の安全を第一に帰還するように」
そうしてから、ふわり、楽し気な笑みを浮かべた。鞄の中の紙幣を手早く仲間と山分けする。
「ぱーっと使って宴会にするか」
「……なるほど、食料調達か。任せろ」
盗賊団の台所番なコルが鷹揚に頷き、
「全部使っていいのかよ!」
団長の眼差しに真剣に身を固まらせていたイダスがヒュウ、と楽し気に口笛を吹くなり、紙幣をポケットに無造作に突っ込んで屋台の並びへと飛び込んで行く。
「山ほど買い込んでくるから後で文句言うのなしだぜ!」
「一番大きい木の下に集合だぞ」
勢い込んで駆けて行くイダスに声を掛け、ティクスはまだ背中にくっついたままのプリムローズの肩を軽く叩いた。
「羽がなくても、爪がなくてもできる任務があるぞ」
腰を屈めて視線を合わせ、大真面目な顔をする。
「団員総員、各自宴会に相応しいと思うモノを調達」
プリムローズの白い頬から僅かに硬さが取れたことを見て取り、団長は微笑んだ。
話がまとまったことを確かめ、スハイルはひらりと手を振る。
「よしよし、それじゃあ私もせっかくだから色々と買い物をしてこよう」
突如として桜の花咲く祭の最中に転移させられた現象の理由はよく分からないけれど、危険がないと分かれば問題はない。
「行ってきます」
「ああ、気をつけてな」
スハイルに手を振り返して、コルは小さなプリムローズの傍にしゃがこみんだ。
「一人で大丈夫か? 俺と一緒に行くか?」
幼い子供にするように確かめられ、プリムローズは藍色の髪を揺らして首を横に振った。
「問題ありません」
抑揚のない声で応じる少女の頭を大きな手でごしごしと撫でて、コルは大股でゆったりと買い出しに向かう。
「プリムはどんなものが欲しい?」
「あ、あの……」
コルの広い背中を見送りながら団長に問われ、プリムローズは眼を伏せる。掌に大事に包んだ花びらを見下ろし、ほんの僅か、小さな唇を緩める。
「このお金で、かわいいお菓子が、食べたいのです」
「そうか。見つかるといいな」
「はい。行ってまいります、団長」
「ん。行っておいで」
ティクスの声に背中を押され、プリムローズは歩き出した。一歩を踏み出して、いつもと違ってあまりにも軽い背中に思わずたたらを踏む。機械ではない両手も、機械の羽を負わぬ背も、こんなに軽い。
知らず駆けだしながら、プリムローズは思う。
(まずは皆さんのためにお酒を買うのです)
お酒はきっと、どの世界にもあるはず。
道のあちこちに吹き溜まるサクラの花びらを踏まないようにしながら、串焼きの屋台に近づく。大きな箱の中、お酒らしいものの瓶がたくさんの氷につけられている。
「お酒をください」
甘辛い匂いのタレを串焼きの鳥に刷毛で塗っていたお兄さんは、どこからどうみても十歳以上には見えないプリムローズの言葉に申し訳なさそうに首を横に振った。
大人と一緒に来てな、と言い聞かせられ、プリムローズは大人しく頷き返す。
(……むむ)
顔色ひとつ変えないまま、けれど心の中では難しい声音で唸る。どうやらこの世界では、この姿の者には酒は売ってもらえないらしい。
(お勉強になりました)
大人の姿をしているのは、スハイルかコルだろうか。イダスはもしかすると断られてしまうかもしれない。
桜の下や店の前でお酒を呑むこの世界の『大人』の姿と仲間の姿を照らし合わせ、プリムローズはひとり頷く。団長もこの世界ではもしかすると自分と同じ『子ども』の枠に入ってしまうのかもしれない。
買えなかったお酒の代わり、団長と自分の分のお茶を二本買い、リュックサックに大事に仕舞う。透明な硝子に見えて硝子よりも薄くて軽い『ペットボトル』は、何だか不思議な魔法の入れ物のように見えた。
(次は……)
ひとつめの戦利品が入ったリュックサックを背負い直したところで、隣の店に売っていたピンク色した飴が目に入った。
「……!」
思わず瑠璃色の瞳を大きく開いて駆け寄る。小さくて可愛い果実が飴になっていだけでも可愛らしいのに、
(サクラと同じピンク色です!)
「それ、……あの、それ……」
さくらんぼ飴かい、と店のおじさんに聞かれ、プリムローズは髪を揺らしてこくこくと大きく頷く。小さな実はさくらんぼというらしい。
「それは甘いものですか……?」
ゴシックロリータな衣装を纏った瑠璃色の瞳の少女は、もしかすると異国の子どもに見えたのだろうか。飴屋の店主は微笑まし気に首是した。
(団長、イダス様、コル様、スハイル様……)
それから自分の分。
「さくらんぼ飴を、五つ、ください」
勢い込んで言えば、そんなにたくさんかい、と店主は眼を丸くした。
「いけないでしょうか、……あの、」
団の皆さんに、と言いかけて口ごもる。
「ともだちに、あげたいのです」
必死に言えば、店主は人数分の入った袋を手渡してくれた。ぺこりとひとつ頭を下げて、少女は足取りも軽く駆けだす。
(あとは……)
手持ちのお金はもうそんなには残っていない。
さあ、最後に何を買おう。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
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