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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「桜まつり……?」
志波 拓郎
の、いつだってどこか眠たそうな眼を見上げ、
高梨 彩葉
はうなじで結った栗色の髪をぱたぱたと揺らして頷いた。茶色に透ける拓郎の目をひょいと覗き込む。
「今度の土曜日、寝子島神社でやるんだって」
「たのしそうだな」
「土曜日はきっと満開だよー」
ふたりで見上げるのは、ふたりが食事をとる桜花寮の男女兼用食堂の窓から見える桜の木。
「屋台もたくさん出るみたいだし、……何か別の予定、あるかな?」
朝ごはんの目玉焼きをつつきながら、彩葉は向かいの席の拓郎に問う。予定なんて、と首を横に振った拓郎は、ちょっと迷うように視線を伏せた。
「もちろん、……彩葉さんとなら喜んで! なんだけど……」
「けど……?」
手にしていた茶碗と箸をトレイに置き、拓郎は真剣な顔を上げた。きょとんとする彩葉を見つめ、
「わがまま、言いたい」
何度も心の中で練習した言葉を口にするように声にする。
「彩葉さん、手作りの……お弁当が、」
そこまで言って、拓郎は頬を朱に染めた。一度目を逸らし、何度か瞬いてからまた真っ直ぐに彩葉を見る。
「食べたい……かな」
だめかな?、と言いつつも期待に満ちたまなざしで見つめられ、彩葉は目を逸らすに逸らせなくなる。
「屋台の料理の方が美味しいと思うけどなー?」
正直、お菓子以外の料理は自分よりも兄の得意分野。美味しいごはんを作る自信はない。それなのに、拓郎は期待に満ち満ちた瞳を止めようとしない。
あきらめを知らない大型犬のような眼に、彩葉は根負けした。このひとのこの目に、敵うわけがない。
「そ、そんな目で見られたら期待に応えるしか無いね!」
(自信はないけど、兄貴に協力してもらいながら作ろう)
内心そんなことを思っているのに、目の前の拓郎は心底嬉しそうに小さなガッツポーズまでしてくれる。そうまでされてしまえば、
(……がんばろう)
「その代わりにデザートは自分が持ってくるから」
食事を再開しながら拓郎が言った言葉に何気なく頷きかけて、彩葉は悪戯っぽい笑みを浮かべた。良いことを、思いついた。
「私が手作りだから、拓郎も手作りで作ってくれるよね?」
「……って、手作りデザート……?」
「拓郎の手作りお菓子、食べてみたいな~」
お返しとばかり、今度は彩葉が期待のまなざしを送る番。
楽し気な笑顔を向けられ、拓郎は箸を手にしたまま固まる。しばらく悩んで後、拓郎は小さく頷いた。先に手作りお弁当をねだってしまった手前、断るわけにもいかない。それに、
(自分、彩葉さんのこの目にきっと、……とても、弱い)
「……頑張ります、ウン」
さっきの自分のように、けれどずっともっと可愛いガッツポーズをする彩葉に、拓郎は慌てて付け加える。
「でもあまり期待はしないで……」
咲き初めの桜の窓辺で、そんな約束を交わしたのが三日前。
満開になった桜を仰ぎ、彩葉は両手で持った手提げ袋を見下ろす。食堂の一角を借りて兄の実演と指導と手書きレシピを受けたのが昨日のこと。今朝は朝早く起き出して、兄のレシピを片手に兄の指導を思い出しつつお弁当を作り上げた。
(上手く出来た、……はず、だけど)
待ち合わせ場所にしたのは、ふたりが生活をする桜花寮の門の前。時間より少し早いかなと思いながら門に向かう途中、
「彩葉さん……!」
男子寮から駆けてきた拓郎に声を掛けられ、彩葉は笑った。
「お早う、拓郎!」
待ち合わせ場所をふたりで通り過ぎ、春の寝子島をのんびり歩いて寝子島神社に向かう。昼前の参道商店街まで来れば、桜まつりに向かう人々で通りはいつもよりもずっとごった返していた。
「ふわぁ~、桜が満開!」
商店街から寝子島神社に続く石段の左右にも、石段の先にある境内にも、どこもかしこもを薄紅に染め上げるように咲き乱れる桜の花に、彩葉は顔をほころばせる。
(すごく綺麗!)
どきどきと感動する胸を抑える。桜がいつもよりも綺麗に見えるのは、隣に拓郎が立ってくれているおかげもあるのだろう。
舞う花びらが地面に落ちる前に掴もうとして手を伸ばす拓郎を見、彩葉は微笑む。掴み取った桜の花を嬉しそうに見せてくれる拓郎と笑い合いながら、桜の下を歩く。それだけで心はとても弾んだ。
屋台の通りを過ぎ、一本の桜の下に設けられた屋根付きの休憩所で足を止める。椅子とテーブルも用意されている。お弁当を広げるにはちょうどいい。
家族連れや男女グループが屋台の食べ物やお酒をテーブルに広げる一角を借り、彩葉は持って来たお弁当をテーブルに乗せた。手提げから出し、緊張の面持ちで包みを解く。
「よし、開けるよー」
「うん、楽しみ……!」
手持ちの弁当箱では小さすぎる気がして、食堂のおばちゃんに貸してもらった大き目の弁当箱の蓋を取る。
兄直伝の卵焼きはちょっぴり焦げてしまった。から揚げは味がうまく浸みていないかもしれない。ベーコンでえのきを巻いた肉巻きはもしかすると解けてしまうかもしれない。きんぴらごぼうは甘くしすぎたかもしれないし、おにぎりは塩加減が強すぎるかもしれない。
見た目だってきっとそんなに良くないのに、それなのに、拓郎は顔中で幸せそうに笑ってくれる。
「好きなのばかりだ!」
拓郎の笑顔に勇気をもらい、箸を手渡す。
「どうぞっ、……食べてみて」
「あぁ、凄くおいしそう……」
最初に箸に取ったのは卵焼き。
(ああ、やっぱり焦げちゃってる)
彩葉の心中も知らず、拓郎はから揚げに肉巻きに、次々と箸を伸ばして口に入れていく。
「ど、どうかな?」
止まることのない拓郎の箸と口を見つめたまま、彩葉は恐る恐る感想を尋ねた。
恋人の手作り弁当をほおばりながら、拓郎は満面の笑顔を向ける。
「美味しい……! 全部おいしい!」
拓郎の言葉と笑顔は、思っていたよりもずっとずっと嬉しかった。ホッと胸をなでおろしつつ、彩葉は緊張の解けた笑みをにじませる。
「あ、……そうだ、……これ」
彩葉が水筒からコップに注いでくれたお茶を飲みんで一息ついてから、拓郎は脇に置いていた鞄から大きいプラスチック容器を取り出した。
「可愛い包み紙とか、なくて……」
今度は拓郎が緊張の面持ちを見せる。蓋を開けて差し出した容器の中には、掌に乗るほどのカップケーキが八つ。
「美味しそう!」
「……そう、かな」
彩葉からのリクエストを受けて、インターネットで男子高校生にも作れそうな簡単なお菓子のレシピを調べ、見つけたのが『ホットケーキミックスつかったカップケーキ(プレーンとチョコの二種)』だった。
一発勝負で作ってみれば、レシピ通りに作ったはずなのにカップからでろっと飛び出て膨らんでしまった。挙句二人で食べるには、八個と数が大量に出来てしまったりもした。綺麗にできたものはラップに包んでお土産に持って帰ってもらえるようにもしているけれど、
(……どうかな)
不安は尽きない。彩葉が自分を喜ばせてくれたように、自分も彩葉に喜んでもらえるだろうか。
「チョコとノーマル二つも作るなんて豪勢だね!」
彩葉はそう言って楽しそうに笑ってくれた。その笑顔に拓郎は救われる。
「では、まずはノーマルから頂いてみようか」
「うん、……どうぞ」
彩葉が手作りケーキを口に運ぶ。
「ど、どうだろうか……」
拓郎の今日いちばんの緊張と不安は、
「どんなカップケーキよりも、とっても美味しいよ」
彩葉のその一言で一瞬のうちにふわりと消えた。
ホッとするあまりテーブルに突っ伏す拓郎を前に、彩葉は恋人の向こうに広がる満開の桜を眺める。そうして、ぱくり、拓郎の作ってくれたカップケーキをかじる。優しい甘さに知らず頬が緩んだ。
(最高の花見だな)
そう思いながら拓郎を見れば、拓郎も柔らかな表情で桜を眺めていた。
きっと同じ瞬間に同じことを考えている恋人たちは、目を合わせて笑い合う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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