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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第七階層 緑の風のラプソディ
【ふぁるたちが遊んでやるアルヨ！】
（……『出ろ』）
ギラギラと太陽がまぶしいからこそ、砂漠に落ちる影は濃く。桜 月の足元から起き上がる刃たちもまた深淵のように黒々として、怜悧です。
緑色のかまいたちが走り抜けて、半身をひねり避けた月の指先をほんの少し、ぴりりと切り裂きます。月はにじんだ赤い雫をぺろりと舌でなめ、
「お前たちが、風で私を切り裂こうとするなら。私は私の影で、お前たちを切り刻もう」
きらり、瞳が赤い光をはらんで輝いたように見えた瞬間に、影の刃は月の周囲を旋回し、風に乗って襲い掛かるけものを引き裂きました。
敵の備える牙や爪、放つかまいたちは鋭いものの、叩けば崩れるほどにもろく、そして数え切れないほどに無数です。月は刃を縦横無尽、しゅば、しゅばば！ まるでミキサーのように回転させながら、取り囲むけものたちを蹴散らしていきます。
そんな彼女の活躍を横に眺め、ざしゅんと砂の大地へ足を踏み出すのは、
「ふぁるるるる……！！」
威嚇するパンダ娘、ファ・ルー。
「ごはんの恨み、はらさでおくべきカ！ 邪魔をするなら、ふぁるのぱん打拳法の前に塵と化すがいいヨー！！」
ばばんっ！ 説明しよう！
ぱん打拳法とは気脈を読むことでその真髄を発揮する、必殺の拳法なのでアル！
「気脈を読み、無駄な動きを省いて回避する。武人なら誰でもできることネ、だからふぁるにもできるアル！」
たぶん！ と付け加えつつ、少なくとも風のけものの鋭い爪を、ルーはするんと回避。爪もかまいたちもひょいひょい、ひらりっと避けまくり！ 気脈を読むとこんなことができるんだネ、すごーい！
そしてそして、
「ぱん打拳法の極意は、拍手一破！ つまり」
おもむろにルーは、ぱちんっ！ 手と手を合わせまして。
「破ーんっ！ として～……打ーんっ！！」
ずばっと腰を落とし、ぐわーっと牙をむく風のけものへド正面から、崩拳一撃！！
「それだけアル。簡単ネ？」
敵はもろくも崩れ去り、ルーは砂のついた手のひらをぱぱんと払って、けろりと言いました。
「拳法か、すごいものだね」
諸々の事情からインドア派な月は、伸ばした影でけものを直下から貫きながら、めまぐるしいルーの動きに感嘆の声を上げます。
もっともルーにとっても、月の振り回す影の刃は目を見張るものであったようで、
「それ、どーやってるアル？ すっごいネー」
「これは私のろっこんだよ」
ふたりは次々にやってくる敵をびしばしとふっ飛ばしながらも、お互いの技を称賛しました。
「とはいえ、影だけに働かせるのはどうも、恰好がつかないな」
そう言うと月は、日の光を返して青い輝きを放つ片手剣を手に、一閃！ けものを真っ二つに両断します。不安定な足場は、立体化した影で砂を覆うことで踏ん張りを利かせることもできました。
触発されたのか、ルーもまたとっておきを披露します。
「武器ならふぁるも持ってるヨ、リーチが足んない分はコレでカバーネ！」
鍛冶工房シュミート謹製、２本の紅磨箸をぶおんと振るって敵を粉砕！
「……はッ！！」
「あいやーっ！！」
気合の声も軽快に迸り、剣もお箸も翻って、びしばしずばん！
冒険者たちがそうして、土色の波よろしく幾重にも押し寄せる風のけものたちを、斬り飛ばして叩き伏せておりますと……突然のこと。
「うきゃっ、きゃきゃきゃきゃ！ うきゃきゃきゃきゃーーー！！」
あの耳障りな声があたりへ響き渡ったかと思うと、ぼしゅん！ ぼしゅぼしゅん！ とけものたちが勝手に弾けて、砂へと還っていきます。
代わりに、どどどどど……巻き起こる竜巻！
「ボックン飽きちゃった、見てるだけなの飽きちゃった～！ ボックンもあそんじゃうもんねー、お前たちであそんじゃうもんねーーー！！」
小山のように盛り上がっていく砂のてっぺんに、笑い声の主は、ぷかりと浮いておりました。小太りな身体は背が低くて子どものよう、けれど顔はチョビ髭を生やした、まるでおじさんです。
「きゃっきゃっ！ ボックンすっごくつよいんだぞ～、お前たちなんてへろへろーんの、ぐにゃぐにゃーんの、ぺけぺけぽーんだもーん！」
言ってることは良く分かりませんけれど、少なくとも街の食べ物を悪戯でダメにしてしまったことを反省している様子は、この期に及んでひとつもありません。
「人々が困っているのを、見過ごすことはできないからね」
「ふぁるたちが遊んでやるアルヨ、ごめんなさいって言ってもやめないからネー！」
びしりとジンを指さした月とルー、それに仲間たちを取り巻くように、風はごうごう吹き荒れて砂を巻き上げ、冒険者たちもそれぞれの武器を構えて臨戦態勢！
と、その時でした。
「……待ちな！！」
そんな一触即発な空気の中、唐突に響く叫び声。
振り返ると、ざっぱざっぱと砂を蹴り上げて駆ける、１頭の駿馬がこちらへやってくるのが見えました。
「うきゃっ？ だれだーっ？」
「オレかい？ オレは近江商人さ。目指すは三方良しってね……とうっ！！」
愛馬オブシディアンの背中からジャンプ一番、ざしゅんと砂漠へ降り立ったのは、
「みんなの親愛なる隣人、鎌八 まもる惨状！ 違った参上だ、ＨＡＨＡＨＡ☆」
蜘蛛男、ダジャレとともに乱入！
（……『出ろ』）
ギラギラと太陽がまぶしいからこそ、砂漠に落ちる影は濃く。桜 月の足元から起き上がる刃たちもまた深淵のように黒々として、怜悧です。
緑色のかまいたちが走り抜けて、半身をひねり避けた月の指先をほんの少し、ぴりりと切り裂きます。月はにじんだ赤い雫をぺろりと舌でなめ、
「お前たちが、風で私を切り裂こうとするなら。私は私の影で、お前たちを切り刻もう」
きらり、瞳が赤い光をはらんで輝いたように見えた瞬間に、影の刃は月の周囲を旋回し、風に乗って襲い掛かるけものを引き裂きました。
敵の備える牙や爪、放つかまいたちは鋭いものの、叩けば崩れるほどにもろく、そして数え切れないほどに無数です。月は刃を縦横無尽、しゅば、しゅばば！ まるでミキサーのように回転させながら、取り囲むけものたちを蹴散らしていきます。
そんな彼女の活躍を横に眺め、ざしゅんと砂の大地へ足を踏み出すのは、
「ふぁるるるる……！！」
威嚇するパンダ娘、ファ・ルー。
「ごはんの恨み、はらさでおくべきカ！ 邪魔をするなら、ふぁるのぱん打拳法の前に塵と化すがいいヨー！！」
ばばんっ！ 説明しよう！
ぱん打拳法とは気脈を読むことでその真髄を発揮する、必殺の拳法なのでアル！
「気脈を読み、無駄な動きを省いて回避する。武人なら誰でもできることネ、だからふぁるにもできるアル！」
たぶん！ と付け加えつつ、少なくとも風のけものの鋭い爪を、ルーはするんと回避。爪もかまいたちもひょいひょい、ひらりっと避けまくり！ 気脈を読むとこんなことができるんだネ、すごーい！
そしてそして、
「ぱん打拳法の極意は、拍手一破！ つまり」
おもむろにルーは、ぱちんっ！ 手と手を合わせまして。
「破ーんっ！ として～……打ーんっ！！」
ずばっと腰を落とし、ぐわーっと牙をむく風のけものへド正面から、崩拳一撃！！
「それだけアル。簡単ネ？」
敵はもろくも崩れ去り、ルーは砂のついた手のひらをぱぱんと払って、けろりと言いました。
「拳法か、すごいものだね」
諸々の事情からインドア派な月は、伸ばした影でけものを直下から貫きながら、めまぐるしいルーの動きに感嘆の声を上げます。
もっともルーにとっても、月の振り回す影の刃は目を見張るものであったようで、
「それ、どーやってるアル？ すっごいネー」
「これは私のろっこんだよ」
ふたりは次々にやってくる敵をびしばしとふっ飛ばしながらも、お互いの技を称賛しました。
「とはいえ、影だけに働かせるのはどうも、恰好がつかないな」
そう言うと月は、日の光を返して青い輝きを放つ片手剣を手に、一閃！ けものを真っ二つに両断します。不安定な足場は、立体化した影で砂を覆うことで踏ん張りを利かせることもできました。
触発されたのか、ルーもまたとっておきを披露します。
「武器ならふぁるも持ってるヨ、リーチが足んない分はコレでカバーネ！」
鍛冶工房シュミート謹製、２本の紅磨箸をぶおんと振るって敵を粉砕！
「……はッ！！」
「あいやーっ！！」
気合の声も軽快に迸り、剣もお箸も翻って、びしばしずばん！
冒険者たちがそうして、土色の波よろしく幾重にも押し寄せる風のけものたちを、斬り飛ばして叩き伏せておりますと……突然のこと。
「うきゃっ、きゃきゃきゃきゃ！ うきゃきゃきゃきゃーーー！！」
あの耳障りな声があたりへ響き渡ったかと思うと、ぼしゅん！ ぼしゅぼしゅん！ とけものたちが勝手に弾けて、砂へと還っていきます。
代わりに、どどどどど……巻き起こる竜巻！
「ボックン飽きちゃった、見てるだけなの飽きちゃった～！ ボックンもあそんじゃうもんねー、お前たちであそんじゃうもんねーーー！！」
小山のように盛り上がっていく砂のてっぺんに、笑い声の主は、ぷかりと浮いておりました。小太りな身体は背が低くて子どものよう、けれど顔はチョビ髭を生やした、まるでおじさんです。
「きゃっきゃっ！ ボックンすっごくつよいんだぞ～、お前たちなんてへろへろーんの、ぐにゃぐにゃーんの、ぺけぺけぽーんだもーん！」
言ってることは良く分かりませんけれど、少なくとも街の食べ物を悪戯でダメにしてしまったことを反省している様子は、この期に及んでひとつもありません。
「人々が困っているのを、見過ごすことはできないからね」
「ふぁるたちが遊んでやるアルヨ、ごめんなさいって言ってもやめないからネー！」
びしりとジンを指さした月とルー、それに仲間たちを取り巻くように、風はごうごう吹き荒れて砂を巻き上げ、冒険者たちもそれぞれの武器を構えて臨戦態勢！
と、その時でした。
「……待ちな！！」
そんな一触即発な空気の中、唐突に響く叫び声。
振り返ると、ざっぱざっぱと砂を蹴り上げて駆ける、１頭の駿馬がこちらへやってくるのが見えました。
「うきゃっ？ だれだーっ？」
「オレかい？ オレは近江商人さ。目指すは三方良しってね……とうっ！！」
愛馬オブシディアンの背中からジャンプ一番、ざしゅんと砂漠へ降り立ったのは、
蜘蛛男、ダジャレとともに乱入！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年04月10日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年04月17日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年04月17日 11時00分
