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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
かくて世界は浮遊する
そして、こっそりと上穗木 千鶴はスケッチブックに皆の姿を描き留めていく。
スケッチブックには浮遊してからの彼らの姿が描かれていた。
彼女は九夜山の事件の間、ずっと彼らを観察していたのだ。彼女の鞄の中には移動時に使用した、空っぽになった虫よけスプレーと消臭用のスプレーが入っていた。
「夜景もすばらしいけど、やっぱりこういうのも悪くないね」
そう呟くと彼女はスケッチブックをめくりながら、今日１日の収穫を思い出す。
浮遊する女子や男の娘である陵平のスカートの中を丁寧に描いたもの。千鶴の絵にしては珍しくエロティシズムである。
空に浮かぶ九夜山から望む景色、それはファンタジーでありながらも写実的なリアリティ溢れるものになっている。
すごい態勢で移動していた刀たちの姿、それは他の誰かに見せれば羨ましがられそうな光景である。絵柄はちょっとコミカルに。
はるか天空へと飛んでいった凛、空に浮かぶ孤独が青と白の数少ない色彩で表現されている。
空中戦を行う龍八と煉。その絵には力強さと躍動感に溢れている。
そして、鯰と要石。パっと見は鯰絵であるが、日本画調の中に現代的なモダニズムが所々に垣間見える。それはきっと、テオのもう１つの世界や鯰のピエールのこと、浮いた九夜山を知っていなければ分からないような千鶴なりのメッセージでもあった。
空から望む絶景もあれば、空にしかない絶景もある。
彼女は貴重なその２つの景色をその目に焼き付けていた。
「んー、後は帰ってから仕上げて、寝子タブに投稿しようかな」
昼の絶景と夜の風景。そして、たくさんのスケッチをどうその中に組みこむか、そんなことを考える千鶴。
「あ……」
ふと、スケッチ用の鉛筆の手を止めて、思い出したように彼女は呟いた。
「誰か、水口さん回収したっけ？ まぁいいか」
１４.かくて世界は翻弄する
『九夜山は空を飛んだ！ 大鯰と要石の伝説！』
寝子島タブレット特派員の水口記者は先日、九夜山が浮遊するという奇跡の出来事に遭遇しました。残念ながら写真は撮ることができず、同様に体験した寝子島高校の生徒さんの絵を掲載し解説させて頂きます……
後日の寝子島タブレットにはそういった記事が掲載されていた。
喫茶店『アンノウン・ティー・パーティ』のカウンターでたっぷりの砂糖とミルクを入れた珈琲を飲みながら千鶴はその記事を読んでいる。
「ふぅん、まぁ悪くないね」
彼女の瑠璃色の瞳は上機嫌に揺れる。彼女の描いた絵には九夜山で起こった出来事が詰め込まれていた。１枚は昼、もう１枚は夜。そのどちらもが日本画を基調に、それぞれ違うタッチで描かれており、それは寝子島タブレットの胡散臭さと妙にマッチしていた。
九夜山でのスケッチを元に描き上げたわりには上出来だと自画自賛する千鶴。勢い余って、下着まで丁寧に描いたことに後から恥ずかしい気持ちになったのは彼女だけの秘密である。
「でも、貴重な経験だったよ。『ふつう』じゃ体験できないことに遭遇するのはね」
そんなことを女店主に語る彼女。
「どこにだって日常はあるし、非日常はあるものよ。あなたみたいな芸術肌の子なら、そういった日常の中の非日常もすぐ見つけられるかもしれないわね」
と、不思議なことを女店主は語る。
「……そうかな？ 確かに寝子島はいつだって不思議に溢れている気はするけどね。面白いことだらけだよ」
そう言うと、千鶴はコーヒーカップを口元に運びながら少しだけ笑うのだった。
余談だが、今回の事件に遭遇した生徒たちは口裏を合わせ、九夜山浮上の一件は水口記者の夢であるということにしたという……。
スケッチブックには浮遊してからの彼らの姿が描かれていた。
彼女は九夜山の事件の間、ずっと彼らを観察していたのだ。彼女の鞄の中には移動時に使用した、空っぽになった虫よけスプレーと消臭用のスプレーが入っていた。
「夜景もすばらしいけど、やっぱりこういうのも悪くないね」
そう呟くと彼女はスケッチブックをめくりながら、今日１日の収穫を思い出す。
浮遊する女子や男の娘である陵平のスカートの中を丁寧に描いたもの。千鶴の絵にしては珍しくエロティシズムである。
空に浮かぶ九夜山から望む景色、それはファンタジーでありながらも写実的なリアリティ溢れるものになっている。
すごい態勢で移動していた刀たちの姿、それは他の誰かに見せれば羨ましがられそうな光景である。絵柄はちょっとコミカルに。
はるか天空へと飛んでいった凛、空に浮かぶ孤独が青と白の数少ない色彩で表現されている。
空中戦を行う龍八と煉。その絵には力強さと躍動感に溢れている。
そして、鯰と要石。パっと見は鯰絵であるが、日本画調の中に現代的なモダニズムが所々に垣間見える。それはきっと、テオのもう１つの世界や鯰のピエールのこと、浮いた九夜山を知っていなければ分からないような千鶴なりのメッセージでもあった。
空から望む絶景もあれば、空にしかない絶景もある。
彼女は貴重なその２つの景色をその目に焼き付けていた。
「んー、後は帰ってから仕上げて、寝子タブに投稿しようかな」
昼の絶景と夜の風景。そして、たくさんのスケッチをどうその中に組みこむか、そんなことを考える千鶴。
「あ……」
ふと、スケッチ用の鉛筆の手を止めて、思い出したように彼女は呟いた。
「誰か、水口さん回収したっけ？ まぁいいか」
１４.かくて世界は翻弄する
『九夜山は空を飛んだ！ 大鯰と要石の伝説！』
寝子島タブレット特派員の水口記者は先日、九夜山が浮遊するという奇跡の出来事に遭遇しました。残念ながら写真は撮ることができず、同様に体験した寝子島高校の生徒さんの絵を掲載し解説させて頂きます……
後日の寝子島タブレットにはそういった記事が掲載されていた。
喫茶店『アンノウン・ティー・パーティ』のカウンターでたっぷりの砂糖とミルクを入れた珈琲を飲みながら千鶴はその記事を読んでいる。
「ふぅん、まぁ悪くないね」
彼女の瑠璃色の瞳は上機嫌に揺れる。彼女の描いた絵には九夜山で起こった出来事が詰め込まれていた。１枚は昼、もう１枚は夜。そのどちらもが日本画を基調に、それぞれ違うタッチで描かれており、それは寝子島タブレットの胡散臭さと妙にマッチしていた。
九夜山でのスケッチを元に描き上げたわりには上出来だと自画自賛する千鶴。勢い余って、下着まで丁寧に描いたことに後から恥ずかしい気持ちになったのは彼女だけの秘密である。
「でも、貴重な経験だったよ。『ふつう』じゃ体験できないことに遭遇するのはね」
そんなことを女店主に語る彼女。
「どこにだって日常はあるし、非日常はあるものよ。あなたみたいな芸術肌の子なら、そういった日常の中の非日常もすぐ見つけられるかもしれないわね」
と、不思議なことを女店主は語る。
「……そうかな？ 確かに寝子島はいつだって不思議に溢れている気はするけどね。面白いことだらけだよ」
そう言うと、千鶴はコーヒーカップを口元に運びながら少しだけ笑うのだった。
余談だが、今回の事件に遭遇した生徒たちは口裏を合わせ、九夜山浮上の一件は水口記者の夢であるということにしたという……。
あとがき
担当マスター：
深城和哉
ファンレターはマスターページから！
お待たせしました。
あとがきって普段何書いてたっけと思い出せません。
今回のアクションはいつも以上にユニークなものも多かったように思います。
また同じ方向に行動される方も多かったのでＧＡを利用されたほうがよかったかもしれません。行動被りが多く少し潰しあいになっておりました。
またスカートの中身については詳細を書かれている方以外は具体的な描写はしない方向にしております。
一部の方のアクションについては個別コメントにて解説しております。ご確認ください。
もしかしたら次のシナリオリリースには時間をいただくかもしれません。それではっ。
あとがきって普段何書いてたっけと思い出せません。
今回のアクションはいつも以上にユニークなものも多かったように思います。
また同じ方向に行動される方も多かったのでＧＡを利用されたほうがよかったかもしれません。行動被りが多く少し潰しあいになっておりました。
またスカートの中身については詳細を書かれている方以外は具体的な描写はしない方向にしております。
一部の方のアクションについては個別コメントにて解説しております。ご確認ください。
もしかしたら次のシナリオリリースには時間をいただくかもしれません。それではっ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年05月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年05月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年05月31日 11時00分
