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夢の通い路の先で
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(出ていかなきゃ)
唇を噛む。ことことと胸の奥で鳴る心臓の音にますます焦って、
椿 美咲紀
は視界を塞ぐ暗闇を見据えた。
ずいぶん長く歩いているはずなのに、暗闇に目を凝らし続けているはずなのに、先が見えない。僅かも目が慣れない。
いつまで行っても、どこまで行っても、闇は闇のまま。
圧し掛かるような闇の深さに、恐怖感にも似た不安が喉元にせりあがる。今にも悲鳴になりそうな息を呑み込み、歩き続ける。だって悲鳴を上げてしまえば、きっといつまでもあげつづけてしまう。座り込んで動けなくなってしまう。
もつれそうになる足を叱りつけ、泥濘のような地面を踏みしめる。急がなくてはいけない、歩き続けなくてはならない、止まってはいけない。
手を上げれば滑る天井に届く気がする。横に伸ばせば得体の知れない蟲の這う壁に触れる気がする。
「……ッ……」
昆虫を嫌う美咲紀は怖気を振るった。悲鳴がついて出そうな唇をぎゅっと引き結び、疲れて重たい足を必死に動かす。前に、前に。否も応もなく進まなくてはならない。
(追われている、)
訳ではなさそう、と肩越しに闇を振り返る。それでも、進んでいかなくてはならないとナニカに強迫されているように思う。
暗闇の道は、登っているのか下っているのかも分からない。それどころか、真っ直ぐ続いているのかも分からない。
(出ていかなきゃ、いけないのに)
焦燥感が腹の底で冷たく膨れ上がる。先が判らぬ不安が喉元に押し上げられる。
(どうしよう、)
一度途方に暮れてしまえば、もうどうしようもなくなってしまった。
(どうしよう)
その言葉ばかりが頭をいっぱいに埋め尽くす。恐怖と不安に占められた頭も胸も掻き毟ってしまいたいような衝動に駆られる。
「っ、い……」
堪らず叫びそうになって、咄嗟に両手で冷たい唇を抑える。
(ダメダメ)
叫んでしまえば、暗がりの洞窟に潜むナニカを呼び寄せてしまうかもしれない。そうなってしまえば、ひとりきりで彷徨う自分なんてきっと一巻の終わり。
ああ、と美咲紀は苦しい息を零す。
(どうしよう)
羽根布団の下、胸を両手で抑える苦しい恰好で目が覚めた。
「……ああ、……」
全身をじっとりと濡らす嫌な感じの寝汗に、思わずうめき声が漏れる。
布団を押しのけ、もそもそと起き上がる。ベッドの縁に腰かけながら、汗に濡れて額に貼りつく黒髪を掻きわける。
悪夢から醒めたというのに、気分は最悪。
(とってもモヤモヤするのです)
胸や腹のあたりにぐるぐるもやもや渦を巻く、悲しいような恐ろしいような、なんとも言いようのない気持ちを追い出したくて、美咲紀は冷たい掌でそっと自分の腹を撫でた。
部屋を見回す。フットライトの柔らかな光で照らされているのは、紛れもなく星ヶ丘寮の自室。
夢に見た景色とは一抹も被らない。もしや、とは思ったものの、悪夢を見たのは神魂の悪戯というわけでもなさそうだ。
(アレはやっぱり夢だったのかしら)
夢だったのだろうと結論付けても、心はいつまでもざわめいてしずまらない。
再度横になる気持ちにもなれず、一度部屋を出る。
戻った彼女の手には、トレイに乗せられた小さなポットと硝子カップ。サイドテーブルにトレイを置き、カップにはちみつ色したカモミールティーを注ぐ。
ふわりと立ち上る優しい香に、強張っていた頬が思わず緩んだ。
ベッドに腰かけ、カップを取る。冷えた両手の指をカモミールティーの熱で温めつつ、ゆっくりとお茶を飲む。そうすればきっと、
(心も落ち着くはずです)
カモミールの香を胸に満たしながら、思うのは先ほど見た夢のこと。
暗闇に閉ざされながらも前に進まなくてはと焦燥感に駆られたあの夢は、己の心の何を示しているのだろう。
(こう、もわもわっと、もやもやっと)
例えば不安感が折り重なってくるような、そんな感じがした。闇に閉ざされ、先が判らない不安。周りのことが判らない不安。
(進級の不安が夢となったのでしょうかねぇ?)
のんびりと考えているうち、部屋の隅に設えた猫用のベッドで寝ていたはずの白い子猫が寝ぼけた様子でのそのそと近づいてきた。ひょいと隣に飛び乗り、膝によじ登る。撫でやれば、愛猫スノウは小さく鳴いて膝の上に丸くなった。
柔らかで艶やかで温かくて小さな生き物を飽きず撫でていれば、不安にざわめいていた心はようやく落ち着いてくれた。
うん、と美咲紀はひと息つく。
(もう大丈夫なのです)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月17日
参加申し込みの期限
2017年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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