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夢の通い路の先で
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春ののどかな日差しの下、紅の影を落とす椿の香を傍らに感じながら花壇の縁に腰を下ろす。眩しく降り注ぐ春陽を見仰いで細めた瞳を下せば、そこには友人たちの姿があった。
何気なく手を上げかけて、彼らの様子がいつもとどこか違うことに気づく。どの顔もどの顔も、忌々し気な、憎々し気な顔をしている。
「
八神 修
」
ヤガミオサム、と修の名を呼んだのは、普段仕事で忙しくほとんど顔を合わせぬ八神家の母。
寝子島にさえ滅多と訪れぬ育ての母の憎悪に満ちた視線を真っすぐに受け止めたまま、修は瞬く。
血の繋がらぬ妾腹の子を我が子と呼ばざるを得なかった育ての母は、突如としてその場に泣き崩れた。悲鳴じみて、叫ぶ。
――八神じゃないくせに
――偽物のくせに
育ての母を庇うように、友人の顔した誰かが前に立つ。痛ましげに育ての母を見遣って後、つと修を指し示す。
「おまえは、本心を俺達に見せない」
「それは、……」
出生の秘密を知った友人に悪意を真正面から突き付けられ、言葉に詰まる。
(全てを無遠慮に曝け出す方が人を傷つけるじゃないか)
咄嗟に思い、思ったままを口に出さずにいる己にますます唇を固く閉ざす。
己を囲む友人たちの輪は知らぬ間に厚くなっている。
「俺達を自分より低く見てるんじゃない?」
「ワタシ達が居なくてもなんでもできちゃうしね……」
投げつけられる様々なかたちした言葉の刃を真っ向から浴びて、それでも修は目を逸らさず友人たちを見つめる。
自分は万能ではない、と言いたかった。見せないだけで努力だってしている、と。それよりも何よりも、
(俺は、皆と繋がっていたい)
話がしたい。笑いあっていたい。友達であり続けたい。
そう願うのに、友人たちは冷たい眼差しばかりを突き刺してくる。
「人を信用してないくせに」
「結局独りだと思ってるくせに」
「裏切る生き物だと知ってるくせに」
くすり、嗤ったのはどの顔だっただろう。
「信じてるふりなんかする偽善者」
見上げた視線の先にある顔は、どの顔も仮面を貼りつけたように嗤っている。
「俺は、」
言いかけて、言いよどむ。
叩き付けられた言葉に思い当たる節がないとは言えない。腹の底の底では、本当はそうなのかもしれない。己は本当はひどく冷徹で残酷な人間なのではあるまいか。
「違う、……違うんだ」
友人たちの言葉に呼応し、己の中で渦巻き始める己自身への疑念に苛まれ、思わず顔を両手で覆う。
「でも、しゅー君」
掌を暗闇を剥いだのは、小さな両手だった。小さな両手に掌を掴まれ、半ば強引に手を膝に下ろさせられる。正面に跪き、覗き込んできていたのは、いつも無邪気に慕ってくれる友人だった。
彼女だけは変わらぬいつも通りの朗らかな笑みに安堵したのも束の間。
「貴方、本当は人間なんか嫌いでしょ」
死刑宣告でもするかのように、彼女は瞳を鋭く細めた。
目を瞠る一瞬のうちに、手を取る友人の姿は修が恋慕する少女の姿となる。
「あ……」
「修君……」
少女の名を口にするよりも先、少女の瞳に胸をつかれた。いつもは屈託なく見上げてくる曇りなく澄んだ瞳は、
「私の事も嫌いなの?」
今は悲しく沈んでいる。
「ッ……!」
思慕する少女に悲しい瞳をさせたことに対する衝撃に、息が詰まった。
知らず押さえていた胸で暴れる心臓の音に耳を圧迫されながら起き上がる。布団を押しのけ、ベッドの縁から足を投げ出す。両手で顔を覆えば、身が縮むほどの溜息が零れて落ちた。
眠っていたはずなのに全身を覆う倦怠感に辟易する。
夢で言われた言葉はどれもこれも心に刻み付けられている。
(あれは、)
己の内にある不安や罪悪感なのだろう。
(俺は俺自身を責めているわけだ)
夢の中では友人たちだと思い込んだが、今思えば、あれらは全て己自身の影のようなもの。
(人間なんて嫌いでしょ、……か)
唇が歪んだ。
ひとの性は根底では善であると無邪気に信じられるほど楽観主義者ではないけれど、そうは言っても、
(全てを否定するほど青くもない)
人は弱い。すぐに堕落する上、本質的にはエゴイストだ。口先では他人のためと言っても、本当のところは己をエゴイストであると自覚する己のためであったりもする。
夢の中で、他人の皮を被った己が投げつけて来た言葉を掌に握り潰す。
他人とは理解しあえない。少なくとも夢の中の己はそれを嘆いていた。
「当り前だ」
夢での己の嘆きを一蹴する。
(互いに傷つかない関係を築く事の……何がいけない)
見たばかりの夢を解析し、己が論理でひとつひとつ叩き潰していく。
顔がひどく歪んでいる気がして立ち上がり、部屋を出る。顔を洗うために洗面台のある階下へ降りた途端、足音を聞きつけた愛猫たちが寝床から次々と飛び出して来た。
あっという間に足元にできる尻尾の林に、修は破顔する。しゃがみこみ、一匹一匹の頭を順繰りに撫でてやる。
動物たちのまん丸な目に胸の痛みを見透かされている気がした。
「……どうもしないよ」
わらわらと寄って来ては群がるペットたちの相手をしていれば、背後に足音がした。
修様、と呼ばれて振り向く。運転手兼護衛を務め、併設の家に起居する兄のような存在である風間に案じられ、修は一度は何でもないよと笑おうとして、
「……悪い夢を見たんだ」
失敗した。素直に打ち明ければ、彼は台所に立って生姜湯を淹れてくれた。
足元には動物たちの温かさ、手元には生姜湯の温かさ、それから傍らには静かに案じてくれる兄のような存在の温かさ。
胸にあった痛みは、いつしか消えている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月17日
参加申し込みの期限
2017年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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