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メリーさんが座敷童、なの
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九夜山の八合目。山道から外れた足場の悪い斜面で
御剣 刀
が黙々と木刀を振っていた。不動の足で鋭い縦の一閃を繰り返す。
静は動に切り替わる。刀は木々の合間を走り、想定した敵に必殺の一撃を加えた。木々が密集した場所では木刀は槍と化した。空間に連続で鋭い穴を穿つ。
額に汗が滲む。微かに口が開いた。片方の目に汗が流れたところで動きを止めた。
「ここまでだな」
目を擦りながら木刀を竹刀袋に収める。黒いジャージの肩に引っ掛けて近くの山道に踏み込んだ。
喉の辺りに手を当てた。湿った感触を確かめるように指を動かす。
「寝子温泉に寄るか」
竹刀袋を背負い直して道なりに歩いていった。
モスグリーンのウインドブレーカーが小気味よい音を立てる。
日暮 ねむる
が木々の合間を縫うように走っていた。九夜山の全てがフィールドであった。
「今日は身体が軽いねぇ」
軽やかに跳んで山道に降り立った。ポケットからスマートフォンを取り出す。画面に表示された時間を見た。
「ここまでだね」
旧市街に続く山道をのんびりと歩いていく。暇潰しが目的なのか。ねむるはスマートフォンを操作してねこったーの情報に目を向けた。
――沢野屋って旅館のことが多く書き込まれているみたいだけど。
気怠い表情が真剣なものに変わる。分散した情報を目で拾い集めていった。
――寝子温泉にある沢野屋という旅館で、座敷童の目撃情報が寄せられているんだね。日帰りの温泉利用もできるのかな。
流れるように情報を見ていると画像が出てきた。残像に近い状態でおかっぱの女の子が写っていた。ねむるは画面に顔を近づける。
「……メリーさんっぽいんだけど、まさかね」
柔らかい笑みを浮かべた。
寝子温泉の看板が見え始めるところで二人は出会った。
前をいく刀にねむるが声を掛ける。
「御剣くん、珍しいところで会ったね」
「日暮か」
二人は相手の汗を掻いた姿に納得した表情を浮かべた。横に並んだ状態で歩き出す。
両側に古めかしい建物が見えてきた。刀は見比べるかのように目を向ける。気付いたねむるが不思議そうな顔で言った。
「御剣くんは沢野屋に行くんじゃないの」
「いや、特に決めてないが。沢野屋というのは有名なのか?」
「悪くはなさそうだけど、今は座敷童の話で盛り上がってるみたいだよ。ほら、あそこ」
ねむるが指差した旅館の前に幟が出ていた。近づいた刀が書かれた内容に目をやった。
「座敷童が出るらしいが、どうだろうな」
「確かめてみればいいよ」
「試しに入ってみるか」
二人は引き戸を開けた。ねむるが先に入った。目に留まった人物に足早に近づく。
「日帰りで温泉を利用したいのですが、大丈夫ですか?」
「いらっしゃいませ。心ゆくまで温泉を楽しんでいってください。食事処では新鮮な魚介類を提供させていただいております。是非、そちらの利用もご検討ください」
女将は身を丸くして微笑んだ。
「それじゃ、まずは温泉でさっぱりしようかなぁ」
「俺も早く汗を流したい」
「そうだね。温泉までの案内は」
「あたしに任せるの」
女将の横に女の子が出現した。以前、洋食店で出会った時と同じように着物を身に纏っていた。思いもしない展開なのか。ねむるの眠そうな目が驚きで丸くなる。
「えぇっ、なんでメリーさんが!?」
「期間限定で座敷童をしているの」
「じゃ、じゃあ、温泉に案内してもらおうかな~。あはは」
乾いた笑いが起こる。その隣では刀が神妙な顔付きでいた。
「座敷童はメリーだったのか。まさか、
プリンの件
で現れたのでは……」
「温泉はこっちなの」
女の子は瞬時に中央の廊下の中程に移動した。二人を呼び寄せるように手を振った。
「大丈夫そうだな」
刀は安堵の表情となった。ねむると共にフロントに立ち寄って温泉へと向かった。
二人は脱衣場で競うようにして衣服を脱いだ。ほぼ並んだ状態で風呂場に突入する。
湯が煙る中、刀は頭と身体を手早く洗う。タイル張りの浴槽には一切の興味を示さず、岩風呂に直行した。濡れたタオルを絞って頭の上に乗せると一気に肩まで浸かった。その状態で緩やかに移動して適当な岩の縁に凭れる。眠気を覚えるような表情で自然に手足が伸びた。
抜けるような青い空と相まった景観に暫し見惚れる。
「あ~、気持ちいい~。身体が湯にとろける~」
遅れてきたねむるも刀と同様の姿で湯に浸かった。全身の力が程なく抜ける。微睡む目で声を漏らした。
「疲れた身体に沁みるねぇ。なんだか、気持ちが良すぎて眠くなってきたよ」
「あー、わかる。俺もそうだ。どこまでも身体が沈んでいきそうだ」
気の抜けた二人の正面に前触れなく女の子が現れた。
「温泉で眠ってはダメなの。永遠の眠りになってしまうの」
ねむるは仰天した。上がる飛沫の中、慌ててタオルで前を隠す。
「ちょっ、メリーさん!? タンマ、ここ、男湯だから!」
「当たり前なの。女湯にいたら、永遠の眠りについて貰うの」
着物の袖に手を入れた姿で女の子は消え去った。
二人は完全に目が覚めた。刀は思い出したかのように笑い出す。
「メリーらしいな。なんか、笑ったら腹が減ってきたな。日暮、食事処にも寄っていかないか」
「うん、そうだね。風呂上りに冷たい蕎麦とか、いいんじゃないかな」
「俺は店のオススメにするか。折角、座敷童がいるんだ。売り上げに協力しないとダメだろ」
二人は顔を見合わせて笑うと岩風呂から上がった。
小ざっぱりとした姿で二人は食事処に立ち寄った。
「いらっしゃいませなの。こちらのテーブルが空いているの」
女の子の案内で刀とねむるは向かい合わせに座った。
「メニューはこれなの。注文をどうぞ、なの」
メニューを開いた状態でテーブルに乗せる。ねむるは覗き込んだ姿でざるそばを注文した。刀は早々と見るのを止めた。
「品数が多いな。俺は店のオススメで頼む」
「お刺身が美味しいの。手まり寿司が可愛いの」
「ごはんものは腹持ちがいいし、それにするよ」
「わかったの」
女の子は瞬時に消えた。程なくして両方の手に一品を乗せて現れた。
「ざるそばなの。手まり寿司なの」
二人は、いただきます、と声を合わせた。
ねむるが箸を割る。そばつゆの中に薬味を入れて匂いを嗅いだ。
「甘い出汁にカツオが香るねぇ」
盛られた蕎麦を箸で摘まみ、そばつゆに先端を浸して一気に啜る。僅かの咀嚼で喉に流し、黙々と食べた。
刀は手まり寿司を手で摘まみ、一口にした。噛みながら笑みが零れる。
「日暮と参加したハンバーグの早食いとは大違いだ。落ち着いて食べられるだけで幸せな気分になる。あ、もちろん寿司の味も最高だけどな」
立ったままの女の子に目を向ける。物欲しそうな顔で手まり寿司を見詰めていた。刀は笑みを作って、それとなく声を掛けた。
「一人で食うのも大変だし、メリーも一緒に食べるか?」
「そこまで必死になって頼まれると断れないの」
刀の横にちょこんと座ると持参した割り箸で食べ始めた。
「用意がいいな」
刀は笑って寿司を口の中に放り込む。
「ふぅ、ごちそうさま~」
早々にねむるが食べ終えた。背筋を伸ばして大きな息を吐く。
空になった容器の上に新たなざるそばが置かれた。
「おかわりなの。無くなったらまた持ってくるの」
「へ、これってわんこそば?」
ねむるの声が耳に届いていないのか。瞬時に正面に移動した女の子は食事を再開した。
横目で見ていた刀が何とはなしに言った。
「メリーはどんな所に住んでいるんだ?」
女の子は食べながら顔を横に向ける。刀の顔をじっと見て、そうなの、と言った。自身の袖に手を突っ込み、探り当てた紙を差し出した。
「あの、すいません。注文、いいですかー」
「すぐに行くの。ごちそうさまなの」
空になった器に手を合わせると瞬時に消えた。
刀は受け取った紙に目を通す。持っていた手が小刻みに震えた。
「お、おい、これって!?」
刀は立ち上がって紙を掲げる。客の注文を聞き終えたのか。女の子は忽然と姿を消した。
「御剣くん、その紙がどうかした?」
「……黄色い悪魔だ」
刀はがっくりと席に着いた。項垂れた姿で紙を前に押し出す。十リットルお化けプリンの早食い競争の期日が書いてあった。余白には鮮血を思わせる色の文字が書き添えられていた。
『その日に迎えにいくの』
ねむるは慰める言葉が浮かばず、困ったような笑みを浮かべた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月02日
参加申し込みの期限
2017年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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