メリーさんが座敷童、なの｜リアクション

メリーさんが座敷童、なの

　八神修は部屋にいた。一向に女の子が現れない。以前に約束したチョコレート五キロ分はチョコドリンクとなって座卓に置かれていた。
「貰っていくの」
「え、メリーさん？」
　瞬間的に現れて全てのドリンクを持ち去った。
　修は呆気に取られた。瞬時に持ち直し、メモ帳の頁を切り取った。そこにペンを走らせる。意中の人からチョコレートを貰い、また受け取ったこと。旅館で提供された料理の美味しさも書き綴って座卓の隅に置いた。
「今回は仕方ないか」
　持参した教材で勉強を始める。気付いた時には隅の紙はなくなっていた。
　日付が変わる前に修は眠りに就いた。

　朝鳥さゆるは窓から入り込む月明かりを見ながら横になっていた。
　――ようやく静かになったわね。でも、悪くはなかった。
　そっと瞼を閉じる。穏やかな表情となった。
　心の中の黒雲の一部に淡い光が射し込んでいた。

　誰もいない岩風呂に三宅葉月が肩まで浸かる。白み出した空を見上げて緩やかに息を吐いた。
「朝風呂に限るわ」
「相変わらず、キャラが被っているの」
　いつの間にか、横には女の子がいた。両足を伸ばした姿で空を見上げている。
　二人は感情に乏しい顔で朝陽を眺めた。

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あとがき

担当マスター：黒羽カラス
ファンレターはマスターページから！

今回のシナリオはいかがでしたでしょうか。
座敷童の名を借りたメリーさんが訪れた人々に大散財をさせました！
ヒヒーンな場面もあって、とても賑やかな内容になったことは確かです、はい。

女将と座敷童の関係もしんみりと語られています。
笑いの中にほんの少し、ほろ苦いエッセンスを加えました。

場面が目まぐるしく変わる構成で頁数が増えました。
瞬間移動ならではの展開です。中身の濃いアクションの賜物！

高いテンションの状態で感謝の言葉を述べたいと思います。
シナリオにご参加いただき、まことにありがとうございました！
今後もメリーさんの奮闘（？）に、大きな心でお付き合いいただければ幸いです！

また、次のシナリオで会いましょう。

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