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【星幽塔】第三階層 竜の肚には土の都
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どこまでも青く澄んだ空に天馬を駆る農場主の姿がみるみる遠くなる。
「てんり?」
足元にぽこんと飛び出したモグラ妖精に不思議そうに見上げられ、
大天使 天吏
は頬を柔らかく笑ませた。
「リアさん、とても急いでいたようだけど……」
ローブの裾が土に触れるのも構わず地面にしゃがみこみ、モグラ妖精に問えば、彼は小さく頷いた。
「ん。ずーっと遠くの砂漠におーっきな竜が現れたの。さっき砂漠に遠征してた仲間が言ってた。それでリアが様子見に行ったんだよ」
「そう……大丈夫かしら」
妖精と話している僅かな間に、農場主リアの姿は遥かな空に溶けている。
優しく降り注ぐ陽を仰ぎ、金色の髪の下の雪雲色した瞳を細める天吏に、妖精は明るく笑った。
「天馬の爺ちゃんはとっても速いから、ナニカあればすぐにパーッて飛んで帰って来るよ。でも、ナニカって何かな?」
首を傾げる妖精のふわふわとした毛に覆われた頭にそっと触れ、天吏は決意を固めて立ち上がる。空の向こうで何が起こっているのかはまだ分からない。けれど、先程揺れる大地に感じた不穏さは看過できなかった。
リアが何を見て帰って来たとしても、
「助けに行かないとね……」
星の力を宿したこの身であれば、役にたてることもきっとあるはず。
瑞々しい草木の息吹に満ちた空気を胸に満たし、天吏は踵を返す。とにかく、この畑からは少し距離のあるリアの屋敷まで帰ろう。必要なものを鞄に詰め、リアの帰還を待とう。
歩き始めながら、天吏は小さく唇を笑ませる。
(とはいえ)
この身に必要なものは、星の光が変化した己より一回り小さいだけの六分儀と地図を書くための羊皮紙と羽ペンくらいなもの。
「てんりー」
背後から呼びかけられ、天吏は肩越しに振り返った。
新たな冒険の予感を胸に宿しながら、ひらり、手を振る。
「行ってきます」
星見の庭園の中央に寂とした光を放って立つ第三階層への扉を潜った途端、ふわり、穏やかな陽の光が冒険者たちを包み込んだ。
柔らかな草に覆われた丘から広大で豊かな農地を見晴るかし、
水上 桜
は夜色の優しい瞳を瞬かせる。
(土の竜が居るのは『最果ての砂漠』、だっけ)
食事をとりに行った『Bar アストラル』で見た貼り紙を思い出し、ちらりと首を傾げる。地平までを穏やかに覆い尽す瑞々しい野菜の緑、重たく頭を垂れる穀物の黄金、色鮮やかに木々に実る果実の黄や紅――どこまで行けば、枯れ果てた砂漠があるというのだろう。
「屋敷はあっちだよ」
大農場を見渡す桜を行き場に迷ったと思ってか、黒い外套を羽織った小柄な少女が声を掛けて過ぎる。
「あっ、うん、……ありがと!」
外套の裾から風に流れ出す白銀の長い髪とフードの下の妖艶なまでに紅い瞳に一瞬だけ目を奪われてから、桜は少女の後を追った。
「竜の体内にある都ってどんなのだろう?」
「ああ、実に興味深いね」
「ね、おもしろそうじゃない!」
ふたりは透んだ水の流れる水路と寝子島では見たことのない野菜を青々と実らせる畑に挟まれた石畳の路を辿る。好奇心を掻き立てられるままに黒い眼を輝かせる桜に、
旅鴉 月詠
は大人びて静かな笑みを返した。
「と言っても、私は報酬につられて来たんだけどねぇ」
紅の瞳が振り返る。映すのは、大地と同じ温かな焦げ茶の瞳に熱を帯びた光を宿した少女。
「恵御納あたりはそうではなさそうだ」
からかうような口調で呟きながら、けれど月詠の瞳にあるのは好ましげな微笑み。
「行こうか、恵御納」
「……うん」
月詠に声を掛けられ小さく頷き返して、
恵御納 夏朝
は畑に降り注ぐ陽の光を仰ぐ。
日頃から、ここではモグラ妖精たちと一緒に作物の世話をしている。農場主である
リア・トト
にも、時折ご飯をご馳走になったりしている。
(土の竜、『呪の印』……)
「あの……っ」
考えを遠慮がちな声に遮られて、振り返った少女たちが見たのは、
「おや、白猫」
月詠が声を僅かに弾ませる。魔導師の杖を片手に立っていたのは、白い猫耳のついたフードつきマントを被った大人しげな少女。
「遠野さん」
夏朝におっとりと笑みかけられ、
「こんにちは、夏朝ちゃん」
遠野 まほろ
はふわりと嬉しげに笑んだ。
「ええと、……遠野さん? も?」
土の竜のもとへ行くのかと桜に問われ、まほろは控えめに、けれど決然と頷いた。
「土の都ってどんなところなんだろうね」
桜におっとりと話し掛けながら、まほろは思案する。
(準備とかは八神君とかが万全に整えてくれそうだけど……)
サジタリオで同じ貼り紙を見た
八神 修
も、先にこちらに到着しているはずだった。よく気の付く彼ならば、旅の準備も同行者の分まできちんと揃えてくれるだろうけれど、
(私も私なりに考えなくちゃ)
そう考えて、第三階層に来るまでに思いつく限りの準備はしている。水筒に携帯食料、それからぬいぐるみ。
「竜を呪った奴も気になるけど」
「……うん」
眉を寄せる夏朝を見遣り、まほろは哀しげに眼を伏せた。
「呪いで苦しんでいるなら、解放してあげたいね……」
これから向かう竜の体内に思いを馳せるまほろの隣に並んで歩き、夏朝は大慌てで掴んできた鞄を抱きしめる。鞄の中に入っているものは、己のろっこんを発動させるために必要な猫シールがたくさんと、この土地で収穫したアンテナアスパラ数本と、同じく収穫したサファイア・リリーと金剛オレンジを加工して作ったサファリリオレンジドロップがありったけ。
――この優しい場所を、脅かさせるわけにはいかない。
リア達や、苦悶する土の竜や、土の竜に呑まれた土の精霊達のためにも、
(……頑張る!)
眦を決する夏朝の肩を、月詠は軽く叩く。
「それ、アンテナアスパラだよね?」
夏朝の鞄の端から覗く、簡易な通信に使える星の力宿したアスパラの数本を貰い受け、月詠は然程大きくはない鞄を開いた。取り出したのは、小さな鳥が描かれた小さな紙片。己の描いた絵を手にしたアスパラの一本に触れさせる。途端、アスパラは魔法のように紙片に吸い込まれた。
「わあ!」
「すごいねぇ」
傍らで不思議そうに見ていた桜にどこか得意げな笑みを向け、真っ直ぐな感嘆の声をくれたまほろには紙に封じたアンテナアスパラを進呈する。
「迷子になった時に便利だよね」
紙片を折りたたんで取り出しやすい場所に仕舞いこみ、まほろはありがとうと黒髪の頭を下げた。
「それに、もし次も同じ場所に行くなら目印になるかもしれない」
次のことを考えるまほろに小さく頷きつつ、月詠は桜の背負う鞄を指し示す。
「かさばるなら一枚絵にしよう。使う時は紙を破れば元通り、だ」
鞄に納めた紙束から一枚取りだし、簡単な絵を描きつけて桜に渡しながら、月詠は己の絵に封じ込めて土の竜の肚に持ち込むものを考える。
(炸裂イモにランプ、それから食料、……)
眩しい陽射しの降る路を行けば、ほどなく集合場所に指定された農場主の屋敷に辿り着いた。
「やあ、待っていたよ」
屋敷の入り口に立っていた今回の冒険の依頼主、農場主の
リア・トト
が不安を押し隠した笑顔で冒険者たちを迎え入れる。
未だに少しばかり荒れた感の残る屋敷の前庭には、たまたま第三階層に居たり先に到着していた冒険者たちが出立の準備に大わらわで立ち働いていた。
「必要なものがあれば持って行ってくれ」
リアが示すのは、露店のように広げられた敷物の上。屋敷中から引っ張り出してきたと思しき毛布に始まり、パンや干肉、ドライフルーツに酒瓶が山積みになっている。干した薬草の束や瓶入りの水薬の並ぶ敷物の上には薬に詳しいらしい妖精が陣取り、薬類を欲する冒険者に使用法等の説明をしている。
「モグラダイヤいるかい? 私が育てましたな、とれとれぴちぴちなモグラダイヤー」
黒翼を生やした黒毛の天馬の手綱を引き、
鎌八 まもる
が両手いっぱいに抱えたモグラダイヤを配って歩く。
「貰えるか」
大きな背嚢に食料やランタン、記録用のデジカメや就寝時用のマントを整理整頓して詰め込んでいた
八神 修
が怜悧な瞳をもたげ、まもるを呼び止めた。
「どうするんですか?」
修の隣で同じく鞄に懐中電灯や予備ランプ、非常用の携帯食料を詰め込んでいた
椿 美咲紀
が結い上げた黒髪を揺らして首を傾げる。
「おっ、いいポニテだ! んじゃ、サービスサービス、っと」
顔中で嬉しそうに笑うまもるからモグラダイヤをポイポイとまとめて手渡され、美咲紀は目を瞬かせた。寝子高制服の上に羽織った白基調の外套の裾を片手につまみ、袋状にしてモグラダイヤを持ち直す。
「えっと、」
もう片手に持っていたろっこん用の生花を鞄の縁に差し込み、美咲紀は修とまもるを交互に見遣る。
「椿さんと八神君も、これ」
通りがかった夏朝から同株から分派したアンテナアスパラを貰い受け、ついでに彼女のろっこんで荷物を軽くするために猫シールを鞄に貼り付けてもらう。
「ありがとう、恵御納」
「なに? なにそれカワイイ!」
ぽこん、と不意に地面から現れたモグラ妖精が鞄に貼り付けられた猫シールに触れる。触れた途端、荷物が詰まって重たいはずの鞄が軽々と動き、モグラ妖精はつぶらな目を丸く見開いた。
「おっ、ナイスタイミング!」
まもるが歓声をあげる。
「あっ、モグラダイヤ! モグラダイヤ!」
まもるに負けず劣らず歓声をあげるモグラ妖精の前、まもるはしゃがみこんだ。
「みんなの親愛なる隣人、
鎌八 まもる
だ」
小さなモグラ妖精に懐っこくウィンクをしてみせつつ、まもるはモグラダイヤを差し出す。
「『土の都』や『土の精霊』、『呪の印』について、教えてもらえないかな?」
土の竜ってモグラだよな、とまもるは首を傾げる。
「『竜の尖兵』ってのがモグラの仲間なら、これ効く?」
「竜は竜だよ。どらごん! 大昔っからここに居るおっきなナニカ! 土の精霊たちも、土の竜も、トト一族や僕たちがここに住み着くよりもずっとずーっと前からここに居たの。リアのご先祖がここに住ませてーってお願いして、土地を分けてもらったんだ、って。前に天馬のじいちゃんが言っていた!」
まもるの手からモグラダイヤを受け取り、さっそく齧りつきながら、モグラ妖精は笑う。
「でも、モグラダイヤ美味しいから、ハラヘリ竜は美味しく食べるんじゃないかなあ」
「……土の精霊の気配を、感じ取れたりするかい?」
無心にモグラダイヤを齧る妖精のふかふかの頭を撫で、修が続けて問う。
「もしも感じ取れるなら、一緒について来てもらえないか?」
報酬にと示されたモグラダイヤを物欲しそうな瞳で見つめて後、モグラ妖精は後退る。後足から出て来た穴に潜り込もうとしながら、首を横に振る。
「僕、土の妖精には会ったことないんだ。だから気配は分からない。竜も怖いし、……ごめんね!」
「いや、無理を言って悪かった」
脱兎のごとく土に潜り込んでいくモグラ妖精に笑みを向け、修は夏朝のろっこんで軽くなった鞄を背に負って立ち上がった。
「……ん」
何気なく伸ばした視線の先、どこか呆然としたような顔で準備に余念のないひとりの少女を見つめる同学年の少年、
新田 亮
の姿があった。
「どうした、新田」
「ああ、八神。……いや」
悪い夢から醒めたように瞬きひとつして、亮は鞄に必要な資材を詰める作業に戻る。
(……まさかな)
いつかの恥ずかしい夢に出て来た少女が、こんなところに居るわけがない。
魔風の光が変化したペンダントをお守りのように握りしめ、亮は地面にドカリと胡坐を組む。そうして、地面に広げた己の武器であるボウガンの具合と矢の数を確かめる。双眼鏡に炸裂イモ、テルミツ唐辛子にアンテナアスパラ、足軽小麦。
実際に砂漠に向かい土の竜を目にしてきたリアや天馬、モグラ妖精たちから、竜の顎付近にたむろする『竜の尖兵』たちの情報はできるだけ集めている。
鮫のような形状した尖兵たちは鰭や尾鰭、もしかすると牙にも麻痺毒を持ち、弱って動けなくなった獲物に群がる習性を持つという。それを聞いて、万が一のときのために解毒作用を持つ雲型の薬草も準備した。
弱点や攻撃パターンまでは分からないと言われてしまったが、
(その辺りは実戦あるのみ、か)
資材を詰めた鞄の一番上に小さな袋を何枚か置き、蓋をする。ボウガンを腰の留め金に納め、矢筒を背に負えば準備は完了。
静かに息を吐き、周囲を見回す。先ほどは夢に出て来た少女、
水上 桜
に眼を奪われてしまったが、落ち着いて見れば、屋敷の周りには知った顔も多い。彼らが頼りになることは、寝子島においても星幽塔においても、時に彼らと協力し幾度となく冒険をこなして来た亮はよく知っている。
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シナリオガイド公開日
2017年02月20日
参加申し込みの期限
2017年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月27日 11時00分
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