this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【星幽塔】第三階層 竜の肚には土の都
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
光が爆ぜた。
空を漂う光蟲の幽かな光を一瞬吹き飛ばすほどの大量の光に、響き渡る断末魔にも似た悲しい咆哮に、廃墟の都を探索していた冒険者たちが急ぎ集まる。そうして彼らが見たのは、――蛍にも似た光蟲が穏やかに舞い踊る都の央、おそらくは王の城があったと思しきその場所で倒れ伏し、けれど緊張の糸が切れて楽し気に笑う円と彰尋と、疲れ切って座り込む美咲紀と夏朝と修。それから、その皆に癒しの光を投げかけるまほろ。
「だっ……大丈夫ー?!」
瓦礫の山を転がるように駆け下りつつ叫ぶ桜に、修が手を振り応じる。修が伸ばした視線の先には、水晶珠のように透明の珠となった『呪の印』を胸に、麻痺して動けぬまでも安堵の笑み浮かべる円が居る。
「うわあああ、ありがとうー! ありがとうー!」
『呪の印』が放つ濃紫の煙霧が僅かも触れぬよう守り続けていてくれた由貴奈の腕の中、精霊の仔が号泣じみて泣き崩れた。由貴奈に抱かれ、今はもう静かに透明に輝くばかりの、どこか涙の粒にも似た『呪の印』の前に近づく。
精霊の仔は由貴奈に礼を言い、円の前に立った。
「はい、どうぞ」
円が差し伸べた掌から『呪の印』を受け取り、土の精霊の生き残りは涙まみれの顔中で笑う。
「君は、……」
これからどうするの、と夏朝が問いかけた、その時。
ラピスラズリの空に黒銀竜アルスの咆哮が響いた。夏朝のポケットから覗くアンテナアスパラが明滅した。それが未だ此処に至らぬ月詠の持っているアンテナアスパラから発信された光であると夏朝が気づき、眉を寄せる。
高い天井に反響するアルスの声に、その場の誰もが空を仰ぐ。そうして、見る。
青く蒼い作り物の青空を渡り来る、数十にも及ぶ青白く輝く流れ星を。
清冽なまでに青い光の粒子を撒いて空を駆けてきた煌く光は、長い尾を引くまま、精霊の仔が抱く透明な珠に次々に雪崩れ込んだ。
「うわ……?!」
光の眩さと勢いによろける精霊の仔を咄嗟に支えようと手を伸ばし、支え切れずに一緒に尻もちをつく彰尋の視界を鮮やかな空色に染めて、青白い光は『呪の印』に全て吸い込まれる。
「入口の、顎の方から来たで」
黒銀の翼をゆったりと羽ばたかせて着地するアルスの背から飛び降り、剛が彰尋と精霊の仔のもとへと駆け寄った。
「たぶん、あれやな。俺らが倒した『竜の尖兵』」
最後の一体を行動不能にした途端、身を構成する土と岩を崩してその場に燃え上がった熱持たぬ青白い炎。
「なんやっけ、……竜の気? やんなー?」
少し離れた瓦礫の山の上に立つリアが、剛の言葉を受けて頷く。
「呪に侵され変質していた竜の気が、君たちの宿す星の力によって浄化されたんだろう」
母である竜の気と、父である精霊が作り出した『呪の印』。冒険者たちの尽力により呪から解放された『精霊の印』は、精霊の仔の手の中、ふわりとかたちを変えた。
それは、蒼空の鱗持つ小さな小さな竜。
仔犬ほどの大きさしかない、古の竜の気と精霊の印から新たに生まれた仔竜は、己を囲む冒険者たちを蒼い瞳でぐるり見回し、ぱかりと口を開いて欠伸した。飛べない小さな翼を羽ばたかせ、きゅうと鳴く。同時にぐるると鳴る竜の腹に、精霊の仔ごと仔竜を抱きしめ、彰尋は顔中で笑った。
「……食うか?」
ことのなりゆきを見守っていた亮が、鞄の底に残っていたモグラダイヤを引っ張り出し、仔竜の口元に差し出す。小さな両前肢でモグラダイヤを抱え込み、持ち切れずに後ろにひっくり返りながらも、仔竜は旨そうに齧り始めた。
「竜の仔になったのか」
スケッチブックと明滅するアンテナアスパラを脇に抱えて現れた月詠が、空を奔った竜の気の顛末を一目で読み、呟く。
「あ、宝物庫の腕輪だ」
その月詠の手首を飾る幾つもの腕輪を目にして、精霊の仔が小さく零した。
「あちらに転がっていた。返そうか?」
「ううん」
何でもないように言う月詠に、精霊の仔は首を横に振る。モグラダイヤに夢中な仔竜の頭を撫で、冒険者たちを見回す。
「都のものも、竜の肚にあるものも、好きに持って行っていいよ」
「いいのか?」
考えこむ修に向け、精霊の仔は大きく頷く。微笑まし気に仔竜を眺める亮には拳大の新緑の宝石を、その傍に居た悠月には深紅の宝石を、被った毛皮のどこからか取り出してひとつずつ手渡す。
「持ってるとずっとあったかい。光も熱も、ずっと消えないよ」
受け取る亮と悠月の掌で、宝石はそれぞれの色した暖かな光と穏やかな熱を放った。
「土の竜の体は、もう抜け殻。王も民も死した土の都も、もう抜け殻だもの。死者に宝は持ち腐れ。生きているひとたちで山分けするといい」
「でも、君は」
頭から被った獣の皮の下で睫毛を伏せる精霊の仔の両頬を、夏朝は両手で挟む。太陽の光を知らぬような白い頬を、金色の瞳を上げさせられ、精霊の仔は心底不思議そうに瞬いた。
「宝物、欲しいでしょう?」
「可能なら少しでも貰えたら嬉しいけれど、……でも、君は? 君はこれからどうするの?」
「しばらくは、この仔とここに残るよ。『呪の印』に呑まれて体は残っていないけど、王やみんなの魂のためにこの仔と一緒に祈る。宝物はあちこちに持ち切れないくらいあるから、持ち出しがてら時々遊びに来てくれると嬉しいな」
「それが、終わったら?」
暖かな手に頬を挟まれたまま、精霊の仔は首を傾げる。
「さあ」
うっかりそのまま仔竜と一緒に砂漠で消えてしまいかねない雰囲気を感じ取り、眉をひそめる夏朝の隣、修がしゃがみこんだ。ひょいと手を伸ばし、獣耳の残る毛皮を被る精霊の仔の頭を撫でる。
「俺は、サジタリオで友人達や現地の人々と武器屋併設コンビニをやってる。店の名は『ねこよろず』。今回の報酬として、この地にも支店を開店させてもらおうと思っている。具体的には、……そうだな、まずは彼の農場の近くかな」
リアを示し、微笑む修の言葉の意図を最初に読み取ったのは、傍らに居た美咲紀だった。
「あっ、私! 私はですね、更にその近くに畑を作らせてもらって、『ねこよろず』で売りたいの。こっちの採れた野菜をサジタリオに持って行ったり、サジタリオで採れた野菜をこっちに持って来たりさせたいのですよ」
それでそれで、と美咲紀は出来るだけ明るく続ける。
「……リアさんの農場で出来た野菜は美味しいんですよ! その仔竜さんが夢中なモグラダイヤも農場で採れたものなのです!」
「僕も、土地を譲渡してもらうよ」
美咲紀のあと、夏朝が続ける。
「開墾頑張って、……後々、新種作物を発見したり、栽培したりできたら……」
「何なに、夢の話? いいね、楽しそうだね!」
黒毛の馬を引き連れ、まもるが楽し気に笑う。
「オレは自分の牧場をもつのが夢なんだ。まずは農場近くの土地を分けて貰って、――あ、名前はもう決めてある。エイトサイス牧場ってんだ」
イカしてんだろ?、とウインクするまもるに、精霊の仔は目を丸くしつつも頷き返した。農場、コンビニ、牧場。竜の肚の底まで危険を冒しても助けに来てくれた彼らはたくさんの『やりたいこと』を、夢を持っている。
助けられた己は、何ができるだろう。助けられた命を使って、何をしたいのだろう。
「畑で収穫したものを置いとける場所とか欲しいよな」
アカリが言い、リアを見る。
「寝泊りできそうな家とか小屋とか、貰えると嬉しいかな?」
「薬を作る工場までの水路が欲しい」
リアの護衛を務め、土の都の測量や地図作製も行っていた天吏もリアを見遣る。あえて報酬を貰えるのならばの話ではあるけれど、もしもそれが叶うのならば、工場の定期メンテナンスがずっと楽になる。鳥の餌になる虫や魚が住み着けば、環境保全にもきっと役立つ。
「畑でも施設でも」
くすり、月詠が強気な笑みを見せた。
「使えると色々便利だと思うんだ。自分でコーヒー作ったりね」
「こーひー?」
首を傾げる精霊の仔に、月詠は得意げに肯う。
「土の竜の肚から出て、今度飲みにおいで。私がこっちに持ってきてもいいけど、……出ておいで。それまでに用意しておこう」
月詠に目配せされ、リアは破顔一笑する。
「農場も、『こんびに』も、水路も小屋も施設も。僕もうちの精霊たちも総出で用意しよう。何せ竜に呑まれそうだった全てを護ってくれた英雄たちの望みだ」
だから、と冒険者たちの優しい眼差しを受け、竜の肚の土の都を彩るラピスラズリの空の下、精霊の仔と竜の仔は、――冒険者たちに救われたふたりは、揃って笑った。
「みんなに会いに、行くよ。いつか、ふたりで」
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
竜の肚での冒険譚、お届けさせていただきます。
読んでくださいまして、ご参加くださいましてありがとうございました!
少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。
土の竜の抜け殻はこれからずっと、最果ての砂漠に静かに横たわることとなります。
その身の内にたくさんの宝物を隠して。
精霊の仔と仔竜は土の都にしばらく残るようです。そのあとのことは、……いつか、また。
さてさて、みなさまが入手されました報酬や竜の肚から持ち帰られました宝物はこんな風となりました。
入手されたものは換金されるなり、加工されるなり、どうぞお好きにお使いください。
■全員が手に入れたもの(任意で入手・未入手の決定が可能です)
・【竜の尖兵の砂】 微量の麻痺毒を含んだ黒紫の鉄砂。鱗や牙の形をしたものも。
・【水晶窟の石】 近づけた光源の色と光をしばらくの間写し取る不思議な鉱石。
・【虹色珊瑚の欠片】 虹色に煌く珊瑚の欠片。
・【蜂蜜酒】 リア・トト謹製おいしい蜂蜜酒。
■個別に手に入れた報酬等 (敬称略)
恵御納 夏朝 【第三階層大農場内の耕作地】、【妖精の粉(残り二回分)】
大天使 天吏 【第三階層の薬工場までの水路】、【竜の牙の破片】
鎌八 まもる 【第三階層大農場内の土地】
来島 アカリ 【第三階層大農場内の二階建ての小さな家】
鴻上 彰尋 【妖精の粉(残り二回分)】、(仔竜と精霊の仔が妙になつきました)
桜庭 円 【トト農場の農作物の山】【妖精の粉(残り二回分)】
獅子目 悠月 【深紅の宝石】、【妖精の粉(残り二回分)】
旅鴉 月詠 【第三階層大農場内の耕作地】、【小規模施設】、【宝物庫の宝(換金可能品、高額)】
椿 美咲紀 【第三階層大農場内の耕作地】
遠野 まほろ 【トト農場の農作物の山】
新田 亮 【新緑の宝石】
服部 剛 【割と手になじむ手斧】、(仔竜は黒銀竜アルスがとても気になるようです)
水上 桜 【トト農場の農作物の山】
壬生 由貴奈 【トト農場の農作物の山】
八神 修 【『ねこよろず』第三階層支店用建物】(+現地雇用員希望な数人の妖精)
冒険、お疲れさまでした。
またいつかお会いできましたら嬉しいです。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【星幽塔】第三階層 竜の肚には土の都
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月20日
参加申し込みの期限
2017年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!