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せんせいといっしょ:早川先生編
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【本の華】
とりもなおさず、本とは一体、何のための情報媒体たるべきか?
倉前 七瀬
の主張たるや筋金入り、まことに極まりまくった、真の読書家のそれでありました。
「ああ、先生! そのページやったら、絵ばっかりでダメです。確か後半のほうに、文字でびっしりのページがあるはずなんで、そっちば開いて飾ってください」
「そうかい? こんな感じ?」
早川 珪
先生は若干の戸惑いを見せつつも、七瀬の言うとおりに文字がビッチリの遠目には真っ黒いページを開くと、本を傷めないよう軽くクリップで留め、開いた状態のまま机へ設置しました。
そう。文字! 活字! 繊細な筆致で描き込まれた見目鮮やかな挿絵でもなく、美しい情景を見事に切り取った写真でもなく、文字それこそが本の華、本たるがゆえん。彼はそう、固く信じてやみません。
つまるところ、七瀬はいわゆる、活字中毒なのでした……それも純粋まじりっけなしの。
図書館に通い倒し、旧市街の
古書喫茶
の常連であり、もちろん日頃学校の図書室にも良く顔を出す彼のこと。早川先生主催、今回の『ミニコーナーを作ろう!』イベントの告知など掲示板に見つけてしまっては、七瀬はもはや、参加せずにはいられなかったのでした。
「挿絵や写真は見せずに、あくまで文字で埋めるということだね、分かったよ。あれ、これは絵本みたいだけど」
「ああそれは、このへんの……ここのページば開いておいてください」
「なるほど。変わった絵本だなぁ、ところどころ文字でいっぱいのページがあるんだね」
「だから、絵が少ないけんって理由で、人気ないみたいですが……」
早川先生にも手伝いをお願いして、机の一角、七瀬のためのミニコーナーが活字で埋められていくにつれ、彼の胸には何とも言えない、素敵な充足感が満ちていきます。
けれど同時に、彼にはどうにも、良く分からないことがありました。
「僕としては、絵よりも文字があったほうが嬉しいんですけど……他の人は、違うんですかね?」
文字こそ全て! 彼にとっては、活字がそこにあれば満足なのであり、挿絵の類はいっそ邪魔にしかなりません。何しろ、細かな文字がぎちぎちに敷き詰められた、分厚く重たい、猫省堂(にゃんせいどう)刊『超明解・国語辞典』でさえも、彼にかかっては極上の読み物に変わってしまうのです。机の上で枕にしてしまう居眠り学生もいる中で、確かに七瀬のそういった趣味嗜好は、変わっていると言わざるを得ないのかもしれません。
けれど、
「どちらも、僕は良いと思うな」
早川先生は、静かに微笑みながら、言いました。
「挿絵があるとパッと目を惹くし、書かれていることが一目瞭然だからね。絵をきっかけに本を読もう、と思う人だって多いし、好みの絵が載っていると嬉しくなってしまうよね。でも、あまりに具体的な表紙や挿絵は、読む人のイメージを制限してしまうから、好まないという人もいる。一見無味乾燥な文章から、頭の中でどんどん想像がふくらんでいく過程もまた、やっぱり楽しいんだ。僕はね、どちらも分かるんだよ」
「そう、ですか? それじゃ、どげん思いますか? 僕の作ったミニコーナー」
七瀬は目の前に作り出した自分の世界へ、こう名付けました。
並べたページの中央、画用紙で書いたタイトルは、題して、『文字の海』!
彼の愛する活字のまさしく大海へと飛び込むような、50cm四方、小さいながらも至高の空間を眺めて……早川先生はやっぱり、力強くうなずいてくれました。
「もちろん! すごくいいと思うよ。君らしくてすばらしいと、僕は思う」
先生の言葉に、七瀬は思わず嬉しくなって、に、と笑みを浮かべました。
大天使 天吏
は、そんな開かれたページの数々を興味深く見下ろして、へえ、と短くつぶやきます。
「そういう切り口。面白いわね」
「やあ、大天使さん。そっちはどうかな?」
机の上に出現した文字の海、そのすぐ側に、天吏の構築する世界は、徐々に形を成しつつありました。
天吏もまた、何かと図書室を利用するひとりです。興味を惹く事柄があると、調べものに訪れては、ひとり静かに本を読みふけることが良くありました。何しろ天吏には、研究しなければならないことが、大いにあるのです。寝子島。鳥。神。人間について……。
司書教諭、早川先生とはそんな中、時折言葉少なながらに会話をかわすこともありました。会話は、とてもとても、重要です。いかに天吏が無口で不愛想であったとしても、好意的な会話は相手に天吏への信頼を抱かせ、油断を誘うことにもなるのです。
天吏が、その大いなる目的……カラスの神へ恭順の意を示すため、図書室を取り仕切る彼や、文字の海の作り手たる七瀬を始めとした生徒たちと少なからず友好的な関係を築くことには、ちゃんと意味があるのです。
もっとも、そればかりというわけでもありません。
「こちらも、順調ですよ。『世界の数学史:世界の数学者』シリーズは、これで全部配置できたわね」
「壮観だなぁ。ピタゴラスに始まって、フィボナッチ、デカルトに、ベルヌーイに……」
「オイラー、ガウス、リーマン、ラマヌジャン、ノイマン……まだまだありますよ」
「おお……文字がいっぱいだ!」
嬉々として、七瀬はその中の一冊を手に取り、ぱらぱらとめくり始めました。内容はなんでもいいようです。
掲げた目的のため……そればかりというわけでは、ないのです。人付き合いが堪能とは言いがたい天吏が、こうして大勢の集まる図書館へと足を運び、早川先生の勧めに従い設けた彼女のミニコーナーは、純粋に、彼女の興味の産物でもありました。
「この前、
シマリス書店
でアルバイトをしてて」
「そうだったね。フェアを開催中だったよね、確か」
「はい。でも、私はどちらかというと接客が中心で、フェアにはあまり関われなかったから……」
自分の好きなものを、好きなように表現する。ほかでもない、天吏自身が。何だかそんなことに、ずいぶんと、興味を惹かれてしまったようなのです。
そのためでしょうか、本日の彼女のテンションときたら、どうにもちょっぴり、高めでありました。
「世界史や日本史のように、数学や化学も、今でも使われてるようなすごい法則や数式を発見した学者たちがいて……それをドラマチックに、体系的に教えることができれば、きっと人気が出ると思うんです」
「うん。僕も、良い着眼点だと思うよ」
早川先生のそんな言葉に、気を良くしたものでしょうか。天吏はいつになく浮かれた様子で、ふんーっと得意げに小鼻から息を吐き出して、
「誰が、どの方程式を見つけたか? そしてその生涯、人生の裏側に迫ってみるのも、きっと楽しいんじゃないかって。たとえば、レオンハルト・オイラー。彼は片目を失明していながらも熱心に数学の研究を続けて、プロイセン王フリードリヒ2世に称賛されました。その後もう片方の目も失明してしまったけど、その意欲は衰えるどころか、ますます精力的に研究を続けて……」
「うん、うん」
熱弁を振るう天吏に、先生は優しい微笑みのまま、真摯にうなずいてくれます。
「インドの数学の魔術師、シュリニヴァーサ・ラマヌジャンも面白いですよ。彼はとても直感に優れた数学者で、彼の提唱した定理にはいくつも間違っていたりほかの誰かがすでに証明済みのものもあったけど、中には高名な学者がその時点ではまだ未公表だった数式をぴたりと言い当てているものがあったりして、周囲を驚かせたんです。でも、彼はその数式の過程を証明するという概念を持っていなかったから、うさんくさがられたり、聞かれても『神さまが教えてくれた』などと言ってますます狂人だと思われてしまったり。現代の数学者たちも、一体どうやってこんな数式を思いついたのか? とその天才ぶりに舌を巻くばかりで……」
澄ましていても、いつだって凜としていても。天吏にだって、熱くなれるものはあるのでしょう。
「へえ、面白いですね! その人、どげんしてそんなこと思いついたんでしょうねー」
「うん。大天使さん、そういったところを、一緒に紹介してみたらどうかな?」
「……なるほど、そうですね。数学者の写真と、代表的な数式、それに興味を惹くようなエピソードを紙に書いて……あ、天井につるすのも良いかもしれませんね。脚立をお借りしても良いですか?」
「もちろん!」
かくして生み出されたのは、『文字の海』と『数式の空』。
その羅列は一見、見る者を圧倒してしまうものの、もちろん、七瀬や天吏のようにその分野へ並々ならぬ情熱を持つ読書家たちには、垂涎のコーナーであったことでしょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月26日
参加申し込みの期限
2017年02月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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