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せんせいといっしょ:早川先生編
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【舞台裏】
とおりゃんせ とおりゃんせ
ここはどこの 細通じゃ
天神さまの 細道じゃ
「ちっと通して下しゃんせ……ふふっ」
ぽそり、ついつい口ずさみます。
一条 紗矢香
のコーナー作りは、なかなかに本格的に見えました。本の紹介カードは、手触りのよい和紙を切り抜いたもの。硯で墨をすり、ちょちょんと筆になじませたら、とても良い姿勢ですいすいと和紙の上を走らせ、達筆な紹介文を書きました。あまった和紙は、はさみでちょきちょきと切り抜いて、可愛らしい人形に仕立てます。折り紙でぱたぱたと花を折り、それらに添えたなら、何とも格調の高さを感じる、小粋な和の飾りが出来上がりました。
「ん、上出来♪ さて……この手の本の紹介は、どこに置いたらいいかしら?」
図書室の中を見回すと、あちらこちらに少しずつ、生徒作のミニコーナーが出来上がりつつあって、紗矢香も楽しくなってきてしまいます。オーソドックスに机の上? それとも本棚の一角をお借りしようかしら。天井から下げるのも面白いし……いっそ床の上? 邪魔になってしまうかな。
なんて、あれこれと考えを巡らせていたところへ、
「やあ、順調かい? 一条さん……おっと、これは雰囲気があるね」
「あら、先生。ええ、とっても順調ですよ」
やってきた珪先生は目を見張って、紗矢香の作った飾りを覗き込みます。
「ちょうどよかった。先生、少しお時間をいただいてもよろしいですか?」
「うん、なんだい?」
「好みの場所でいいということでしたけど、どのスペースに設置したらいいか、少し悩んでしまって」
「なるほど、そうだね……」
ふむ、と先生は腕を組み、真剣な表情。
(……あら)
紗矢香はその横顔に、ふと、好感を抱きます。珪先生とはこれまで、それほどに話す機会はありませんでした。パッと見は確かに、どこかホストのようにも見えて、軽薄な印象を受けなくもありません……けれどこうして実際に触れ合ってみたら、彼は実に生徒思い。ひとりひとりと真摯に向き合う、良い先生であるようなのです。
「紹介する本が、『日本のわらべうたを知る』だからね。童謡や民謡が置いてある……このあたりの本棚はどうかな? 日本の民謡だけじゃなくて、すぐ側にマザーグースなんかも置いてあって、この本を手に取ったのをきっかけに、対比してもらうのも面白いかもしれない」
「なるほど、素敵ですね! それじゃ、こちらをお借りしようかしら」
「うん。それじゃ、僕も手伝うよ」
なんて、先生は設置作業までも手伝ってくれました。ますます、良い人です。その誠実そうな表情には、紗矢香の顔にも思わず、微笑ましい笑みが浮かびました。
「ふふ……」
「紹介カードに、この和紙の人形を添えれば……うん? どうかしたかい?」
「いえ、ありがたいなぁって。そういえば、早川先生は、わらべうたは好きですか? 私、この前この本を読み終えてから、とても興味が湧いてしまって」
「なかなか奥が深い題材だよね。有名どころなら、僕もいくつか知ってるよ、かごめかごめとか……はないちもんめ、げんこつやまのたぬきさん。あんたがたどこさ」
「ああ、いいですね! 私は、とおりゃんせが好きで、この本を手に取ってみたんです。そうしたら、ひとつのうたにも、本当にいろいろな解釈が書かれていて、本当に興味深くて」
「そうそう、とおりゃんせには、少し怖い解釈もあるんだったっけ」
「そうなんです。この本にはそういう説もたくさん載っていて……あ。怖いのが苦手な人のために、注意書きをしておいたほうが良いかしら……?」
「うん、それも書いておこうか。むしろ、怖い話が好きな人にも興味を持ってもらえるかもしれないよ?」
そんなこんなで、本棚の民謡コーナーの一角には、雰囲気たっぷり! 素敵な和のミニコーナーが誕生したのでした。
ちょうど、その近くで作業をしていたのが、
鴻上 彰尋
でした。とおりゃんせ、とおりゃんせ……なんて、紗矢香が楽しそうにそらんじるのに、彰尋はつい気になって、ひょいと覗き込みます。
「わらべうたか……そんなに深い意味があるんだな」
「うん、そうなんだ。鴻上君、そっちの出来はどうだい?」
「ええと、今、こんな感じです」
一見すると、彰尋の紹介する本の並びは、それらは概ね小説ではありながら、どこか雑然としているようにも思えます。けれどそこには、もちろん、彼なりの重要なテーマがあるのです。
「『風と共に去りぬ』。『椿姫』。日本の作品もあるね、『放浪記』と……ああ。それにイプセンの、『人形の家』。
あの時
入れた本だったね。ということは、やっぱりこのラインナップは、君のおじいさんの?」
「はい。じいさんの台本にあった作品を中心に選んでみたんです」
舞台俳優であった彰尋の祖父については、珪先生には一度、聞いてもらったことがありました。とても興味を持ってもらえて、おまけにその日届いた本の中には、祖父の演じた舞台の原作となった作品がいくつも含まれているのだと、教えてくれたのです。
「まあ。おじいさまは俳優さんだったの? 素敵ね、それって」
「あ、うん。そうなんだ」
かたわらの紗矢香も、微笑みながらそう言って『人形の家』を手に取り、ぱらりとめくります。
開いた本棚に、表紙を見せて並べられた本たちには、彰尋の手による簡単な内容紹介が添えられていて、派手な飾りなどはなく、あくまで本を主体としたシンプルなコーナーです。けれど、
「なるほど、作品そのもののあらすじに加えて、舞台の台本としての観点も盛り込まれてるわけだ。これは確かに、君ならではの切り口だね」
「ああ、そういえば、そんなことも書いたかな……でも何だか、俺のためのコーナーになってしまったような」
「うん、それでいいんだよ。それが一番さ」
もちろんこれらは、彰尋自身の興味からのチョイスではあります。けれどだからこそ、誰かの興味も惹けるような紹介だってできるのでしょう。好きでもない本を無理やりに語るだなんて、そんなのはきっと、聞かされるほうだってつまらないに違いありませんから。
「そうですね。自分が好きな本が、誰かに読まれて……同じように好きになってもらえたら。嬉しいですよね」
「分かるわ。趣味や好きなものを誰かと共有できるのは、嬉しいものよね」
紗矢香もいくつか気になるものがあったようで、今度は『放浪記』の表紙を眺めています。
珪先生も、どこか満足そうに笑って、
「今回のミニコーナー作りで、そういう感覚もみんなに味わってもらえたら、僕も嬉しいし、企画した甲斐があるよ。そうやって本好きな人が増えていってくれれば、なおいいね」
「そういう人は、けっこういるんじゃないかな……どのコーナーもすごく凝ってるし、目を惹きますから」
少し、自分のところはシンプルすぎたかな? と彰尋はちらり、思ったりもしますけれど。むしろ、それがいいのです。彰尋の、彰尋による、彰尋のための、ミニコーナー! 彼の思いが込められているからこそ、目を留めてくれた誰かには、きっと強い印象を残してくれるはずです。
「うん。一条さんのわらべうたも、鴻上君のラインナップも、どちらも良いコーナーに仕上がってるよ。ありがとう、ふたりとも」
にっこり、珪先生に爽やかな笑顔でそう言われると、紗矢香も彰尋も、何だか胸にじんわりと、あたたかなものが広がっていくのを感じるのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
14人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月26日
参加申し込みの期限
2017年02月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年02月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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