【星幽塔】第十一階層　極圏のハレーション｜リアクション

【星幽塔】第十一階層　極圏のハレーション

　第二形態。
　武道、刀らが予測した「芋虫」である第一形態に対する「蝶」

　光の塊がゆっくりと励起していく。
　醜い幼生から、美しい成体へと。
　優美で、恐ろしく妖しい、人間の想像力を超越したその姿。
　巨大な羽根は全天を覆うばかり。
　荒れ狂う星の力の乱舞が、あちこちにオーロラを渦巻かせる。
　とめどない、極光のハレーション。

　
　――その時、星の力が急激に励起した。
　まるで世界そのものが、星の力を行使したよう。

　

　曇天が急に渦を巻いた。
　辺りの気温が、急激に低下する。
　
　天空にあまねく存在する、氷の隕石。
　アイス・アステロイド。
　成層圏で燃え尽きることなく、地表近くで遊弋するそれらを、自らの思うままに操作する。
　ひどく小さなそれらに、空気中の水分を纏わせ、氷塊として激突させる。

　
　今まさに竜の形をとる光の塊。
　その上方部、巨大な氷の塊が現出する。
　鮮やかな星の力の光芒を放って、アステリズムの奥義が、鉄槌となり竜の頭部に激突する！！
　