- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第十一階層 極圏のハレーション
「私……神威に伝えたいことがある……」
アリス・ミーティアのつぶやきを耳にして、一同は顔を上げた。
ドラゴンの到着を間近に控え、各自が最後の準備を確認していく。
時間に余裕はない。他のことに気を回すことはできない。
それでも、アリスの言葉は、耳をそばだてさせる切実な響きがあった。
「神威を助けたい……」
氷柱に囚われ、全ての力を封じられている双子座のアステリズム、神威。
いつも元気なアリスの、そぐわない真摯な様子に、一同はミッションの重大さを改めて痛感する。
「村にはまだ人がいるはず――大変です！ 皆さん、がんばリリエルなのです！」
同じほしびとであり、Ｂａｒアストラルで給仕として働くリリエル・エーテライトが、気丈に声を掛ける。
「気合入れて、がんばらなくちゃね」
リリエルの肩からひょっこり顔をのぞかせ、虎の獣人メリィ・ランページも快闊な笑顔を向ける。
白い羽をひらめかせて、ペルラ・サナーレが頷いた。
寝子島島民たちと、それぞれ違った身体的特徴を備える、彼らは「ほしびと」である。
寝子島に星幽塔が顕現し、お互いを見知る機会が増え、互いを仲間と認めあう者が増えてきた。
先般、星幽塔から寝子島へと開かれる道が発見され、繋がりは一層深まってきた。
ここにいる彼らは、ほしびとの中でも一際好奇心にあふれ、果敢な精神の持ち主。
寝子島に率先して赴き、さまざまな事件に触れた。
アリスとリリエルのように、互いに顔見知りも多い。
今回、星幽塔の有事にあって、共同戦線を張るにふさわしいメンバーだ。
ほしびとの外見は、その年齢にそぐわない。
少女の姿をした彼女たちであっても、一流の戦士であり、不屈の冒険者であった。
そんな彼らを見遣る二人組もほしびとだ。
ブロンドの髪を持つ優美な少年と、大柄な男性。
ヴェルト・レトランジェと、メーベル・コルテージュ。
彼らの存在に気付いた者が、ひそかにささやきを交わす。
星幽塔でも名の知られた『万事屋』。
興味の向いた仕事に首をつっこんで、鮮やかに解決してしまう。
年齢不詳の美少年と、付き従う執事。
神出鬼没の二人。
戦闘能力は計り知れない。
が、噂通りなら、この度のミッションの有力な手助けになってくれることは間違いはなかった。
「はいなのー」と防寒着を差し出すステラに、恭しく礼を言うヴェルト。
氷点下を下回るこの環境は、ひとであれほしびとであれ苛烈である。
当座をしのぐための防寒用具が必須。
ステラが、各自に装備品や日用品を配っていく。
「羽織るものだけでも、貸してくれたりしないかな？」
体をぶるぶるっと震わせるメリィに、「はいなのー」と毛布を渡すステラ。
丁寧にお礼を言って、そのままマントのように包まるメリィ。
虎の毛皮の彼女にしても、吹き付けるブリザードはあまりにも苛烈。
単に雪山というだけではない、何らかの力による気候の変容が予想される。
「ふえー、さむいねえ……」
首を竦めてぶるぶるっと震えるメリィに、皆が頷いた。
「おっ、防寒着とはステラも人が良いな。寒いから助かったぜ」
ガハハと笑うのは、ゲース・アイルンアルム。
万事屋の二人とはまた違った意味で、彼も有名人だ。
「どっちかっていうと、キレイなお嬢さん方の人肌であっためてほしかったけどな！」
意味が解らず首をかしげるステラに、わからなくていいから、と何人かが首を振る。
「ウインタースポーツ日和だな！ ロッジでココアでも入れて待っててくれ」
緊張感を感じさせない様子で大声を張り上げるゲース。
最後の騎士と自称するも、その正体は「無銭飲食」「借金踏み倒し」「セクハラ」の常習犯。
悪い噂に事欠かぬ、人呼んで「ゲス騎士」。
此度のミッションの参加意図はどこにあるのか。火事場泥棒か、はたまた寝返りか。
飄然とした様子から、それをうかがい知ることはできない。
優美な飛龍の傍らで、不敵な笑みを浮かべるのはグレッグ・グロッグ。
褐色膚で、剣呑に目を光らせる、彼もまたほしびとだ。
「さぁて、どれだけ現れるかな……」
大ぶりな曲刀を肩に載せ、にやりと笑うのはレグルス・シェルタン。
数々の戦場を越えてきた、歴戦の古戦士たる二人、今回はワイバーンの掃討役。
と同時に、戦場を生きる者の常として、新たな戦術にも挑んでみたい気持ちがあった。
「ちょうど、もれいびって奴らが来ているみたいだし……」
掌に、ぼうっと星の光を揺らめかせるグレッグ。
星幽塔民と、寝子島の人々が触れ合う事で見出された、あらたな星の力『虹』。
奇妙な力「ろっこん」を共有し、限定的ながら使用を可能にする。
利用を危険視する向きもあったが、互いの力を共有することで困難な状況を踏破する事例も見出されてきた。
（使用を、考えてみるか……）
グレッグの申し出に、快く応じた青年がいた。
彼に歩み寄り、手を差し出す。
「おお、眼鏡の兄ちゃんは麻痺させる力があんのか。よし、試しにお前さんのろっこんをコピーさせてくれ」
彼の額に触れようとして、グレッグは訝し気な表情を浮かべる。
「ちょっと待ってくれ。さっきの名前……シバ……志波、って……」
アリス・ミーティアのつぶやきを耳にして、一同は顔を上げた。
ドラゴンの到着を間近に控え、各自が最後の準備を確認していく。
時間に余裕はない。他のことに気を回すことはできない。
それでも、アリスの言葉は、耳をそばだてさせる切実な響きがあった。
「神威を助けたい……」
氷柱に囚われ、全ての力を封じられている双子座のアステリズム、神威。
いつも元気なアリスの、そぐわない真摯な様子に、一同はミッションの重大さを改めて痛感する。
「村にはまだ人がいるはず――大変です！ 皆さん、がんばリリエルなのです！」
同じほしびとであり、Ｂａｒアストラルで給仕として働くリリエル・エーテライトが、気丈に声を掛ける。
「気合入れて、がんばらなくちゃね」
リリエルの肩からひょっこり顔をのぞかせ、虎の獣人メリィ・ランページも快闊な笑顔を向ける。
白い羽をひらめかせて、ペルラ・サナーレが頷いた。
寝子島島民たちと、それぞれ違った身体的特徴を備える、彼らは「ほしびと」である。
寝子島に星幽塔が顕現し、お互いを見知る機会が増え、互いを仲間と認めあう者が増えてきた。
先般、星幽塔から寝子島へと開かれる道が発見され、繋がりは一層深まってきた。
ここにいる彼らは、ほしびとの中でも一際好奇心にあふれ、果敢な精神の持ち主。
寝子島に率先して赴き、さまざまな事件に触れた。
アリスとリリエルのように、互いに顔見知りも多い。
今回、星幽塔の有事にあって、共同戦線を張るにふさわしいメンバーだ。
ほしびとの外見は、その年齢にそぐわない。
少女の姿をした彼女たちであっても、一流の戦士であり、不屈の冒険者であった。
そんな彼らを見遣る二人組もほしびとだ。
ブロンドの髪を持つ優美な少年と、大柄な男性。
ヴェルト・レトランジェと、メーベル・コルテージュ。
彼らの存在に気付いた者が、ひそかにささやきを交わす。
星幽塔でも名の知られた『万事屋』。
興味の向いた仕事に首をつっこんで、鮮やかに解決してしまう。
年齢不詳の美少年と、付き従う執事。
神出鬼没の二人。
戦闘能力は計り知れない。
が、噂通りなら、この度のミッションの有力な手助けになってくれることは間違いはなかった。
「はいなのー」と防寒着を差し出すステラに、恭しく礼を言うヴェルト。
氷点下を下回るこの環境は、ひとであれほしびとであれ苛烈である。
当座をしのぐための防寒用具が必須。
ステラが、各自に装備品や日用品を配っていく。
「羽織るものだけでも、貸してくれたりしないかな？」
体をぶるぶるっと震わせるメリィに、「はいなのー」と毛布を渡すステラ。
丁寧にお礼を言って、そのままマントのように包まるメリィ。
虎の毛皮の彼女にしても、吹き付けるブリザードはあまりにも苛烈。
単に雪山というだけではない、何らかの力による気候の変容が予想される。
「ふえー、さむいねえ……」
首を竦めてぶるぶるっと震えるメリィに、皆が頷いた。
「おっ、防寒着とはステラも人が良いな。寒いから助かったぜ」
ガハハと笑うのは、ゲース・アイルンアルム。
万事屋の二人とはまた違った意味で、彼も有名人だ。
「どっちかっていうと、キレイなお嬢さん方の人肌であっためてほしかったけどな！」
意味が解らず首をかしげるステラに、わからなくていいから、と何人かが首を振る。
「ウインタースポーツ日和だな！ ロッジでココアでも入れて待っててくれ」
緊張感を感じさせない様子で大声を張り上げるゲース。
最後の騎士と自称するも、その正体は「無銭飲食」「借金踏み倒し」「セクハラ」の常習犯。
悪い噂に事欠かぬ、人呼んで「ゲス騎士」。
此度のミッションの参加意図はどこにあるのか。火事場泥棒か、はたまた寝返りか。
飄然とした様子から、それをうかがい知ることはできない。
優美な飛龍の傍らで、不敵な笑みを浮かべるのはグレッグ・グロッグ。
褐色膚で、剣呑に目を光らせる、彼もまたほしびとだ。
「さぁて、どれだけ現れるかな……」
大ぶりな曲刀を肩に載せ、にやりと笑うのはレグルス・シェルタン。
数々の戦場を越えてきた、歴戦の古戦士たる二人、今回はワイバーンの掃討役。
と同時に、戦場を生きる者の常として、新たな戦術にも挑んでみたい気持ちがあった。
「ちょうど、もれいびって奴らが来ているみたいだし……」
掌に、ぼうっと星の光を揺らめかせるグレッグ。
星幽塔民と、寝子島の人々が触れ合う事で見出された、あらたな星の力『虹』。
奇妙な力「ろっこん」を共有し、限定的ながら使用を可能にする。
利用を危険視する向きもあったが、互いの力を共有することで困難な状況を踏破する事例も見出されてきた。
（使用を、考えてみるか……）
グレッグの申し出に、快く応じた青年がいた。
彼に歩み寄り、手を差し出す。
「おお、眼鏡の兄ちゃんは麻痺させる力があんのか。よし、試しにお前さんのろっこんをコピーさせてくれ」
彼の額に触れようとして、グレッグは訝し気な表情を浮かべる。
「ちょっと待ってくれ。さっきの名前……シバ……志波、って……」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年04月22日
- 参加申し込みの期限
-
- 2017年04月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年04月29日 11時00分
