this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【星幽塔】第七階層 消え去った情熱をもう1度
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
つぎへ >>
●それぞれの情熱~
来島 アカリ
と
ロベルト・エメリヤノフ
の場合~
アカリに並んで横に立つロベルトの顔をちらりと盗み見る。にこにこと笑っていて、アカリの視線に気が付くと、なんだい? と微笑みかけてきてくれる。
「いや、えっと……俺が先でもいい……ですか?」
「もちろん!」
ずっと考えていたけれど、やはり自分の情熱を伝えるならば演劇で、どうせなら目の前で演じて見せようとアカリは腹を決めた。アラビアンな雰囲気と調度品に囲まれた部屋ならば、演目は1つしか浮かばない。けれど、王様役は自分向きではないし、できれば相手役が欲しいと考える。
「先輩、相手役をお願いできますか?」
「相手役を……いいのかい!? それは光栄だね」
快く頷いてくれたロベルトに位置を指定して座ってもらい、レオーネに話し掛けた。
「初めまして、レオーネさん。俺は来島アカリです、今からアラビアン・ナイトの一夜をご覧にいれ……ます」
「アラビアンナイト……異国の物語か?」
「はい、どうぞお楽しみ下さい。相手役を務めてくれるのは……」
「
ロベルト・エメリヤノフ
です、よろしく」
ひらひらと手を振るロベルトに、レオーネが頷く。
「レオーネさん、そこにあるベールを借りてもいいですか?」
レオーネが腰掛けるソファに掛けられた、赤い薄布に金糸で細かい刺繍が施されたベールをアカリが指で示すとレオーネがアカリへと手渡してくれた。
被っていた帽子にローブを脱ぎ、頭の上からベールを被る。それだけで、まるでスイッチでも入ったかのようにアカリの顔付きが変わった。
「千夜一夜の物語を語りましょう」
響く声も、どこか性別を感じさせないものに聞こえる。アカリが演じようとしているのは、アラビアン・ナイト……千夜一夜物語と呼ばれる物語のワンシーンだ。そもそもアラビアン・ナイトとは妻の不貞を見て女性不審となった王が国の若い女を呼び、一夜を過ごしては殺していたのを止める為に大臣の娘、シェヘラザードが王の元に嫁ぎ毎夜、王の興味を惹くような話を語って聞かせ、話の続きを聞きたくなった王がやがて彼女を殺すのを思いとどまり……という物語。
シェヘラザードとなったアカリは、王であるロベルトへ語り掛ける。
「王よ、今宵は昨夜の続きを語りましょう」
ロベルトが頷くと、アカリはロベルトから少し距離を取り、ベールの両端を左右の指で摘んで翻す。
「アリババが盗賊達の宝を奪った事に気が付いた盗賊は、草の根を掻き分けるかのように盗んだ者が誰なのかを調べ上げます。1度目の奇襲は、裕福な身の上となったアリババに仕える若く聡明なモルジアナによって防がれました。そして2度目、盗賊の頭は宝石商に成りすまし、アリババの家に客人として招かれます。そして隠し持っていた短剣でアリババを殺そうとしていたのです」
淀みなく言い切るとアカリが立ち上がり、とんっとステップを踏む。ベールが美しく広がり、アカリの表情が艶めいた。
「けれども、モルジアナはまたしても盗賊の頭の企みを見抜きます。そして、余興として客人に舞いを披露したのです」
床に置いてあった杖を掴み、剣に見立ててアカリが舞う。それは情熱を持った踊りで、全ての視線を一手に集めている。どうか今は、自分だけを見ていて欲しい。他の誰でもなく、今のこの自分を。その視線はロベルトの視線と絡み合う。
踊るうちに、アカリは自分の熱が高まっていくのを感じていた。そして、無意識の内にロベルトへウィンクをすればアカリのろっこん、『ハート・エフェクト』が発動して、アカリの感情がエフェクトとなって溢れ出した。
炎のような、水のような、その美しく切ないエフェクトはアカリの舞いを盛り上げる。そして踊りが最高潮に達した時、アカリは杖をレオーネへと向けた。
「こうして、モルジアナは見事盗賊の頭を討ち取り、アリババを守ったのでした」
杖を下ろし、アカリの表情がモルジアナからシェヘラザードのものへと変わる。
「これにより、モルジアナはアリババの息子と結婚し、盗賊の宝は国中の貧しい者達に分け与えられ、アリババの家は末永く栄え続けたのでした。今宵の物語はこれでお終い……明日はまた王の好きそうなお話を致しましょう。王よ、明日も私の話を聞いて下さいますか……?」
明日も傍にいていいですか? と問い掛けているような切なげな表情に、ロベルトはアカリの演技が前よりも遥かに上手くなっていると思いながら頷いた。
頭を下げたアカリがベールを片手でふわりと脱ぐと、それがお芝居の終了の合図となった。そしてレオーネに向かって深々とお辞儀をすれば、部屋に拍手が湧き上がる。
「とても面白い芝居だった、アカリは優秀な演者なのだな」
「ありがとうございます……!」
アカリの胸に温かな感情が生まれると、持っていた杖が水色の光を放った。それはすぐにレオーネに吸い込まれて消えていく。
「お前の情熱、確かに受け取った。きっと他の者も受け取っているだろう」
その言葉に頭を下げると、アカリはベールをレオーネに返してロベルトの隣へと座った。
「よく頑張ったね」
そう言ってロベルトが頭を撫でると、
「むー……子ども扱いしないでください……」
と、アカリが軽くむくれたけれど、その頬は緩んでいる。
「さ、それじゃ次は僕の番だね!」
キラキラと光る瞳で、ロベルトはレオーネと対面になるように座り直した。さて、なんだかんだで自分で最後かとロベルトが呟けば、だいたい話す内容に心当たりのある2人はやや遠い目をしつつもロベルトの話を聞く為に背筋を伸ばす。
「レオーネ、僕の情熱はいささか特殊でね!」
他に情熱を傾けるものもないのだ、正直に語るより他にない。
「僕にとっては普通だけれど、他の人から見ればどうかな? というものだ」
「ふむ、聞こう。それがお前の情熱だと言うならば」
レオーネの態度は変わらない。それがこの階層を治める主としての姿勢なのだろう。
「では遠慮なく!」
きらんっと星のエフェクトが飛び散ったような気がしたのは気のせいだろうか。そしてここから怒涛のようにロベルトが語りだすのだった。
「時に女性が1匹の悪魔を連れているとすれば、美少年は17匹の悪魔を連れていると言われているんだ……つまり美少年の魔性とは抗えない何かであると僕は思う!」
初っ端から全開だった。周囲の者達の声は様々で、えっ美少年!? という声から、いいぞもっとやれ! という声まで。……誰がどれとは言わないけれど。
「細くしなやかな四肢や宝石と錯覚するかのような瞳……すべてが瑞々しく素晴らしい! 彼らは日々美しさに磨きがかかる……生きた芸術ですよ」
「ふむ……その理論からいけば、美少女でもいいのではないか?」
「甘い! レオーネ、貴女の認識は甘い!」
お、おう。と言わざるを得ないような雰囲気を滲ませてロベルトが否定する。
「もちろん美少女がダメだとかそんな事を言うつもりはないよ? けれど、美少女と美少年であった場合、背徳感が高まるのは美少年だと僕は思うんだ」
完全に知ったこっちゃない話である。けれど、言われてみればそうなのでは……? とほんの少しでも思ってしまう勢いと情熱がロベルトの言葉にはあった。
「そしてそれゆえに人を狂わせることもありますね。恐ろしい……僕は一度彼らのうちの一人に
財布を空にされたこと
があるんです……まあ、そういった棘もその美しさを引き立てますね」
自ら貢ぎに行った気もするのだが、それはそれだ。美少年の美しい棘の前には多少の涙も致し方ないのだ。
「なるほど……魔性を秘めていると言われれば納得もできるな」
「でしょう! まあ僕の好みは完璧で孤高の人ですが、そうではない美少年もまた愛しいものです」
どんな美少年も、美少年であるだけで愛おしい……うっとりと語るロベルトを見て、アカリはそっと床に視線を落とす。やっぱり、ロベルトが見ているのは自分の見た目であって『俺』ではないのだと痛感する。どうすれば、この人は自分自身を見てくれるようになるのだろうか……胸の奥に湧き上がった、まだ自分でもよくわからない感情にアカリは静かに囚われていた。
「以上が僕の情熱、僕の全てです!」
そう爽やかに言い切ったロベルトの手袋を嵌めた手が、茶色い光を放つ。ロベルトがレオーネに向かってその光を宿した手を向ければ、光は舞うようにレオーネに吸い込まれていく。
「最後の星の力なのー! レオーネちゃんの情熱もふっかつーーー! なのー!!」
そう、ステラが叫んだ。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【星幽塔】第七階層 消え去った情熱をもう1度
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月24日
参加申し込みの期限
2016年12月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!