その階層は荒れた様子も見られず、何も問題がなく平和に見えた。けれどオーブは灯っていない。ならば情報収集だ、と
千歳飴 楓子と
来島 アカリは意気揚々と酒場へと向かう。
「とりあえず、生なのー!!」
どこか聞き覚えのあるような声がして、楓子とアカリは顔を見合わせて中へと入った。そこで2人が見た人物とは――!
「ステラだな」
「わかってたけどなー……」
お酒のあるところにステラあり、と言ったところなのだろうか。お酒を飲んでいるからなのか、素面なのかはわからなかったけれど、陽気な精霊は楽しそうに踊っている。そしてそれは酒場の人々に受けていた。
取り合えずこの階層の情報を、と隣り合わせたテーブルに座っている男に話し掛けて見る事にする。
「ちょっと聞きたいんだが」
「おう、なんだいねーちゃん! 何でも聞いてくれよ」
楓子が話を聞き、アカリがそっと男にお代わりのお酒を差し出せば機嫌よく喋ってくれた。
「この階層を治めてんのはよ、それは綺麗な女主様でよぉ」
「ほうほう、女性が治めているのか」
「金の髪は流れる砂金の如く、蒼い瞳は夜空に輝く星のような……なんつーかこう、匂い立つ様な美人で」
手でぼんっきゅっぼんっなスタイルを描きながら男はうっとりと語る。けれど、ぐいっと酒を呷ると悲しげな顔をした。
「何か……あったのか?」
「明るくて強くて、優しい最高の主様、だったんだ」
過去形だ、楓子とアカリは目配せをし合う。アカリがすかさず杯に酒を注ぐと、流れるように男が酒を飲む。
「いつ頃からだったっけなぁ……顔を見せなくなって、館に閉じ篭りっきりになっちまったのさ」
「理由はわからないのかなぁ?」
「わかんねぇんだよなぁ。とにかくそれからだ、館周辺の空気はどんよりとしちまって……街も活気があるように見えるだろうけど、やっぱり元気がねぇんだよな」
なるほど、これは館に行く必要があるのだろう。
「ステラもいくのー!」
どこから聞いていたのか、楓子とアカリの後ろにはステラがえっへんと立っている。置いていってややこしくなるくらいなら連れて行こうと2人はステラを連れて女主が住む館へと向かう。
館の前には、既に情報を得てやって来たのであろう寝子島からやってきた仲間達が集っていて、何故かステラを先頭にアラビアン風な大きなお屋敷の重厚な扉の前に立つ事となったのだった。
「たーのーもーう!!」
ステラが大きな声を張り上げると、中から出てきたのは見るからに執事、といった老紳士。訪れた面々に一分の隙も無い礼をして、
「お待ちしておりました、どうぞ中へお入り下さい。我らがレオーネ様がお待ちでいらっしゃいます」
と、顔を上げた。そしてそれを受けて、ステラが皆に向かって振り向くと笑顔を共にこう言った。
「さーみんなー! レオーネちゃんに、皆のあつーいあつーい情熱をぶつけるのーー!」
「「「!?!?!?」」」」
訳がわからないまま、館を訪れた者達は館の女主人レオーネと対面する事になるのであった。
皆様こんにちは! 『星のサーカス団』の一員、加持蜜子です。
今回はちょっと息抜き? 色物? な第七階層攻略のお誘いに参りました。
千歳飴 楓子さん、来島 アカリさん、ガイドへのご登場頂いたありがとうございました!
ステージ
第七階層は女主人レオーネが治める平和なアラビアン風な都市です。住民達は皆レオーネを敬愛し、レオーネも住民達を宝として統治してきました。
けれど、レオーネはいつしか館から外出する事すらなくなって引き篭もりの状態となっています。
現在はまだ困った事は起きていませんが、オーブの灯りが消えてしまっているので灯す事ができなければいずれ大変な事になるでしょう。
ミッション
館の女主人レオーネに自分の情熱をぶつけて彼女の情熱を目覚めさせろ!
レオーネが館から出なくなった理由は全て執事が教えてくれました。それは彼女の持つ情熱が根こそぎ何者かに奪われてしまい、全ての物事に対して心を動かす事ができなくなってしまったからなのです。その何者かは、既に第七階層にはいませんが、どうやら黒い影のようなモノ……だったようです。
彼女の情熱を取り戻すにはただひとつ、星の力を宿した者が己の情熱をレオーネにぶつける事、ただそれのみ。語り終えると宿した星の力の一欠けらがレオーネへ宿り、彼女の情熱を少しずつ取り戻してくれます。
オーブはレオーネが相棒として可愛がっている獅子の首輪に付いています。レオーネが情熱を取り戻すとオーブに火が灯るでしょう。
情熱とは何か? それは人それぞれでしょうけれど、そうですね……パッション、リビドー、なんて呼ばれる事もありますし、フェティシズムと呼ばれる事も……。
つまりはあれだ、各々の好きな物を語り倒す、行動で語るという事ですね!! 戦う事が好き、お化粧が好き、服が好き、異性や同性のこんな仕草や部位が好き、好きな人のいい所を延々喋り倒す等々、広い意味でのお前の性癖をぶちまけろ!!
戦う事が好き、と言う方はレオーネに戦闘を挑んでもいいですし、寸劇であったり音楽を披露したりなんて事もいいと思います。ろっこんの力や星の力を使って演出したりなんかもいいですね。
こちらからは以上です! 検討を祈る!
登場NPC
・レオーネ
館の女主人、アラビアンチックな衣装を纏った女性。
アラビアンな部屋の大きなソファに横たわって気だるげにしています。
・老執事
館の執事、現在では無気力になってしまった主に代わって館の一切を取り仕切っている。
皆様をレオーネの部屋に案内した後は食事や飲み物を運んだりして皆様をもてなします。
・ステラ
何故か付いてきた、お馴染みの幼女。目当ては多分出される食べ物。
星の力
星幽塔の中では、ひとりにひとつ、不思議な光が宿っています。
このシナリオから、新たに「呪術の光」も使えるようになりました。
剣士の光(青) :剣技が上手くなる
闘士の光(橙) :腕っぷしが強くなる
狩人の光(紫) :弓矢が強くなる
盗人の光(金) :普段より勘がはたらき、器用になる。
(例:宝物を見つけたり、鍵開けが得意になったりする)
魔火の光(赤) :火の魔法を使える/星の光が宿った武器が火属性になる
(例:火の玉を飛ばす魔法が使える、刃に炎を纏ったりできる)
魔水の光(水色):水の魔法を使える/星の光が宿った武器が水属性になる
(例:水流を鉄砲の様に飛ばす魔法が使える、刃に水を纏ったりできる)
魔風の光(緑) :風の魔法を使える/星の光が宿った武器が風属性になる
(例:つむじ風を起こす魔法が使える、刃に旋風を纏ったりできる)
魔土の光(茶) :土の魔法を使える/星の光が宿った武器が土属性になる
(例:土礫を投げつける魔法が使える、刃に砂を纏ったりできる)
癒しの光(白) :自分や他者を癒すことができる
騎士の光(桃) :乗り物(生き物や機械類。大きさは馬程度まで)を巧みに操り戦う
星の力を小型の乗り物に変化させることもできる。
ペガサスなど架空の生き物、一般的な装備などもOK。
(例:炎を吐くチビドラゴン、手綱や鞍のついた馬)※機銃のついたバイクはNG
※アクション例
【騎士の力/剣】馬を巧みに乗りこなす。※この場合乗り物は別途調達
【騎士の力/馬】星の力を馬として実体化し、巧みに乗りこなす
★NEW!
呪術の光(黒) :呪いの力で対象を弱体化させる
(例:体力を奪う、敵の攻撃魔法を弱くする)
光は体に宿ったあと、その者にあわせた形状に変化し、身につけることになります。
(例:指輪、体に埋め込まれる、武器になっている、愛用の武器の装飾に)
※星の力のサポートは、星の力が宿ったアイテムを所持していない時は受けることができません。
※武器(剣、弓、斧、杖など)はひとりひとつ。双剣など2つで1セットのものなども可。
※星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようです。
(このシナリオの中では変化しませんので、今回はひとつだけ選んでください)
※もれいびは「星の力」と「ろっこんの力」の両方使えます。
※ひとは「星の力」を使えます。
※塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
※もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
どの星の光をまとい、その光がどんな形になったかを
アクション冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のようにお書きください。
衣装にこだわりがあればそれもお書きください。
それでは、皆様の熱い情熱をお待ちしております。