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2月の★ハッピーバースデー
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――誕生日、おめでとう
兄と母がそう言ってくれたのは、誕生日よりも一日前、二月十八日の夜だった。
当日の朝は仕事で早いから、と兄が笑い、一番に言いたかったから、と母が笑った。
――明日の夕飯、担当するから。いつもありがとうね
おどけるように言ってくれた母の言葉が嬉しかった。
移動教室のために廊下を渡りながら、
鴻上 彰尋
はほんの少し頬を緩める。朝一番には、寝ている間に同じ布団に潜り込んで来ていた双子の弟妹にも誕生日を祝われた。
――おめでとー
――おめでとう
「誕生日おめでとう、彰尋君」
ぽん、と背中を叩かれ、振り向く。休憩時間で賑わう廊下に立っていたのは、別のクラスの友人。
共通の友人から聞いたのだと言い、彼女はツインテールに結った髪を揺らして笑った。
「あ、ありがとう……」
真っ直ぐなお祝いの言葉と、制服のポケットから取り出した飴玉をひとつ彰尋に贈り、同じく移動教室らしい彼女は教科書と筆箱を胸に抱え、またねと去る。
「うん。また」
小さな飴玉を掌の上、もう片手を挙げて、
「おい、何かあったのか?」
「鴻上」
うっかり立ち呆けた背中を、今度はふたつの手に叩かれた。振り向くよりも先、高く結い上げた鮮やかな赤銅色の髪を揺らし、
獅子目 悠月
が顔を覗かせる。
「おめでとうと言われていたが」
「何かの祝い事か?」
悠月とは反対側の脇からひょこり、幼子のように艶やかに蒼く透ける髪した
来島 アカリ
が顔を出す。
「……祝い事と言うか」
言いかけて、彰尋は照れた。色んな人に祝ってもらえるのがとても照れ臭かった。
「誕生日なんだ」
それ以上に、嬉しかった。
飴玉を大切そうに制服のポケットに仕舞う彰尋を榛色の瞳に映し、悠月は納得する。
「なるほど、誕生日だったのか」
「へー、今日鴻上誕生日なのか、おめでとなー?」
何気なく言ってから、アカリは薄紅色の瞳をパッと輝かせた。
「じゃ、折角だしパーティーしようぜ!」
「パーティ……?」
「誕生日パーティ! 俺の家使えばいいだろ」
目を丸くする彰尋に、最近シーサイドタウンで一人暮らしを始めたアカリは決まり、とばかりに手を打ち合わせる。
「そうだな」
賛同を示したのは、いつも喧嘩ばかりしている悠月。
「鴻上には星幽塔やなんだと世話になってるからな、祝ってやろう」
放課後時間はあるか、と悠月に問われるまま、彰尋は頷く。夕飯の支度をしなくてもいい分、いつもより余裕がある。
「俺たち買い出ししてくっからさ」
「お前は店の前で、……いや、それか先に来島の家に行くのでもいいぞ」
「うん、鴻上は俺んちで待ってろよ」
家主から気軽に鍵を渡され、彰尋は逆に戸惑う。いいのか、と問うよりも早く、家主は手にしていたルーズリーフに手早く簡単な地図を書き込んだ。
渡された地図を見れば、場所は寝子島高校から南へ道を下りたところにある。通りがかりに見たことのある三階建てのマンションがすぐ頭に浮かんだ。
(意外と近いところに住んでるかも)
自宅との距離と展開の速さに驚きつつ、こうなったら、と素直に頷く。友達の家で誕生日を祝ってもらえるなんて、初めてのことかもしれない。
(嬉しいなぁ)
小休憩の時間を気にしてか、アカリが何事を考えている悠月の背を押し、それに一言文句を言いながらも、悠月はアカリと連れ立ってそれぞれの教室に戻る。
「猫とでも戯れててくれ」
悠月の背を押しつつ、アカリが手を振った。
「猫がいるのか」
「名前はウィル」
楽しそうに言ってから、アカリは足早に彰尋の傍に戻り、こそりと囁く。
「でも、うどんって呼ばないと返事しない」
学校が終わるなり買い出しの旅に出る。
「せっかく誕生日だしケーキとか欲しいよな」
たぶん自宅でもケーキが出るだろうと推測し、ならば小さめのものがいいかなと、二月の夕陽に白い頬を紅く染めながらアカリは細い首を捻る。
「あとは軽食とか……折角だしクラッカーも買ってくか」
考えるうちに知らず足が鈍った。ふと視線を上げれば、随分先を歩いていた悠月が遅れたアカリに気付いてか、不機嫌な顔を隠しもせず、それでも足を止めて待っている。
ごめん、と言いかけて言えないまま、駆け足で悠月の隣に立つ。
「獅子目はプレゼントはどうするんだ?」
「……渡すまで見せない方が楽しみが増えるだろ」
ぶっきらぼうに問えば、負けず劣らずぶっきらぼうな返事が返ってきた。アカリが追いつくのを待って歩き出し、悠月はちらり、アカリを見遣る。
「来島は?」
「……どうすっかなー?」
とりあえずは、とふたりが向かったのはキャットロード。商店街に入って間もなく、悠月は迷わぬ足取りで目についた精肉店の自動扉の前に立った。
「何? 肉?」
「待ってろ」
薄紅の目を不思議そうに瞬かせるアカリにまるで犬か猫に言うように言い放ち、悠月はひとり店内に入る。扉の前に置き去られ、ぶんむくれた顔でアカリが待つことしばらく。
出てきた悠月の手に提げられていたのは、高そうな肉の包みとそれに合うようなソースの瓶が入ったレジ袋。
「……あの時あまり食べてなかったしな」
寝子島に夏が舞い戻った二月のとある日、寝子ヶ浜海岸で過ごした一日のことを悠月は零す。旺盛な食欲を示す他の面々の勢いに押され、彰尋は食べるものもほとんど口にせずに肉を焼き続けていた。
「作れるのか?」
「……作れなくは、ない」
心配そうに眉をひそめるアカリに、悠月は唇を引き結ぶ。
(たぶん一番うまく作るのは鴻上だろうが)
いざとなればその彰尋が作るだろうと早々に丸投げを決め込んで、悠月は素知らぬ顔で次は何処に向かうかアカリに問う。
「えーっと、……スーパー、かな?」
「なら向こうか」
返答も待たずに歩き出す悠月にもう一度ちらりとむくれ、アカリは赤銅の髪が揺れる背中を追った。
黄昏に電光看板を光らせるスーパーマーケットの入り口を潜る。入ってすぐのところにある日用品のコーナーを眺めていた制服姿の女子がひょいとふたりを見遣った。
「おー」
「あ、えーっと……」
磊落な笑みを向け、ひらひらと気安く手を振る女子に、アカリは一瞬迷う。
「七緒」
先に小さく悠月が呟き、素っ気なく見えるその癖、どこか優雅な会釈をした。
「七緒先輩、こんばんは」
悠月に倣い、アカリも一学年上の先輩に挨拶をする。
「ショタグループおっすおっす」
学校外で顔を会わせたことのある少年ふたりに、
七緒 璃音
は飾らぬ笑顔を向ける。ついでに飾らぬ言葉も放つ。
(いやぁほら、学年は一歳しか違わないけどね、見た目がね?)
誰にともなく心の中で言い訳しながら、璃音は夕方のスーパーにはあまり似つかわしくない二人組の傍に近づいた。
「そんな事より君ら何してん? 一緒に買い物とか仲良いのねー」
「良くない」
「別に良くない、です」
「あらら」
顔を見合わせて後、互いにそっぽを向く二人組を面白そうな顔でひと眺め。
くすくすと笑う先輩に、悠月は無言で買い物籠を手に店内に入り、アカリが若干慌てた様子で悠月の背を見、璃音を見る。
「俺たちは鴻上……って知ってますかね?」
「鴻上……あー知ってる、ってか情熱面子だし」
シーサイドタウンに主な拠点を置く、もれいびの集会所のような互助組織のような組織は、けれど構成員が全員もれいびであるがためのいわゆる『闇組織』。表だっては大っぴらに動かぬまでも、事があれば集う。『情熱(Leidenschaft)』と名付けられたその組織に籍を置くもれいびは少なくない。
悠月もアカリも、その存在は知っている。
アカリは頷く。
「そいつの誕生日パーティの買い出しに来たんです」
「ふふーん」
七緒は考える風に頭を掻く。
「しかし誕生日ねぇ……」
そうしながらも、その時々に生きる刹那主義者の腹はもう決まっている。
「これはうん、面白そうじゃん? じゃない、祝ってあげたいじゃん?」
眠たそうな栗色の瞳に人の悪い笑みを浮かべる璃音に、けれど断る理由はアカリにはない。
「それなら、」
言おうとした途端、璃音に顔を覗き込まれた。
「決して誕生日をダシにからかいたいとかそういうんじゃないんですよ?」
にこにこ顔で棒読みに告げられ、
「ってなわーけーでー」
ガッシリ、両肩を掴まれた。
「もしよければウチもアッキーの事祝いに混じってもいいかね?」
「ぜ、ぜひご一緒に?」
「うわ細っそ! 君、絶対ウチより軽いわ」
年上のお姉さんに絡まれた挙句、アカリはちょっと傷つけられた。
「アカリ」
女子より細いと宣言された肩や腕に触れては肩を落とすクラスメイトを、買い物籠に必要なものをさっさとひとりで入れていた悠月が呼んで助け船とする。
「では早速共に行こう、ゆづきん、あかりん! お菓子は買ったかね? ケーキは買ったかね? 飲み物は? パーティグッズは?」
助け船が助け船にならなくなりつつある現状をどうすることも出来ない少年ふたりの前、
「やっぱり、獅子目と来島じゃないか!」
新たに現れた助け船は
ロベルト・エメリヤノフ
の姿をしていた。
「こんなところで会うなんて奇遇だね」
「ロベルト」
「ロベルト先輩」
榛と薄紅、ふたりの視線を同時に一身に集め、ロベルトは喜色満面、ほとんど駆け足で悠月とアカリに近づく。
「二人でいて喧嘩しないなんて珍しいな、今日はどうしたんだい?」
彰尋が誕生日であること、三人で祝うことをアカリから説明されてから、ロベルトは初めて少年ふたりの背後に黒幕じみた雰囲気をなんとなく醸し出しつつ立つ璃音の存在に気付いた。
「あれ、七緒!」
君もかい、と心底から目を丸くするロベルトに、ロベルトが少年好きであることを確信している璃音はわざとらしい溜息まじりにひらりと手を振る。
「おっす、ロベ」
「まあ人が増えると賑やかになるよね!」
もうそんな時期なんだね、と彰尋の誕生日を知るロベルトは呟く。彼とは『情熱』という同じ組織に与している縁もある。なんだかんだで世話にもなっている。
「せっかくだし僕も行っていいかい? 買い物も付き合うよ」
遠慮がちに口にしながら、ロベルトはもう彰尋へのプレゼントを考えている。出来れば日々使えそうなものが良い。
お菓子にケーキ、クラッカーに飲み物、必要そうなものを買い込み、揃って店を出、斜向かいに文具屋を見つけたところで、
(良い感じの万年筆とかどうかな)
ロベルトはふと思いついた。
「ごめん、ちょっとだけ待ってて!」
皆に両手を合わせて頼み、文具屋に飛び込む。ホワイトデー仕様な小さな店内には、両肩から三つ編みを垂らした女子高生がひとりきり。真剣な翡翠色の瞳で、棚に並ぶ様々な文具を手にとっては置き手にとっては置き、を繰り返す女子高生の後ろをそっと通り過ぎようとしたところで、ロベルトは気付いた。
「屋敷野?」
「ん? あー、ロベルト先輩じゃないですかー」
『情熱』の副リーダー
屋敷野 梢
は、また別の文具を手に取る。
「ロベルト先輩も買い物ですかー?」
「世話になっている人の誕生日なんだ」
後輩に応じつつ、ロベルトはシンプルなデザインの万年筆を手にレジに向かう。贈り物用のラッピングを頼み、待つ間にもう一度店内を見回せば、梢は気に入ったらしい品物を手に満足そうに淡く微笑んでいた。
(誰かへの贈り物、なのかな)
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ブロンズシナリオ(100)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月14日
参加申し込みの期限
2016年11月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月21日 11時00分
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