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2月の★ハッピーバースデー
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「ん……アレ?」
桜花寮の自室の机に置いた小さなカレンダーとにらめっこをしながら、
楢木 春彦
は夏草色の瞳を細める。
(そういや、もうすぐサヤの誕生日だっけ……)
二月二十八日は、ほとんど家族同然の付き合いだった幼馴染、
一条 紗矢香
の誕生日。
(今年は誕生日ねぇかと思ってたケド)
寝子高に入学し桜花寮に入ったことで実家を離れたため、本土の学校に入学した紗矢香とも必然的に会わなくなっていた。その幼馴染と再会したのは、つい最近、一月に入ってからのこと。
――寝子島には不思議な出来事が多いという噂に惹かれたのよ
艶やかな長い黒髪を揺らし、寝子高へあっさりと編入してきた幼馴染の、表面上は慎ましやかな笑顔が思い浮かんで、春彦は思わずくすりと笑みを零す。
こちらに来ているとあらば、誕生日は祝ってやらなくては。
(プレゼントどーすっかな)
時間のある時に探しに行こう。ついでにケーキも予約しよう。誕生日ケーキはもちろん、バイトをしている洋菓子店『Raton』のもの。折角だから、店長に頼んで、上に飾るチョコプレートの文字を書かせてもらおう。
(……だいぶ不格好になっちまうかな)
制服のネクタイもまだ上手く結べない自分の手先の不器用さを思いながら、春彦はちらりと苦笑を漏らす。友人や身内には手厳しい幼馴染のこと、
(サヤのツッコミくらいそーだケド)
ま、と頬を引っ掻く。
(しゃーねーな……)
思い出すのは、頻繁に互いの家を行き来していた幼い頃。あの頃は、幼馴染の母親がよくケーキを焼いて振る舞ってくれた。そんな環境に育ったからか、幼馴染も小学生になった頃には菓子を作るようになっていた。
――俺も! 俺も手伝ってやる!
母親を真似てケーキを作ろうとする幼馴染の隣に立ち、そう声を掛けた幼い日が瞼に浮かんで、春彦はまた少し微笑む。
今も甘い物が好きなのは、あの幼馴染の影響も少しあるのかもしれない。
――あなたは座って待ってなさい
小麦粉塗れになった台所の作業台を呆れ顔で見遣りつつ、幼馴染に言い放った己の一言を不意に思い出して、紗矢香は思わず柔らかな唇に笑みを刻んだ。
あの時、ケーキ作りを手伝うと言って寄って来た幼馴染は、ろくに材料を計りもせず、小麦粉も砂糖も袋から直接ボウルにぶちまけてくれた。
(ああいう大雑把な所が直るといいのだけど……)
今日は、その幼馴染が誕生日を祝いに来てくれると言う。
――誕生日、祝いに行ってやっから!
突然電話を寄越したかと思えば、こちらの予定も聞かずに告げてきたいつもの明るい声が耳に蘇って、紗矢香は黒い睫毛の影を艶やかな緋色の瞳に落とす。
(まだまだ無理そうね)
畳に端座し、祖母の文机を借りて読んでいた本を閉ざす。寝子島高校に転校してきた折から世話になっている祖母は、今日は留守。
立ち上がり、書棚に本を仕舞う。
幼馴染が旧市街のこの家を訪れる約束の時間まで、まだ少しある。じっと待つだけなのも落ち着かない。それに、
(きっとお腹をすかせているだろうから)
何か料理を用意しておこう。
幼馴染の、見ているこちらが気持ち良いほどの食べっぷりを思い出して、紗矢香はまた少し微笑んだ。
三角巾を頭に、割烹着を身に纏い、台所に立つ。幼馴染が来るたび何かしら作って振る舞っていた実家の母も、もしかしたらこんな気持ちだったのかもしれない。
「よっ、サヤ」
玄関口まで迎えに出てきた幼馴染に、春彦は片手を上げてどこまでも明るく祝う。
「誕生日おめっとーな!」
ありがとう、と幼馴染は優しく微笑んでくれた。
「寒かったでしょう、どうぞ」
「バイト先でケーキ買ってきたから食おうぜ、ココのケーキマジうまいからさっ」
とっておきの宝物を自慢する少年の顔でケーキの箱を掲げてから、春彦は玄関にまで漂ってくる美味しそうな食事の匂いに鼻をひくつかせた。紗矢香にケーキの箱を手渡し、紗矢香よりも先に幼馴染の住む家にあがりこむ。
「ああ、もう。廊下を走らないの」
「凄ぇ、ご馳走じゃん」
鴨肉のロースト、庭で採れた野菜のピクルス、サーモンのマリネ、スパニッシュオムレツ、生ハムとチーズの生春巻き。
春彦の訪問時間に合わせて紗矢香がテーブルに並べた手作りのご馳走を見るなり、春彦は目を輝かせた。淑やかに廊下を渡って来る幼馴染の手を取って跳ねんばかりの満面の笑顔を浮かべ、
「ばーちゃんじゃなくてサヤが作ったのか?」
家主の靴が玄関にないことに思い至って、ちらりと首を傾げる。
「ええ」
「凄ぇ美味そう」
相変わらず真っ直ぐに賛辞を向けて来る春彦に穏やかな笑みを返し、紗矢香は春彦が買ってきたケーキを早速箱から出し皿に乗せる。
鮮やかな紅色も美しい苺が純白の生クリームの上に端然と並ぶ、佇まいも美しい見るからに美味しそうなケーキに顔が綻ぶけれど、
「……?」
ケーキの真ん中に鎮座するチョコレートプレートに綴られた『たんじょうびおめでとう さや』の文字の拙さに、紗矢香は瞬く。
「このプレート、少し文字の形が変わっているわね」
幼馴染に対する遠慮のなさではっきりと口にすれば、春彦は何とも言えない顔で頭を掻いた。
「あー……店長さんの名誉のタメには言っとかねぇとか……」
春彦の表情に、紗矢香は一瞬で理解する。
「ああ、春彦が書いてくれたの」
「こういうのは気持ちだろー」
何かしら言われることを予測してか、困ったような拗ねたような顔をする春彦に、紗矢香は優しく笑んだ。
「いやね、文句なんてないわよ」
春彦のために作った料理の並ぶテーブルに、春彦が買ってきてくれた誕生日ケーキを乗せる。
「一生懸命書いてくれたんでしょう」
幼い頃から不器用だった幼馴染が、四苦八苦しながらプレートにメッセージを書き込む様子が目に浮かんだ。
「ありがとう、春彦」
時に辛辣なまでに本心を口にする幼馴染の、だからこそ本音には違いない、大輪の花が咲くような艶やかな笑顔と謝辞に、春彦は心底から嬉しくなる。
「誕生日プレゼントも一応用意してきたって」
嬉しいついでに照れ臭くもなって、幼馴染の笑顔から目を逸らす。取り出したのはリボンと薄紅色した雪割草の造花でラッピングされた袋。
「ケーキだけで十分なのに……本当にあなたってこういう所はマメよね」
差し出された袋を受け取り、紗矢香は頬を緩めた。
「開けても?」
「おう」
袋を開けてみれば、中には千代紙のような和柄のポーチと、チューブ入りのハンドクリーム。それは、幼馴染であるからこその、紗矢香の好みをよく理解したプレゼント。
「これ……」
以前買おうとしたときには人気のあまり品薄状態で手に入れられなかった、上質な香りを扱うことで有名なブランドの椿の香の限定ハンドクリームと、幼馴染の少年とを、紗矢香は交互に見る。
「探すの大変だったでしょう」
「別に、ンなでもねーよ」
「大切にするわね」
ポーチとチューブ入りクリームとを大事そうに胸に抱く紗矢香を見遣り、春彦は目を細める。
喜んでもらえたことが何より嬉しかった。
何にしようかと散々迷ったことも紗矢香の好みそうなものを探し回ったことも隠して、
「誕生日おめっとーな、サヤ」
春彦は天真爛漫、笑う。
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
お誕生日な一日のあれこれ、お届けにあがりました。
どなたもどなたも、お誕生日おめでとうございますー!
色んなお誕生日を描くことができました。楽しかったです。
少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
それから、いつかまたお会いできましたら、やっぱり嬉しいです。
ではでは、もう一度。
お誕生日、おめでとうございますー!
ちなみに、リアクションの順番はお誕生日の日付順です。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月14日
参加申し込みの期限
2016年11月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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