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「んん~?」
呟きが白い息になるのが楽しくて、
屋敷野 梢
はひとり小さく微笑んだ。
橋の袂の堤防の、狐色に冬枯れた草叢を揺らして跳ねるような足取りで橋の下へ潜り込もうとしている小さな影に見覚えがあった。
(あの短足……)
橋の上の街灯の光に照らし出される明らかに短い足にもう一度笑みを零す。枯草の間に覗くのは、耳も目元も黒の中、鼻先だけが真っ白なハチワレ猫。
(あの野良ですね!)
たまにふらりと家に来ては庭に我が物顔で寝そべり日向ぼっこをしていく野良猫に違いないと見当をつける。短足のせいもあってかどこか愛嬌を感じさせるハチワレ猫は、街のどこかしらで餌を貰っているらしく、いつ見かけてもふっくふくにふくよかで毛並みもつやつやだった。
だから野良と言うよりは、地域猫と言う方が正しいのかもしれない。
(……よーし!)
梢は猫とよく似た弾む足取りで橋を渡る。
袂でくるりと踵を返し、堤防道路から枯れススキの法面に躊躇いなく踏み込む。足元の悪い斜面を跳ねるように降りてススキを分け、砂利の散らばる河原に出てからぐるりを見回す。
短い足を特色とするマンチカンの血でも入っているのか、単純に短足なのか。楽し気に夜の散歩をするハチワレ猫の尻尾は橋の下にすぐ見つけられた。
脅かさないよう、わざと河原の砂利を音立てて踏む。振り返る猫にゆっくり会釈して挨拶してから、距離を保ってしゃがみこむ。ひらひらと手を振ってみる。
「おいで~、エサはないですけどー」
振っていた手を差し伸べるように膝に置く。ハチワレ猫はぱちりと瞬きした後、ひょいと梢に向き合った。気紛れな仕草に見せかけて、短い足で梢の元へと跳ね寄る。
「お、きたきた」
差し伸べた手にふかふかのハチワレ頭を擦りよせてくれる猫に思わず嬉しい声を上げ、梢は夏草色の大きな瞳を細めた。
小さな頭を撫で、耳の後ろを掻き、しなやかな背から尻尾までを触る。
実のところ、猫とはいい思い出があまりない。
それは梢のろっこんが己の身を蝶と化させるがため。蝶となった梢は、猫からすれば狩りの対象物。
(何度追いかけられたことか……)
命をかけた鬼ごっこの思い出を少なからず思い出し、思わず唇を尖らせる。尖った唇から零れた息に気付いてか、膝に脇腹を擦りつけていたハチワレが金色の瞳をもたげた。
どうかした?、とでも聞きたげに首を傾げるその顔があまりにも人畜無害に見えて、膝によじ登ろうとしても出来ない不器用な短足があまりにも可愛らしく見えて、梢は知らず頬を緩める。
「大丈夫、野良ちゃんは好きです」
とは言え、触れ合うのは今回が初めて。
庭で無防備に寝転んでいても、学校の行き帰りに道端で眼が合っても、これまではお互い知らぬ顔を決め込んでいた。
「なんか、」
猫の温かな両脇に手を差し入れて抱き上げる。
「不介入の関係、壊しちゃいましたね」
にゃあ、返事するように猫が鳴いて、梢は頷き返す。
「まーいっか」
うりうり、と胸に抱きしめる。小さな頭を顎の下に感じて笑えば、ハチワレ猫は応じるように嬉しそうな声をあげた。その声や仕草をうっかり可愛いと思ってから、梢は照れて笑う。
「自分が可愛いってわかってますね? この小悪魔ー」
猫とふたり、キャアキャアとじゃれあっていて、けれど不意に橋の下を流れて過ぎた冷たい北風に、梢は夢から覚めたが如く瞬いた。
穏やかに流れる川面に煌く街の光を眺め、その街の光を揺らがせ波打たさせる冷たい夜風に白い息を吐き出す。
「それにしても、今日ホント寒いですね……」
抱き寄せた猫に言うでもなく囁いて、最後のひと撫でとばかり柔らかく温かな背に触れる。
猫を河原に下ろす。短い前脚を揃えて座る猫を見下ろして立ち上がり、つと視線を逸らす。
冬の夕暮れは早いとは言え、家に帰った方がいいかもしれない。共に暮らしている祖父のためにも、そろそろ夕食を作らなくては。
「川のそばは寒いですし、野良ちゃんも風邪引いちゃダメですよ?」
にゃう、足元で名残惜し気に鳴く猫に、梢はさらりと言い放つ。
「じゃー行くかなー、また遊びましょ!」
きっぱりと言ったのに、ハチワレ猫は頷くようにを頭を振るなり梢と並んだ。歩けば歩いた分だけぴたりとついてくる猫を振り返り、梢は腰に手を当てて軽く叱る格好をする。
「もー。エサはないんですよー?」
言った瞬間に冬風が吹き寄せた。思わずマフラーに顎を埋めてから、足元に諦めずに纏わりつく猫の体温に肩をすくめる。猫だって、きっと寒いものは寒い。
(家の中には上げられませんけど)
タオルと風よけになる段ボール箱くらいは用意してあげられる。猫のための居場所を作ってしまえば、もしかすると今までよりも家に訪れるかもしれないけれど、
(ま、この子いたずらはしてませんし、もっと遊びに来るようになってもいっか!)
言い訳じみて胸のうちに思ってから、ぎゅっと眦を決する。
「でも、餌付けはしませんからね!」
にゃ、と猫が鳴く。
「カワイイ声出してもだめですよー」
もう一度、にゃ、と鳴いて、猫は梢の先に立って歩き始めた。旧市街の方向へ短い足を向ける猫に、もしかするとこちらの言葉を理解しているのかもしれないと梢は思う。
「ペットはですね、チンチラを飼いたいんですよ……」
猫の思い通りに事が運んでいるようにも思えた。抗うように口にする。
「猫じゃないですよ、齧歯目の方です」
銀灰色の毛を持つ小さな生き物は、もしかしなくとも猫からしてみれば格好の獲物と成り得る。
「野良ちゃん、変身できません?」
ひとの言葉を解するようなハチワレ猫に言ってみても、猫はご機嫌に高く掲げた尻尾を揺らすばかり。
(なーんて)
猫の後を追い、蝶に変身できる少女は堤防道路に続くススキ原を揺らす。
夕風に雨の匂いが混ざっている。冷たい雨が降るより先に、
「じゃあ、帰りますかー」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月29日
参加申し込みの期限
2016年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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